この記事の監修者
-
フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
デイサービス【通所介護】とは何か、サービス内容や費用、メリット、デメリット、利用方法などご紹介します。
2024年9月30日
デイサービスとは、自宅で日常生活を送っている要介護の認定を受けた高齢者が利用できる介護保険サービスのひとつで、通所介護ともいいます。老人ホームのように施設に移り住むのではなく、自宅から日帰りで施設へ通って介護サービスを受けることができます。
デイサービスでは、できるだけ自宅で自立した生活が続けられるように、食事や入浴などといった日常生活上の世話や機能訓練など、身体機能の維持・向上を目指したサービスが提供されます。 また、レクリエーションも行われ、体を動かすゲームや作品づくりなどで、 高齢者のQOL(=生活の質)の向上を目指します。デイサービスは、利用者本人のためはもちろんのこと、日々介護に追われる家族がリフレッシュする時間を設けることができるので、介護負担の軽減にもつながります。
―介護サービスについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください―
▶ 「介護サービスとは?種類や内容の一覧、利用の流れを解説」
デイサービスとデイケアなどの類似サービスとの違いは、利用目的と人員体制です。
デイサービスは通所介護ともいい、できる限り自立した日常生活を送れるようにすることを目的として、生活相談員や介護士、看護師、機能訓練指導員による食事や入浴などの介助を中心としたサービスが提供されます。
デイケアは通所リハビリテーションともいい、心身機能の維持回復や日常生活の回復、認知機能の改善を目的とし、デイサービスの人員に加えて医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による専門的なリハビリ中心のサービスが提供されます。
デイサービスには、「特化型」「認知症対応型」「お泊まり」などの種類があります。「特化型」は、リハビリに特化しているなど、何かに特化したサービスを提供しているデイサービスのことでフィットネスジムのようにトレーニング機器が揃っているリハビリ特化型デイサービスや、料理、フラワーアレンジメント、日帰りツアーなどが楽しめる趣味特化型デイサービスなどがあります。「認知症対応型」は認知症の方を専門に受け入れているデイサービスで利用者定員12名以下の少人数であることが特徴で普通のデイサービスより手厚い介護が可能となっています。「お泊まり」は、昼間はいつもどおりのデイサービスを受けてから夜もそのまま泊まることができる施設です。ただし宿泊費には介護保険が適用されないため、全額自己負担となります。
デイサービスを利用するには、要介護認定を受けている必要があります。要介護認定とは、どの程度の介護や支援が必要であるかに分けて示したものです。要介護度は、要支援1・2、要介護1〜5に区分され、要支援より要介護の方が重度で、数字が大きいほど介護を必要とする度合いが高くなっています。
デイサービスの利用は、基本的に要介護1〜5と認定された方が対象ですが、施設によっては要支援の方も受け入れているところがあります。まだ要介護認定を受けていない方は、まず各自治体の窓口で申請手続きを行いましょう。
―要介護認定についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください―
▶ 「要支援と要介護の違いとは?認定基準と違いについて解説」
デイサービスに配置されている職員は、下記のとおりです。
施設の管理や運営、人材マネジメントなどを行います。小規模施設の場合は、介護業務を行いながら管理業務も兼務することがあります。
社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を持ち、施設利用に関する相談に応じます。ケアマネジャーと連携しながら、連絡調整や契約手続きなどの事務も担当します。
看護師または准看護師の資格を持ち、利用者の健康状態の確認や医療的ケアを行います。サービス提供時間帯を通じて専従する必要はなく、訪問看護ステーションなどと連携していることもあります。
食事や入浴など身の回りの世話や移動介助など様々なケアを行います。レクリエーションの計画や実施も担当します。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師または、あん摩マッサージ指圧師のいずれかの資格を持っています。利用者ができる限り自立した日常生活を送るため様々な機能訓練を実施し、他の職種と兼務することも可能です。
<配置基準>
管理者 | 常勤者1人(兼任も可) |
生活相談員 | 専従で1人以上 |
看護職員 | 専従で1人以上 |
介護職員 | 【利用者が15人までの場合】 専従で1人以上 【利用者が15人を超える場合】 利用者が1人増えるごとに0.2人以上を上記に加える |
機能訓練指導員 | 常勤者1人以上 |
※生活相談員または介護職員のうち1人以上は必ず常勤の必要があります。
デイサービスは、様々な介護サービスの中でも日常生活に欠かせない食事や入浴などの介助を中心としたサービスを提供してくれます。介護士や看護師、機能訓練指導員、生活相談員の専門的指導によって、自宅で自立した生活を送れるようにサポートを行い、家族が介護する負担の軽減や社会的な孤立を防止してくれます。
デイサービスでは、医療行為や医療的ケアは医師が常駐しないため実施できません。看護師や准看護師は医療職になりますが、療養上の世話と診察の補助はできても、医療行為自体は認められていません。そのため、全ての医療行為は、緊急かどうかに関わらず医師の指示が求められます。
もし胃ろうや吸引などの医療措置が必要な高齢者の場合は、デイサービスでの介護を受けられませんので十分に気をつけましょう。また、身体機能を回復させるためリハビリテーションが必要であると医師の診断を受けた場合は、デイサービスでなく、デイケアを選ぶ必要があります。
自宅で自立した生活が送れることを目指すデイサービスでは、実際どのようなサービスが提供されているのか、具体的にご紹介していきます。
デイサービスでは、昼食やおやつが提供されます。施設によっては、夕食の提供や、帰る際に持ち帰り用のお弁当を購入できる場合もあります。自宅での食事は、栄養的にも内容が偏りやすくなりますが、デイサービスで提供される食事は栄養バランスがきちんと考えられているため、健康的な食生活のサポートにもなります。
デイサービスでは、介護スタッフに介助してもらいながら入浴できるサービスが提供されます。個室、大浴場など浴室のタイプは施設によって異なりますが、一般的には大浴場で順番に入浴することが多いです。介護度の高い方でも寝たままや座ったままの状態で入浴できる機能がついた機械浴がある施設もあります。入浴中はスタッフによるサポートが受けられるため、自宅の浴室では不安な方でも安心して入浴できます。
機能訓練とは、日常生活上で必要な動作の維持・改善を目指して行う訓練のことです。歩行訓練やラジオ体操のような体を動かすものから脳のトレーニングまで様々な機能訓練があります。リハビリは医師の指導のもとで行う必要がありますが、機能訓練は医師の指導の必要はなく、機能訓練指導員などの職員が中心となって実施されます。
デイサービスでは、囲碁、将棋、カラオケ、体を使ったゲームや体操、作品づくりなどのレクリエーションを行う時間があります。施設によって内容は様々ですが、誰もが参加しやすく楽しめるレクリエーションが実施され、機能訓練を兼ねた内容になっていることが多いです。他の利用者と交流する機会にもなり、他人とのコミュニケーションが減少しがちな高齢者にとってよい刺激となるでしょう。
―レクリエーションについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください―
▶ 「認知症の方向けのおすすめレクリエーションは?その効果や楽しんでもらうコツを紹介」
デイサービスでは、自宅から施設まで車で送迎してくれるサービスが提供されています。車椅子のまま乗り降りができるリフト車もあるため、どのような状態でも安心して通うことができます。ただし、施設によって送迎可能な範囲が異なる場合もありますので、自宅から施設までの距離が遠いときは、家族による送迎が必要になる可能性も考慮するようにしましょう。
デイサービスで過ごす一日はどのような流れなのか、一般的な例をご紹介します。
8:30〜【お迎え】
施設のスタッフが、車で自宅まで迎えに来てくれます。他の利用者と相乗りになることもあります。
9:30〜【健康状態のチェック】
施設に到着したら手洗い、うがいを済ませ、体温や血圧を測定し、体調に異常がないか健康状態の確認を行います。
10:00〜【レクリエーション】
季節にちなんだテーマの作品づくりや、簡単な体操、囲碁、将棋などのゲームをする施設もありますが、レクリエーションの内容は施設によって異なります。
10:30〜【入浴・機能訓練など】
職員の介助で入浴します。順番に入浴するので、他の利用者が入浴中は、機能訓練や趣味活動などを行いながら待ちます。
12:00〜 【昼食】
栄養バランスの整った食事が提供されます。
13:30〜 【レクリエーション・自由時間】
体を動かすゲームや体操、また脳のトレーニングになるクイズなどもよく行われます。
15:30〜 【おやつ】
みんなでおやつを食べながら、リラックスした時間を過ごします。
16:30〜 【お見送り】
施設のスタッフが、車で自宅まで送ってくれます。
このようなスケジュールで1日を過ごすことが多いですが、施設によって特色やコンセプトが異なりますので、施設を選ぶ際には利用者が心地よく過ごせるサービスが提供されているかどうかを確認してみるとよいでしょう。
デイサービスの利用料金には介護保険が適用されるため、自己負担額は原則として1割(所得に応じて2〜3割)となります。介護保険サービスの費用は、円ではなく単位で計算され、利用時間と要介護度によって定められています。また住んでいる地域によって金額は変動しますが、今回は 1単位あたり10円で換算した利用料金の目安の例をいくつかご紹介します。
通常規模型通所介護とは、1か月の延べ利用者数が301人以上750人以下の比較的規模が大きいデイサービスのことで。事業所の規模や所要時間によって費用が設定されており、送迎などの費用も下記に含まれています。
利用料金の目安(自己負担額1割の場合)
1回につき | 7時間以上8時間未満の場合 |
要介護1 | 648円 |
要介護2 | 765円 |
要介護3 | 887円 |
要介護4 | 1,008円 |
要介護5 | 1,130円 |
―参照:厚生労働省 通所介護・地域密着型通所介護 ・認知症対応型通所介護―
▶ 「通所介護・地域密着型通所介護の報酬」
地域密着型通所介護とは、利用定員が18名以下の小規模なデイサービスで、事業所の所要時間によって費用が設定されており、通常規模型通所介護よりも費用が少し高いことが特徴です。
利用料金の目安(自己負担額1割の場合)
1回につき | 7時間以上8時間未満の場合 |
要介護1 | 739円 |
要介護2 | 873円 |
要介護3 | 1,012円 |
要介護4 | 1,150円 |
要介護5 | 1,288円 |
―参照:厚生労働省 通所介護・地域密着型通所介護 ・認知症対応型通所介護―
▶ 「通所介護・地域密着型通所介護の報酬」
利用するサービスに対して追加でかかる費用を加算料金といいます。
特定の条件を満たすサービスや人員体制に対して追加で請求され、「加算額」「サービス加算」など施設によって料金の表記が異なることがあります。それぞれの項目に対して単位数が定められており、下記はその中の一部です。このように、利用料金に加えて追加で料金がかかる場合があることも覚えておきましょう。
加算料金
1回につき | |
入浴介助加算(Ⅰ) | 40円/回 |
栄養改善加算 | 200円/回(月2回まで) |
口腔機能向上加算(Ⅰ) | 150円/回(月2回まで) |
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ | 56円/回 |
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ | 76円/回 |
―参照:厚生労働省―
▶ 「令和6年度介護報酬改定」
また介護保険が適用されない費用として、昼食やおやつなどが提供される施設の食費は全額自己負担となります。他にもオムツなど施設が用意している日用品や備品を使用した場合の費用、レクリエーションで使用する材料費などについても施設によって金額は異なりますが自己負担となります。
施設で許可されている場合は、私物を持参して費用を抑えるのもひとつの方法です。
機能訓練やレクリエーションで体を動かしたり、脳を使ったりすることで、心身の機能の維持や向上が期待でき、認知症予防にも効果的です。日中に活動することで、生活リズムを整えることにもつながります。
他の利用者とのコミュニケーション、趣味の活動やレクリエーションを楽しむなど、デイサービスに通うことで家族以外の方と交流する機会が増え、生活にメリハリがでてくるでしょう。デイサービスの利用がきっかけで、新しい趣味や生きがいを見つける人もいます。
デイサービスは、介護者が息抜きをする時間や、介護負担の軽減に役立ちます。自宅での入浴介助は難しいため、デイサービスで入浴を済ませられると、介護する家族の負担を減らすことにも繋げることができます。
デイサービスの利用頻度が多くなり、要介護度が重度の場合には、費用負担が大きくなることが考えられます。食費など介護保険適用外の料金が発生することも忘れずに覚えておきましょう。
施設の雰囲気に馴染めない、他の利用者と相性が合わないなど、デイサービスの利用がストレスに感じてしまうこともあります。施設によって雰囲気や特徴は異なりますので、事前に見学に行くことをおすすめします。
食事にとても力を入れている施設もあれば、入浴にこだわっている施設もあるなど、施設によってそれぞれ特色があります。レクリエーションの内容も、集団で行うものをメインにしているところもあれば、個別で楽しむものを中心とする施設もあり、中には機能訓練に特化した内容を実施しているところもあります。施設によってサービス内容に差があるため、自宅から一番近いという理由だけで選んでしまうと、希望していたサービスが提供されないことも考えられるため注意が必要です。
デイサービスの利用をおすすめできるのは以下のような方です。
日常生活を送る中で、必要な食事や入浴、排泄などの動作を自力で行うことが難しくなってきたら、デイサービスに通ってみるとよいでしょう。機能訓練やレクリエーションを通じて、身体機能の維持・向上を目指せます。デイサービスでは介護のプロによる介助が受けられるため、安心して任せられます。
デイサービスの食事は、栄養バランスが考えられたメニューなので、自宅で偏った内容の食事をとってしまいがちな方におすすめです。利用者の状態に応じた内容の食事が提供され、家で調理する負担も軽減できます。
外出する機会が減って家に閉じこもりがちになり、社会的に孤立した状態になる高齢者も少なくありません。デイサービスに通うことで、職員や他の利用者とコミュニケーションをとる機会ができ、孤独感の解消が期待できるでしょう。社会参加を促すことで、自分らしさや自信を取り戻すことにもつながります。
デイサービスにいる間は、職員が介護をしてくれるため、家族は安心して心を休められます。在宅介護は、介護する家族の負担が大きいため、介護疲れで共倒れしてしまう恐れもあります。そうならないためにも、デイサービスを活用し、家族がリフレッシュする時間を確保することが大切です。
―在宅介護についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください―
▶ 「在宅介護とは?在宅介護サービスの種類やメリット・デメリットをご紹介」
前述したとおり、要介護認定を受けていることがデイサービスの利用条件となっているので、まだ認定を受けていない場合には各自治体の窓口または地域包括支援センターでの申請が必要です。本人が申請できない場合は、家族などが代理で行うことも可能です。
要介護認定を申請すると、調査員による聞き取り調査や主治医の意見書をもとに一次判定、二次判定が行われます。審査結果に基づいて介護度が認定され、申請から約1ヶ月程度で結果が通知されます。
―介護認定調査についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください―
▶ 「介護認定調査とは?当日に心がけるべきこと」
要介護認定を受けたら、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらいます。ケアプランとは、利用者やその家族の要望に合わせて、どのようなサービスを利用していくかをまとめた介護サービス計画書のことです。ケアプランに沿ってサービスを利用していくため、今抱えている困り事や、本人、家族の要望はきちんとケアマネジャーに伝えておきましょう。
―ケアプランについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください―
▶ 「ケアプラン(介護サービス計画書)とは?作成方法や文例、注意点を解説」
利用するデイサービス施設を選びます。施設によって、提供されているサービス内容や費用、特徴なども異なるため、利用する前にきちんと確認しておくことが大切です。施設選びに迷ったら、ケアマネジャーにおすすめを聞いてみるのもよいですし、気になる施設があれば一度足を運んで見学してみるとよいでしょう。
―ケアマネジャーについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください―
▶ 「ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?役割・仕事内容・資格について解説」
デイサービスを利用する場合、基本は自宅から通うことになりますので、介護用品・福祉用具をしっかり準備しておくと利用者本人はもちろんのこと、家族にとっても安心です。例えば一人での歩行が難しい場合、手すりや歩行器、車いすなどがあるとデイサービスに行くまでの支度がスムーズになります。何があればいいのか、何が必要なのかわからないなどのお困りごとがあれば、介護用品・福祉用具のパイオニアとして40年以上の実績を持つフランスベッドの専門スタッフにぜひご相談ください。
デイサービスは、要介護の認定を受けた高齢者が自宅から日帰りで介護を受けることができるサービスです。上手に利用すれば介護する家族の負担軽減になりますし、デイサービスに通うことで、新しい趣味や楽しみができることにつながり利用者本人の生活の質(QOL)を高めることの期待もできます。利用する施設によって雰囲気や力を入れているポイントは異なりますので、今回の記事を参考に利用者や家族の意向に沿った施設を探してみてください。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
商品やサービスに関するご質問、
ご相談にお答えしています。
商品やサービスに関するご質問、
ご相談にお答えしています。
まずはお気軽に資料請求を。
無料カタログをご送付致します。
今回発送いたしますカタログは、一部商品の仕様や価格など異なる場合がございます。ご了承ください。