ショートステイとは、施設に短期間宿泊し、介護や生活支援を受けられるサービスのことをいいます。介護する方が冠婚葬祭や体調を崩すなどして在宅介護ができないときに短期間利用することができます。
提供施設は大きく分けて3種類あります
ショートステイを提供している施設は、大きく分けると次の3つがあります。
① 短期入所生活介護を提供している施設
② 短期入所療養介護を提供している施設
③ 介護保険適用外のショートステイ施設
短期入所生活介護と短期入所療養介護
短期入所生活介護と短期入所療養介護を提供している施設を利用する場合は、介護保険が適用されます。
① 短期入所生活介護
短期入所生活介護は、食事や入浴など日常生活上の支援、機能訓練、レクリエーションやリハビリなどを受けられるサービスです。
―短期入所生活介護サービスを提供している主な施設―
・特別養護老人ホーム
・一部の有料老人ホーム
・ショートステイ専門の施設 など
② 短期入所療養介護
短期入所療養介護は、医療型ショートステイとも呼ばれ、日常生活上の支援はもちろん、医師や看護師による医療ケア、理学療法士や作業療法士などの専門スタッフによるリハビリなどが受けられるサービスです。
―サービスを提供している主な施設―
・介護老人保健施設
・介護療養型医療施設
・病院 など
介護保険制度を利用できるショートステイと介護保険適用外のショートステイ
【介護保険適用外のショートステイ】
介護保険が適用されるショートステイと違い、要介護認定を受けていない高齢者でも利用することができます。日常生活上の支援や機能訓練、レクリエーションなど、施設によって様々なサービスが提供されます。
―サービスを提供している主な施設―
・有料老人ホーム
ショートステイの利用ができる期間
ショートステイは1日単位で利用可能で、連続して利用する場合は最長30日までと決められています。また、介護認定期間(要介護認定の有効期間)の半数までしか利用できず、例えば介護認定期間が180日の場合は90日までの利用が可能です。
ショートステイを利用するための条件
介護保険適用のショートステイを利用できるのは、要介護認定を受けている方に限られます。担当のケアマネジャーにケアプランを作成してもらう必要があります。介護保険適用外のショートステイの場合は、自立(非該当と認定)の方でも利用できることが多く、ケアプランを作成する必要はありません。
―ケアプランについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「ケアプランとは?介護に必要な計画書の作成方法と注意点について解説」
ショートステイを利用したい場面
1日単位で利用できるショートステイは、下記のような様々な場合に利用することができます。
●介護者が冠婚葬祭や旅行などで出かけるとき
●介護者が仕事や出張で家を空けるとき
●介護者が体調を崩したとき
●介護者がリフレッシュしたいとき
●特養などの施設へ入所するまでの待機期間
●将来施設へ入ることを考えて体験入居したいとき など
ショートステイを利用するメリット
ショートステイには次のようなメリットがあります。
【メリット1】介護者の負担軽減につながる
在宅介護は、身体的にも精神的にも負担が大きく、無理をして介護者が体調を崩してしまうこともあります。ショートステイを利用することで、介護者は少しの間介護から離れて自分のためだけの時間をつくることができます。このような息抜きが介護の負担軽減につながります。
【メリット2】施設入居体験ができる
ショートステイを利用することで、将来的に施設への入居を考えている場合は、施設での過ごし方や雰囲気を実際に体験することができます。このように施設入居体験することで今後の施設選びの参考にすることができます。
【メリット3】利用者の気分転換にもつながる
ショートステイを利用し、レクリエーションでコミュニケーションをとる、自宅では難しいリハビリが受けるなどすることによって利用者の気分転換にもつながれることもできます。
ショートステイを利用するデメリット
ショートステイにはデメリットもあります。
【デメリット1】予約が取りづらい
ショートステイは1日単位で気軽に利用できるため利用希望者も多いです。特に連休などは予約が取りにくくなります。利用したい日が決まっている場合は、早めにケアマネジャーに相談するようにしましょう。急用でショートステイの利用が必要になったときのために、施設の候補をいくつか挙げておくとよいでしょう。
【デメリット2】一時利用のため環境に馴染みにくい
ショートステイは短期的な利用のため、いつもと違う環境にうまく馴染めず、ストレスを感じてしまうことがあります。環境の変化が苦手な認知症の方の場合は、ショートステイに対して抵抗を感じるかもしれません。