この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
在宅介護には、どれくらいの費用がかかるのか?有料老人ホームと比較するとどちらを選ぶのがいのか?在宅介護の平均費用、老人ホームとの比較、要介護度別に必要とされる費用など詳しく解説します。
2025年2月21日
介護が必要になった時、どれくらいの費用が必要になるのか心配だと思います。最初に、在宅介護にかかる費用についてみてみましょう。 まずは、介護費用を「一時的にかかる費用」と「月額費用」に分けて考えましょう。
一時的にかかる費用とは、手すりの設置や段差をなくすなどの住宅リフォームや、車椅子やベッドなどの介護用品購入にあてる初期費用のことです。公益財団法人生命保険文化センターの 「令和6年度生命保険に関する全国実態調査(P.428)」によると調査時点までにかかった合計額の平均は約115万円となっています。この平均額は、在宅介護に限定していない介護全体の数字ですが、一時的にかかる費用の多くは在宅で安全に過ごすためにかかる費用ともいえますので参考にしてください。
月額費用とは、デイサービスなどの介護施設や訪問介護の利用、医療費やおむつ代などとして継続的に必要な費用のことです。こちらも公益財団法人生命保険文化センターの 「令和6年度生命保険に関する全国実態調査(P.429)」によると、在宅介護にかかる平均額は月約3.7万円となっています。施設での介護にかかる平均額が月12.5万円ですので在宅介護は施設での介護に比べて費用は押さえられることになります。
それぞれの費用はあくまでも平均額であり、要介護度などによって金額は変動します。一言で介護と言っても様々なケースがあるため、目安としてお考えください。在宅介護は、費用は押さえられるものの介護者への負担がとても大きくなります。介護する環境を整える必要もあるため事前準備も欠かせません。介護によるストレスで介護者が体調を崩す場合もありますので息抜きすることを忘れず、無理のない範囲で介護を行いましょう。
要支援・要介護認定を受けていれば、介護保険を利用して20万円以内の住宅改修を原則1割(所得に応じて2~3割)の自己負担で必要な箇所に行えます。こうした介護保険サービスをうまく活用し、費用を抑えながら少しでも介護の負担を軽減できるようにしましょう。
介護に費やす期間は一般的に5〜10年程度といわれ、要介護度が上がるほど費用も高くなっていきます。在宅介護に絞った数字ではありませんが、要介護度別に1ヶ月あたりに必要な介護にかかる平均費用を以下の表にまとめましたので参考にしてください。
要介護度 | 月額費用 |
要介護1 | 47,000円/月 |
要介護2 | 66,000円/月 |
要介護3 | 71,000円/月 |
要介護4 | 89,000円/月 |
要介護5 | 122,000円/月 |
介護施設・老人ホームに入所する場合には必要な費用としては主に、入居一時金(前払い)、 月額費用(家賃/水道光熱費など)、 介護保険の自己負担額の3種類となります。
次に、公共介護施設のタイプ別に、一時的にかかる費用および月額費用をまとめましたので参考にしてみてください。
介護施設の種類 | 一時的にかかる初期費用 | 月額費用 |
特別養護老人ホーム(特養) | 0円 | 約10万〜13万 |
介護老人保健施設(老健) | 0円 | 約8万円〜15万円 |
介護医療院 | 0円 | 約8万~15万円 |
軽費老人ホーム(ケアハウス) | 0~数十万円 | 約6万円〜17万円 |
次に要介護度別に「在宅介護」と「有料老人ホーム」で必要となる月額介護費用を比較してみます。金額は平均値を用いた概算ですので、あくまでも目安としてみてください。利用するサービスや事業所によっては、介護保険適用外の費用がかかる場合があります。また、有料老人ホームに入所する際は一時入居金が必要となりますが、今回は月額費用の比較のため入居金等は含んでいません。
【Aさんの状況】
一人暮らしの75歳男性。食事や排泄など身の回りのことはたいていできるが、認知能力や運動機能が少し低下していて部分的な介護が必要。
<在宅介護の場合>
■介護サービス 127,800円 → 自己負担額(1割の場合)12,780円
[サービス内容]
・デイサービス(12回)86,760円
・訪問介護(12回) 41,040円
■医療費 5,500円
■生活費 100,000円(食費、光熱費、家賃など)
合計118,280円
<特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム)の場合>
■介護サービス 185,410円 → 自己負担額(1割の場合)18,541円
■医療費 5,500円
■生活費 192,083円
(管理費、食費、家賃など)
合計216,124円
【Bさんの状況】
一人暮らしの80歳女性。歩行や立ち上がりなど日常生活における動作が困難で、食事や排泄など身の回りのことが介護なしではできない状態。
<在宅介護の場合>
■介護サービス 261,740円 → 自己負担額(1割の場合)26,174円
[サービス内容]
・デイサービス(12回)115,320円
・訪問介護( 16回)51,680円
・訪問入浴介護(4回) 57,080円
・訪問看護(4回)21,000円
・福祉用具貸与 16,660円
■医療費 5,500円
■生活費 100,000円(食費、光熱費、家賃など)
合計131,674円
<特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)の場合>
■介護サービス 229,730円 → 自己負担額(1割の場合)22,973円
■医療費 8,200円
■生活費 192,083円
(管理費、食費、家賃など)
合計223,256円
【Cさんの状況】
一人暮らしの85歳女性。介護がなければ生活が不可能で、意思の疎通ができない程に重度。
<在宅介護の場合>
■介護サービス 403,600円 → 自己負担額(1割の場合)40,360円
[サービス内容]
・デイサービス(16回)186,720円
・訪問介護(16回) 54,240円
・訪問入浴介護(8回) 114,880円
・訪問看護(4回)23,480円
・福祉用具貸与 24,280円
□ショートステイ(4回)→ 全額自己負担44,800円
■医療費 5,500円
■生活費 100,000円(食費、光熱費、家賃など)
■おむつ代 8,000円
合計198,660円
<特定施設入居者生活介護「介護付有料老人ホーム」の場合>
■介護サービス 273,510円 → 自己負担額(1割の場合)27,351円
■医療費 8,200円
■生活費 192,083円
(管理費、食費、家賃など)
■おむつ代 8,000円
合計235,634円
※費用計算参考サイト
・厚生労働省 「介護サービス情報公表システム」
・有料老人ホーム「生活費」
厚生労働省 「平成27年度高齢者向け住まいの実態調査_報告書(P.38~42)」
在宅介護と施設入所のどちらが適しているのか、経済的な理由だけで考えず、 本人の状態や、介護する側がおかれている環境・状況を見ながら判断することが大切です。
介護のための時間を十分に確保でき、家族や親戚などと協力しあって介護を続けられる状況であれば在宅介護を選択してもよいでしょう。介護によるストレスで介護者が体調を崩してしまうこともあるため、ホームヘルパーやデイサービスなどの介護サービスを上手に活用し、無理せずできる範囲での介護を目指しましょう。一人で抱え込まず、困ったことがあれば家族やケアマネジャー、主治医に相談するようにしましょう。
仕事などで家を空けることが多い場合や、介護レベルにより家族だけでの介護が難しい場合は、施設入所を検討してもよいでしょう。要介護レベルが上がるにつれて、24時間の見守りが必要になるなどケアの方法も難しくなっていきます。施設に入所すれば、専門的なケアを受けることができ、体調に異変があっても迅速に対処してもらえるため安心です 。
介護は先が見えず不安に感じることも多いはずです。本人・家族にとって最適な選択ができるよう、ケアマネジャーとも相談しながら介護プランを考えてみましょう。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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