この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
ポータブルトイレの機能や種類にはどのようのあものがあるのか。使い方からお手入れ方法、おすすめのポータブルトイレまで詳しく解説します。
2026年1月11日
ポータブルトイレとは、持ち運び可能な簡易型トイレのことです。歩行が不安定な人や夜間にトイレの回数が多い人などトイレまでの移動が難しい場合に寝室などベッドの近くに設置して使用します。ポータブルトイレは特定福祉用具購入費の支給対象になるため、購入するときに介護保険を利用できます。
※下記のいずれかに当てはまる場合は、おむつを使用する前にポータブルトイレの設置を検討してみましょう。
・尿意や便意があり、排泄のタイミングが判断できる場合
・短い距離であれば自力で移動できる場合
・自分で下着の着脱が可能である場合
・トイレに座って姿勢を保持できる場合
※介護用品購入について詳しくはこちら
ポータブルトイレの機能は種類によって異なります。通常のトイレと同様に便座の暖房機能や脱臭機能が付いているものなど様々です。ポータブルトイレの機能をいくつかご紹介します。
●座面高さの調整機能
体格や身体状況に合わせ、座面の高さを調整できるタイプ。ベッドサイドに置いて使用する場合は、ベッドと座面の高さを同じくらいに揃えることで移乗しやすくなります。
●ひじ掛け
ひじ掛けによって座り姿勢を支えることができます。移乗の邪魔にならないように、跳ね上げや取り外しができる可動式タイプもあります。
●ソフト便座
排泄に時間がかかる、おしりがやせているなどの場合はやわらかい、ソフト便座があります。
●シャワー洗浄機能※
シャワーでおしりを洗浄できる機能が付いたタイプ。おしりを拭きにくい場合でも清潔に保つことができるので肌トラブルの予防になります。シャワーが温水のものもあります。
●暖房機能※
便座の暖房機能が付いたタイプ。冬場でも温かく便座の冷たさによるショックが軽減できるので安心です。
●脱臭機能・ラップ処理式※
脱臭機能が付いたタイプや排泄物をラップで密閉することができるラップ処理式のタイプ。ベッドサイドなど部屋の中で使用するため、気になることが多いポータブルトイレの臭いを軽減することができます。
●水洗式
水で排泄物を流せる水洗式ポータブルトイレもあります。トイレ使用後の後始末が不要のため介護負担の軽減につながりますが、設置するためのスペースや工事が必要になります。
※印をつけた機能については「おすすめ機能2選」でさらに詳しく解説します。
プラスチック製標準型のポータブルトイレは軽量で持ち運びやすく、お手入れもしやすいです。あまりスペースをとらないコンパクトタイプや多機能付きタイプなど種類が豊富で、比較的価格が安いのも特徴です。軽量である分、安定性に欠けるため、立ち座りが安定している人や座ったままの姿勢を保てる人におすすめです。
木製いす型のポータブルトイレは家具調とも呼ばれます。重量があり安定性が高いため、立ち座りや座位保持が難しい人でも使用できます。木製のため見た目が部屋にマッチしやすく、フタをすれば普通のイスとして使用できるタイプもあります。排泄に長い時間がかかる場合は、背もたれやひじ掛けが付いているタイプであれば座り心地がよく使いやすいでしょう。プラスチック製に比べるとお手入れがしにくく、比較的高価になります。
金属製コモード型は安定感があって立ち上がりやすく、軽量で持ち運びやすいポータブルトイレです。座面の高さ調整が簡単で、掃除もしやすくなっています。アーム部分が動くので横移乗しやすく便利です。デメリットとしては、部屋のインテリアとマッチしにくい点が挙げられます。
スチール製ベッドサイド設置型はベッドサイドに設置するスチール製のポータブルトイレです。座面の高さ調整ができ、手すりの片方がないため横移乗しやすくなります。設置の際は、ベッドのマットレスと座面の高さを揃えましょう。デメリットは重量があるため移動しにくいところです。
ポータブルトイレを使うとどのようなメリットがあるのでしょうか?
部屋からトイレまでの間に距離や段差があって歩行が難しくトイレまで行けない場合にポータブルトイレを設置すると自力で排泄することができます。日中はトイレまで行けても夜間に移動するのは暗くて不安という方には、夜用として寝室にポータブルトイレを設置しておくと安心です。
トイレまでの廊下が狭い、トイレに十分な広さがないなどの場合はトイレ介助が難しくなります。介助スペースが十分に確保できる寝室にポータブルトイレを設置すれば、サポートがしやすくなります。
トイレへ行って用を足すまでには様々な動作が求められます。夜間にトイレへ行く回数が多い場合は、視界が悪く転倒のリスクも高まります。介護する家族も十分な睡眠が取れず負担が大きくなります。ポータブルトイレを活用すれば、トイレまで誘導する必要がないなどトイレ介助の負担を軽減することができます。
ポータブルトイレ選びの6つのポイントを紹介します。
事前にポータブルトイレの設置場所を決めておきましょう。ベッドからポータブルトイレへの移乗のしやすさ、介助のしやすさを踏まえて部屋のどこに置くのが便利なのかを考えて選ぶことが大切です。設置場所が決まれば必要となる機能も想定できますし、スペースに収まるサイズのポータブルトイレを選ぶことができます。トイレ介助が必要な場合でも、プライバシーを配慮して間仕切りなどの設置も検討しましょう。
本人の身長や体格にあった座面やひじ掛けの高さ、便座の大きさを考えてポータブルトイレを選びましょう。高さや便座の大きさが合っていないと、座ったままの姿勢が安定しにくく排泄時にストレスを感じてしまいます。
軽量のポータブルトイレは持ち運びしやすいかわりに安定性が低くなります。足腰が弱い方、座ったままの姿勢をキープするのが難しい方が使用する場合は転倒のリスクがあるため安定感を考慮し重量のあるタイプを選びましょう。便器の下に蹴り込みスペースがあれば、立ち上がるときに足を便器側に引くことができるので姿勢が安定します。
排泄に時間がかかる場合、背もたれが有ると肉体的な負担を軽減することができます。無理な姿勢を長時間保つ必要がないので落ち着いて排泄できます。
ひじ掛けが取り外せる、跳ね上げできるなどのタイプは、移乗しやすく介助の負担軽減にもつながります。高さ調整機能が付いていれば、身体状況の変化に応じて調整することができるため便利です。
ポータブルトイレには暖房機能や脱臭機能など様々な機能が付いています。利用する方の身体状況やニーズに合った機能が付いているものを選択しましょう。
紹介した機能の中でも特におすすめするポータブルトイレの機能を2つご紹介します。製品によって様々な機能があるので迷う方も多いかもしれませんが、今回おすすめするのは、利用者の要介護度や身体的状況、体格、設置場所の広さ、予算、使われている素材、そして介助する側や本人のストレス面なども踏まえた次の機能になります
・ニオイ対策に有効な脱臭機能・自動ラップ機能
・利用者の快適性を高めるシャワー機能・暖房便座
おすすめの機能の一つは、ニオイ対策です。
例えば、電源をいれるだけで脱臭してくれるタイプは、尿や便から発生する臭気成分に対して科学的に中和や分解する機能が備わっています。消臭剤や消臭液などの併用を前提としているタイプのポータブルトイレは、フィルター交換や機械のメンテナンス、消臭剤の補充などコストはかかりますが、ニオイの対策としては有効です。自動ラップ式ポータブルトイレは、排泄物を専用のフィルムやラップ材などで毎回包んで密封できるので、介助する側の精神的負担を軽減できます。片付けや掃除をする際、排泄物に触れる回数もおのずと少なくなるため衛生的にも良いでしょう。
利用者の快適性を高める機能もおすすめです。
シャワー洗浄タイプは、おしり拭きだけだと排泄物が肌に残ってしまうのを、シャワー洗浄することより清潔な状態を保てます。水勢や水温の調整ができるものもありますので使用する方や季節にあわせて調整もできます。
暖房便座は、便座に座った瞬間の冷たさが軽減され快適です。冬の寒い時のヒートショックが起きるリスクも減らせるでしょう。夜間や冬でも安心して座れるので、排泄リズムが乱れにくくなる効果も期待できます。排泄というプライバシーに関わる介助は、利用者本人にも精神的なストレスがかかりやすいため、シャワー機能や暖房便座などの機能があることによって「自分でトイレができる」という自立感が生まれれば、心理的な面においてもQOL向上につながりやすいでしょう。
ポータブルトイレの使い方は自力で排泄できる場合と介助が必要な場合で異なります。
【自力で排泄できる場合の使い方】
1.ベッドから起き上がり、手すりやひじ掛けで体を支えながらポータブルトイレまで移動します。
2.ズボンと下着をおろし、ポータブルトイレに座ります。
3.排泄後は自分で拭き取り、立ち上がって下着とズボンを上げます。
4.ポータブルトイレからベッドに戻ります。
【介助が必要な場合の使い方】
※身体状況や体格、部屋の環境によって移乗方法は異なります。
1.ベッドに浅く座ってもらいます。
2.体を支えて立ち上がらせ、ポータブルトイレまで移動します。
3.手すりなどに掴まって安定した姿勢をとってもらい、その間にズボンと下着をおろします。
4.体を支えながら、ゆっくりとポータブルトイレに座らせます。
5.排泄後、陰部を綺麗に拭き取ります。
6.介護者の首に両腕を回してもらうか手すりに掴まって腰を浮かせてもらい、ズボンと下着をあげます。
7.体を支えながらベッドへ移動します。
排泄物は、便座の下にあるバケツに入ります。トイレが済んだらバケツを取り外して排泄物をトイレに流しましょう。バケツの底にトイレットペーパーや水に流せるペーパータオルを敷いておけば汚れがつきにくく処理が簡単です。バケツの中はお風呂のシャワーを使って洗うことが多いですが、抵抗がある場合はトイレ用のブラシと洗剤で掃除し、ペットボトルなどの別容器に入れた水ですすいでトイレに流しましょう。
ポータブルトイレを使用する上で気になるのがニオイです。できるだけ毎回排泄物の処理をしてバケツをしっかり洗いましょう。塩素系漂白剤を使用すると、ニオイや黄ばみを落とせます。排泄物が座面やひじ掛けに飛散して付着し、ニオイの原因になっている場合もあるのでバケツ以外もこまめに掃除しましょう。ニオイ対策として、トイレ用消臭剤を置いてみるのも良いでしょう。
下記のような排泄物の処理が簡単にできるタイプのトイレや便利グッズを使うことも介護の負担軽減につながります。
■ポータブルトイレ専用紙バッグ
ポータブルトイレに専用の紙バッグをセットするだけで、中に入った排泄物をそのまま丸めて燃えるゴミとして処理できます。使い捨てのためコストはかかりますが、トイレ使用後の水洗いが不要になるため後処理が楽になります。
※お住まいの地域の分別ルールに従って廃棄して下さい。
■ラップ式ポータブルトイレ
ラップ式ポータブルトイレは排泄物を自動でラップにくるんで密閉してくれます。ニオイを抑えるだけでなく、ラップにくるんだ排泄物をそのまま燃えるゴミとして処理することが可能です。
※お住まいの地域の分別ルールに従って廃棄して下さい。
■バイオトイレ
バイオトイレは水を一切使わずに微生物の力で排泄物を分解、処理することができるトイレです。専用のバイオチップを敷き詰めたトイレに排泄された糞尿は攪拌され、微生物の力によって分解されます。製品の種類や使用頻度によって異なりますが、年に1~3回のペースでバイオチップを交換します。バイオチップが減った分だけ補充するタイプもあります。
便座の下に受けバケツがあり、その中に排泄物がたまる仕組みになっているポータブルトイレを清潔に保つための洗浄・消毒の方法をご紹介します。
清潔に保つために、まずバケツの底にトイレットペーパーを敷いておくと便がこびりつくのを防げるので、そのあとの清掃が楽になります。バケツの中にあらかじめ少量の水を入れておくことでニオイの拡散を抑えられます。バケツが汚れたときは、トイレ用のブラシと洗剤を使って清掃し、水でよくすすいでからトイレに流します。バケツだけでなく便座やフタも汚れが付着しやすいので、トイレットペーパーや清掃用のシートなどを使ってきれいに拭き取りましょう。感染症対策の観点から、市販の漂白剤などを使って消毒することも大切です。洗浄や消毒後は定期的に窓を開けて換気し、乾燥させましょう。
ポータブルトイレの後片付けが楽になる便利グッズもご紹介します。
グッズとしては様々な種類がありますが、比較的手に入れやすく活用しやすくおすすめなのが処理袋や凝固剤です。処理袋は、事前にバケツの中に敷くことで排泄後そのまま袋ごと捨てられる使い捨ての袋のことです。凝固剤は、排泄物をゼリー状に固めてニオイを封じ込める薬剤のことで排泄後にすぐ振りかければ固まってニオイが発生しにくく、その後の処理もスムーズになります。この2つを併用して使うことで、片付けが楽になるでしょう。その他の対策として有効なのは、ポータブルトイレ用の消臭剤を使ってニオイを防ぐことや、防水マットを敷いて尿が床に飛び散らないようにすることなどの方法があります。
ポータブルトイレの購入方法についてご存じですか?介護保険は適用されるのか、どこで購入するのかなど詳しい条件や購入までの流れなどをご紹介します。
ポータブルトイレの購入には、介護保険が使えるのでしょうか?
実は、一定の条件を満たし、介護保険指定の福祉用具販売事業所で購入すれば「特定福祉用具購入」として保険が適用されます。介護保険制度には、車椅子などのレンタルが可能な「福祉用具貸与」、そして個人の身体サイズに合わせる必要があるものや衛生面などの観点から、レンタルではなく購入となる「特定福祉用具購入」の2つに分けられます。ポータブルトイレを含む腰掛便座は、特定福祉用具購入に該当するため介護保険が適用されます。
では、対象となる条件や自己負担はどうなるのでしょうか?
介護保険適用の対象となる条件は、要介護(要支援)の認定を受けていることです。購入する際の条件としては、厚生労働省の基準に該当する商品であること、自治体などに登録された「特定福祉用具販売事業者」から購入すること、ケアマネジャーが必要性を認めており、ケアプランに記載があることなどが条件として挙げられます。
厚生労働省により特定福祉用具の対象となる腰掛便座は、下記のいずれかに該当するものと定められています。
1. 和式便器の上に置いて腰掛式に変換するもの
2. 洋式便器の上に置いて高さを補うもの
3. 電動式またはスプリング式で立ち上がりを補助する機能を有するもの
4. 便座・バケツ等からなり、移動可能で居室で利用できるもの
※出典:厚生労働省 介護保険の福祉用具に係る告示及び解釈通知
http://www.techno-aids.or.jp/mhlw/kokuji120313.pdf
介護保険を利用してポータブルトイレを購入する場合の自己負担額は1割(所得に応じて2~3割)となります。また、注意が必要なのは、特定福祉用具購入限度額は年間(4月から翌3月まで)10万円までとなっています。この限度額は、ポータブルトイレ以外の特定福祉用具購入分も含んだ金額のため、超過分は全額自己負担となりますので注意しましょう。
申請から購入(給付)までの具体的な流れと注意点は次のようになります。
①ケアマネジャーに相談する
まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。ケアマネジャーはどのような福祉用具が必要かを見極めてくれるため、介護保険制度を使ってポータブルトイレを購入した方が良いと判断すれば、ケアプランに記載します。
②事前申請する
自治体へ「特定福祉用具購入費支給申請書」を提出します。自治体によっては事前申請が不要な場合もありますが、購入前に申請することを条件とする場合が多いです。
③承認後に購入
申請書を提出後、自治体により購入が認められれば特定福祉用具販売事業者から一旦全額自己負担で購入します。
④領収書とともに支給申請
購入した際の領収書や、カタログ・仕様書などを添えて払い戻しを申請します。
⑤給付
審査後、自己負担額である1割(所得に応じて2~3割)を除いた金額が口座に振り込まれます。
注意したいポイントは、ポータブルトイレを購入してから自治体へ申請する場合が多いですが、多くの自治体は、事前に申請することも給付対象の条件に含んでいる可能性が高いので気をつけましょう。また、一般の販売店やホームセンターなどの「特定福祉販売事業者」以外のところから購入した場合も給付の対象外となります。指定を受けた販売業者が分からない場合、事前にケアマネジャーに確認しておきましょう。
介護用品購入について詳しくはこちら
フランスベッドのECショップ「ホームケア全科オンライン」でポータブルトイレを取り扱っています。
ご紹介したポータブルトイレの種類や特徴、選び方を参考にお選びください。
※デザインが同様の商品でも、機能や型式により価格が異なります。
ポータブルトイレはベッドから短距離で移動でき、トイレで排泄する習慣を維持できるなど利用者の自立支援を促してくれる便利な福祉用具です。ポータブルトイレには、様々な機能や種類があります。利用する方の身体能力に合っているか、商品のニオイ対策機能は十分かどうかなど使用する際のことだけでなく、掃除のしやすさ、設置スペースなども踏まえて本人や介護者の負担を軽減できるものを選びましょう。
ポータブルトイレは、腰掛便座の一種になるため介護保険制度を利用しての購入も可能です。検討している方は、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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