ポータブルトイレとは?種類や選び方から利用方法まで解説

ポータブルトイレの機能と種類にはどんなものがあるのか。また選び方のポイントやメリット、おすすめのポータブルトイレを紹介します。

2020年10月20日

ポータブルトイレとは?

ポータブルトイレとは、持ち運び可能な簡易型トイレのことです。歩行が不安定な人や夜間にトイレの回数が多い人などトイレまでの移動が難しい場合に寝室などベッドの近くに設置して使用します。ポータブルトイレは特定福祉用具購入費の支給対象になるため、購入するときに介護保険を利用できます※。下記のいずれかに当てはまる場合は、おむつを使用する前にポータブルトイレの設置を検討してみましょう。

・尿意や便意があり、排泄のタイミングが判断できる場合
・短い距離であれば自力で移動できる場合
・自分で下着の着脱が可能である場合
・トイレに座って姿勢を保持できる場合

※介護用品購入について詳しくはこちら

ポータブルトイレの
機能と種類

ポータブルトイレの機能について

ポータブルトイレの機能は種類によって異なります。通常のトイレと同様に便座の暖房機能や脱臭機能が付いているものなど様々です。ポータブルトイレの機能をいくつかご紹介します。

●座面高さの調整機能
体格や身体状況に合わせ、座面の高さを調整できるタイプ。ベッドサイドに置いて使用する場合は、ベッドと座面の高さを同じくらいに揃えることで移乗しやすくなります。

●ひじ掛け
ひじ掛けによって座り姿勢を支えることができます。移乗の邪魔にならないように、跳ね上げや取り外しができる可動式タイプもあります。

●ソフト便座
排泄に時間がかかる、おしりがやせているなどの場合はやわらかい、ソフト便座があります。

●シャワー洗浄機能
シャワーでおしりを洗浄できる機能が付いたタイプ。おしりを拭きにくい場合でも清潔に保つことができるので肌トラブルの予防になります。シャワーが温水のものもあります。

●暖房機能
便座の暖房機能が付いたタイプ。冬場でも温かく便座の冷たさによるショックが軽減できるので安心です。

●脱臭機能・ラップ処理式
脱臭機能が付いたタイプや排泄物をラップで密閉することができるラップ処理式のタイプ。ベッドサイドなど部屋の中で使用するため、気になることが多いポータブルトイレの臭いを軽減することができます。

●水洗式
水で排泄物を流せる水洗式ポータブルトイレもあります。トイレ使用後の後始末が不要のため介護負担の軽減につながりますが、設置するためのスペースや工事が必要になります。

プラスチック製標準型

プラスチック製標準型のポータブルトイレは軽量で持ち運びやすく、お手入れもしやすいです。あまりスペースをとらないコンパクトタイプや多機能付きタイプなど種類が豊富で、比較的価格が安いのも特徴です。軽量である分、安定性に欠けるため、立ち座りが安定している人や座ったままの姿勢を保てる人におすすめです。

木製いす型

木製いす型のポータブルトイレは家具調とも呼ばれます。重量があり安定性が高いため、立ち座りや座位保持が難しい人でも使用できます。木製のため見た目が部屋にマッチしやすく、フタをすれば普通のイスとして使用できるタイプもあります。排泄に長い時間がかかる場合は、背もたれやひじ掛けが付いているタイプであれば座り心地がよく使いやすいでしょう。プラスチック製に比べるとお手入れがしにくく、比較的高価になります。

金属製コモード型

金属製コモード型は安定感があって立ち上がりやすく、軽量で持ち運びやすいポータブルトイレです。座面の高さ調整が簡単で、掃除もしやすくなっています。アーム部分が動くので横移乗しやすく便利です。デメリットとしては、部屋のインテリアとマッチしにくい点が挙げられます。

スチール製ベッドサイド設置型

スチール製ベッドサイド設置型はベッドサイドに設置するスチール製のポータブルトイレです。座面の高さ調整ができ、手すりの片方がないため横移乗しやすくなります。設置の際は、ベッドのマットレスと座面の高さを揃えましょう。デメリットは重量があるため移動しにくいところです。

ポータブルトイレ選びの
ポイント

ポータブルトイレ選びの6つのポイントを紹介します。

ポイント1:設置場所を決める

事前にポータブルトイレの設置場所を決めておきましょう。ベッドからポータブルトイレへの移乗のしやすさ、介助のしやすさを踏まえて部屋のどこに置くのが便利なのかを考えて選ぶことが大切です。設置場所が決まれば必要となる機能も想定できますし、スペースに収まるサイズのポータブルトイレを選ぶことができます。トイレ介助が必要な場合でも、プライバシーを配慮して間仕切りなどの設置も検討しましょう。

ポイント2:座面やひじ掛けの高さ、便座の大きさを考える

本人の身長や体格にあった座面やひじ掛けの高さ、便座の大きさを考えてポータブルトイレを選びましょう。高さや便座の大きさが合っていないと、座ったままの姿勢が安定しにくく排泄時にストレスを感じてしまいます。

ポイント3:安定感を考える

軽量のポータブルトイレは持ち運びしやすいかわりに安定性が低くなります。足腰が弱い方、座ったままの姿勢をキープするのが難しい方が使用する場合は転倒のリスクがあるため安定感を考慮し重量のあるタイプを選びましょう。便器の下に蹴り込みスペースがあれば、立ち上がるときに足を便器側に引くことができるので姿勢が安定します。

ポイント4:背もたれの有無

排泄に時間がかかる場合、背もたれが有ると肉体的な負担を軽減することができます。無理な姿勢を長時間保つ必要がないので落ち着いて排泄できます。

ポイント5:パーツの着脱・調整ができるかどうか

ひじ掛けが取り外せる、跳ね上げできるなどのタイプは、移乗しやすく介助の負担軽減にもつながります。高さ調整機能が付いていれば、身体状況の変化に応じて調整することができるため便利です。

ポイント6:機能の選択

先に述べたように、ポータブルトイレには暖房機能や脱臭機能など様々な機能が付いています。利用する方の身体状況やニーズに合った機能が付いているものを選択しましょう。

ポータブルトイレを使う
メリット

ポータブルトイレを使うとどのようなメリットがあるのでしょうか?

【自力で排泄できる】

部屋からトイレまでの間に距離や段差があって歩行が難しくトイレまで行けない場合にポータブルトイレを設置すると自力で排泄することができます。日中はトイレまで行けても夜間に移動するのは暗くて不安という方には、夜用として寝室にポータブルトイレを設置しておくと安心です。

【介助スペースを確保できる】

トイレまでの廊下が狭い、トイレに十分な広さがないなどの場合はトイレ介助が難しくなります。介助スペースが十分に確保できる寝室にポータブルトイレを設置すれば、サポートがしやすくなります。

【転倒リスク回避とトイレ介助の負担軽減】

トイレへ行って用を足すまでには様々な動作が求められます。夜間にトイレへ行く回数が多い場合は、視界が悪く転倒のリスクも高まります。介護する家族も十分な睡眠が取れず負担が大きくなります。ポータブルトイレを活用すれば、トイレまで誘導する必要がないなどトイレ介助の負担を軽減することができます。

ポータブルトイレの
使い方・処理方法

1.使い方

ポータブルトイレの使い方は自力で排泄できる場合と介助が必要な場合で異なります。

【自力で排泄できる場合の使い方】

1.ベッドから起き上がり、手すりやひじ掛けで体を支えながらポータブルトイレまで移動します。
2.ズボンと下着をおろし、ポータブルトイレに座ります。
3.排泄後は自分で拭き取り、立ち上がって下着とズボンを上げます。
4.ポータブルトイレからベッドに戻ります。

【介助が必要な場合の使い方】※身体状況や体格、部屋の環境によって移乗方法は異なります。

1.ベッドに浅く座ってもらいます。
2.体を支えて立ち上がらせ、ポータブルトイレまで移動します。
3.手すりなどに掴まって安定した姿勢をとってもらい、その間にズボンと下着をおろします。
4.体を支えながら、ゆっくりとポータブルトイレに座らせます。
5.排泄後、陰部を綺麗に拭き取ります。
6.介護者の首に両腕を回してもらうか手すりに掴まって腰を浮かせてもらい、ズボンと下着をあげます。
7.体を支えながらベッドへ移動します。

2.処理方法

排泄物は、便座の下にあるバケツに入ります。トイレが済んだらバケツを取り外して排泄物をトイレに流しましょう。バケツの底にトイレットペーパーや水に流せるペーパータオルを敷いておけば汚れがつきにくく処理が簡単です。バケツの中はお風呂のシャワーを使って洗うことが多いですが、抵抗がある場合はトイレ用のブラシと洗剤で掃除し、ペットボトルなどの別容器に入れた水ですすいでトイレに流しましょう。
ポータブルトイレを使用する上で気になるのがニオイです。できるだけ毎回排泄物の処理をしてバケツをしっかり洗いましょう。塩素系漂白剤を使用すると、ニオイや黄ばみを落とせます。排泄物が座面やひじ掛けに飛散して付着し、ニオイの原因になっている場合もあるのでバケツ以外もこまめに掃除しましょう。ニオイ対策として、トイレ用消臭剤を置いてみるのもよいでしょう。

下記のような排泄物の処理が簡単にできるタイプのトイレや便利グッズを使うことも介護の負担軽減につながります。

■ポータブルトイレ専用紙バッグ

ポータブルトイレに専用の紙バッグをセットするだけで、中に入った排泄物をそのまま丸めて燃えるゴミとして処理できます。使い捨てのためコストはかかりますが、トイレ使用後の水洗いが不要になるため後処理が楽になります。
※お住まいの地域の分別ルールに従って廃棄して下さい。

■ラップ式ポータブルトイレ

ラップ式ポータブルトイレは排泄物を自動でラップにくるんで密閉してくれます。ニオイを抑えるだけでなく、ラップにくるんだ排泄物をそのまま燃えるゴミとして処理することが可能です。
※お住まいの地域の分別ルールに従って廃棄して下さい。

■バイオトイレ

バイオトイレは水を一切使わずに微生物の力で排泄物を分解、処理することができるトイレです。専用のバイオチップを敷き詰めたトイレに排泄された糞尿は攪拌され、微生物の力によって分解されます。製品の種類や使用頻度によって異なりますが、年に1〜3回のペースでバイオチップを交換します。バイオチップが減った分だけ補充するタイプもあります。

ポータブルトイレの
購入方法

ポータブルトイレは、福祉用具の販売を行う店舗またはインターネットなどで購入できます。ポータブルトイレを含む腰掛便座は「特定福祉用具」の対象種目になります。特定福祉用具販売事業所から購入すれば介護保険が適用され、自己負担額が原則1割(所得に応じて2〜3割)になります。(※介護保険が適用されるのは要介護(要支援)認定を受けている方のみです。)

厚生労働省により特定福祉用具の対象となる腰掛便座は、下記のいずれかに該当するものと定められています。

1 和式便器の上に置いて腰掛式に変換するもの
2 洋式便器の上に置いて高さを補うもの
3 電動式又はスプリング式で便座から立ち上がる際に補助できる機能を有しているもの
4 便座、バケツ等からなり、移動可能である便器(居室において利用可能であるものに限る。)

※出典:厚生労働省 介護保険の福祉用具に係る告示及び解釈通知
http://www.techno-aids.or.jp/mhlw/kokuji120313.pdf

特定福祉用具の購入限度額は年間(4月から翌3月まで)10万円です。この限度額はポータブルトイレ以外の特定福祉用具購入分も含んだ金額であり、超過分は全額自己負担となります。 購入する前に、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。

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※デザインが同様の商品でも、機能や型式により価格が異なります。