この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業企画部
副部長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
介護用の手すりについて、なぜ手すりが必要なのか、手すりの種類、選び方、取り付け場所別の設置ポイントや介護保険の利用の仕方などを解説します。
2026年10月10日
高齢者をはじめとする要介護者が安全かつ快適に暮らすために、手すりは必要なもののひとつです。手すりには一体どのような役割があるのでしょうか?
手すりにつかまることで足腰にかかる負担が分散され、バランスを取り、歩くことのサポートになります。
特に高齢になると筋力の低下や病気による麻痺などでスムーズな歩行が難しくなることや、身体の機能が低下して痛みが伴い、歩くことが億劫になることも考えられます。このような場合でも、、手すりにつかまることで足腰にかかる負担が分散され、バランスを取りやすくなって歩きやすくなります。
手すりは、ベッドから起き上がる、便座から立ち上がる、浴槽をまたぐなどの日常的な動作のサポートになります。
特に足腰が弱くなっている高齢者にとっては日常生活の動作も大きな負担となります。手すりにつかまって体を支えることができれば、体への負担が軽減されて比較的スムーズに行うことができます。体を支えたり抱えたりする機会も減るため、介護する方の体力的な負担を和らげることにもつながります。
手すりの設置により転倒、転落を防止することができます。
特に高齢者は、運動機能の低下や筋力低下によってバランスを崩しやすくなるため、若い人に比べると転倒や転落のリスクが高まります。反射神経の低下も重なり姿勢を立て直しにくく、段差で足を踏み外したり、濡れた床で足を滑らせたときにバランスを崩し転びやすくなります。打ちどころが悪いと骨折などの大ケガや後遺症が残ってしまうこともあるので、手すりの設置はあらかじめ転倒リスクを軽減することにつながります。
水平型は、地面や床に対して水平に設置して使用する一般的な手すりのことです。 家の中では、廊下や玄関、トイレに設置されることが多く、つかまって手を滑らせながらの移動が可能です。トイレや玄関などに短い水平型の手すりを設置しておけば姿勢を安定させるためにも役立ちます。
縦型(I型)は、アルファベットの「I」のような形状で、地面や床に対して垂直に設置するタイプの手すりです。トイレや玄関に設置されることが多く、立ち座りや段差を上るときなどの体の上下移動をサポートします。
L字型は、アルファベットの「L」のような形状で、水平型と縦型を一体化したような手すりです。トイレや浴室に設置されることが多く、立ち上がりの動作や姿勢保持に役立ちます。手すりを設置する位置が便座や浴槽に近すぎると重心移動が難しく、腕の力が必要となって手すりの効果を発揮できないので注意が必要です。
階段用の手すりは、階段の上り下りをサポートし、転倒や転落を防ぐ手すりです。階段の傾斜に合わせて、できる限り左右両側に設置することが理想的です。片側だけ設置する場合は、下りるときの利き手側に手すりがくるように設置しましょう。
据え置き型は、床に置いて使用する手すりです。壁に手すりを設置できない場所や、ベッドやソファなどの近くに置いておけば、立ち上がりの動作を補助することができます。必要に応じて移動させることができるのも据え置き型の特徴です。
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適切な手すりを選ぶポイントはまず利用者本人の身長に合っているかどうかです。手すりの高さを使用する本人の身長や身体状況に合わせましょう。測り方は、手首の位置に合わせるなどいくつかの方法がありますが、地面から手すり上部までの高さが約75~85センチになることが多いです。手すりによって歩くことを目的としているのか、立ち座りなどの補助に使用する手すりなのか、用途によっても適切な高さが異なるので注意して決めましょう。
手すりは利用者本人の身体状況によっても種類、設置場所などの選び方が異なります。
普段の様子を観察し、どこにどのタイプの手すりを設置すれば便利になるかなどを見極めることが必要です。例えば、立ち上がるときに手前の机などを引っ張って立ち上がる人には突っ張り型、肘掛けや座面を下に押して立ち上がる人には据え置き型など、身体状況に合わせた使いやすい手すりを選びましょう。
手すりの素材は木製、金属製など様々で、選び方のポイントのひとつとなります。設置場所に合わせて、使い心地や使い勝手の良い素材を選びましょう。例えばステンレス製は丈夫でさびにくいので屋外に設置することが多くありますが、夏は日差しで熱くなりすぎたり、冬は冷えてしまうというデメリットがあります。触り心地を重視するのであれば、木製の方がよいと考えられます。製品によっては、防水加工や滑り止め加工が施されているものもあり、浴室などの水に濡れる場所でも安心して使うことができます。
手すりは素材だけでなく、サイズも重要なポイントです。設置するスペースに対して大きすぎる手すりを選ぶと、体をぶつける、介助の妨げになるなども考えられるため、設置場所に適したサイズのものを選びましょう。
手すりの太さや形状なども手すりを選ぶ上でとても重要なポイントです。 手のサイズや握力を考慮し、握りやすい太さと形状のものを選びましょう。公共の場で設置されている一般的な手すりは、直径約3〜4センチで比較的太めになっています。自宅で使用する場合は、少し細めのしっかりと握れる手すりがよいでしょう。あくまで目安になりますが、手すりを握ったときに指先が触れる程度の太さがよいとされています。手すりを握ることが難しい場合は、手や肘を乗せたまま移動できる楕円形のタイプを選ぶとよいでしょう。
階段は転倒の危険性が高く、膝や腰に負担がかかりやすい場所です。手すりを設置することで、こうした身体的リスクを減らすだけでなく、「階段が怖い」という心理的な不安を和らげる効果も期待できます。
階段の手すりは、傾斜部分の高さが段鼻(だんばな・階段の踏み板の先端部分)から75センチ前後が一般的です。この高さに合わせると、踏み板の真ん中から手すりまでが約80センチの高さとなります。階段の始まりと終わりは水平部分となるため、廊下の手すりと同じ高さに設定しましょう。可能であれば20センチ以上延長して手すりをつけましょう。これはいきなり斜めの手すりから始まると、つかみ損ねて足を踏み外す危険性があるためです。水平部分まで手すりが続いていることでしっかりと握ることができるので最後の一歩まで安心です。
階段を上りきった先に壁がない場合は、縦型手すりを設置すると良いです。手すりの先端は、衣服の袖が引っかからないよう壁側に曲げるように設置しましょう。
廊下に手すりを設置すると、寝室や居室から出る際の歩行を支えられるため、目的の場所まで安全に移動しやすくなります。
廊下の手すりは、杖のように上から軽く押さえつけるイメージで手をスライドさせて使います。公共施設などでは、地面から75センチ程度の高さに手すりが設置されていることが多いですが、その高さでは少し低く感じるかもしれません。自宅では、床から約75~85センチ程度が一般的です。身長や身体状況に合わせて、適切な高さに設置するようにしましょう。
トイレに手すりを設置すると、立ち座りや方向転換など、トイレ内で行う動作を安定させやすくなります。また、転倒事故のリスクを防ぐこともできるでしょう。男性が立ち姿勢で用を足すときに腰が当たったり、介護者が腰をぶつけたりしないようにも注意しましょう。
トイレの手すりは、座る、立ち上がるなどの上下動作が多いため、縦型やL字型の手すりがおすすめです。手すりの縦部分が便座の先端から約20~30センチ程度前になるように設置すると立ちあがりやすくなります。手すりを設置する位置が便器から近すぎると、腕の力を使って立ち上がることになり手すりの役割を十分に果たすことができません。立ち上がったときに、手すりが体よりも前にくるような位置に設置するとよいでしょう。手すりの水平部分は、便座から約23~30センチ程度の高さになるように取り付けます。ペーパーホルダーの位置も配慮して設置しましょう。
手すりを設置する位置を便器の正面にする場合は、トイレ内のスペースによっては前かがみの姿勢になったときに頭をぶつける可能性があります。また、男性が立ち姿勢で用を足すときに腰があたったり、介護者が腰をぶつけてしまうこともあるため注意しましょう。
玄関は、住宅内でも転倒事故が起こりやすい場所のひとつです。日本の玄関は一般的に、靴を脱ぐ場所と床との間の段差である上がり框(かまち)があります。この段差でつまずいたり、着地時によろけたりすることがあります。靴を脱ぎ履きする際の姿勢が不安定になり転倒することもあります。毎日出入りする場所ですから安全にしておく必要があります。
手すりは玄関の広さや構造だけでなく、どのような動作をサポートしたいのかを考慮して選びましょう。上がり框の段差を安全に上り下りしたい場合、体を引き寄せたり押し上げたりしやすい縦型手すりがよく用いられます。一方、賃貸住宅や壁に固定できない場合は、据え置き型手すりや突っ張り型手すりなど、工事不要で設置できるタイプがおすすめです。玄関では立った状態だけでなく、上がり框や玄関台に腰かけるケースも考えられるため、無理なく握れる位置に設置するとよいでしょう。
玄関ポーチは、階段や段差が設けられていることが多く、玄関と同様に転倒リスクが高い場所といえます。また、玄関ポーチは屋外にあるため、雨で床が濡れたり、冬は雪や凍結によって滑りやすくなったりすることがあります。滑って転倒すると、骨折などの大きなケガをしてしまう恐れもあるため、手すりにつかまって身体を安定させるよう意識しましょう。
玄関ポーチに設置する手すりは、階段や段差の形状だけでなく、利用者の身体状況や屋外環境に合わせて選ぶことが大切です。玄関ポーチに大きな段差や階段が複数ある場合は、段差や階段全体を支えられる長さの手すりを選ぶことをおすすめします。屋外ですので、雨や紫外線による劣化に強い素材を選ぶのもポイントのひとつです。耐久性や耐候性に優れたアルミやステンレス製のものを選ぶなど、長期間使用することを考慮しましょう。
浴室は、床が濡れて滑りやすいことに加えて、バランスを崩しやすい動作が多くなるので手すりの設置を特におすすめします。手すりを設置すると、浴槽をまたぐときや浴槽から立ち上がるときの支えになるだけでなく、椅子の立ち座りや姿勢の保持もサポートできるようになり、入浴時の安全性が高まります。
浴室内でどのような動作に不安があるのかを考え、最適な形状を選びましょう。浴室は水や石鹸、シャンプーなど滑りやすいポイントが多いため、表面に滑り止め加工がされたもの、あるいは手になじみやすい樹脂被覆タイプの手すりがおすすめです。濡れた手でも握りやすく、冬は金属特有の冷たさを感じにくくなるというメリットもあります。設置する前に浴室の広さ、高さなどを確認し、ドアやシャワー、水栓の操作を妨げない位置に設置するようにしましょう。
寝室は、ベッドからの立ち上がりや横になる動作が多いため手すりを設置するメリットが大きいです。寝起きは血圧の変化や筋力の低下などにより、立ちくらみやふらつきを起こすことがあります。手すりにつかまりながらゆっくりと立ち上がることで、こうした身体への負担を軽減できるでしょう。車椅子や歩行器を使用する場合でもベッド・車椅子への移乗の際に手すりがあれば安定性が向上します。
寝室の手すりは、ベッドから起き上がり、立ち上がるまでの動作をサポートできるようにベッドの横や足元など、自然に手を伸ばせる位置に設置できるものが良いでしょう。
壁に固定するタイプは、安定性が高いのがメリットで、ベッド取り付けタイプ、据え置きタイプは工事不要で設置しやすいのがメリットになります。寝室には家具があり、スペースが限られていることもあるため、ベッドやタンス、通路幅を確認して歩行の妨げにならない位置におけることも考慮しましょう。
介護保険とは、介護を必要としている人への費用の給付や、適切な介護サービスを受けられるようにサポートする保険制度のことです。40歳以上になると加入が義務付けられ介護が必要になった際には、様々な介護サービスを原則1割(所得に応じて2~3割)の自己負担額で受けることができます。手すりの取り付けにも介護保険を利用することが可能です。介護保険には、住宅環境を整えるための「住宅改修」というサービスがあり、これを利用することで、支給限度額20万円の範囲内で手すり設置の工事費の7~9割が支給されます。支給限度額を超えた分については全額自己負担となります。また「福祉用具貸与」というサービスでは、工事の伴わない据置型や突っぱり固定式手すりのレンタルが可能です。
―介護保険制度について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「介護保険制度とは? 仕組みやサービス内容など基礎をわかりやすく解説」
介護保険を利用できるのは、原則として要介護(要支援)認定を受けた65歳以上の第1号被保険者です。特定16疾病(初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる特定疾病)により要介護(要支援)認定を受けた場合は、40歳から64歳までの第2号被保険者でも、サービスを受けることができます。
―保険者・被保険者について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「介護保険の保険者とは?」
1. 要介護認定を申請
住まいのある自治体の介護保険担当窓口で、申請書を提出します。
本人以外が代行することも可能です。
2. 介護認定調査※
申請後調査員が自宅や施設を訪れ、申請者の心身の状態を聞き取りにより確認します。
調査と並行して自治体から主治医に意見書作成の依頼も行います。
3. 審査判定(一次判定・二次判定)
調査結果や主治医の意見書をもとに、コンピュータで一次判定を行います。その結果と主治医の意見書を参考にして、介護認定審査会が二次判定を行います。
4. 認定
申請から原則30日以内に非該当、要支援1~2、要介護1~5のいずれかに認定されます。この結果をもとに地域包括支援センターやケアマネジャーがケアプランを作成し、介護サービスの利用を開始します。
―介護認定調査について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「介護認定調査とは?調査項目の判断基準や正確に判定されるためのコツを解説」
手すりは、立ち上がる、歩く、階段を上り下りするなどの動作を、安全かつ快適にできるよう設置することが重要です。フランスベッドでは、住環境や、身体状況にフィットするマルチフィット手すりなど、玄関用、トイレ用、浴槽用、介護ベッド用など、様々なシーンに適した商品を取り揃えています。手すりをレンタル・購入する場合は、必ずご本人の身体状況や動作の確認を行います。ご要望やお悩みごとについても、お一人おひとりに寄り添い、適切な位置や種類にてご提案が可能です。手すりのレンタル・購入をお考えの場合はまず、フランスベッドにご相談ください。
―フランスベッドの手すりをレンタル・購入する―
▶ 「フランスベッドの手すりレンタル・購入(介護保険・自費)」
手すりの設置をお考えのときに、「どこに取り付ければ良いのか?」「費用はどのくらいかかるのか?」「補助金はあるのか?」など、様々な疑問がでてくるでしょう。手すりの設置に関するよくある質問とその回答を参考にしてください。
介護手すりの取り付け費用の目安は、手すりの種類や長さ、設置場所、工事内容によって異なりますが、一般的には1か所あたり2~15万円程度です。
トイレや寝室横に短い手すりを設置するといったシンプルで設置箇所が少ない工事の場合は比較的費用を抑えられる傾向にあります。一方で、玄関・廊下・トイレ・浴室など複数か所にまとめて設置したり、補強工事をしたり、施工に手間がかかる場所への設置などの場合は、上記の金額より高くなる場合もあります。いずれの場合も手すりは立ち上がりや歩行、浴槽の出入りなど動作に不安がある場所に設置するのが適切です。本人の身体状況や住宅環境を考慮し、ケアマネジャーや専門職に相談して決めましょう。
工事の伴わない据置型や突っ張り固定式の手すりの購入については、介護保険を利用することはできません。レンタルのみ介護保険を利用することが可能です。工事を伴う手すりの取り付けに関しては介護保険の「住宅改修」というサービスで工事費用の給付を受けることが可能です。
手すりは、高齢者にとって日常生活の動作を支える大切な設備です。転倒や転落のリスクを軽減し、安全に自宅で生活するためにも、本人の身体状況や動作に合わせて握りやすさや高さなどまで見ておくことが大切です。取り付けの際は、住宅の構造、生活動線をあわせて考慮することも欠かせないポイントとなるでしょう。要支援・要介護認定を受けている方は、介護保険の住宅改修費を利用できる可能性もあるります。わからないことはまずはケアマネジャーに相談しましょう。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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