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介護用の手すりの種類と選び方のポイントをわかりやすく解説!

介護用の手すりについて、なぜ手すりが必要なのか、手すりの種類、選び方、取り付け場所別の設置ポイントや介護保険の利用の仕方などを解説します。

2021年1月25日

介護に手すりは必要?

高齢者をはじめとする要介護者が安全かつ快適に暮らすために、手すりは必要なもののひとつです。手すりには一体どのような役割があるのでしょうか?

【手すりの役割①歩行をサポートする】

手すりにつかまることで足腰にかかる負担が分散され、バランスを取り、歩くことのサポートになります。
特に高齢になると筋力の低下や病気による麻痺などでスムーズな歩行が難しくなることがあります。身体の機能が低下して痛みが伴い、歩くことが億劫になることも考えられます。このような場合でも、手すりにつかまることで足腰にかかる負担が分散され、バランスを取りやすくなって歩きやすくなります。

【手すりの役割②日常的な動作をサポートする】

手すりは、ベッドから起き上がる、便座から立ち上がる、浴槽をまたぐなどの日常的な動作のサポートになります。
特に足腰が弱くなっている高齢者にとっては日常生活の動作も大きな負担となります。手すりにつかまって体を支えることができれば、体への負担が軽減されて比較的スムーズに行うことができます。

【手すりの役割③転倒・転落を防止する】

手すりの設置により転倒、転落を防止することができます。
特に高齢者は、運動機能の低下や筋力低下によってバランスを崩しやすくなるため、若い人に比べると転倒や転落のリスクが高まります。反射神経の低下も重なり姿勢を立て直しにくく、段差で足を踏み外したり、濡れた床で足を滑らせたときにバランスを崩し転びやすくなります。打ちどころが悪いと骨折などの大ケガや後遺症が残ってしまうこともあるので、手すりの設置はあらかじめ転倒リスクを軽減することにつながります。

手すりの種類

―手すりの種類1.水平型-

水平型は、地面や床に対して水平に設置して使用する一般的な手すりのことです。 家の中では、廊下や玄関、トイレに設置されることが多く、つかまって手を滑らせながらの移動が可能です。トイレや玄関などに短い水平型の手すりを設置しておけば姿勢を安定させるためにも役立ちます。

―手すりの種類2.縦型(I型)-

縦型(I型)は、アルファベットの「I」のような形状で、地面や床に対して垂直に設置するタイプの手すりです。トイレや玄関に設置されることが多く、立ち座りや段差を上るときなどの体の上下移動をサポートします。

―手すりの種類3.L字型-

L字型は、アルファベットの「L」のような形状で、水平型と縦型を一体化したような手すりです。トイレや浴室に設置されることが多く、立ち上がりの動作や姿勢保持に役立ちます。手すりを設置する位置が便座や浴槽に近すぎると重心移動が難しく、腕の力が必要となって手すりの効果を発揮できないので注意が必要です。

―手すりの種類4.階段用-

階段用の手すりは、階段の上り下りをサポートし、転倒や転落を防ぐ手すりです。階段の傾斜に合わせて、できる限り左右両側に設置することが理想的です。片側だけ設置する場合は、下りるときの利き手側に手すりがくるように設置しましょう。

―手すりの種類5.据え置き型-

据え置き型は、床に置いて使用する手すりです。壁に手すりを設置できない場所や、ベッドやソファなどの近くに置いておけば、立ち上がりの動作を補助することができます。必要に応じて移動させることができるのも据え置き型の特徴です。

ご紹介した以外にもはね上げができる可動型、床と天井に突っ張らせて固定する突っ張り型など、手すりには様々な種類があります。設置場所や用途を考え、本人が使いやすい手すりを選びましょう。

適切な手すりの選び方の
ポイント

利用者の身長(高さ)に合っているかどうか

適切な手すりを選ぶポイントはまず利用者本人の身長に合っているかどうかです。手すりの高さを使用する本人の身長や身体状況に合わせましょう。測り方は、手首の位置に合わせるなどいくつかの方法がありますが、地面から手すり上部までの高さが約75〜85センチになることが多いです。手すりによって歩くことを目的としているのか、立ち座りなどの補助に使用する手すりなのか、用途によっても適切な高さが異なるので注意して決めましょう。

利用者の身体状況はどうか

手すりは利用者本人の身体状況によっても種類、設置場所などの選び方は違います。
普段の様子を観察し、どこにどのタイプの手すりを設置すれば便利になるかなどを見極めることが必要です。例えば、立ち上がるときに手前の机などを引っ張って立ち上がる人には突っ張り型、肘掛けや座面を下に押して立ち上がる人には据え置き型など、身体状況に合わせた使いやすい手すりを選びましょう。

サイズや素材は適切か

手すりの素材は木製、金属製など様々で、選び方のポイントのひとつとなります。設置場所に合わせて、使い心地や使い勝手の良い素材を選びましょう。例えばステンレス製は丈夫でさびにくいので屋外に設置することが多くありますが、夏は日差しで熱くなりすぎたり、冬は冷えてしまうというデメリットがあります。触り心地を重視するのであれば、木製の方がよいと考えられます。製品によっては、防水加工や滑り止め加工が施されているものもあり、浴室などの水に濡れる場所でも安心して使うことができます。

手すりは素材だけでなく、サイズも重要なポイントです。設置するスペースに対して大きすぎる手すりを選ぶと、体をぶつける、介助の妨げになるなども考えられるため、設置場所に適したサイズのものを選びましょう。

太さや形状は適切か

手すりの太さや形状なども手すりを選ぶ上でとても重要なポイントです。
手のサイズや握力を考慮し、握りやすい太さと形状のものを選びましょう。公共の場で設置されている一般的な手すりは、直径約3〜4センチで比較的太めになっています。自宅で使用する場合は、少し細めのしっかりと握れる手すりがよいでしょう。あくまで目安になりますが、手すりを握ったときに指先が触れる程度の太さがよいとされています。手すりを握ることが難しい場合は、手や肘を乗せたまま移動できる楕円形のタイプを選ぶとよいでしょう。

主な取り付け場所別の
設置ポイント

階段

階段の手すりは、傾斜部分の高さが段鼻(だんばな・階段の踏み板の先端部分)から75センチ前後が一般的です。この高さに合わせると、踏み板の真ん中から手すりまでが約80センチの高さとなります。
階段の始まりと終わりは水平部分となるため、廊下の手すりと同じ高さに設定しましょう。可能であれば20センチ以上延長して手すりをつけましょう。これはいきなり斜めの手すりから始まると、つかみ損ねて足を踏み外す危険性があるためです。水平部分まで手すりが続いていることでしっかりと握ることができるので最後の一歩まで安心です。
階段を上りきった先に壁がない場合は、縦型手すりを設置するとよいです。手すりの先端は、衣服の袖が引っかからないよう壁側に曲げるように設置しましょう。

廊下

廊下の手すりは、杖のように上から軽く押さえつけるイメージで手をスライドさせて使います。公共施設などでは、地面から75センチ程度の高さに手すりが設置されていることが多いですが、その高さでは少し低く感じるかもしれません。自宅では、床から約75〜85センチ程度が一般的です。身長や身体状況に合わせて、適切な高さに設置するようにしましょう。

トイレ

トイレの手すりは、座る、立ち上がるなどの上下動作が多いため、縦型やL字型の手すりがおすすめです。手すりの縦部分が便座の先端から約20〜30センチ程度前になるように設置すると立ちあがりやすくなります。手すりを設置する位置が便器から近すぎると、腕の力を使って立ち上がることになり手すりの役割を十分に果たすことができません。立ち上がったときに、手すりが体よりも前にくるような位置に設置するとよいでしょう。手すりの水平部分は、便座から約23〜30センチ程度の高さになるように取り付けます。ペーパーホルダーの位置も配慮して設置しましょう。

手すりを設置する位置を便器の正面にする場合は、トイレ内のスペースによっては前かがみの姿勢になったときに頭をぶつける可能性があります。また、男性が立ち姿勢で用を足すときに腰が当たったり、介護者が腰をぶつけてしまうこともあるため注意しましょう。

介護保険を利用して
手すりを取り付ける方法

介護保険とは何か

介護保険とは、介護を必要としている人への費用の給付や、適切な介護サービスを受けられるようにサポートする保険制度のことです。介護保険は、40歳以上になると加入が義務付けられ(保険料を支払います)、介護が必要な人の自立支援や介護する家族の負担軽減を目的としています。様々な介護サービスを原則1割(所得に応じて2〜3割)の自己負担額で受けることができ、手すりの取り付けにも制度に則り介護保険を利用することが可能です。※

※介護保険について詳しくはこちら「介護保険制度って知ってますか?」

介護保険による介護サービスを受ける方法

介護保険を利用できるのは、原則として要介護(要支援)認定を受けた65歳以上の第1号被保険者です。特定16疾病(初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる特定疾病)により要介護(要支援)認定を受けた場合は、40歳から64歳までの第2号被保険者でも、サービスを受けることができます。※

※保険者・被保険者について詳しくはこちら「介護保険の保険者とは?」

介護保険の申請手順

1. 要介護認定を申請
住まいのある自治体の介護保険担当窓口で、申請書を提出します。
本人以外が代行することも可能です。

2. 介護認定調査※
申請後調査員が自宅や施設を訪れ、申請者の心身の状態を聞き取りにより確認します。
調査と並行して自治体から主治医に意見書作成の依頼も行います。

3. 審査判定(一次判定・二次判定)
調査結果や主治医の意見書をもとに、コンピュータで一次判定を行います。その結果と主治医の意見書を参考にして、介護認定審査会が二次判定を行います。

4. 認定
申請から原則30日以内に非該当、要支援1〜2、要介護1〜5のいずれかに認定されます。この結果をもとに地域包括支援センターやケアマネジャーがケアプランを作成し、介護サービスの利用を開始します。

※介護認定調査について詳しくはこちら「介護認定調査とは?当日に心がけるべきこと」