排泄介助の正しい方法とは?適切な排泄方法の手順とポイントについて解説

排泄介助について、利用者に合った排泄方法の選び方から適切な排泄介助の手順とポイント、
介護用トイレ、排泄用品についてご説明します。

2020年12月25日

排泄介助のポイント

【ポイント1:自尊心を傷つけない】

排泄を手伝ってもらうことは、誰でも抵抗があります。本人が恥ずかしさや情けなさなどを感じていることを察してあげましょう。表情や視線、声掛けには十分注意して不快な気持ちにさせないよう配慮してください。排泄物の量、臭いに関する話、失禁などの失敗した話は自尊心を傷つける原因になるので避けましょう。健康状態のチェックとして排泄物を観察する際は、さりげなく行うようにしましょう。

【ポイント2:自力でできることは本人に任せる】

自力でできることは手伝わずに見守るようにして、本人に任せることが大切です。安易におむつを使用すると自尊心を傷つけるだけでなく、筋力低下や生活意欲の低下にもつながります。トイレまでの移動や立ち座り、ズボンの上げ下ろしなど可能な限り自分でやってもらうことで生活機能の維持にもつながります。

【ポイント3:水分摂取量を制限しない】

水分摂取量を制限しないようにしましょう。排泄で失敗したくないという思いから、水分摂取を控えてトイレの頻度を減らそうと考える高齢者の方もいます。しかし体内の水分が不足すると、脱水症や便秘、脳梗塞などを引き起こす可能性があるため、水分摂取の大切さを理解してもらい、積極的に水分をとるよう促しましょう。

【ポイント4:排泄のサイクルを把握する】

排泄のサイクルを把握しましょう。普段の排泄のタイミングを知っておくことで、トイレへの誘導がしやすく、失敗する頻度を減らすことにつながります。毎食後、外出前、就寝前などタイミングを決めておいたり、1日のスケジュールの中で時間を決めておくなどして排泄をルーティン化するとよいです。認知症の方の場合、尿意や便意をうまく伝えられないこともあります。そわそわするなど態度に現れることがありまので、そのような本人からのサインを見逃さないように普段から様子を気にかけておきましょう。

【ポイント5:プライバシーを確保する】

プライバシーを確保しましょう。誰かがそばにいると、恥ずかしくて排泄がうまくできないことがあります。介助が必要でもプライバシーに配慮したトイレ環境を作ることが大切です。座位が保てる場合は、トイレの外で排泄が終わるまで待機してゆっくり落ち着いて排泄できるように配慮しましょう。ポータブルトイレを使用する場合は、下腹部にタオルをかけ、カーテンやついたてを立てるなどしましょう。

【ポイント6:急かしたり責めたりしない】

排泄を急かしたり失敗を責めたりせず、本人のペースに合わせてあげましょう。本人は介助してもらうことに複雑な感情を持っています。介護者の態度や言葉によっては自尊心を傷つけてしまう恐れもあります。失敗したときの言葉選びには十分注意し、うまくいったときは一緒に喜ぶようにしましょう。

利用者に合った排泄方法の選び方

排泄方法の種類

《1.トイレ》

和式トイレは、足腰が弱くなっている高齢者の方には使用が難しいため、安定して座れる洋式トイレがおすすめです。トイレ内での転倒リスクを減らすために、手すりの設置や段差の解消など安全で使いやすい環境を整えましょう。

《2.ポータブルトイレ》

ポータブルトイレは、寝室などベッドの近くに設置して使用する持ち運び可能な簡易トイレです。座面の高さ調整ができるタイプ、ひじ掛け付きタイプなど機能や特徴は様々です。暗い中での移動を避けるための夜間用として設置することも多くあります。

《3.尿器、便器》

尿器、便器は寝たままの状態で尿や便を受けることができる容器です。尿意や便意はあるものの、ベッドから起き上がることができずにトイレでの排泄が難しい方に向いています。尿器は、男性用と女性用で受け口部分の形状が異なっています。

《4.おむつ》

大人用おむつは、大きくパンツタイプとテープタイプの2種類に分けられます。これらの内側に装着できる尿取りパッドを併用して使えば、パッドの交換だけで済むことから、おむつ交換が簡単になる上に経済的で、ゴミの廃棄量を減らすことにもつながります。
おむつの使用は自尊心を傷つけてしまう恐れや、尿意や便意を感じにくくさせることもあるため、最後の手段として考えることをおすすめします。

排泄方法の選び方

【選び方1:トイレまで歩くことができる場合】

トイレまで歩くことができる場合は、一般的なトイレの使用をおすすめします。トイレまでの移動で筋力を維持することができますし、トイレで排泄できるという自信にもつながります。

【選び方2:起き上がることができる場合】

ベッドから起き上がることはできるが、歩いてトイレまで行くのは難しい場合は、ポータブルトイレの使用がおすすめです。ベッドのすぐ近くにポータブルトイレを設置するので、トイレまで歩いて移動せずに自力で排泄することができます。

【選び方3:姿勢を変えることができる場合】

介助によって姿勢を変えることができる場合は、介助者が体を支えながらポータブルトイレまで移動させるという方法があります。それが難しい場合は、寝たままの状態で排泄できる便器や尿器を使用しましょう。自尊心を保つために自分で尿器を持ってもらうなど、自力でできることは本人にやってもらうようにしましょう。

【選び方4:寝たきりの場合】

寝たきりで尿意や便意を伝えられる場合は、便器や尿器を使うとよいでしょう。意思疎通が難しい、尿意や便意を感じない場合は、おむつの使用を検討しましょう。

排泄介助の基本の手順

トイレまで移動できる場合の介助方法

《1.トイレへ誘導する》
通路に障害物がないかどうかを確認しながら、本人のペースに合わせて移動しましょう。歩行が不安定な場合は、手引き歩行や車いすを使用してトイレまで誘導しましょう。

《2.脱衣》
手すりに掴まるか壁に寄りかかった状態で姿勢を安定させ、ズボンと下着をおろします。自力で衣服をおろせない場合は、介護者が手伝いましょう。

《3. 便座に座る》
利き手(または麻痺のない側の手)で手すりを掴んでもらうか、本人の両腕を介護者の首の後ろに回してもらい腰を支えながら、ゆっくりと便座に腰をかけてもらいます。座った状態で、足がしっかりと床についているかどうかを確認しましょう。

《4.排泄》
座位が安定している場合には介護者は一旦トイレから退室しましょう。排泄が終わったら知らせてもらうように伝えておき、ドアを少しだけ開けた状態でトイレの外で待機しましょう。座位が安定しない場合は、下腹部にバスタオルをかけるなどしてプライバシーに配慮しながら横で見守りましょう。どちらの場合も落ち着いてゆっくりと排泄できるように静かに待機しましょう。

《5.排泄が終わったか確認する》
排泄終了の合図があったら再びトイレに入ります。なかなか合図がないときは、急かさないよう言葉選びに気をつけながら声掛けをして状況を確認しましょう。排泄時に瞬間的に力を入れることで血圧が上がり、めまいなどを引き起こす恐れがあるため体調に異変がないかも確認しましょう。

《6. 清拭(せいしき)と着衣》
自力で拭き取ることができない場合は、介護者が素早く拭き取ります。お尻を拭くときは腰を支えて少し浮かせ、前から後ろに向けて拭きましょう。このとき、健康状態をチェックするために排泄物と皮膚の状態をさりげなく観察しましょう。ズボンと下着を上げるときは、排泄前と同じように手すりを使うなどして姿勢を安定させて行いましょう。

《7. 排泄後の声掛け》
上手く排泄ができたことを一緒に喜ぶなどして本人が自信を持てるようにしましょう。

ポータブルトイレや尿器を使用する場合の介助方法

【ポータブルトイレを使用するときの介助方法】

《1.準備》
ポータブルトイレ内のバケツの底にトイレットペーパーや水に流せるペーパータオルなどを敷いておきましょう。汚れがつきにくくなり処理が楽になります。

《2. トイレへ移乗》
利用者本人にベッドに浅く座ってもらい、介護者が体を支えて立ち上がらせ、ポータブルトイレまで移乗します。

《3.脱衣》
手すりなどに掴まりながら安定した姿勢をとってもらい、ズボン、下着をおろします。可能な場合は自力で行ってもらいましょう。

《4. 便座に座る》
転倒しないように注意しながらゆっくりと便座に座り、足がしっかりと床についているかチェックしましょう。プライバシーに配慮し、下腹部には大きめのバスタオルをかけるとよいでしょう。

《5. 排泄》
排泄中は、何かあったときにすぐ対応できる距離で待機します。終わったら知らせてもらうように声をかけておき、介護者が少し離れることで本人も落ち着いて排泄ができます。

《6.清拭(せいしき)と着衣》
排泄終了の合図があったら素早く拭き取ってズボンと下着を上げます。可能な限り本人にやってもらうようにしてトイレットペーパーを取るなど手伝いが必要な部分だけサポートしましょう。

《7.ベッドに戻る》
めまいなど体調不良がないかどうかを確認できたら、体を支えながらベッドに移動します。上手く排泄できたことを一緒に喜びましょう。

《8. 処理》
ポータブルトイレ内のバケツを取り外したら、汚れをトイレットペーパーなどで拭き取り排泄物をトイレに流します。バケツの中は、お風呂のシャワーを使って洗い流しましょう。お風呂での洗浄に抵抗がある場合はトイレ用のブラシと洗剤で掃除し、あらかじめ別容器にいれておいた水ですすいでトイレに流します。室内で使用するポータブルトイレは臭いが気になりやすいので、早めに処理しましょう。

【尿器を使用するときの介助方法】

《1.準備と脱衣》
布団をたたんで足元に置き、ズボンと下着をひざ下程度までおろします。ベッドの汚れを防ぐため、お尻の下にタオルなどを敷いておくとよいでしょう。

《2.尿器をあてる》
男性は仰向けか横向きに寝た状態で、女性は仰向けの状態になってもらい尿器を陰部にあてます。可能であれば、尿器は自分で持ってもらいましょう。

《3.排泄》
下腹部にタオルをかけてプライバシーに配慮し、排泄中は近くで待機します。

《4.清拭(せいしき)と着衣》
排尿が終わったら綺麗に拭き取り、ズボンと下着を上げます。

《5.処理》
尿をトイレに流して尿器を洗浄します。このとき、尿の色などを観察して健康状態をチェックしましょう。

【便器を使用するときの介助方法】

《1.準備と脱衣》
布団をたたんで足元に置き、ズボンと下着をひざ下程度までおろします。便器の中にトイレットペーパーを敷いておけば汚れにくく、飛びはねを防ぐことができます。

《2.便器をあてる》
仰向けに寝た状態で腰を上げてもらい、便器をお尻の下に入れます。

《3.上体を起こす》
リクライニング機能付きのベッドの場合は、腹圧がかかりやすいよう上体を起こします 。リクライニング機能がない場合は、背中に枕やクッションを入れて上体を起こしましょう。

《4.排泄》
下腹部にタオルをかけてプライバシーに配慮し、排泄中は近くで待機します。

《5.清拭(せいしき)と着衣》
排泄が終わったら綺麗に拭き取り、ズボンと下着を上げます。

《6.処理》
排泄物をトイレに流して便器を洗浄します。このとき、排泄物の色や状態を観察して健康状態をチェックしましょう。

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※ポータブルトイレについて詳しくはこちら「ポータブルトイレとは?種類や選び方から利用方法まで解説」

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排泄の自立は生活の自立につながる

排泄の介助が必要になったことへのショックや、恥ずかしいという気持ちを持つ高齢者の方は多く、介護者への申し訳なさや情けなさも感じています。自力で排泄できるということは、本人の自信につながり生活機能の向上も期待できます。介護者が何もかもやってしまうのではなく、自力でできることは可能な限り本人にやってもらい、自分でできることを増やす工夫をしながら排泄の自立を目指しましょう。

この記事の制作者 
フランスベッド メディカル営業推進部

当部は福祉用具業界動向や情報収集をはじめ、当社が福祉用具貸与業者として、在宅で生活される皆様に対して、福祉用具や住宅改修を通してより安心かつ安全に、日常生活を送っていただけるよう、現場の営業所や開発・生産部門と連携して独創的な商品やサービスを企画提案しております。
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