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よくあるご質問

介護用品

  1. Q.

    介護用品はどこで買うことができますか?

    介護用品は、身近なところでは百貨店、スーパー、ドラッグストアなどの店舗で購入することができます。その他にも購入できるところはありますが、ここでは、通信販売、リサイクル業者、特定福祉用具・特定介護予防福祉用具販売事業者を利用して購入する際のメリットと、気を付けるべき点を紹介します。

    通信販売では、インターネットや販売店のカタログから、必要な介護用品や消耗品を注文することができます。近くに販売店がない場合でも多くの品目から選ぶことができ、自宅まで配達してもらえるというメリットがあります。注意しなくてはならないのは、実際の使用感を確かめられないことです。また、介護保険の支給を受けられないため、購入費用が全額自己負担になるということも覚えておきましょう。

    リサイクル業者から介護用品を購入することもできます。リサイクルの介護用品は、新品よりも安価で購入できるメリットがあります。リサイクル品に抵抗のある人もいますが、販売の前には消毒やメンテナンスが行われます。購入の際には実際に自身の目で確かめて、安心できるものを選ぶことをおすすめします。

    所轄の都道府県指定の事業者を利用して購入される際は、介護保険が適用されます。要支援・要介護認定されている人は1割の負担で特定福祉用具・特定介護予防福祉用具を購入することができます。年間上限金額の10万円以内であれば、購入金額の9割の支給を受けることができます。福祉用具を購入する際には、まずケアマネージャーや地域包括支援センターに相談をして、介護サービス計画書・介護予防サービス計画書を作成しましょう。利用者の生活環境や要望を確かめ、最適な福祉用具を選定する上での重要な過程となっています。この制度を利用して購入できるのは、入浴や排泄などを補助する、以下の五種目の福祉用具です。

    • 腰掛便座
    • 自動排泄処理装置の交換可能部品
    • 入浴補助用具
    • 簡易浴槽
    • 移動用リフトのつり具の部分

    これらの福祉用具は、いったん購入者が費用を全額支払ったあと、自治体に福祉用具購入費の申請をし、審査の通過後に支給を受ける償還払いという制度が適用されます。都道府県の指定する事業者以外から購入した場合は、償還払いが適用されないため注意が必要です。販売者への確認を忘れずに行いましょう。

  2. Q.

    特殊寝台(介護ベッド)の定義って?

    特殊寝台(介護ベッド)とは、高齢者と介護する人両方の負担を軽くする電動ベッドです。

    特殊寝台を使いたい場合には、自己負担額がレンタル料の1割になる介護保険を利用しましょう。ただし介護保険の対象となる高齢者、そして特殊寝台には条件が定められています。

    【保険対象となる高齢者の条件】

    要支援や要介護1状態の人は、介護保険を利用して特殊寝台をレンタルすることができません。特殊寝台をはじめとした介護用品のレンタルについては、こちらを参考にしてください。
    福祉用具貸与ってどんな制度?

    【保険対象となる特殊寝台の条件】

    • 手すり(サイドレール)が付いているか、取り付けられるようになっている。
    • 寝台に傾斜が付けられるようになっており、寝た状態のまま背中や足を起こすことができる。
    • 寝台の高さを無段階で調整できる。

    無段階で調整できるというのは、1段、2段というように段階的に高さを調整できるものではなく、スムーズに高さを調整できるものということです。

    また特殊寝台には様々な種類があるので、レンタルや購入の際に迷うこともあります。ここではモーターの数ごとに特殊寝台の機能を紹介するので、参考にしてください。

    介護ベット一覧ページはこちら

    【1モータータイプ】

    電動でベッドの上半分が起き上がる、背起こし機能が付いた寝台です。種類によっては膝の部分も連動して動く脚上げ機能が付いており、それなら体がずり落ちることはありません。1人で起き上がるのが大変な高齢者におすすめです。また、高さ調節機能だけ付いたものも1モータータイプと呼ばれます。

    1モータータイプは機能が少ないかわりに操作も簡単なので、介護ベッド初心者や、簡単な補助で起き上がれるような元気な高齢者に向いています。

    【2モータータイプ】

    背中の部分と足の部分をそれぞれ別に起こすことができる機能が備わったベッドです。1モータータイプだと背中と足部分は同時に起こすことになりますが、このタイプは足だけ持ち上げることも可能です。そのため足を上げてむくみを取ったり、起き上がる際に先に足を上げて体がずれることを防いだりすることができます。比較的ベッドの上で過ごす時間が長い人におすすめです。

    【3モータータイプ】

    背中の部分と足の部分をそれぞれ別に起こすことができ、高さ調整もできるベッドです。このタイプは背中の部分と足の部分、高さ調整機能をそれぞれ自由に動かすことが可能です。高齢者がベッドから立ち上がりやすい高さと、介護する人の負担を和らげる高さの両方にその都度調整できます。高齢者の排泄や寝返りに介助が必要になった際の利用がおすすめです。

    このように特殊寝台には様々な機能が備わっていますが、大切なのはできるだけベッドから下りて活動することです。特殊寝台は活動の補助として使用し、身体機能の維持・向上を心がけましょう。

  3. Q.

    福祉用具について教えて

    福祉用具とは、体が不自由な人にとって役立つ道具のことで、福祉機器とも呼ばれています。例を出すと、車いすや杖などが福祉用具です。

    具体的な定義は、福祉用具法によって「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具」と定められています。

    法で定められた一部の福祉用具は、介護保険でレンタルしたり購入したりできるため、高価な商品でも1割から2割程度の値段で利用が可能です。対象の福祉用具や、介護保険の制度については以下にて説明しています。

    介護用品はどこで買うことができますか?
    福祉用具貸与ってどんな制度?

    そのほかにも、障害者手帳の交付を受けている人は福祉用具を安価で購入・レンタルできるようになる「補装具費支給制度」や「日常生活用具の給付、または貸与」を利用できる場合があります。ただし要介護認定を受けた高齢者で障害者手帳も持っている人は、基本的に介護保険の方が適用されるので利用には注意が必要です。また医師によって特注品が必要と判断された場合には、その代金が「補装具費支給制度」によって支給されます。

    体が不自由な人の生活の手助けをする福祉用具ですが、不適切な福祉用具を使用すると逆に身体機能が低下する危険性もあります。使用者の体に合っているか、よく確認してから利用しましょう。

    どの福祉用具を選んだらいいのか迷ったときは、福祉用具をレンタル・販売している事業所に相談してみましょう。介護保険の指定を受けた福祉用具貸与・販売事業所には、福祉用具専門相談員という福祉用具の専門家を配置することが義務付けられています。福祉用具専門相談員なら、福祉用具が利用者の体に合っているか確認できますし、必要な福祉用具についてアドバイスも可能です。選び方だけでなく、福祉用具の使い方にも精通しているので、福祉用具についてわからないことがあれば相談して、納得できる福祉用具を利用しましょう。

    フランスベッドでも、商品を選ぶときや納品時に福祉用具専門相談員が対応するので、疑問がありましたらお気軽にご相談ください。詳しくは以下にて紹介していますので、参考にしてください。

    レンタルサービスご利用の流れ

  4. Q.

    セニアカーとは?

    セニアカーとは、高齢者の足となる便利な乗り物です。そのほとんどが電動であるため、車いすのように腕の力を必要とせず、スイッチ1つで動かすことができます。ここではセニアカーの免許や、利用する際の注意点などをご紹介しましょう。

    セニアカーは、見た目はスクーターのようですが、道路交通法では車両ではなく歩行者として扱われます。そのため、セニアカーは車道ではなく歩道での走行が原則となっています。またセニアカーを利用する場合、歩行者と接触した際の相手へのダメージというのも考えておくことも大切です。セニアカーが車両ではないという点と、本人あるいは周囲の人の認識があまり徹底していないことで起こるトラブルは年々多くなっているのです。

    セニアカーの普及率が増える一方で、車や歩行者とのトラブルも増加傾向にあります。

    【車道を走ってしまう】

    セニアカーを利用している人の中には、歩道が狭くて走りにくいからという理由から、車道を走行してしまう人も少なくありません。セニアカーは、道路交通法上は歩行者扱いとなっていますが、一時停止や徐行などの道路標識に関しては車両と同じように覚えておく必要があるのです。

    【歩行者との接触事故】

    セニアカーを運転する際に、気をつけなくてはいけないのが歩行者との接触事故です。セニアカーは走行する時にあまり大きな音を出しません。そのため、後ろから接近されても歩行者は気づきにくく、接触してしまうことも少なくないのです。またセニアカーの運転に慣れていない高齢者が、制御しきれずに電柱にぶつかったり、道路下に転落したりするケースも多くあります。

    セニアカーは免許が不要である手軽さから、危機意識が低くなりがちです。そのため歩行者と接触してけがを負わせた場合のリスクを考えず、保険に未加入のまま運転している高齢者も居ます。

    セニアカーを利用する場合は、利用する当事者だけでなく、周りでサポートをする人においても、セニアカーで生じるリスクの認知や保険情報の提供などを理解しておくことが重要となります。

    電動車いす・セニアカー

  5. Q.

    介護ベッドを使用する際の注意点は?

    介護ベッドは注意して使用しなければ事故が起きてしまう危険性があります。最も多いのが、ベッド脇のサイドレールに体の一部を挟んだまま、誤操作をしてしまうという事故です。ここでは、介護ベッドを使用するうえでの注意点について詳しく紹介していきます。

    【事故の多くはサイドレールまわりで発生している】

    介護ベッドで起こる事故の多くは、ベッド脇の「サイドレール」に関連しています。サイドレールは柵のような形状をしており、本来はベッドからの落下を防ぐために存在するものです。ただし、その隙間部分に体の一部が入り込んでしまうと、大事故につながる可能性があります。サイドレール自体の隙間はもちろん、マットレスとサイドレールの間の隙間も危険です。身体能力が衰えていたり、予測不能な行動をとったりする人が介護ベッドを利用するときは、こうした隙間に体の一部が挟まれないよう、注意する必要があります。

    【事故は誤操作によって起きることが多い】

    サイドレールまわりで発生する事故の原因としては、誤操作によるものが大半です。介護ベッドには、電力によって駆動するリクライニング機能や上下昇降機能が導入されています。利用者の負担を軽減してくれるこれらの機能ですが、サイドレールの隙間に体の一部を挟んだまま駆動させてしまうと、大ケガをするおそれがあります。最悪の場合は、生命に関わる重大事故につながることもありますので、誤操作には十分注意してください。

    【介護ベッドを安全に使用するには】

    介護ベッドにおける事故の多くは、サイドレールの隙間を埋めることで防ぐことができます。毛布やクッションを使用して、サイドレールの隙間を埋めてください。メーカーから専用の商品が出ている場合は、そちらを使用するのもよいでしょう。また、誤操作をしてしまうおそれがある方が1人になる場合には、あらかじめ電源プラグを抜いておき、誤ってスイッチが入らないようにしておくと安心です。介護ベッドを使用する方は、身体能力や認知能力の低さから思わぬことが原因で事故を引き起こしてしまいます。細心の注意を払って対策を講じましょう。

  6. Q.

    介護ベッドは購入とレンタルのどちらがいい?

    介護ベッドは購入する以外にも、レンタルするという選択肢があります。どちらがいいかは利用者の状況によって変わるため、一概にはいえません。それぞれのメリット・デメリットをよく考えて、状況に合ったものを選びましょう。

    【長く使うのであれば購入がおすすめ】

    介護ベッドレンタル料金の相場は月々5,000~20,000円程度です。一方、介護ベッドを購入する場合、100,000~200,000円ほどとなります。長期間にわたっての使用が想定される場合は、購入してしまったほうがお得になるケースがほとんどでしょう。介護ベッドは機能によって金額が変わってきますので、必要最低限の機能が搭載されたものを選ぶことで、コストを削減できます。購入の際は、介護を受ける人の状態から必要な機能を判断してください。

    【レンタルなら介護保険制度が利用できる】

    介護保険制度を利用すると、介護・福祉用具の購入やレンタルの自己負担額が、1~2割になります。しかし、介護ベッドの購入は、介護保険の対象となっていません。一方、要介護レベルが2以上の場合、介護ベッドの「レンタル」では補助を受けられますので、お得にベッドを利用できます。レンタルには、故障・破損時のリスク負担がなく、処分が楽といったメリットもあります。介護保険の対象となっているのであれば、利用しない手はないでしょう。

    【購入?レンタル?介護ベッドの最適な入手法とは】

    上述したように、介護を受ける人の状況によって、介護ベッドの購入・レンタルのどちらがお得かは変わってきます。長く使用するつもりで思い切って購入したベッドが、身体的状況の変化で合わなくなってくるかもしれません。しかし、レンタルであればそうした変化に対応するのは簡単です。一方で、レンタルを選んだとしても、利用期間が長期になり、結局割高になってしまうことも考えられます。判断に迷った場合は、医療機関やケアマネージャーなどの専門家に相談してください。

  7. Q.

    介護ベッドの安全基準とは?

    介護ベッドには、万が一の事故を予防するための安全基準が設けられています。ここでは、安全な介護ベッドの見分け方について紹介していきます。

    【介護ベッドの安全チェックポイント】

    2002年に発足した「医療・介護ベッド安全普及協議会」では、介護ベッドの事故を防止するために、医療・介護ベッドの安全点検チェック表を配布しています。現在使用している介護ベッドや、中古の介護ベッドの安全性を確認するためには、このチェック表に盛り込まれている以下の点を確認してみてください。

    • ボードとサイドレールの間が23.5cm以上、もしくは直径6cmのものが入り込まない
    • サイドレールとサイドレールの間が23.5cm以上、もしくは直径6cmのものが入り込まない
    • サイドレールの隙間に直径12cm以上のものが入り込まない
    • 使用者が自分の状態を確認しながらベッド操作できている

    具体的なチェックポイントは、事故の主要な原因であるサイドレールに関するものが中心です。上記の基準を満たさない場合は、クッションやスペーサー、サイドレールカバーの使用が推奨されています。

    【新しく介護ベッドを買うならJIS規格に注目】

    以前より相次いでいた介護ベッドでの事故を受け、2009年に介護ベッドの安全性を保証するためのJIS規格が改正されました。主な改正内容は、多くの事故で原因となっていたサイドレールに関連しており、体の一部が挟まれる危険性を排除するため、構造の見直しが行われています。また、ベッド用手すりの性能強化や、リスクマネジメントを考慮した設計も組み込まれました。このJIS規格は、国際規格との整合のために、2015年・2016年にも改正されています。新たに介護ベッドを購入する際は、なるべく中古ベッドを避け、JIS規格を満たす製品を選びましょう。

    ここで紹介した基準を満たしていれば、100%安全というわけではありませんが、事故のリスクは大幅に減らすことができるでしょう。ベッド利用者の安全を守るために、信頼できる介護ベッドを選んでください。

介護保険で利用できるサービス

  1. Q.

    介護保険で利用できるサービスとは?

    介護保険で利用できる制度は、主に以下の5項目です。

    • 介護に関する相談をしたりケアプランを作成する
    • 自宅に訪問してもらう
    • 施設に通う
    • 施設などに宿泊し生活する
    • 福祉用具を利用する

    ひとつひとつ紹介していきます。まず前提として、これらの制度は「介護給付」を受けている人と「予防給付」を受けている人で利用できるサービスや負担額に違いがあります。要介護認定を受けた場合には「介護給付」が、要支援認定を受けた場合は「予防給付」が認められます。要介護認定や要支援認定は、役所により支援や介護の必要な度合いに基づいて審査されるということを知っておいてください。

    「介護に関する相談をしたりケアプランを作成する」についてですが、これはケアプラン作成における制度です。利用者が可能な限り自立した日常生活を送るためには、状況や環境に応じた適切な介護サービスを利用する必要があります。そのためのプランを作成してもらい、それに基づいて適切なサービスを受けられるよう、事業者や関係機関との連絡・調整を代行してもらうことができます。

    「自宅に訪問してもらう」についてですが、これは自宅で介護を受けている人が利用する制度です。訪問介護員(ホームヘルパー)に自宅を訪問してもらい食事、排せつ、入浴などの介護や、掃除、洗濯、買い物、調理といった生活の支援などを行ってもらうことができます。

    「施設に通う」については、施設に自ら通える人が対象となります。自宅における孤立感の解消、心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的としたサービスを受けることができます。福祉関連施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練、口腔機能向上のためのサービスなどを提供しています。

    「施設などに宿泊し生活する」については、常に介護が必要な人が介護老人福祉施設に入所し、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練を受けるための制度です。こうした時にも、介護保険を通じて少ない負担でサービスを受けることができます。

    最後に「福祉用具を利用する」というのは、自宅で自立した日常生活を送るのに懸念がある人が、福祉用具を貸与してもらうための制度です。指定を受けた事業者が、心身の状況や生活環境等をふまえ適切な福祉用具を選ぶための援助、取り付け、調整などを行い福祉用具を貸与します。

    介護認定を受けることは、介護保険を通じてこうした様々な制度を組み合わせて利用できるということです。うまく活用するためにも、介護や福祉制度のことをしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

  2. Q.

    要介護認定をされたらどんなサービスが受けられるの?

    高齢者が要介護や要支援と判定されると、指定されたサービスを介護保険で利用できるようになります。利用できるサービスは、居宅サービス・施設サービス・介護予防サービス・地域密着型サービス・地域密着型介護予防サービスの5種類です。付随して、これらのサービスを利用するためのケアプランを、無料で作成することもできます。

    ここでは、それぞれのサービス内容について紹介します。どれも要介護度によって利用できるサービスは異なりますので、注意してください。

    【居宅サービス】

    要支援・要介護認定された人が利用できるサービスです。ホームヘルパーや看護師が、高齢者が住んでいる自宅を訪問し、介護や看護を行います。高齢者は自宅から介護施設に通ったり、数日間宿泊したりしてリハビリや入浴を行うこともできます。

    その他にも、福祉用具レンタルや購入の費用に介護保険が利用できます。こちらにて詳しく解説しています。

    介護用品はどこで買うことができますか?
    福祉用具貸与ってどんな制度?

    【施設サービス】

    要介護認定された人が利用できるサービスです。24時間体制の介護やリハビリ、療養などを行うための施設に入所することができます。中でも特別養護老人ホーム(特養)は利用料金が低く設定されているので人気ですが、入所待ちの高齢者が全国で52万人以上(平成26年3月時点)存在します。そのため、入所申し込みから入所まで、数年は待つ可能性が高い状態です。

    【介護予防サービス】

    要支援と認定された人が利用できるサービスです。介護予防サービスとは、高齢者を介護の必要のない自立した状態まで回復させることを目的としており、高齢者は施設へ通ってリハビリを行ったり、ホームヘルパーの訪問サービスを利用したりできます。また自宅に手すりやスロープを取り付けて、生活に支障が出ないようにする工事にも介護保険が利用できます。

    【地域密着型サービス】

    要支援・要介護認定された人が利用できるサービスです。市区町村が提供しており、地域の特性に合った事業所の開設や、料金を設定しています。サービス内容としては、夜間を含めた定期的な訪問介護や、少人数の介護施設などその地域に必要と考えられるものを用意しています。ただし、高齢者は地域外の地域密着型サービスを利用することはできません。このサービスを実施していない地域もあるので、利用したい場合は在住の市区町村に確認してみましょう。

    【地域密着型介護予防サービス】

    要支援と認定された人が利用できます。地域密着型サービスと同じで、市区町村が主体となって提供する介護予防サービスです。高齢者が利用できるサービスは、訪問介護や施設へ通ってのリハビリなど、介護予防サービスと内容は似ていますが、こちらではそれぞれの地域に必要なサービスが重点的に提供されます。

    介護サービスは、それぞれの地域の状況や周辺の施設によっても内容が変化します。利用できるサービスを正確に把握するには、担当のケアマネージャーとよく相談する必要があるでしょう。

  3. Q.

    居宅介護支援事業所ってなに?

    居宅介護支援事業所とは、ケアマネージャーが常駐している事業所のことです。対象は要介護1以上の認定を受けた人で、利用料は全額介護保険にて支払われるため、無料で何度でも利用できます。居宅介護支援事業所では、ケアプラン(居宅サービス計画)の作成のほか、介護相談、必要なサービスの連絡や調整、介護保険に関する申請の代行を行います。

    居宅介護支援事業所は、ケアマネージャーを選ぶときの判断基準のひとつになります。要介護認定後、担当のケアマネージャーを決めるときには市区町村の介護保険課や、地域包括支援センターに相談します。しかし、それらの職員は公的な施設の職員なので、具体的に「ここの事業所がいいですよ」というような、特定の事業所のみを優遇することは言えません。そのため、どのケアマネージャーに決めるかは自分で判断しなければいけません。そこで利用できるのが、居宅介護支援事業所の情報です。

    居宅介護支援事業所の質を判断するポイントは2つあります。まずは、高齢者の自宅から近い事業所を選ぶこと。地域の介護サービスの情報が入手しやすいですし、何かあったときにも安心です。そして、「特定事業所加算」を受けている事業所であること。「特定事業所加算」とは、質の高いケアマネジメントを実施している居宅介護支援事業所に対して、市区町村から支払われる介護報酬が増額されることです。これにあたる事業所は、24時間体制で相談を受け付けており、ケアマネージャー1人あたりの担当利用者数に制限を設けるなど厳しい条件を満たしています。居宅介護支援事業所の質を判断するための有効な目安のひとつになるでしょう。

    また、ケアマネージャー個人との相性も大切です。同じ事業所でも、それぞれの職員の能力には差があります。優秀だと評判な人でも、介護を受ける高齢者本人やその家族との相性が良いとは限りません。一度担当が決まったケアマネージャーは、何度でも変更することができますので、合わないと感じたら居宅介護支援事業所や介護保険課、地域包括支援センターに相談しましょう。

  4. Q.

    介護サービスも医療費控除の対象になるの?

    介護サービス利用料の一部は、確定申告の際に医療費控除の対象になります。

    確定申告とは、所得を計算したのちに税務署に提出し、所得税額を確定することです。このときに、介護サービス費を医療費控除として計上すると、サービスを利用した金額に応じて所得税が軽減されます。医療費控除の対象となるのは、「生計を一にする親族」であるため、同居している親族や、習慣的に仕送りをしている親族の介護サービス費も計上できます。

    ただし、医療費控除が適用できるのは、(支払った医療費の合計額)-(保険料から補てんされる金額)-(所得の5%か10万円のどちらか少ない金額)=(医療費控除額)という式で計算した額になり、最高200万円まで適用できます。

    以下にて、医療費控除の対象になる介護サービスを紹介します。

    【居宅サービス(1)】

    • 訪問看護
    • 介護予防訪問看護
    • 訪問リハビリテーション
    • 介護予防訪問リハビリテーション
    • 居宅療養管理指導
    • 介護予防居宅療養管理指導
    • 通所リハビリテーション(医療機関に限る)
    • 介護予防通所リハビリテーション
    • 短期入所療養介護
    • 介護予防短期入所療養介護
    • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問介護と訪問看護を一体的に提供する事業所で、訪問看護を利用する場合に限る)
    • 複合型サービス(生活援助中心型の訪問介護以外で、上記のサービスを含むもの)

    【居宅サービス(2)】

    居宅サービス(1)と組み合わせた場合のみ、医療費控除の対象になります。

    • 訪問介護(生活援助中心のものを除く)
    • 夜間対応型訪問介護
    • 介護予防訪問介護
    • 訪問入浴介護
    • 介護予防訪問入浴介護
    • 通所介護
    • 認知症対応型通所介護
    • 小規模多機能型居宅介護
    • 介護予防通所介護
    • 介護予防認知症対応型通所介護
    • 介護予防小規模多機能型居宅介護
    • 短期入所生活介護
    • 介護予防短期入所生活介護
    • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問看護を利用しない場合)
    • 複合型サービス(生活援助中心型の訪問介護以外で、居宅サービス(1)のサービスを含まないもの)

    【医療系施設サービス】

    日常生活費や特別なサービスを除く、介護サービス費、食費、居住費の全額が医療費控除の対象になります。

    • 介護老人保健施設
    • 指定介護療養型医療施設

    【福祉系施設サービス】

    日常生活費や特別なサービスを除く、介護サービス費、食費、居住費の2分の1が医療費控除の対象になります。

    • 指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
    • 指定地域密着型介護老人福祉施設

    一見複雑なようですが、医療費控除の対象となるサービスの領収書には医療費控除額が記載されています。迷ったら領収書を確認しましょう。

    上記のほかにも、寝たきり状態にある人や、尿失禁の可能性がある人はおむつ代が医療費控除の対象になります。医療費控除に計上する場合は、おむつ代の領収書のほかに、「おむつ使用証明書」を医師から発行してもらう必要があります。また、通所リハビリテーションや、短期入所療養介護などを受けるために施設に通った交通費も医療費控除の対象となります。タクシーを利用した場合は領収書が必要になるので、忘れずに発行してもらいましょう。

  5. Q.

    シニアカーの介護保険制度によるレンタル代金の違いとは?

    シニアカーとは、高齢者に向けて作られた一人乗り用の車で、手に入れるためには、購入する方法とレンタルする方法があります。シニアカーを購入するとなると、値段が高額であるため介護する家族に経済的な負担がかかります。レンタルの場合、購入するよりは費用をかけずに済みます。さらに、介護保険制度を利用することでより負担を減らしてシニアカーをレンタルすることが可能です。

    まずシニアカーのレンタルは、介護保険制度を利用するか利用しないかで、大きく費用が変わってきます。介護保険を利用した場合、自己負担額の割合は所得に応じて1割もしくは2割です。そのため介護保険制度を使わない場合と比較すると、介護保険制度を利用してレンタルする場合は、経済的な負担は大きく減少します。

    シニアカーを全額自己負担ではなく、一部自己負担でレンタルしたいのであれば、介護保険の要介護認定を受ける必要があります。要介護認定の詳細や認定方法については、以下のリンクをご覧ください。

    要介護認定ってなに?

    この要介護認定の基準が要支援1、2もしくは要介護1の場合は、基本的に介護保険を利用してのシニアカーのレンタルは認められないので注意が必要です。ただし、要支援1、2、要介護1であっても、日常での歩行が困難であったり、移動の支援が必要であったりすることが認められた場合は、介護保険を利用してシニアカーをレンタルすることができます。

    シニアカーは道路交通法において歩行者として扱われるため、免許所持の必要はありません。基本操作は、曲がりたい方向にハンドルを回す、レバーの加減で速度調整するといったシンプルな操作になっているので、高齢者でも安心して乗ることが可能です。シニアカーを利用することで、これまで困難だった買い物や外出がより便利になります。

    このように、シニアカーは介護保険で安価にレンタルでき、操作も容易な乗り物ですが、運転の際はほかの歩行者や車に衝突しないように十分な注意が必要です。

  6. Q.

    在宅医療とは?

    在宅医療とは、医師や看護師などの医療従事者が、患者の自宅に訪問して行う診療行為のことです。ここでは、在宅医療にはどのようなメリットやデメリットがあるのかについてご紹介しましょう。

    在宅医療は、通院や入院と比較をすると、医療費や家族に求められるサポートにおいて様々なメリットやデメリットが存在します。

    【在宅医療は家での生活とケアを両立できる】

    在宅医療のメリットは、患者自身が住み慣れた場所でケアを受けられることにあります。入院治療の場合は、生活において様々な制限を課せられますが、在宅治療の場合は自分らしい生活を営みながら療養することができるのです。

    さらに、在宅医療は病院の生活よりもリラックスできるため、精神面が安定し不眠解消や食欲増進などといった有用な効果も期待されています。加えて費用面においては、入院治療を継続していくよりも、在宅治療のほうが安く済ませることができるのもメリットといえます。

    【在宅医療では家族の負担や不安が大きい】

    在宅医療のおけるデメリットは、患者の家族にかかる負担が大きいことです。入院治療の場合は医療従事者がケアを行いますが、在宅医療の場合は食事や服薬など家族がサポートを行わなければなりません。そのため、患者家族の負担や不安をいかに減らすことができるのかが、在宅医療における大きな課題となっています。

    加えて、在宅医療の場合、緊急時の対応に不安があるというのもデメリットとして挙げられます。入院治療では、スタッフや必要な機材がそろっているほか、24時間体制での対応を行っていますが、在宅医療では迅速な対応が難しいのが現実です。在宅医療を望む際は、これらのメリットやデメリットの内容を十分に把握しておくことが重要となります。

    厚生労働省は、高齢者が要介護の状態となっても、住み慣れた場所で治療や療養することができるように在宅医療の推進施策を行っています。在宅医療や介護で不安な点がある場合は、地域包括支援センターやケアマネージャーに相談をしましょう。万が一の場合に備えて、24時間体制の訪問看護サービスや、かかりつけ医と連携できる体制を整えておくと安心です。

  7. Q.

    介護保険外サービスとは?

    介護保険外サービスとは、利用者が料金の全額を負担する介護サービスのことです。本来、同じ介護サービスがすべての人にとってベストという状況は考えられません。受ける人によって、サービス内容をオーダーメイドするのが、理想の介護といえます。そうした自由度の高い介護を実現してくれるのが、介護保険外サービスなのです。

    【介護保険外サービスの概要】

    介護保険外サービスとは、介護保険が適応されず、利用者が料金の全額を負担する介護サービスを指します。介護保険適用のサービスは、要介護者の最低限の生活を支援することを目的にしています。これに対し、生活をより豊かにするためのプラスアルファの支援を行うのが介護保険外サービスです。

    【介護保険外サービスの内容】

    具体的なサービス内容は様々です。たとえば、要介護者の健康状態に配慮した食事を自宅まで届けてくれる「食事宅配サービス」、介護を受けている方向けにヘアカット、ヘアメイクなどのサービスを提供する「訪問理美容」などがあります。ほかにも、客間の掃除や家族の衣類の洗濯といった要介護者本人の利便に直結しない援助、花木の世話や大型家具の移動といった日常の家事の範囲を超えた援助も、介護保険外サービスに該当します。

    【介護保険外サービスのメリット】

    介護保険外のサービスは自由度が高く、要介護者や、その家族からの多様なニーズに対応できる点がメリットです。また、介護保険外のサービスは要介護認定がなくても利用できるので、より間口の広いサービスといえます。

    【介護保険外サービスと保険内サービスによる混合介護】

    今後は、介護保険サービスと介護保険外サービスを一本化して提供する「混合介護」が普及していくと考えられています。両者のメリットを合わせた、バランスの取れた介護が受けられるようになるでしょう。また、介護サービス事業者間の競争が活発化することで、介護サービスの質の向上も期待されています。

    提供しているサービス内容は、事業者によって異なりますので、興味があれば近隣の事業者に問い合わせてみてください。

  8. Q.

    介護サービス計画(ケアプラン)とは?

    介護サービス事業者による介護は、綿密に策定された計画にそって進められます。この計画のことを、介護サービス計画(ケアプラン)といいます。ここでは、介護サービス計画の概要や、作成するうえで重要なことについて説明します。

    【介護サービス計画の概要について】

    介護サービス計画とは、介護を受ける方のために策定される、提供サービスの内容、担当者などを定めた計画のことです。ケアマネージャーが利用者の心身状態を把握し、必要と思われる内容を含んだ介護サービス計画を作成します。介護保険の対象となり保険給付を受けるためには、この介護サービス計画が必要です。計画が伴わない介護サービスにかかる費用は、利用者側が全額を自己負担しなければなりません。

    【自分で介護サービス計画を決めることもできる】

    介護サービス計画の作成は、ケアマネージャーに依頼するのが一般的です。ただし、もし強いこだわりがある場合には、自分で作成することもできます。ただしこの場合、計画を作成した利用者本人、もしくは家族が自治体へ届け出なければならず、手続きが煩雑です。必要な情報の収集も、個人の力では困難な面があります。ケアマネージャーへの報酬は介護保険から支払われ、利用者や家族の負担はありませんので、通常は依頼することになるでしょう。

    【介護サービス計画を策定するにはケアマネとの信頼関係が重要】

    利用者には、ケアマネージャーが作成した介護サービス計画を却下する権利があります。やり取りの中で意見の食い違いが多いようであれば、別のケアマネージャーに依頼することも可能です。ただし忘れてはいけないのが、利用者に合った介護サービス計画を作成するためには、ケアマネージャーとの信頼関係が重要ということです。理想や好みに合っていないからといって、策定された計画をむやみに否定せず、専門家の根拠にもとづいた意見にしっかり耳を傾けましょう。介護サービス計画は、ケアマネージャーに頼む・頼まないに関わらず、介護を受ける人の立場に立った計画となっていることが大前提です。利用者にとってどんな介護が必要なのか、しっかりと見定めてください。

  9. Q.

    バリアフリーとユニバーサルデザインの違いとは?

    「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」という2つの言葉は、しばしば同じ意味で使われています。ここでは、2つの違いや、それぞれの特徴について紹介していきます。

    【バリアフリーとユニバーサルデザインの違い】

    バリアフリーとは、障害者・高齢者を主な対象として、生活の支障となるものを除去していく考え方のことです。この生活の支障には、制度的、心理的といったものがあてはまります。一方、ユニバーサルデザインとは、年齢・性別・人種などにかかわらず、すべての人が利用しやすい生活環境をデザインする考え方のことです。簡単にいえば、バリアフリーはユニバーサルデザインに含まれており、方法のひとつです。バリアフリーはユニバーサルデザインの中でも、とりわけ障害者・高齢者に配慮する傾向にあります。

    【バリアフリーの特徴】

    バリアフリーの定義は上記の通りですが、もともとバリアフリーとは、住宅建築用語で「段差などの障害の除去」を意味します。段差のないノンステップバスや、公園のスロープなどはその典型例です。このほかにも、街中で見かける点字や、施設内の音声案内もバリアフリーに分類されます。ちなみに、障害者・高齢者がスムーズに移動できるように、道路や車両、建築物、路外駐車場、都市公園を新設・改良する際にはバリアフリー化することが義務付けられています。これをバリアフリー法といいます。

    【ユニバーサルデザインの特徴】

    ユニバーサルデザインは「すべての人が人生のある時点で何らかの障害に直面することがある」という理念が起点となっています。最初から支障のない設計を理想としているのが特徴です。加えて、年齢・性別・人種などにかかわらず、すべての人を対象としています。ドラム式の洗濯機などはユニバーサルデザインの典型例です。背の高い人や低い人、高齢者でも洗濯物の出し入れが簡単にできます。もちろん、バリアフリーの対象者である障害者・高齢者もユニバーサルデザインの対象者です。

介護・医療制度

  1. Q.

    高齢者の医療制度について教えて

    高齢者向けの医療制度は、65~74歳までの前期高齢者医療制度と、75歳以上の後期高齢者医療制度があります。名前は似ているものの、対応している年齢の特性に応じた全く異なる制度なので、それぞれの医療制度について説明しましょう。

    前期高齢者医療制度は、国民健康保険加入者と被用者保険加入者の負担の差を減らすためのものです。企業に勤めて健康保険や共済などの被用者保険に加入していた人は、定年退職と共に国民保険へと加入し直します(任意継続被保険者となることも可能)。そのため、国民健康保険は被用者保険に比べて高齢者の割合が高くなっています。そして高齢者ほど病院にかかる機会が多くなるので、国民健康保険加入者は医療費の負担が重くなる傾向にあります。

    その差をなくすために、被用者保険の保険者から「前期高齢者納付金」を徴収し、国民健康保険の財政支援を行います。注意すべきなのは、前期高齢者医療制度はあくまでも国民健康保険と被用者保険の負担を均一にするための制度であり、それまで加入していた医療保険から別の保険に新しく加入するようなものではないということです。つまり対象者の負担が減るわけではなく、75歳になるまでは医療費等の自己負担額は従来通りになります。

    後期高齢者医療制度は、国民健康保険から独立した別の医療制度です。75歳以上の人と65歳以上の一定の障害がある人が加入し、医療費自己負担額が原則1割となります。この制度は従来の老人保健制度の問題点を改善するために、10年以上の議論を経て平成20年に施行されたものです。それまで不明瞭だった若者と高齢者の負担金の分担ルールを明確化し、さらに曖昧だった財政や運営責任の所在をはっきりさせるために、管理を都道府県ごとの広域連合に一元化させました。そして地域によって最大で約5倍もあった保険料格差をなくし、都道府県ごとの医療費水準に合わせた保険料を高齢者全員で公平に負担するようになりました。

    日本の医療制度は、2000年に世界保健機関(WHO)から総合点で世界一と評価されました。しかし現在高齢化によって医療費が増えており、今後どのようにして医療制度を維持していくかが重要課題となっています。

  2. Q.

    要介護認定ってなに?

    要介護認定とは、寝たきりや認知症等で介護・支援を必要とする状態にあるかどうかを判定することです。要介護認定を受けると介護保険のサービスを利用することができます。

    この認定は低い方から、非該当・要支援1~2・要介護1~5の7段階に区分されています。例として、日常生活は問題なく行えるものの、要介護状態を予防するために多少の支援が必要である場合は「要支援1」に分類され、介護が無ければ生活が不可能で意思の疎通が出来ない程に重度である場合は「要介護5」となります。介護や支援の必要が無い場合は「非該当」に区分されますが、将来的に介護や支援が必要とならないように市町村が実施する介護予防事業などに参加することが可能です。このように要介護認定の区分は、身心の状態や介護の必要度に応じて変化をします。

    要介護認定の申請を行うことができるのは、以下の条件を満たす人に限られます。まず年齢が65歳以上で介護を希望している人はいつでも役所の介護保険課窓口に要介護認定の申請ができます。そして40歳~64歳の人が申請をする場合に関しては、脳血管疾患や関節リウマチなどの特定疾病を患っている場合に限られます。まずは窓口へ申請をする前に主治医へ相談することをおすすめします。

    認定の申請をすると、はじめに市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して心身の状態を確認するための認定調査を行います。認定された段階によって給付される保険金の限度額が違うため、判定は客観的で公平な視点で行う必要があります。したがって、コンピュータによる一次判定と、それを原案として保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の過程で行われます。

    上記判定が行われた後、申請から30日以内に判定結果(非該当~要介護5)が通知されます。要介護認定と要支援認定は新規の場合、有効期間が厚生労働省令で6ヶ月(更新の場合は12ヶ月)と定められており、有効期間を過ぎてしまうと各種介護サービスが利用できなくなるため、超過をする前に更新の申請が必要です。

  3. Q.

    介護保険の申請の仕方を教えて

    介護保険に加入するための手続きは、40歳以上であれば必要ありません。しかし介護保険のサービスを受けるには、市区町村に申請して要介護認定を受ける必要があります。サービスを受けるまでの行程を説明します。

    1.主治医に意見書を書いてもらえるか確認します

    要介護度を決定するために、医師の意見書が必要になります。かかりつけの医師に意見書を作成してもらえるか確認してください。意見書は市区町村から医師に作成依頼を出すので、この時は確認だけで大丈夫です。

    2.要介護認定を申請します

    市区町村にある介護保険の担当窓口に、介護保険申請書を提出します。認印と介護保険被保険者証が必要になります。また、主治医の名前や病院の名前、所在地、最終受診日など記入する必要があるので、それらがわかるようなメモや診察券も用意しておきましょう。

    3.認定調査

    申請後、調査員が自宅や施設を訪問し、申請者の心身の状態を確認して認定調査を行います。また、市区町村が主治医に意見書作成の依頼を出します。

    4.審査判定

    調査結果や主治医意見書をもとに、コンピューターにて要介護度の一次判定を行います。その結果と主治医意見書を参考に、介護認定審査会が要介護度の二次判定を行います。

    5.認定

    申請から原則30日以内に要介護認定の結果が通知されます。非該当、要支援1~2、要介護1~5までのいずれかに分類され、受けられるサービスの判断基準になります。

    6.ケアプランの作成

    地域包括支援センターや、居宅介護支援事業者に、介護サービス計画書の作成を依頼します。依頼された介護支援専門員は、必要と思われる介護サービスや周辺の施設、本人とその家族の希望などを考慮して、適切なケアプランを作成します。

    7.介護サービス利用開始

    ケアプランをもとにした介護サービスを受けられるようになります。要介護認定は、新規や変更申請の場合は有効期限が原則6ヶ月、更新申請の場合は原則12ヶ月です。有効期限を覚えておき、認定の更新を忘れないようにしましょう。また、介護者の状態に変化があれば、要介護認定の有効期間中であっても、要介護認定の変更の申請を行い、介護レベルを改めて判定してもらうこともできます。

    要介護認定の申請は、本人や家族のほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者なども行うことができます。必要に応じて利用するとよいでしょう。

  4. Q.

    福祉用具貸与ってどんな制度?

    「福祉用具貸与」とは、介護保険によって福祉用具のレンタル料が安くなる制度のことです。要介護認定か要支援認定を受けた人が対象で、利用者の自己負担額は1割になります。サービスを利用したい場合、要介護者は居宅介護支援事業所に、要支援者は地域包括支援センターに相談します。これらの事業所や支援センターがケアプランの作成、福祉用具貸与事業者へのサービス提供の依頼を行った上で、利用者は商品貸与を受けることが可能となります。

    福祉用具貸与は高額な介護用品が安価に使用できる便利な制度です。ただし、介護保険の利用は介護度別の限度額が決められているため、事前によく調べるようにしましょう。また制度を利用できる介護用具には一定の定めがあり、対象は以下の13品目に限ります。

    【福祉用具貸与対象種目】

    • 車いす
    • 車いす付属品
    • 特殊寝台
    • 特殊寝台付属品
    • 床ずれ防止用具
    • 体位変換器
    • 手すり
    • スロープ
    • 歩行器
    • 歩行補助つえ
    • 認知症老人徘徊感知機器
    • 移動用リフト(つり具の部分を除く)
    • 自動排泄処理装置(交換可能部品以外)

    この中でも、利用者の要介護度によって介護保険を利用できる品目は変わってきます。要支援認定を受けた人や要介護度1の人は、手すりやスロープ、歩行器、歩行補助つえ、排便機能を有さない自動排泄処理装置をレンタルする際には介護保険を利用できますが、それ以外のものを使用したい場合は全額自己負担となります。また、自動排泄処理装置の中でも排便機能を有するものは、要介護4・5の人しか保険給付の対象になりません。

    また、入浴や排泄などに用いるレンタルにそぐわない福祉用具は「特定福祉用具販売」という制度を利用することができ、介護保険の限度額とは別に年間10万円まで保険の対象になります。「特定福祉用具販売」については、こちらでご紹介していますので、ご覧下さい。

    介護用品はどこで買うことができますか?

    こちらも「福祉用具貸与」と合わせて利用すると便利です。ただし、「福祉用具貸与」も「特定福祉用具販売」も限度額を超えると全額自己負担となるので、福祉用品をレンタル・購入した際にはどちらをいくら利用したのか、把握しておくとよいでしょう。

  5. Q.

    介護リフォームの補助金制度とは?

    介護リフォームとは、高齢者が安全に動けるように住まいをバリアフリーにリフォームすることです。この介護リフォームを行う際に、「高齢者住宅改修費用助成制度」と呼ばれる補助金制度を利用することができます。

    地域によって金額や内容が異なることがありますが、介護リフォームにおける補助金の額は、かかった費用の8~9割です。20万円を限度額として、最大で16~18万円が介護保険から補助金として支給されます。ただし、この制度を利用するためには、要介護や要支援認定を受けた人に限られます。加えてリフォームの内容によっては補助金の支給対象にならないため注意が必要です。

    介護リフォームにおいて、補助金の支給対象となるリフォームには多くの種類があります。具体的には、玄関や浴室に手すりを取り付け、廊下や居室の段差の解消、和式便器から洋式便器への取り替えなどです。ほかにも、滑りを防止する床材への変更や、引き戸や自動ドアへの取り替えなどが挙げられます。

    ちなみに、支給される介護リフォームの補助金は一度に使い切る必要はなく、支給を数回に分けることもできます。新しい住まいに転居した際は、介護リフォームの補助金をもう一度貰うことも可能です。要介護状態が著しく重くなった場合においても、補助金を再利用できるケースもあるため、必要に応じて申請しましょう。

    介護リフォームの補助金は、市町村の介護保険課で申請することができます。申請には工事費内訳書や改修完了確認書などの提出が必要であるため、事前に準備しておきましょう。これに加えて、ケアマネージャーや主治医の意見書などを求められることもあります。

    また、介護保険とは別に、各市町村で独自に介護リフォームの補助金制度を設けている場合があります。介護リフォームを考える際は、住んでいる市町村の担当に問い合わせてみてください。これらの介護リフォームの補助金制度を使えば、介護における経済的負担を減らすことのできるため、介護リフォームを行う際は積極的に活用しましょう。

介助者が行う準備・
心構え

  1. Q.

    介護費用はどのくらいかかる?

    介護費用は人によって変わってきますが、月に6万円弱を目安と考えてよいでしょう。厚生労働省が調査した要介護者の平均介護費と平均医療費は、月額で57,161円です。介護費用に医療費も合わせた数字なので、正確な介護費用の平均ではありませんが、要介護者にかかる費用という意味では参考になる数値です。

    ただし、介護費の個人差はとても大きなものです。要介護度、要介護者本人の収入、自宅と施設のどちらで介護を受けるのかなど、それぞれの事情により介護費は変化し、利用可能な制度も異なります。そして要介護度が高くなるほど支出も増えますが、逆に回復して要介護度が低くなれば支出も減ります。介護費用は変化するものと思っておきましょう。

    介護は月々の費用だけでなく、初期費用のことも考えなければいけません。自宅で介護を行うのなら、手すりの設置やバリアフリー化などの改修も必要になりますし、福祉用具を揃えるにも費用がかかります。しかし多額の改修費を支払って設備を整えても、要介護者が施設に入所したり、引っ越しをしたりしてそれらが不要になることや、逆に設備を整えていないのに自宅介護が長引き、介護をする側もされる側も身体を壊してしまうことがあります。

    つまり介護に入るための準備は、先を見越して慎重に考える必要が出てきます。このようなときに便利なのが、福祉用具貸与制度です。レンタルであれば必要な間だけ福祉用具を利用でき、移動用リフトや自動排泄装置などの本格的な設備を試すことも可能です。ベッドや車いすのクッションなどが体に合っているかを確認することもできるので、購入の前にレンタルで試してみるのもひとつの方法です。

    福祉用具のレンタルについては以下にて説明します。

    福祉用具貸与ってどんな制度?

    また施設に入所する場合も、一部の有料老人ホームでは、入所一時金という初期費用が必要な場合があります。入所一時金とは、その施設を終身利用するために支払う費用です。入所一時金が無料の有料老人ホームもありますが、その分月額の利用料は高い傾向があり、入所一時金が無料だからといって必ずしも経済的とは限らないので注意しましょう。

    介護と決して切り離すことのできない費用の問題ですが、介護保険の高額介護サービス費や、後期高齢者医療制度の高額療養費、市区町村によって定められた助成金の制度を利用できる場合もあります。介護費用の節約になりますので、介護が必要になったときに利用できる制度がないか調べてみることをおすすめします。

  2. Q.

    介護について相談できるところは?

    介護について相談できるところは多くあり、公的機関から民間団体まで、様々な施設や団体が介護相談窓口を設けています。無料で相談できるところもありますので、積極的に利用してください。窓口によって、それぞれ専門とする相談内容が異なる場合もあるので注意しましょう。地域の相談窓口を探す方法としては、電話帳やインターネットで調べる、市区町村の窓口に尋ねるなどが挙げられます。

    以下では各窓口の特徴を説明します。

    【地域包括支援センター】

    市区町村、または自治体から委託を受けた法人が運営しており、総合的に地域の介護支援事業を行う機関です。介護について困ったことや心配があるなら、まずは地域包括支援センターに相談しましょう。保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャーなど、複数の介護専門家がそれぞれの専門性を活かしたアドバイスを行います。介護予防についての相談も扱っているので、介護を意識するようになったら気軽に相談することができます。電話相談も可能です。

    【保健所】

    都道府県や特定の自治体に設置されている公的機関で、健康に関する相談を受け付けています。心の病についての相談も、精神保健福祉相談員や保健師などの専門家が対応します。必要があれば、相談者の自宅まで訪問することもできます。

    【居宅介護支援事業所】

    ケアマネージャーが常駐している介護サービス事業所のことです。要介護1以上に認定された人しか利用できませんが、介護についての様々な相談を受け付けています。居宅介護支援事業所については、以下にて詳しく説明しています。

    居宅介護支援事業所ってなに?

    【都道府県社会福祉協議会】

    法律に基づいて設置されている、営利を目的としない民間組織です。福祉サービスに関する苦情を受け付けています。利用者が福祉サービスに納得できないとき、事業所に相談しても解決できなかったり、相談しにくい場面では、中立の立場から解決に尽力してくれる社会福祉協議会に頼ることができます。

    この他にもたくさんの介護相談窓口が存在します。介護について悩んだときは気軽に利用しましょう。

  3. Q.

    在宅介護と施設介護はどう違う?

    在宅介護と施設介護の違いは、介護サービスを利用する場所です。在宅介護は居宅介護とも呼ばれ、要介護者は住んでいる自宅にて介護サービスを受けますが、施設介護では、要介護者は施設に入所して介護サービスを受けます。介護を受ける場所以外には、それぞれ以下のような特徴があります。

    ■在宅介護

    【在宅介護のメリット】

    • 様々な介護サービスを組み合わせて利用できる
    • 一般的には施設介護より介護費が安い
    • 要介護者は住み慣れた家で生活できる
    • 利用しているサービスを変更しやすい

    【在宅介護のデメリット】

    • 同居している家族への肉体的・精神的な負担が重い
    • 要介護者は外部と接触する機会が少ないので、孤立や寝たきりになりやすい

    ■施設介護

    【施設介護のメリット】

    • 家族への肉体的・精神的な負担が少ない
    • プロが24時間対応してくれる
    • 栄養の整った食事が提供される
    • 要介護者は他の入居者と交流を楽しめる

    【施設介護のデメリット】

    • 施設が提供する介護サービスしか利用できない
    • 要介護度が変わると、退去しなければいけないこともある

    以上の特徴は一般的な例であり、あらゆる場面に当てはまるわけではありません。利用する事業所や地域の取り組みなど、様々な要因によって介護サービスの質や内容は異なります。

    また介護サービスの中には、在宅介護か施設介護か、一見判断しにくいものもあります。例えば、日頃は自宅で生活している人が、短期間だけ施設に入所する場合は在宅介護に分類されますし、逆に日頃は自宅で生活している人が、病気で体調を崩している間だけ施設に入所する場合は施設介護になります。在宅介護と施設介護を正しく理解し、要介護者や家族にとって最適なサービスを選ぶことが大切です。

    利用できる介護サービスにどのようなものがあるか知りたい場合は、地域包括支援センターにて紹介してもらえます。気になる介護施設やデイサービスなどが見つかれば、一度見学に行くことをおすすめします。実際に訪れることで事業所の規模や雰囲気を知ることはもちろん、職員に直接質問することもできるので、より詳しい知識を得ることができるでしょう。

  4. Q.

    介護腰痛を予防する方法とは?

    介護する人の中には、無理な姿勢や疲労から腰に痛みを感じる人が多くいます。しかし介助者が腰痛になってしまうと、介護を必要とする家族の面倒を見る事が難しくなります。介護の際には、腰痛を引き起こさないような姿勢や動作を心がけ、常に自身のケアも行うことが大切です。

    介護で腰痛にならないために、次のような姿勢や動作に注意しましょう。寝ている介護者を起こす際に、介助者は両ひざを伸ばした状態で抱え上げないようにしましょう。一旦ひざを曲げしゃがむように介護者を抱えてから、ひざを伸ばすようにすると腰への負担が減ります。

    【移動時はできるだけ抱えない】

    車いすやベッドから移動させる際に、高齢者を抱えないように工夫してみましょう。スライディングボードやスライディングシートといった福祉用具が便利です。ベッドの高さを調節できるようであれば、さらに腰痛を防ぐことができます。

    【できるだけ腰をひねらない意識を】

    高齢者を移動させたり、トイレや風呂などで介護したりする際は、腰をひねる姿勢になりがちです。腰をひねらないことをなるべく意識しながら、福祉用具を積極的に利用し、腰を気遣った動きに変えていきましょう。

    介護での腰痛を防ぐためには、介助者が自身の体のケアを行うことが大切です。

    【休息や睡眠を十分に取る】

    腰痛を防ぐために、適宜休憩や休息を取りながら作業を行いましょう。筋疲労の蓄積を抑えることができます。睡眠は肉体的、精神的な疲労回復に大切です。介護の疲労を溜め込まないよう、熟睡できる環境を整えましょう。

    【ストレッチで体をほぐし腰痛を防ぐ】

    腰痛は腰の周りの筋肉が緊張することによって起きます。ストレッチを行って、筋肉を柔らかく保ち、筋肉の血の流れを増やすようにしましょう。

    【ストレスを解消して腰痛を防ぐ】

    精神的なストレスや疲労感や不安感といったことも、腰痛の発症と深く関わりがあることが多く報告されています。介護は、精神面にも深く影響を与えていることもあるので、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。

  5. Q.

    介護のときのコミュニケーションのコツとは?

    介護のコミュニケーションで大切なのは、高齢者の気持ちに寄り添うことです。ここではコミュニケーションのコツを紹介します。

    【相手の反応を待つ余裕を持つ】

    高齢者との会話で大切なのは、待つことです。介助者は日々の生活の慌ただしさから、物事を早く進めたいと感じる瞬間が多くあるでしょう。しかし心身の機能が低下した高齢者にとっては、介助者のスピード感についていくのが難しい可能性があります。高齢者に何を聞いても答えがないと思った時には、会話のペースを落として返答を待ってみて下さい。そのことで、コミュニケーションの取りやすさが改善される可能性があります。

    【否定をしない】

    高齢者との会話では、なるべく否定的な言葉を使わないようにしましょう。すべて受け入れる姿勢をみせることで、高齢者に安心感を与えることができます。高齢者は自分の言葉が否定されると、自分自身が拒絶されたと感じてしまうこともあります。事実と違ったことを話していても、大きな問題となることでなければ否定する必要はありません。ただし高齢者のわがままをすべて許容するという意味ではありませんので、時には注意するということがあっても問題ありません。

    【高齢者の行動に寄り添った言葉をかける】

    特に認知症の人に対する介護では、食事の直後に「食事をとらせてくれない」と騒いだり、同じ話を繰り返したり、落ち着けずに思いもよらない行動にでたりすることなどが起こりやすくなります。そういった時でも、介助者は乱暴な言葉遣いになったり、怒鳴ったりしてはいけません。

    抑圧的な言葉をかけることで、高齢者はストレスが高まり、今まで以上に不安定な気持ちになってしまいます。介助者に精神的なゆとりがなければ難しい面もありますが、なるべく高齢者の気持ちに寄り添い、今何がしたいのか、何故その行動を起こしたいのかをしっかりと聞いてあげることが望ましいです。声の掛け方に気を付けて、高齢者が安心して過ごせる環境作りを心がけましょう。

  6. Q.

    介護における自立支援とは?

    自立支援とは、できる限り自分の意思や力で生活ができるようにサポートすることです。日本は、世界規模で見てもとくに高齢化が進んでおり、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」や「医療費の増大」などが大きな問題となっています。こうした問題を解決するためには、高齢者や障害者が日常生活を送れるような自立支援のサポートが必要なのです。

    自立支援の目的は、寝たきりの高齢者や障害者を減らすことにあります。寝たきりの状態は、病気やケガなどで体の機能が低下したからなるのではなく、治療のため安静にすることで、日常生活に必要な動作を行わなくなったために、体の機能が低下していることを指します。つまり、日常生活に必要な動作をできる限り自分で行うようにすることで、介護者の人数を減らすことができるのです。

    高齢者や障害者の自立に大切なのは、日常生活において自分でできる動作を増やしていくことです。そのために、介護施設や訪問介護施設などの多くで、「水分を摂取すること」、「栄養のある食事を取ること」、「トイレで排泄すること」、「歩行や体を動かすこと」の4つを、日常生活に必要な基本動作のポイントとして介護を行っています。水分や栄養をしっかり取ることで、体調が安定し体力も向上するほか、適度に体を動かすことで運動機能の回復にもつながっていくのです。

    高齢者や障害者自身の意思によって行動することが、日常生活において自立するための重要な要素となります。介護する側が全て決めてしまい、一方的に意見を押し付けるようなやり方は自立支援とはいえません。介護における自立支援では、介護者本人が意思を持って生活できるように、本人が何を望んでいるかを理解し、選択の自由を尊重することがポイントなのです。また、選択の自由や自分で行うという意思を奪わないような働きかけも大切な要素となります。

    自立支援を行ううえで、解らないことや相談事がある場合は、介護や生活支援における専門職員が居る「地域包括支援センター」に相談するのもよいでしょう。地域包括支援センターの詳細ついては、以下のリンクを参照してください。

    地域包括支援センターとはどんなところなの?

高齢者ケア

  1. Q.

    高齢者の転倒を予防する方法を教えて?

    高齢者の転倒を予防するには、自宅を片付けたり段差に目印を付けたりして、転倒しにくい環境を整えましょう。他にも歩きやすい靴選びや、転倒時の衝撃をやわらげるマットやプロテクターも効果的です。

    高齢者は筋力が低下して足が上がりにくくなります。また平衡感覚の衰えや視力の低下もあり、転倒しやすくなるのです。高齢者が転倒し怪我をすると回復できずに寝たきりになってしまう可能性があるため、十分注意する必要があります。介助者は高齢者の転倒の危険を理解して、自宅内と屋外でそれぞれ転倒防止対策を行いましょう。

    【高齢者の自宅内での転倒防止対策】

    高齢者の自宅はつまずきそうなものや障害になるものを片付けて、歩行しやすくすることが大切です。また家の中で段差がある場所には、目立つようにカラーテープを貼って段差の場所を意識できるようにすることもおすすめです。高齢者の転倒予防には手すりの設置も有効ですので、参考にこちらもご覧になってください。

    在宅介護するなら手すりを設置したほうがいい?

    【高齢者の屋外での転倒防止対策】

    高齢者が外出するときの転倒防止対策は、歩きやすい靴選びが大切です。東京都生活文化局が行った「1年間で履物が原因となった転倒・転落の有無」の調査によると、転倒・転落した人の38.5%は履物に原因があったという結果が出ました。原因となった履物の1位はつっかけで2位はスリッパになっており、どちらも滑りやすく引っかかりやすい履物です。ちょっとした外出でも油断せず、高齢者本人の足にフィットした靴を用意するようにしましょう。

    【転倒時に備えた対策】

    フローリングにマットを敷いたり、パッドが入ったヒッププロテクターを用意したりすると転倒時の衝撃を軽減できます。気を付けていても予期せぬ事故は存在するため、転倒した場合を想定して準備しておきましょう。

    他にも高齢者が服用している薬の副作用で眠気やめまいが起こり、転倒しやすくなる場合もあります。そのような場合には、早期に医師に相談しましょう。

  2. Q.

    高齢者に起こりやすい事故とは?

    高齢者の場合は、ちょっとした事故が寝たきりになってしまうほどのリスクにつながります。高齢者の交通事故についてはニュースで取り上げられることも多くありますね。では高齢者の事故にはどんなものがあるのでしょうか。

    高齢者の事故原因の1つに、長年の経験からくる過信が挙げられます。代表的なものが運転中の交通事故です。若い時にできたから大丈夫、長い間やっているから安心だと言いきれません。また、長く住んでいる家の中でも、転倒したりぶつかったりしてケガをするなど思わぬところに事故が隠れています。同居する家族は、高齢者が触れるあらゆることに対して安全確認をすることが大切です。

    【交通事故】

    高齢者は若者よりも判断力などが鈍るため、運転にも十分注意を払う必要があります。中には免許を返納する人もいますが、生活のためどうしても車が必要な場合はハンドルを握らなければなりません。交通事故は本人だけではなく、第三者が巻き添えになる怖さもあります。70歳以上の高齢者は免許更新時に高齢者講習が義務付けられています。さらに更新期間の満了日に年齢が75歳以上になる高齢者に対しては、高齢者講習の前に講習予備検査を受ける必要があります。このことで公道での運転に問題がないかどうかをチェックすることができます。

    【家の中での死亡事故】

    実は交通事故よりも、自宅内での不慮の事故により亡くなってしまう高齢者が多くいます。原因は溺死、窒息、転倒などです。溺死は入浴中が主になりますが、入浴はその他にも転倒、心肺停止など多くの危険が考えられます。高齢者と同居する家族がいる場合は、高齢者の入浴中に時々様子を確認することも大切です。

    次に転倒についてですが、段差につまずいてケガをする高齢者も多くいます。骨折して入院すると、そのまま寝たきりになってしまう高齢者もいるので注意が必要です。ちょっとした段差が大きな事故に至ってしまうこともあるのです。毎日暮らしている家こそ、安全かどうかを念入りにチェックする必要があります。

  3. Q.

    高齢者にはベッドと布団どちらがよい?

    「高齢者にはベッドと布団のどちらがよいか」という選択は、高齢者が生活するうえで、重要な問題です。ここでは、高齢者が眠る環境として、ベッドと布団のどちらが適しているのかを説明していきます。

    【高齢者にとって、寝起きしやすいのはベッド?布団?】

    一般的に、高齢者に適しているのはベッドです。高齢者にとって、体が起こしやすいかどうかは眠る環境を決めるうえで重要な判断材料です。床に敷く布団よりもベッドのほうが、床からの距離があり、足腰の弱っている高齢者でも楽に起きることができるでしょう。布団の場合、起き上がるときに布に足をとられて転倒してしまう可能性があります。また、介護者もあまりかがむ必要がないため、負担を減らすことができます。ただし、ベッドは転落の危険性があります。座ったときに足の裏がつくような高さのものを選びましょう。

    【布団はベッドより、高齢者がホコリを吸い込みやすい】

    空気中のホコリを吸い込むと、風邪や感染症のリスクが高まります。体の抵抗力が低い高齢者の場合、若い人よりも感染症に対して警戒していなければなりません。そして、ホコリの吸い込みやすさを左右するのが、ベッドか布団かの選択です。一般的に床から30cmほどの高さに、空気中のホコリは漂っています。布団に寝転ぶと、ホコリが多く漂う位置に顔がきます。つまり、ホコリの吸い込む量を減らす意味でも、ベッドのほうが適しているといえるのです。ただし、ベッドの場合には、ベッドの下にホコリが溜まりやすいので、こまめに掃除する必要があります。

    【高齢者が暖かく眠れるのは布団よりベッド】

    暖まった空気は上へ流れていきます。逆に冷たい空気は下に流れ込みます。寒い冬に暖房を使っても、床に敷かれた布団では暖かさを感じられないかもしれません。しかし、ベッドには高さがあるので、流れてくる空気の暖かさを十分に感じられます。湿気がこもりがちな夏も、ベッドの下を空気が通り抜けるように工夫すれば、快適に過ごすことができます。このように、暖かさや通気性に優れ、気持ちのよい眠りが得やすいのもベッドです。

  4. Q.

    高齢者がベッドから楽に起き上がるには?

    高齢者のなかには、ベッドから起き上がることが難しい人もいます。ここでは、高齢者にとって役立つ、「楽に起き上がれる方法」を紹介します。起き上がり介助の方法も、あわせて解説しますので、参考にしてみてください。

    【高齢者がベッドから楽に起き上がる方法】

    トイレや食事の度に介助が必要になると、介護者にとっても高齢者にとっても負担になります。身体機能が弱っている高齢者でもちょっとしたコツをつかめば自力で起き上がれるようになる場合があります。楽に起き上がる手順を以下に紹介します。

    1. まず、仰向けに寝ている体を横向きにします。そのとき、体の下になるほうの腕は前に60度ほど開いておきます。
    2. 横向きになった体とベッドの間に空間を作るようにして、体の下にあるほうの腕を90度くらいに曲げます。この時点で、横向きの体は肘で支えられている状態になります。
    3. 肘立ちになって背中がベッドから離れたら、体の下にあるほうの先ほど曲げた腕を伸ばします。そのとき、ベッドをしっかりと手のひらで押しながら伸ばします。そうすれば、座った状態まで起き上がれるでしょう。

    【高齢者がベッドから起き上がる時の介助】

    どうしても自力で起き上がることが難しい場合は、介助が必要です。一般的な起き上がり介助の方法を紹介します。この方法を実践するためには、ベッドの脇に少し太めのひもをつけておく必要があります。

    1. まず、ベッド脇につけられたひもを、本人に片方の手で握ってもらいます。このとき、本人の腕は前に60度ほど開くようにしてください。
    2. 介護者は本人に覆いかぶさるようにして、首の後ろに片腕をまわします。
    3. 本人の空いているほうの腕を、介護者の首の後ろにまわします。この時点で、片方の手はベッド脇のひもを握り、片方の腕は介護者の首の後ろにまわっているはずです。
    4. 介護者が体を引き起こすと、体の下にある腕は曲がり、肘立ちの状態になります。そこで、本人にひもを離してもらいます。本人の体は半分ほど起き上がっている状態ですので、あとは、体の下のほうにある手でベッドを押してもらい、同じタイミングで介護者は本人の体を引き起こしましょう。座った状態になります。
  5. Q.

    高齢者のベッドからの転落を防ぐには?

    高齢者介護では、ベッドからの転落事故が頻繁に起こっています。転落した衝撃で骨折してしまうケースも少なくありません。また、骨折した箇所によっては重症になってしまうこともあります。ここでは、高齢者のベッド転落を防ぐための対策について紹介します。

    【高齢者によるベッド転落防止のために】

    高齢者は1人でベッドから降りようとしたときに転落してしまうケースが多いです。「なぜベッドを降りようとするのか」を把握すれば、対策が立てやすくなります。ベッドから降りる動機として最も多いのは「トイレに行くこと」です。水分補給を調節することによって夜のトイレを多少は減らすことができます。また、もう1つの代表的な理由である「夜の不安感」も、日中に適度な運動をして眠りの質を高めることで改善できるでしょう。それだけではなく、以下に紹介する転倒防止グッズも活用してみてはいかがでしょうか。

    【高齢者の介護に便利なベッド転落防止グッズ】

    高齢者の転落は頻発しているため、さまざまな転落防止グッズがあります。ベッドの脇に取りつける転落予防用の「サイドサポート」は、そうしたグッズの一例です。周りをすべて囲むことは「身体拘束」として、介護保険制度で禁止されています。しかし「サイドサポート」なら介護保険制度にも抵触しません。また、万が一転落してしまった際の衝撃を緩和するマットレスや超低床ベッドも、高齢者介護の現場では広く利用されています。ただ、自分で歩行のできる高齢者の場合は、マットレスに足をとられてしまう可能性も考えられますので、つまずかないようにマットレスをテープなどで固定しておきましょう。介護施設では高齢者の離床にいち早く気づくため、重量センサーも普及しているようです。
    また、転落防止グッズがない場合でも、壁に面してベッドを配置することで少なくとも片方からの転落リスクをなくすことができます。ベッドの周辺は、つまずきそうなものを取り除くなど、常に整理しておきましょう。

    【転落してしまった際のリスクを軽減するベッドの高さ】

    ベッドを選ぶ際には、万が一のために「ベッドの高さ」を意識しましょう。ベッドの床が高すぎると、転落してしまった場合のリスクが高まります。最近の介護用ベッドは、高齢者に配慮して低く作られているものが大半となっています。使用者にあわせて高さが変えられるベッドなどもあります。介護者の感覚で判断せず、使用する高齢者の脚の長さや、転倒時のリスクに合わせてベッドを選ぶようにしましょう。

介護の仕事

  1. Q.

    地域包括支援センターとは?

    地域包括支援センターとは、高齢者が地域で生活することができるように、健康の保持や生活の安定のために必要な援助を行う組織です。全国で4,000以上の数があり、市町村で固有の名称を付けていることも少なくありません。そのため、あんしん相談センターやシニアサポートセンターなどと呼ばれていることもあります。

    地域包括支援センターは主に、地域包括ケアシステムを構築するための中核的な機関として市町村が設置しています。この地域包括ケアシステムというのは、高齢者が人生の最後まで住み慣れた地域で過ごすことができるように、地域で包括的な支援やサービスを提供する体制のことをいいます。

    地域包括支援センターには、保健師や主任ケアマネージャー、社会福祉士などが配置されていて、チームを組んで業務を行っています。医療については保健師、介護に関しては主任ケアマネージャーといたように、相談者の様々な問題に関して、専門家から適切なアドバイスや支援を行うことができます。各分野の専門家が揃っているので、医療や介護に関してどこに相談すればよいのか分からないといった場合にも利用することが可能です。

    また地域包括支援センターごとに実施しているサービスが異なるのも特徴です。例えば介護者のためのヘルパー養成講座や、高齢者同士の交流を深める食事会など、地域によって様々な取組みを行っています。

    高齢化が急速に進行する日本では、国民の医療や介護の需要が、今後さらに増加していくことが見込まれています。高齢化によって、医療や介護サービスの利用にあたり、病院への入院や老人ホームへ入所が現在より難しくなるでしょう。結果として、医療や介護が必要な人や高齢者などを、在宅の医療や介護でケアする機会が増加します。このような背景もあり、高齢者が地域で生活することができる仕組みを作ることが構想され、地域の中核となるべく設置された機関が地域包括支援センターなのです。

    介護を行ううえで、何か困ったことがあったときには、まず地域包括支援センターに相談するといいでしょう。事前に連絡を入れておくことで、悩んでいる分野に詳しい専門家へスムーズに相談することができます。

  2. Q.

    地域包括支援センターにいる社会福祉士の役割とは?

    地域包括支援センターの社会福祉士は、主に介護や福祉サービスに関する相談役を担っています。高齢者や障害者のほか、その家族の人が抱える様々な問題に対して、適切なアドバイスを行うのが、地域包括支援センターにおける社会福祉士の仕事です。相談以外にも、社会福祉士は高齢者や障害者の生活習慣の見直しを行う介護予防プランも作成します。

    まず、地域包括支援センターとは、自治体が設置した福祉サービスの利用者の相談窓口です。詳しい情報については、地域包括支援センターについて詳しくは、以下のリンクを参照してください。

    地域包括支援センターとはどんなところなの?

    この地域包括支援センターで社会福祉士が対応する問題は様々です。具体的な相談内容として、介護保険の相談や権利擁護のほか高齢者虐待問題などが挙げられます。また、相談の内容によっては保健師や主任ケアマネージャーと役割を分担しながら協力して業務を行います。このように社会福祉士は、ほかの専門家と連携をしながら、利用者が生き生きと暮らせるようにサポートをするのです。

    加えて社会福祉士は、地域包括支援センターに直接相談に訪れた人だけではなく、電話や訪問によっても相談対応を行います。訪問による相談は、高齢者のもとへ直接足を運ぶため、地域包括支援センター以外で仕事を行うことも少なくありません。

    ただし、社会福祉士の役目は、相談されたことを直接解決することではありません。問題の解決に結びつく適切な行政サービスや病院、施設、機関などにつなぐパイプ役を担うことで相談者を支援します。そのため、社会福祉に関する知識だけではなく、話を聞くカウンセラーとしてのスキルや問題を適切に対処する能力も求められます。

    これからますます高齢化が進み、高齢者が住み慣れた地域を離れることなく安心して暮らすために、社会福祉士の存在は必須です。介護や生活に関する悩みを抱えている場合は一人で悩まずに、まずは地域包括センターの社会福祉士へ相談してみてください。

  3. Q.

    介護福祉士とケアマネージャーの違いは?

    介護福祉士とケアマネージャーは、どちらも介護現場においては中心的な職種です。ここでは、よく混同されてしまう両者の違いを、仕事内容や受験資格から具体的に解説します。

    【介護福祉士とケアマネージャーの仕事内容の違い】

    介護福祉士とケアマネージャーは、そもそも仕事内容に大きな違いがあります。介護福祉士の仕事は、介護そのものです。食事や入浴、外出、排泄の介助といった一般的な介護業務を行います。一方、ケアマネージャーの仕事は、介護保険制度に準じたケアプランの作成です。介護福祉士をはじめとするさまざまな職種との連携が求められます。つまり、介護の実務を行うのが介護福祉士で、総合的な管理を行うのがケアマネージャーと言えます。

    【介護福祉士とケアマネージャーの受験資格や合格率の違い】

    介護福祉士とケアマネージャーには、試験の受験資格に大きな違いがあります。介護福祉士の受験資格は、「3年以上の実務経験」と「実務者研修の修了」です。介護士の養成施設の卒業と同時に介護福祉士の資格を取得することもできます。一方、ケアマネージャーの試験を受けるには、「法定資格を持つ場合は5年以上の実務経験」が必要です。法定資格を持たない人の場合、10年以上の実務経験が必要とされていますが、2018年以降、無資格の人は受験できなくなります。また、実務経験と認められる業務が一部対象外となりました。
    介護福祉士の合格率は60~70%ですが、ケアマネージャーの合格率は20%程度です。このことからケアマネージャーは難関資格として認識されているようです。

    【介護福祉士とケアマネージャーの介護現場での関係】

    ケアマネージャーは介護福祉士からのステップアップ資格としてとらえられています。介護福祉士として経験を積み、難関のケアマネージャーに挑戦するというプロセスが一般的です。両者は、介護現場では上司と部下の関係となります。介護福祉士はケアマネージャーが作成したケアプランにしたがって介護業務を行わなければなりません。介護福祉士のマネジメントを行ったり、要介護者の家族と接したりするのは、ケアマネージャーの仕事です。ケアマネージャーの判断によっては、介護福祉士が直接家族とやり取りする場合もあります。

  4. Q.

    福祉用具専門相談員とは?

    介護にかかわる用具を安全に利用するためには、「福祉用具専門相談員」の存在が欠かせません。ここでは、介護現場の専門職である福祉用具専門相談員について解説します。

    【福祉用具専門相談員とは】

    介護施設には、車椅子や介護用ベッドといったさまざまな種類の用具があります。入浴用のリフトなど、大がかりな設備も少なくありません。福祉用具専門相談員とは、そうした用具の選定を行い、使い方の指導をする人のことです。用具の選定は、利用者の身体状況を考慮しながら行われます。用具が適切に利用されているかを把握するために、定期的に用具の状態をチェックし、必要に応じて調整を行います。また、利用者から届いた相談内容に基づき、「福祉用具サービス計画書」を作成することも業務の1つです。

    【福祉用具専門相談員に関連した資格】

    福祉用具専門相談員として働くためには、専門の資格が必要となります。資格の取得には「50時間の講習受講」と「修了評価試験の合格」が必要です。基本的に希望者であれば誰でも受講・受験することができます。この資格があれば福祉用具専門相談員として働くことができます。また、福祉用具専門相談員のスキルアップのために設けられている研修や検定もあります。所定の機関で研修を受け、検定などに合格することで「福祉用具プランナー」、「福祉用具選定士」、「福祉住環境コーディネーター」などの専門職名を使うことができるようになります。

    【福祉用具専門相談員の資格が役立つ場面】

    福祉用具専門相談員は、ケアプランを参考にしながら「福祉用具サービス計画書」の作成を行います。そのため、ケアマネージャーの業務である「ケアプラン作成」のノウハウを得ることができます。ケアマネージャーになることを志している人が、その前段階として福祉用具専門相談員を目指すことも多いようです。また、利用者の家族が福祉用具に関する知識を得るために講習を受け、資格を取得するケースもあります。介護におけるさまざまなシーンで役立つ資格と言えるでしょう。

  5. Q.

    介護福祉士と社会福祉士の違いは?

    介護福祉士と社会福祉士は、どちらも福祉にかかわる仕事です。両者の名前はよく似ているものの、仕事の内容は大きく異なります。ここでは両者の違いについて解説していきます。

    【介護福祉士と社会福祉士の仕事内容の違い】

    介護福祉士は、介護の最前線に立ち、入浴や食事、排泄、移動の介助といったように直接介護を行います。介護に関する深い知識、高いスキルが必要になります。また、動くことの多い仕事ですので、体力も必要です。一方、社会福祉士は原則として、介護に直接携わることはありません。身体上、精神上の障害を抱えている人を対象として福祉に関する相談に応じ、さまざまな制度の利用方法などを助言・指導することが業務の中心になります。そのため、福祉・法律・制度について豊富な知識が必要とされています。また、利用者それぞれに、より的確な提案をするために、カウンセリングの技術も必須となります。介護福祉士が直接介護のプロフェッショナルであるのに対し、社会福祉士は相談援助のプロフェッショナルと言えるでしょう。

    【介護福祉士と社会福祉士の資格取得方法の違い】

    介護福祉士の資格を取得するためには、介護福祉士国家試験に合格しなければなりません。介護福祉士国家試験を受けるためには、「3年以上の実務経験+実務者研修」、「福祉系高校の卒業または、福祉系特例高校の卒業+9ヶ月以上の実務経験」、「介護福祉士養成施設の卒業」のうち、いずれかの要件を満たしている必要があります。また、介護福祉士養成施設修了者に関しては、卒業年度によって筆記試験が免除されていることがあります。
    社会福祉士の資格を取得するためには、社会福祉士国家試験に合格しなければなりません。社会福祉士国家試験を受けるために選べるルートは11通りもありますが、その多くで1年以上の実務経験が必要です。また、どのパターンでも福祉系学校または、養成施設での経験が必須となっています。

    【介護福祉士と社会福祉士の試験における難易度の違い】

    介護福祉士の試験内容は基礎的なものとされており、合格率も60~70%台です。そのため、介護福祉士の合格者数は、社会福祉士の合格者数の5~9倍と言われています。一方、社会福祉士は受験資格を得るのが難しく、国家試験の内容も非常に難度が高いことで知られています。厚生労働省が公表している試験の合格率は20%台を推移しており、決して高いとは言えません。

高齢者の病気・病状

  1. Q.

    認知症の症状とは?

    介助者にとって、家族の認知症は深刻な問題です。認知症にともなう摂食障害や徘徊など周囲への影響もそうですし、高齢者自身も環境の変化に多少の不安や戸惑いを感じてしまうのです。介助者は認知症の症状や種類を知って、初期段階から対応できるように心構えしておきましょう。

    認知症とは、脳の機能が低下し記憶や思考に影響が現れる病気です。認知症は単なるもの忘れとは異なり、症状も多岐にわたるのが特徴です。記憶障害や徘徊などさまざまな種類の症状が見られますが、これらは大きく分けて中核症状と行動・心理症状という2種類の症状に分類することができます。

    【身体に関わる中核症状】

    まず中核症状と言われるものは、脳細胞が破壊されることによって現れる症状で、認知症を患っている方すべてに見られる症状です。症状としては直近のできごとや昔のことを忘れる記憶障害、日付や自分がいる場所が分からなくなってしまう見当識障害、ものごとの良し悪しの判断ができなくなる判断力の障害などがあります。

    【精神面に関わる行動・心理症状】

    行動・心理症状は、脳細胞の破壊が原因となる中核症状とは異なり、精神的な要因が強い症状です。中核症状は見られるものの、周辺症状は見られないというケースもあります。症状としては、徘徊や、幻覚、失禁、介護拒否などです。このような行動・心理症状は、叱責などの周りの対応に起因することがあります。

    特に脳障害が起因している中核症状については、本人にはどうすることもできない症状です。家族にとっては多少なりともショックがあるかもしれませんが、認知症の重症化や周辺症状の悪化を防ぐためにも、早めの段階で専門家などに相談することが大切です。

    また周辺症状は、叱責や間違いを正すなどの家族の行動がさらなる症状の悪化を招いてしまっている場合があります。認知症になった家族を受け入れるという姿勢も、家族の心構えとして大切なことです。どのような対応をするかは、家族で話し合っておくと良いでしょう。

  2. Q.

    物忘れと認知症の違い

    物忘れがあるとすぐに認知症を疑ってしまうことはありませんか?

    しかし物忘れがある人がすべて認知症というわけではありません。物忘れには、老化によるものと認知症によるものがあり、同じ物忘れでも症状が少し異なります。老化による物忘れと認知症にはどのような違いがあるのでしょうか。

    最近会った人の名前が思い出せなかったり、うっかり用事を忘れてしまったりということは、歳を取れば誰にでもあるものです。その物忘れが単なる加齢によるものなのか、認知症によるものなのか判断し、もし認知症であればできるだけ早く治療を始めましょう。

    【認知症による物忘れの特徴】

    認知症による物忘れの大きな特徴は、体験したこと自体を忘れているということです。本人には物忘れの自覚はありません。例えば、食事をしたのにそのことを覚えていない、財布をしまったことを忘れていて盗まれたと言う、何度も同じものばかり買ってくるなどは認知症の症状だと考えられます。やがて、認知症が進んでくると、自分の年齢や住んでいる場所が思い出せなくなったり、物事を判断したり理解したりすることが難しくなってきて、生活にも支障をきたします。

    【老化による物忘れの特徴】

    老化による物忘れの場合は、体験したことの一部を忘れても、体験したこと自体は覚えているのが特徴です。そして認知症とは異なり、本人にも忘れているという自覚があります。例えば、夕食を取ったことは覚えていても何を食べたか忘れたり、財布をどこにしまったか忘れたりするのは、誰にでも起こる老化による物忘れだと考えられます。約束をうっかり忘れ、後で忘れたことに気付く場合も同様です。

    初期のうちから物忘れの症状が出る傾向が強い認知症に、アルツハイマー型認知症が知られています。他の認知症にも物忘れの症状は現れ、歩行障害や行動・性格の変化、幻視などの症状も現れる場合があります。

    認知症の症状が進むまでは、初期の認知症と老化による物忘れは区別が難しいこともあります。もし心配な場合は、神経内科や物忘れ外来などを受診してみましょう。病院で認知症かどうか調べるにはスクリーニングテストを行い、認知症が疑われれば精密検査などで診断します。早期に治療を開始することで進行を遅らせることができる場合があります。

    もしも親や祖父母が、最近探し物が多くなった、同じことを何度も聞く、今までできていたこともよく失敗するようになったなど気になる症状があれば、早期発見のために病院を受診することをすすめてみてください。

  3. Q.

    認知症の徘徊対策とは?

    家族が認知症になると心配なのが徘徊の問題です。目を離した隙に高齢者が1人で外出してしまうと、家に戻れなくなったり、交通事故にあったりしてはいないか心配になります。しかし、認知症の高齢者を見張って熟睡することもできず、24時間気の休まらない状態となることは介助者にとって大きな負担となります。認知症の徘徊対策はどのようにしたらよいのでしょうか。

    【環境づくりを重視】

    認知症の徘徊対策は一人で外出させないことに主眼をおきがちですが、高齢者にとって今住んでいる場所が心地よいと感じる環境にすることで、高齢者も介助者にとっても互いに精神的な負担が軽減されます。高齢者が一人で外出しようとしたときには、出かけたいという気持ちに寄り添って、安心できるような言葉を掛けることが大切です。また、デイサービスを利用して高齢者が日中に身体を動かす時間を作ることで、深夜に起きて外出するのを防ぎやすくなります。高齢者がいつの間にか出かけていたということを防ぐためには、玄関ドアから出かけにくくする物理的な対策も有効です。

    【高齢者の外出しようとする気持ちに寄り添う】

    徘徊について高齢者を怒ってしまうことは、逆効果となりやすいです。怒ることで高齢者にとって家が落ち着いて過ごせる場所ではなくなり、逃げ出したい気持ちが起こるのです。認知症の徘徊は、探しものや用事を思い出すといった外出の目的があるケースも多くみられます。子供の心配をして出かけようとするケースや、もう会社勤めをしていないのに、出勤しようとしていることもあります。1人で外出しようとしているときは、なぜ出かけるのか理由を聞いて、出かけなくても大丈夫だと安心できるような言葉を掛けましょう。

    【デイサービスを利用する】

    デイサービスを利用することには、2つの効果があります。1つ目は昼間行動をすることで、高齢者が夜にゆっくりと眠りやすい状態となり、夜の徘徊を防げることです。日中もベッドで過ごしている場合には、夜は眠りにくくなってしまいます。2つ目は、介助者は普段高齢者の徘徊の心配からなかなか気が休まりませんが、デイサービスの利用中に仮眠をとったり、1人で買い物に出かけたりして自分の時間を過ごすことができることです。

    【高齢者が玄関から出かけにくくする】

    玄関から簡単に外に出られる状況では、介護をする人の気が休まりません。高齢者の手の届かない玄関のドアの高い位置に補助キーをつける、ドアが開いたら鳴るように呼び鈴をつけておくことは、比較的お金を掛けずにできる対策です。

    【認知症外出通報システム】

    フランスベッドでは、認知症の方の徘徊を感知し、家族や介護者に音と光と画面表示でお知らせする「認知症外出通報システム おでかけキャッチ WS-01」を販売しています。

    「認知症外出通報システム おでかけキャッチ WS-01」は、認知症の方の徘徊を感知し、家族や介護者に音と光と画面表示でお知らせします。
    従来の徘徊感知機器では、利用者の衣類などにタグを装着したり、ペンダント型の発信器を身に付けてもらうなどのタイプがありましたが、気になって外してしまうなど、利用者の負担となることも少なくありませんでした。

    本商品では、家族や介護者が専用の認証キーを持つことで、音でのお知らせ機能を働かせない仕組みとしました。
    利用者は何も身に付けなくてよいため、ストレスを感じることなく、普段通りにお過ごしいただけます。

    認知症外出通報システム

終活

  1. Q.

    遺言状の書き方について

    法的に有効な遺言書を残すためには、正しい書き方を守る必要があります。ここでは、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」という3タイプの遺言書の書き方を紹介します。

    【自筆証書遺言の書き方】

    自筆証書遺言とは、本人の手ですべての記載を完了させた遺言書です。ワープロやパソコンの使用は認められておらず、自筆のみで記載する必要があります。民法には、日付の記載、署名・押印、訂正時の処理といった自筆証書遺言を作成するうえでの規定があります。これらをすべてクリアしなければ、法的に有効な遺言書とはなりません。また、自筆証書遺言の場合、発見者が自分の都合のよいように書き換えてしまう危険性もありますので、厳重な管理が必要になります。

    【公正証書遺言の書き方】

    公正証書遺言は、法的な知識の深い「公証人」に作成を依頼する遺言書です。公正証書遺言を作成するときは、公証人と遺言者以外に2人以上の証人も同席しなければなりません。公証人は、遺言者が口頭で述べた内容を書類に記載します。その後、記載した内容が間違っていないかどうかを確認するために、公証人は遺言者と証人に向かって記載内容を読み聞かせます。内容が正しければ、各自が署名・押印を行います。そして最後に、公証人が適正なプロセスで公正証書遺言が作成されたことを確認し、署名・押印をして公正証書遺言作成の手続きは完了です。費用と時間はかかりますが、プロが作っているものなので、遺言書が無効になるという心配はなく、自分の意向を正確に書いてもらうことができます。

    【秘密証書遺言の書き方】

    秘密証書遺言は自筆で記載し、かつ公証人に証明してもらう遺言書です。いわば、自筆証書遺言と公正証書遺言の中間のような形式と言えます。自筆証書遺言と違い、遺言書はワープロやパソコンのファイルをプリントしたものでも、代筆されたものでも構いません。秘密証書遺言を作成する場合にも、公正証書遺言と同じように、公証人と遺言者以外に2人以上の証人が必要になります。ここで注意すべきなのは、「公証人は遺言書の存在を証明するだけ」だという点です。公正証書遺言と違い、秘密証書遺言では、公証人・証人は封紙上に署名・押印するだけで、遺言書の中身を確認することはありません。そのため、公証人・証人に対しても、遺言書の内容を秘密にすることができますが、後になって不足している内容が見つかることもあります。そうなってしまうと、遺言書が無効になる可能性もあるので、秘密証書遺言の作成には細心の注意が必要です。

    残されたご家族が遺産相続などのトラブルに巻き込まれないようにするため、正しい書き方で遺言書を残しておくとよいでしょう。ちなみに、遺言書は何度も書き直すことができるので、思い立ったときに作成しておくことをおすすめします。

  2. Q.

    生前葬とは?

    生前葬とは、生きている間に行う葬儀のことです。葬儀のあり方にこだわる人が増えてきた昨今、「生前葬」で人生の最後を飾るという人もいます。生前葬の概要やメリット、注意点について見ていきましょう。

    【生前葬とは】

    生前葬とは、生きている間に行う葬儀のことです。自分の葬儀に参加できるという、新しい葬儀形態です。一般的な葬儀と違い、これといった決まりはありません。そのため、どのような葬儀にするかは、主催する側のアイデアや裁量で決まります。やり方次第で、従来の葬儀の雰囲気とは大きく異なるものとなるでしょう。

    【生前葬を行うメリット】

    生前葬には、大きく分けて3つのメリットがあります。
    第1に、お世話になった人に直接感謝の気持ちを伝えることができる点です。一般的な葬儀の場合、当然のことながら参列者と話すことはできません。しかし、生前葬なら自分が元気なうちに開催するセレモニーのため、参列者に自分の口から感謝の言葉を伝えられることが大きなメリットです。
    第2に、どんな葬儀にするのか、自分で決めることができる点です。例えば、プレゼントの贈呈、カラオケ大会、ビンゴ大会の開催など、ユニークな生前葬が行われています。
    第3に、費用を安く抑えることができる点です。祭壇や会場の設営など、形式にこだわる必要もないため、大きな費用負担に悩む心配もないでしょう。

    【生前葬を行う場合の注意点】

    生前葬を行う場合には、2つの注意点があります。
    第1に、参列者への配慮が必要なことです。参列者は生前葬に慣れていない場合がほとんどでしょう。そのため、「香典を持っていくべきかどうか」、「喪服を着ていくべきかどうか」といった疑問や不安が起こります。会費制の場合は、その旨を事前に伝えましょう。その際にドレスコードについても触れておくと参列者の疑問や不安は軽減されるでしょう。
    第2に、死後の葬儀方法を決めておく必要があることです。たとえ生前葬を済ませたとしても、ご臨終後の納棺や火葬などは行われます。寺院墓地にお墓がある場合、お寺によっては、宗教上の理由で再び葬儀を行う必要があるかもしれません。その場合は2度、葬儀費用を払うことになります。自分の死後に行う葬儀のことを考えたうえで、予算を把握する必要があるのです。

    元気なうちに感謝とお別れの言葉を伝えられる生前葬。後悔のないように、今のうちからお別れの方法を考えてみてはいかがでしょうか。

  3. Q.

    遺産相続のポイントとは?

    親族が亡くなられた際の悲しみは大変大きなものでしょう。しかし、悲しんでばかりもいられません。なぜなら、故人の遺産を相続するのに、急を要する場合があるからです。ここでは、遺産相続のポイントについて詳しく見ていきましょう。

    【遺産分割協議とは】

    相続人が複数存在する場合は、遺産分割協議をする必要があります。遺産分割協議とは、遺産の分配について、相続人同士が話し合うことです。遺産分割協議には、相続人全員が参加しなければならず、もし1人でも相続人が参加しなかった場合、その協議は無効になります。無事に協議が開かれたからといって安心はできません。お金が絡んだことはトラブルが起きやすいもので、話がまとまらないこともあります。そのときは、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

    【借金相続と相続放棄】

    遺産相続で引き渡されるものは、不動産やお金などの「積極財産」ばかりではありません。借金や保証債務などの「消極財産」も継承されます。そのため、相続にあたってはまず、故人が完済していない借金があるかどうか、保証人になっていたかどうかなどの事実を確認する必要があります。そして、それがどれくらいの規模であるか精査することも重要です。借金や保証債務の事実が明らかになり、借金の相続を回避したいときは、相続放棄をすることで消極財産を継承せずに済みます。ただし、相続放棄をすると借金だけではなく、積極財産を含めたすべての相続を放棄することになります。相続放棄する場合は、家庭裁判所で手続きをすることになりますが、これは相続を知ってから3ヶ月以内に済ませなければなりません。その際に注意しなくてはならないのは、一度相続放棄の手続きをしてしまうと、撤回することができないことです。3ヶ月以内と短い期間しか猶予はありませんが、慎重に決めるようにしましょう。

    【差し押さえを回避するために】

    相続人の中に多額の借金がある人がいる場合、相続財産が債権者(お金を貸している側)に差し押さえられることがあります。なぜなら、債権者は許可なく相続登記を行い、債務者(お金を借りている側)の取り分を差し押さえることが可能だからです。相続登記とは、故人の財産の名義を相続人の名義に変更することで、先に手続きがされたものを優先させます。相続財産の差し押さえを回避するためには、債権者が動き出す前に、債務者の取り分をゼロにした遺産分割協議書を作成することが必要です。そのうえで、債権者より早く相続登記すれば、債権者は勝手に相続登記を行うことができなくなります。
    差し押さえされてしまった場合には、債務者が相続放棄をすれば差し押さえが無効になります。しかし、相続放棄をすると一切の相続ができなくなってしまうので注意が必要です。