要介護3ってどういう状態?
他の要介護度とどう違う?

要介護3とはどういう状態なのか?要介護3から利用できる特別養護老人ホームとはどのような施設か。
他の要介護度1・2・4・5とはどう違うのかなど、要介護3についてご紹介します。

2020年6月26日

要介護3とは?

特別養護老人ホームが利用できる

要介護3とは、自力で立ち上がることや歩くことが難しく、認知症の症状が見られる場合があるなど、食事や排泄など身の回りのことほぼ全てに介護が必要な状態です。

厚生労働省が定めた日常的な身体介助や歩行、機能訓練など介護にかかる時間の度合いを要介護認定の基準にした「要介護認定等基準時間」によると、要介護3の場合、「要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態」とされています。

要介護認定は、身体能力の低下だけではなく「日常生活自立度」と呼ばれる基準があり、認知症の進行具合なども判定のひとつになります。
認知症による徘徊、妄想、大声や奇声を上げるなど日常生活に支障をきたすような症状があり、常時対応しなければならない状態であれば、要介護3やそれ以上の重度と認定される場合もあります。

要介護3に認定されると、特別養護老人ホーム(特養)を利用することができます。特別養護老人ホームとは、介護保険を利用して入居できる公的な介護施設で原則、要介護3以上の認定を受けた人が入居の対象となっています。浴室、トイレ、食堂など生活に必要な設備が揃っていて、居室は個室と多床室の2タイプに分けられます。介護スタッフが24時間常駐しているので、日常生活の介護や機能訓練など必要なときに適切なケアを受けることができます。

全面的な介護が必要となる要介護3は、常時見守りやサポートをしなければならないため、在宅介護の場合、昼夜問わずの介護となり同居する家族への負担が増えます。こういった状況から、在宅介護を続けることに不安を感じて施設入所を検討するケースがあります。特別養護老人ホームの入居対象が要介護3以上とされているのは、このような在宅ケアが困難とされる人を受け入れるためです。

特別養護老人ホームは、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的な施設のため、民間が運営する有料老人ホームなどに比べて費用を抑えることができます。長期入所が前提で、原則、終身利用が可能。ただし、寝たきりや認知症など比較的重度で緊急性の高い人の入居が優先されるため、地域によっては待機者が多く、入居までに数ヶ月から数年かかる場合もあります。

介護保険の利用限度額は?

要介護3の場合、介護サービスを利用する際に支給される限度額は、月額27万480円※。このうち原則1割(所得に応じて2〜3割)が自己負担額となります。
では要介護3と認定されると、どのようなサービスを利用し、どのような介護用品・福祉用具が必要になるのでしょうか?
※2019年10月より施行

要介護3の利用サービス例

・通所介護(デイサービス、通所リハビリ)週2〜3回
・訪問介護 週5〜8回
・訪問看護 週1回

※上記は一例です。個人の状態や家族の状況に合わせてケアマネジャーと相談の上ケアプランを立ててもらいましょう。

要介護3の場合に必要な福祉用具例

・車いす
・介護ベッド
・徘徊感知機器
※上記は一例です。個人の状況や住まいの環境により異なります。

これらの福祉用具は、介護保険を利用してレンタルできます。また一部の福祉用具を購入する際にも介護保険が適用されますが、購入できる商品(福祉用具購入種目)が決まっています。どのような福祉用具が対象となるのでしょうか?

福祉用具をレンタルする場合

1.歩行器
2.歩行補助杖(松葉杖や多点杖など)
3.手すり(ただし、工事を伴わないものに限る)
4.スロープ(ただし、工事を伴わないものに限る)
5.車いす
6.車いす付属品
7.特殊寝台(介護用ベッド)
8.特殊寝台付属品
9.床ずれ防止用具
10.体位変換器
11.認知症老人徘徊感知機器
12.移動用リフト(ただし、工事を伴わないものに限る/つり具の部分を除く)
13.自動排泄処理装置(※尿のみ吸引するタイプ)
※排便機能付きの自動排泄処理装置は、要介護4以上と認定された方のみレンタルの対象となります。

介護保険を利用して購入できる福祉用具

1.腰掛便座(ポータブルトイレや和式便器の上に置くタイプなど)
2.自動排泄処理装置の交換可能部分(チューブやタンクなど)
3.入浴補助用具(入浴用椅子、浴槽用手すりなど)
4.簡易浴槽(空気式や折りたたみ式のもの/工事を伴わないもの)
5.移動用リフトのつり具
「特定福祉用具販売」の指定を受けた事業所であれば、介護保険を利用して上記の5種類が介護保険を利用して購入することができます。

他の要介護認定とはこう違う

要介護1〜5の真ん中となる要介護3は、部分的な介護から全面的な介護が必要となる境目の段階です。要介護1、要介護2は日常生活において部分的な介護があれば生活できますが、要介護3になると自分ひとりではできないことが多く全面的な介護が必要となります。要介護3以上は常時介護を必要とし、より重度になると専門的なケアが求められるため介護の負担も大きくなります。

要介護1

・歩行などが不安定
・食事や排泄など身の回りのことは大抵こなすことができる
・着替えや入浴など日常の少し複雑な動きに部分的な介護が必要
・レンタルできる福祉用具は、歩行器、歩行補助杖、手すり、スロープの4種類

要介護2

・要介護1より自力できないことが増える
・食事や排泄など身の回りのことにも見守りやサポートなど部分的な介護が必要
・レンタルできる福祉用具は、要介護3と同じ13種類

要介護3

・日常生活全般に介護が必要な状態
・食事、排泄、着替え、入浴などの介護が必要
・認知症の症状も見られる

要介護4

・介護なしには日常生活を送ることが困難
・食事、排泄、着替え、入浴など全面的な介護が必要
・意思疎通が難しく、理解の低下や問題行動が見られることがある
・レンタルできる福祉用具は要介護2、3にプラスして排便機能付きの「自動排泄処理装置」も対象となる

要介護5

・介護なしには日常生活を送ることが困難
・寝たきりのケースが多く、日常生活全般に介護が必要
・話しかけても応答がないなど理解力の低下が進み、コミュニケーションが取れない状態
・レンタルできる福祉用具は、要介護4と同じ

要介護3は日常生活全般に介護が必要なため、要介護1、要介護2に比べると介護に多くの時間を必要とします。在宅介護の場合、同居する家族がいても介護に全ての時間をかけることは難しく、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。介護を一人で抱え込まず、訪問介護やショートステイなどの介護サービスを上手く活用しましょう。在宅介護を続けることが難しいと感じた場合は、施設入所を検討するのもよいでしょう。まずはケアマネジャーと相談し、本人と家族の状況に合わせたケアプランを作成してもらいましょう。