この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
ケアマネジャーについて、ケアマネジャーとは何か、選び方や選ぶポイント付き合い方から変更方法までをご紹介します。
2023年3月7日
ケアマネジャーとは、要介護・要支援認定を受けた方のケアマネジメントを行う介護支援のスペシャリストのことをいいます。介護を必要とする方ができる限り自立した生活を送ることができるように、適切なサービスを受けるためのサポートをするのがケアマネジャーの役割です。介護保険制度上の正式名称は介護支援専門員ですが、一般的にはケアマネジャーもしくは、ケアマネージャーと表記されることがほとんどです。
ケアマネジャーは、居宅介護支援事業所に所属して、要介護1以上の方の介護支援を行う居宅ケアマネジャーと、老人ホームなどの施設に所属する施設ケアマネジャーがいます。所属する場所によって働き方は異なりますが、ケアマネジャーとして行う業務の内容は大きく変わりません。具体的なケアマネジャーの業務内容をみてみましょう。
ケアマネジャーは、介護保険法に規定されている専門職で介護保険サービスの利用には欠かせない大切な存在です。ケアマネジャーは介護の幅広い知識を持っており、その業務内容は、要介護・要支援認定を受けた方が介護サービスを受けるためのケアプラン(介護サービス計画書)の作成が主となっています。もちろんそれだけではなく、実際の介護サービスを提供する事業者や自治体との連絡/調整を日々実施して、介護サービス全体をマネジメントしていくなど、ご利用者の生活を改善できるよう多岐にわたる業務を担当しています。様々なケアマネジャーの業務内容を順に紹介していきます。
・介護を必要とするご本人やご家族からの相談を受けます。抱えている課題を分析し、適切な支援やサービスを受けられるようにケアプランを作成します。
・定期的に利用者宅を訪問し、状況の変化などを確認、必要に応じてケアプランの見直しを行います。
・利用者ご本人やご家族の要望に合う介護サービスの情報を提供します。
・居宅ケアマネジャーは、居宅サービスの利用支援が基本ですが、利用者が施設への入所を検討している場合には、施設の紹介や入所のサポートなどを行うこともあります。
・自治体やサービスを提供する事業者と利用者の間に入って、ケアマネジャーが連絡調整を行います。
・入院した場合は、医療機関とも連携して退院後に必要となる介護サービスの調整を行います。
・介護保険サービスを利用した際の介護給付費の管理を行います。
・毎月のサービス利用実績を確認し、給付に必要な書類の作成・提出など事務手続きを行います。
・自治体から要介護認定調査を委託されることがあります。その場合は利用者宅を訪問して聞き取り調査を行います。
・利用者ご本人やご家族が行う要介護認定の申請や更新手続きの代行も行うことができます。
―要介護認定について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「介護認定調査とは?当日に心がけるべきこと」
担当するケアマネジャーは、認定される介護度によって違ってきます。
ケアマネジャーは、居宅介護支援事業所に所属しており、居宅介護支援事業所のリストから探すことができます。お住まいのある自治体の介護保険課もしくは地域包括支援センターで、居宅介護支援事業所のリストまたは、全国約70の自治体で発行されているハートページという介護サービス事業者情報誌から探すことができます。ハートページの居宅介護支援事業所一覧には、事業所の名称や所在地、電話番号、受付時間、ケアマネジャーの人数などが掲載されていますので事業所の基本的な情報を得ることができます。訪問介護やデイサービスなど併設サービスに関する情報も記載されているので事業所選びの参考にもなります。その他の方法として、かかりつけ医や同じ地域で実際に介護サービスを利用している人たちの口コミをもとに探す方法もあります。介護業界で働く友人や知人がいる方は、どんなケアマネジャーがいいのか相談してみるのもいいでしょう。さらに、厚生労働省の「介護事業所・生活関連情報検索」等のサイトも活用してみましょう。
■厚生労働省 「介護事業所・生活関連情報検索」
居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーは、要介護と認定された方を担当します。要支援と認定された方は、一般的に地域包括支援センターのケアマネジャーが担当しますが、地域包括支援センターから委託を受けて居宅介護支援事業所のケアマネジャーが要支援の方を担当するケースもあります。
居宅介護支援事業所には「併設型」と「独立型」の2タイプがあります。
「併設型」は訪問介護事業所やデイサービスと併設して運営されている事業所のことをいいます。「独立型」は、訪問介護事業所やデイサービスが独立している事業所のことをいいます。
併設型がほぼ9割を占める居宅介護支援事業所ですが、併設しているサービスを必ずチェックするようにしましょう。併設のサービス内容を調べれば、事業所の長所/短所や、どのようなケアマネジャーが多いのかなどをある程度把握することが可能です。
ケアマネジャーと一言でいっても、経歴や所有する国家資格などはそれぞれ異なります。ケアマネジャーとして仕事をするには、介護や看護の経験が豊富であることが求められますが、経歴によって強みや得意分野があるはずです。利用される方が、介護において何を重視したいかを考えた上で、それに合った経験を持ち、サポートができるケアマネジャーを探すようにしましょう。
介護や看護に関わる知識が豊富かどうかは大切なポイントです。ケアマネジャーは、介護保険制度について詳しいのはもちろんですが、介護や看護に関わる知識が豊富でなければ、利用者ご本人やご家族の悩みや希望に応えることができません。さらに介護保険外のサービスについての知識もたくさんあればなおよいでしょう。介護保険外のサービスと介護保険サービスをうまく組み合わせ選択肢を増やすことができるとよりよい介護につながります。このように介護全般の知識が豊富なケアマネジャーは、不安や疑問を質問しても、わかりやすく丁寧に説明してくれ、利用者ご本人やご家族にとって頼れる存在となるでしょう。
きちんと親身になって相談に乗ってくれるかどうかも、ケアマネジャー選びにおいて大切なポイントです。利用者やご家族の話をしっかり聞く、丁寧にアドバイスしてくれるなど、利用者の立場で物事を考えてサポートしてくれるケアマネジャーだと安心です。こちらの話をきちんと聞かない、要望を伝えても否定ばかりされる、全て当たり障りのない返答をするなど、今後長く付き合っていくのは難しそうだと感じた場合は、ケアマネジャーの変更も検討しましょう。
ケアマネジャーの資格試験を受けられるのは、介護福祉士、社会福祉士、医師、看護師、理学療法士などの国家資格を持ち、保健・医療・福祉の分野で5年以上の実務経験がある人だけです。ですからケアマネジャーになるまでに、それぞれの資格を活かして介護や医療などの現場で仕事を経験しています。利用者の要望に合う支援をしてもらうために、ケアマネジャーがどのような資格を保有しているかを確認してみましょう。例えば、持病があり医療的ケアを重視したい方は、看護師資格を持っているケアマネジャーを選択する。デイサービスなどに通いたいと考えている方は現場をよく知る介護福祉士の資格を持ったケアマネジャーを選ぶなど、保有資格からケアマネジャーを選ぶことができます。
ケアプランに納得できるかどうかもポイントです。ケアマネジャーは、利用者ご本人やご家族からの悩みや要望をしっかり汲み取って、最適なケアプランを作成するのが仕事です。ケアマネジャーの価値観を優先するなどして納得のできないケアプランを作成されては意味がありません。健康状態や生活状況をしっかり把握し、ご本人とご家族の要望をきちんと反映した納得のいくケアプランを作成してくれるケアマネジャーを選びましょう。
実際に会って話をすると、ケアマネジャーの人柄や態度がわかります。できれば何人かのケアマネジャーと会い、どんな接し方をするのか、信頼できそうかなど、実際に話をしてから決めるとよいでしょう。不安や疑問に思うことを質問したときに素早く対応してくれるか、専門用語ばかり使わずわかりやすく説明してくれるかどうかなど確認しておくとよいでしょう。円滑なコミュニケーションがとれるケアマネジャーを選ぶことが大切です。
問題が発生したとき、急な相談をしたいときなどに連絡がつきやすく迅速に対応してくれるかどうかもポイントです。何かあったときにすぐ駆けつけてくれるなどフットワークが軽いと安心です。ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所が自宅から近いと、緊急時など困ったときに迅速に対応してもらいやすくなります。事業所の所在地もケアマネジャー選びの参考にしましょう。
ケアマネジャーは、利用者やご家族の希望を尊重し、利益を優先して事業所に偏ることなく、利用者と事業所の間に立って、公正中立な立場で支援を行うものであるということを知っておきましょう。
ケアマネジャー は、利用者の自宅を訪問して面談を行い、健康状態や生活状況に変化はないか、要望に合う支援が行われているかなどを確認します。これをモニタリングと言い、少なくとも月1回行うことになっています。モニタリングを継続することで、利用者やご家族との信頼関係を築くことにもつながります。
ケアマネジャーが医療機関と連携できるように容体の急変などで入院することになった場合は、病院名、病状、入院期間の目安などをケアマネジャーに伝えておきましょう。こうした情報をケアマネジャーと共有することで、医療機関と連携し、退院後に必要となるサービスの調整を行ってくれます。
何か不明な点があれば、遠慮なくケアマネジャーに質問するようにしましょう。わかっているふりをすると、ケアマネジャーは理解しているものだと思い話を進めてしまいます。不安に感じることやわからないことが出てきたときは、すぐにその場で質問して解決しておくことが大切です。しっかり内容を理解していれば、具体的な要望を伝えやすく、ケアマネジャーも解決策を見出しやすくなります。
感謝の気持ちをきちんと伝えましょう。突然の入院や介護サービス利用中のトラブルなど、ケアマネジャーに対応をお願いすることがたくさんあります。ケアマネジャーは、ひとりで複数の高齢者のサポートを行っていることも多い中、一人一人の対応をしっかりと行うために日々頑張ってくれています。緊急時に迅速な対応をしてもらったときなどは、きちんと感謝の気持ちを伝えることでケアマネジャーの頑張りも報われます。
要望は具体的に伝えましょう。なんとなくわかってくれるだろうと考え、全てを任せきりにすると、利用者やご家族にとって納得のいくケアプランを作成するのが難しくなります。利用者やご家族の要望を具体的に伝え、しっかりと理解してもらうことが大切です。心配に思っていること、困っていることなど現在の状況、利用したいサービス、こんな生活を送りたいなどの要望も明確に伝えるようにしましょう。
ケアマネジャーに利用者についてよく知っておいてもらいましょう。情報がたくさんあれば、情報を活用してケアプランを作成しやすくなります。生い立ち、好きなもの、嫌いなもの、趣味や特技、 健康面で不安や心配に思うこと、同居家族だけでなく離れて暮らす家族のことなどあらゆる情報をケアマネジャーに提供するようにしましょう。ケアマネジャーには守秘義務があるため、安心してできる限りたくさんの情報を伝えおきましょう。話しづらいかもしれませんが経済状況についても伝えておきましょう。ケアプランを作成するにあたり費用面に関してはしっかりと話し合っておく必要があります。介護に直接関係のない話からケアプラン作成のヒントを得ることもあるため、ケアマネジャーとのコミュニケーションは大切にし、利用者本人やご家族について知っておいてもらいたいことがあれば、遠慮なく伝えましょう。
ケアマネジャーと上手く付き合うためにも、利用者ご本人または家族が普段からまめに連絡を取ることが大切です。困っていることや何か希望があれば、ケアマネジャーに具体的に伝えることで、適切な介護サービスを受けることができるようになります。
特に、遠方に家族がいる場合は、ケアマネジャーとの連絡は電話で密に行うといいでしょう。離れている家族にとって、利用者の状況を把握できるよい機会となります。
ケアマネジャーを慎重に選んだつもりでも、実際にお願いしてみるとうまくいかなかったという場合もあります。なかなか連絡が取れない、要望がうまく伝わらない、納得のいくケアプランを作ってくれないなど、不満やトラブルに感じる理由は様々です。このような場合には、ケアマネジャーを変更することもできます。原則として、ケアマネジャーや事業所が変わっても、現在利用しているサービスは引き続き利用できます。
対応への不満や意見の相違など、どうしても合わないなと感じたら、我慢せずケアマネジャーの変更を検討しましょう。
1.担当ケアマネジャー本人または居宅介護支援事業所に相談して変更してもらう。
2.別の居宅介護支援事業所に変更の相談をする。または地域包括支援センターや自治体の窓口で、ケアマネジャーを変更したいと相談をする。
ケアプランとは、介護サービスを利用するにあたって必要となる介護サービス計画書のことです。ケアマネジャーは利用者ご本人とご家族の状況や要望に合わせて、どのような支援・サービスが必要か、どれくらいの頻度でサービスを利用するかなどを考え、一人一人に合ったケアプランを作成していきます。ケアプランの作成は、利用者本人やご家族が自分で作成することもできますが、介護や看護に関する専門知識を求められます。事務手続きなども必要になるため、 ケアマネジャーに作成を依頼するのが一般的です。ケアマネジャーにケアプランの作成を依頼しても、費用は介護保険でまかなわれ、利用者の自己負担はないので安心して依頼してください。
―ケアプランについて、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「ケアプランとは?介護に必要な計画書の作成方法と注意点について解説」
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