この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
介護には介護を行う側と介護をされる側それぞれに不安があります。
不安を感じるポイントや解消方法や介護が必要になる前の準備などについてご紹介します。
2022年9月30日
【介護を行う側の不安1】肉体的不安
介護を行う側の不安のひとつに、肉体的不安があります。日々の介護の中では、食事や着替え、排泄、入浴など、日常生活の介助が必要になります。また家の中のことだけでなく、通院や買い物といった外出に付き添うこともあります。要介護度が高くなると、移動介助や体位変換など腕や足腰に負担がかかる介助も出てくることから、かなりの体力が必要になります。トイレ介助やおむつ交換のため、夜間に起きなければいけないこともあり、身体を休めるための十分な睡眠が取れないことも少なくありません。 介護者自身もそこまで若くないことが多く体力面での不安を感じやすくなります。
【介護を行う側の不安2】精神的不安
精神的不安も介護を行う側の不安のひとつです。介護が始まると、どうしても介護を優先した生活になってしまい自分の時間を取ることが難しくなります。このような状況では、うまくストレスを発散できず、精神的負担が大きくなるのではと不安に感じる方が多くいます。
認知症などにより、スムーズなコミュニケーションを取ることが難しくなると、怒りや苛立ちが込み上げてしまうことがあります。つい口調が強くなり自己嫌悪に陥ってしまうことも少なくありません。本人との関係以外にも、ケアマネジャーや介護サービス職員とのやりとり、家族や親戚と介護についての話し合いなども増え、周囲の人との関係性が心配になり精神的な不安が多くなることも考えられます。
【介護を行う側の不安3】生活との両立
生活との両立も不安のひとつです。親の介護が求められる方の年代は、働き盛りであることが多くあります。仕事と介護の両立、両立できたとしてもいつまで続けられるのか、これからの生活はどうなるかなど不安に思うことがたくさんあります。肉体的・精神的な負担が大きい介護を働きながら行うことを不安に感じるのは当然です。しかし、介護のために仕事を減らす、辞めるなどすると経済的不安も出てきます。配偶者や子どもがいる場合は、これまでの生活を変えることは簡単ではありません。このように介護と生活との両立には様々な不安があります。
【介護される親の不安1】環境の変化
高齢者にとっては環境の変化は大きなストレスとなります。子どもと一緒に暮らす場合でも、住み慣れた場所を離れ環境が変化するのは不安なものです。転居や施設への入所となればこれまで築いてきた人間関係やご近所付き合いなどがなくなると思うと、孤独を感じることやこれまでと全く違う生活になることへの心配もあります。認知症の場合は、周辺環境の変化にとても敏感で、それがストレスとなって症状の悪化につながることもあるため、環境の変化をできるだけ減らすことが大切です。
【介護される親の不安2】内面の変化
介護される親は、自分の内面で起こる変化に不安を抱きやすくなります。できていたことができなくなって情けなさを感じることや周囲の人にいろいろやってもらうことへの申し訳なさなどから、今後の生活はどうなるのかと不安に思います。本当はこうしてほしいと思いながらも言いづらくなり我慢してしまったり、自分の気持ちを理解して欲しいだけなのにうまく伝えられず、わがままと捉えられてしまうこともあります。このように介護を行う側と介護される親の気持ちがすれ違うこともよくあります。介護を行う側が全てを察することは難しいので、介護される親側は要望をできる限り言葉にして伝えることが大切です。また、介護を行う側も、様々な不安を抱いていることを理解し、普段の様子や表情から本当の気持ちに気づいてあげられるように努力しましょう。
介護が必要になる前の元気な状態から家族で話し合っておくことがとても大切です。本人が老後はどのような生活を送りたいか、要介護状態になったときはどうするかなど、本人の希望を確認する意味でも、あらかじめ家族で話し合っておきましょう。兄弟姉妹がいる場合は、親の介護が必要になってからのお金の問題や役割分担などについて揉めることがあります。これまで仲が良くても介護についての言い争いがきっかけで関係がこじれてしまうことも多いです。お互いの状況や、それぞれができることを確認しておいて、いざ介護が必要になったときに慌てることのないように、準備しておくことが大切です。
日頃から健康について相談できる、かかりつけ医(主治医)を持っておきましょう。かかりつけ医を持つことで、病気の早期発見や予防にもつながります。必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらうこともできます。要介護認定を申請する際には、主治医の意見書が必要となるので身体状況をよく理解しているかかりつけ医がいると安心です。
―要介護認定について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「介護認定調査とは?当日に心がけるべきこと」
介護が必要になったときには、介護保険サービスを利用することになるのでよく知っておきましょう。介護保険サービスは、要介護・要支援認定を受けた方が利用できるもので、給付対象の方は、費用の1割(所得応じて2〜3割)を自己負担するだけでサービスを受けることができます。今すぐに介護が必要でない場合でも、要介護認定の申請方法や、介護保険を利用して受けられるサービスの種類など、必要になりそうな情報を早めに集めておきましょう。介護に関してわからないことがあるときは、自治体の窓口や地域包括支援センターに相談しましょう。
介護費用について準備をしておきましょう。介護費用の負担が大きくなると、家族や親族間での金銭トラブルになる可能性もあります。親が元気な間に経済状況を確認してお金のことについてしっかり話し合っておきましょう。あらかじめ介護の方向性を決めておいて、それに向けた資金の準備をしておくことが大切です。
介護保険制度を利用して受けられるサービスには、さまざまな種類があります。在宅介護をする場合に知っておきたい介護サービスは、大きく分けて訪問型サービス、通所型サービス、宿泊型サービスの3つになります。それぞれどのようなサービスを受けられるかをご紹介します。
訪問型サービスは、利用者宅にホームヘルパーなどが訪問して行うサービスです。住み慣れた家で生活を続けながらサービスを受けることができます。
●訪問介護
訪問介護とはホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し、日常生活の支援を行うサービスのことです。食事や入浴、排泄などの身体介護や、洗濯、掃除、買い物などの生活支援を行います。早朝や夜間のサービスに対応してくれる事業所もあります。
●訪問看護
訪問看護は、看護師などが利用者の自宅を訪問し、医師の指示に基づいて医療行為を行うことです。健康観察や薬の管理、たん吸引や点滴といった医療処置が可能で、療養上のアドバイスなども行います。訪問看護を利用するには、主治医による訪問看護指示書が必要になります。
●訪問入浴介護
訪問入浴介護は、介護スタッフが専用の簡易浴槽を持ち込んで、入浴介助を行うサービスのことです。自宅に浴室がない場合や、自宅の浴槽では入浴が難しい場合などに利用されます。寝たきりの方の場合でも、寝室での入浴や部分浴、清拭(せいしき)などのサービスを受けることができます。
●訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、医師の指示に基づいて歩行訓練や関節可動域訓練などのリハビリを行います。寝返りや歩行など日常生活を送る上で必要な機能訓練を行い、身体機能の維持・回復を目指して自立をサポートします。サービスを利用するには、主治医による指示書が必要となります。外来リハビリテーションを受けている場合は、このサービスを利用することができません。
●居宅医療管理指導
居宅医療管理指導は、通院が困難な方を対象としたサービスで、医師や歯科医師、薬剤師、管理栄養士など、あらゆる分野の専門スタッフが利用者宅を訪問し、自宅療養する上で必要な指導やアドバイスを行います。健康管理や栄養ケア計画の作成、正しい口腔ケアの方法など、それぞれの分野のエキスパートが療養生活をサポートしてくれます。療養上の指導やアドバイスには介護保険が適用されます。治療や診察には医療保険が適用されます。
●夜間対応型訪問介護
夜間対応型訪問介護は、ホームヘルパーが夜間に利用者宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの介助を行うサービスです。夜間対応型訪問介護には、決まった時間に訪問してくれる定期巡回と、困ったときに連絡をすれば来てもらえる随時訪問の2つがあります。
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、介護と看護が連携し、利用者が必要なサービスを必要なときに受けられるよう24時間体制でサポートしてくれます。認知症の方や要介護度が高い方向けで、定期巡回と随時訪問を組み合わせたサービスとなっています。
通所型サービスは、自宅から施設に通って受けるサービスのことです。通所型サービスは、引きこもりを防ぐことや介護者の負担を減らすことにつながります。自宅から施設までの送迎があるため、自力で通えなくても心配いりません。
●通所介護(デイサービス)
通所介護は、日帰りでデイサービスセンターなどの施設に通い、食事や入浴などの介護サービスを受けることができます。生活機能訓練としてレクリエーションが行われます。施設によっては外出でのレクリエーションが実施されます。
●通所リハビリテーション(デイケア)
通所リハビリテーションは、リハビリを重視した施設に日帰りで通い、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のもとでリハビリを受けられるサービスです。通所介護(デイサービス)よりも機能回復訓練に力を入れています。
●認知症対応型通所介護
認知症対応型通所介護は、認知症と診断を受けた方向けのデイサービスで、食事や入浴などの介護サービスやレクリエーションといった、認知症の特性に配慮した専門的なケアを受けられます。
宿泊型サービスは、旅行などで数日間自宅を空けるときや、介護者の休息が必要なときなどに利用できるサービスです。
●短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所生活介護では、特別養護老人ホームなどの施設に短期間宿泊して食事や入浴、トイレ介助といった日常生活上の支援、機能訓練などを受けることができます。連続して利用できる日数は30日間で、家族の病気や冠婚葬祭、出張などで数日間介護ができないときや介護者の休息が必要なときに利用することができます。ショートステイの利用には、保険外費用がかかります。
●短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
短期入所療養介護は、医療ケアを必要とする方向けのサービスで、介護老人保健施設や病院などに短期間宿泊し、医師や看護師による医療的ケアを受けることができます。医療や看護だけでなく、生活支援、機能訓練などのサービスも受けられます。短期入所生活介護と同じように、急な予定で一時的に介護ができなくなったときや、介護者の休息のために利用するサービスですが、長期入院から自宅療養に戻る可能性を高めるために利用する場合もあります。
―在宅介護について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「在宅介護のアドバイスや利用できるサービスを紹介」
介護の準備を何もしないままに介護が始まってしまうと、パニックになってもおかしくありません。最初のうちは乗り切れても、よくわからないままで不安を抱えて介護を続ければ、肉体的にも精神的にも負担が積み重なっていきます。今は元気に過ごしている方でも、突然の病気や事故で急に介護が必要になるかもしれません。反対に高齢になっても元気なままで、ほとんど介護の必要がないという場合もあります。介護がいつ始まるかは誰にも予想できません。ですから介護に対する不安は早いうちから解消しておいて、介護が始まったときに慌てず冷静に行動できるように準備しておきましょう。
誰にも頼らず介護を一人で抱え込んでしまうと介護うつになるリスクもあります。不安なことや困ったことがあれば、遠慮せず誰かに相談しましょう。介護サービスや周囲からの協力などを利用し、必要以上に頑張りすぎない介護を目指しましょう。
―介護の相談、悩みについて、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「介護の相談はどこにする?介護の悩みの相談先について」
在宅介護の場合、介護ベッドや杖、歩行器などの介護用品・福祉用具が必要になります。このような介護用品・福祉用具は、購入だけでなくレンタルすることが可能です。
フランスベッドでは、介護用品・福祉用具のレンタルを行っています。福祉用具専門の資格を持った相談員が、お客様のご要望に沿って最適な製品をご提案します。最短翌日にお届けするサービスも行っていますので、急なご依頼にも迅速に対応することができます。介護用ベッドや車椅子、歩行補助杖、手すりなど一部の福祉用具は、給付対象の方であれば介護保険を利用してレンタルすることができ、自己負担額は費用の1割(所得に応じて2〜3割)ですので、購入するよりもレンタルする方が安くなる場合があります。また、レンタルなら身体状況の変化に合わせて選び直しがしやすく、定期的なメンテナンスなどアフターサービスも充実しているので、安心して利用することができます。
介護用品・福祉用具の利用は、利用者本人が安心できる暮らしを送れるだけでなく、介護者の負担軽減にもつながります。介護が必要になったときには、是非ご活用ください。
―フランスベッドの介護用品・福祉用具のレンタルについて、詳しくはこちらをご覧ください。―
▶ 「介護用品・福祉用具のレンタル」
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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