レクリエーションの種類
【集団レクリエーション】
たくさんの人数で行うレクリエーション。
グループでゲームをしたり、歌ったり、体操など他の人とコミュニケーションをとりながら楽しむレクリエーションです。
【個別レクリエーション】
個人または少人数で行うレクリエーション。
簡単なゲームや手芸、将棋などひとりひとりの好みに合わせて行います。集団レクリエーションでは満足できない人や、他の人とのコミュニケーションが苦手な人でも楽しむことができるレクリエーション。
【基礎生活レクリエーション】
レクリエーションの時間を決めて行うのではなく、食事中や入浴中など日常生活の中で楽しみや心地良さを感じる時間を作ることを基礎生活レクリエーションといいます。食事中に好みの音楽を流したり、お部屋にお花や絵画を飾ったりなどすることでQOL(生活の質)を高めるのに効果的です。
どんなレクリエーションがあるの?
【体を動かすレクリエーション】
ダンス、体操、簡単なゲームなど体を動かすレクリエーションは心身機能の維持や改善に役立つだけでなく、脳を活性化させるのにも効果的です。
リハビリはモチベーションを保つのが難しいですが、レクリエーションは楽しみながら体を動かすことができるので前向きな気持ちで取り組めて続けやすいというメリットがあります。
体を動かすことによって便秘や筋肉のコリ、血行不良といった身体の不調を解消し、食欲増進や睡眠の質の向上など生活リズムを整えることにもつながります。
<体を動かすレクリエーションの例>
・グーパー運動
片手をグー、反対の手をパーにし、掛け声に合わせてグーとパーを交互に入れ替える運動。手拍子を入れたり、腕の動きをつけると難易度が上がって面白くなります。参加者のレベルに合わせて動きを加えるなどの工夫をしましょう。
・風船バレー
2グループに分かれ、風船が床につかないようにうちわで風を送り落ちないようにします。相手グループの床に風船を落とした方が勝ちとなります。
・ダンスや体操
音楽に合わせて腕や足を動かす簡単なダンスやラジオ体操など、無理のない範囲で体を動かしましょう。座ったままでもできるようにするなど、誰もが気軽に楽しめる内容にすることを心がけるとよいでしょう。
【頭を使うレクリエーション】
クイズや計算、言葉遊びなど、頭を使うレクリエーションは脳トレといわれ脳の働きをよくする効果が非常に高いとされています。
脳トレは考える、記憶する、判断するなど、脳の機能をたくさん使うので、活性化されます。ただしあまり複雑なルールにしてしまうと、認知症の症状がある人にとっては理解が難しくなりますのでことわざクイズやパズル、しりとりなど簡単なルールで気軽に楽しめる内容にしましょう。
<頭を使うレクリエーションの例>
・トランプ
トランプを使ったゲームはカードを記憶したり、作戦を立てたり頭をよく使うので脳が活性化されます。特に神経衰弱は、ルールもやり方も簡単ですが記憶力を必要とするため、介護施設でよく行われます。
・しりとり
普通のしりとり以外にも、食べ物、地名などお題を決めるなど制限をつけることで飽きずに楽しむことができます。
・文字並び替えゲーム
バラバラに並べられた文字を並び替え、何の言葉になるかを当てるゲーム。文字数や制限時間を変えることで難易度を調整できます。
【手指を使うレクリエーション】
手指を使う手芸や工芸、絵画などのアートに関するレクリエーションは、脳を刺激するだけでなく達成感や生きがいを感じられることから、多くの介護施設で取り入れられています。できあがった作品を飾ったり、家族にプレゼントすることで、作品を作る喜びや楽しみを生み出すことができます。
編み物や刺繍など、昔よく行っていたことは体が覚えていて忘れにくいといわれています。このような趣味や特技は、認知症を発症してからでも楽しむことができるので自信を取り戻すことにもつながります。
<手指を使うレクリエーションの例>
・折り紙 ・塗り絵 ・お菓子づくり
【回想レクリエーション(回想法)】
若い頃の写真を見たり、当時好きだった音楽を流したりして、昔の記憶を思い返しながら当時のことについて話してもらうなど回想するレクリエーション。過去を振り返って当時の思い出を誰かに伝えることは、脳のたくさんの機能を使うため脳の活性化につながります。また、楽しかった思い出に浸ることで、現在感じている不安や焦りから解放されて心が穏やかになることもあります。
<回想レクリエーションの例>
・ 昔使っていた洗濯板などの懐かしい道具を用意し、当時のことを思い出してもらいます。どうやって使っていたのですか?と質問して、話のきっかけを作るのもよいでしょう。
・幼い頃からの思い出を時系列で振り返ってみましょう。話にしっかり耳を傾け、話したくないことは無理して聞き出さないようしましょう。
【リラックスするレクリエーション】
身体の機能改善や認知症予防のためだけでなく、リラックスやリフレッシュを目的として行うレクリエーションも大切です。
高齢者は、心身の衰えによる不安や焦り、自信の喪失や孤独感など、日々の生活の中で様々なストレスを抱えています。少しでもストレスを和らげるために行われるのが、アロマセラピーやハンドマッサージなどのレクリエーションです。幼稚園児が介護施設を訪問して入居者と交流することもレクリエーションのひとつで、昔の遊びを教えてあげたりするなど子供達とコミュニケーションを取ることで自分もまだ役に立つ存在だと自信を取り戻すきっかけにもなるでしょう。
<リラックスするレクリエーションの例>
・ハンドマッサージ
相手の手を取り、指や手のひらを優しく揉みほぐします。
・アニマルセラピー
動物とふれあうアニマルセラピーは心を落ち着かせ、ストレスを軽減させるといわれています。犬や猫など動物のあたたかい体に触れたり、世話をしたり、動物とのふれあいを楽しんでもらいます。
・深呼吸
高齢者は背骨が曲がって呼吸が浅くなりがちです。深呼吸をしてリラックスしましょう。息をゆっくり吸い、ゆっくり吐くことを意識して行うことで気持ちが落ち着きます。