
周辺症状は「行動・心理症状(BPSD)」と呼ばれることが中核症状が基となって現れる症状のことです。本人の性格や環境、心理状態などによって引き起こされるため、症状の現れ方には個人差があり、次のような症状があります。
興奮、暴力や暴言、介護への拒否
前頭葉の神経細胞のはたらきが低下することにより感情のコントロールが難しくなります。自分の気持ちを上手く伝えられないことにイライラして大声をあげる、攻撃的になって暴言を吐いたり暴力を振るったりします。また、服薬や介護などを拒否し、病院を受診することを嫌がることもあります。
徘徊
自宅と認識できずに外出しようとする、買い物に出かけたはずが目的を忘れて何時間も歩き続けるなど、記憶障害や見当識障害によって自分の居場所がわからなくなり、自分のいる場所や時間の感覚が曖昧になっていくことが主な原因と考えられています。
環境が変わって居心地が悪く落ち着かないことも徘徊を引き起こす原因となります。周囲には理解し難いですが、本人は「家に帰るため」「会社へ行くため」「落し物を探しに行くため」など、きちんと理由があっての行動と言われています。
―徘徊について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「認知症で徘徊が始まった原因と対処法について解説」
不安、抑うつ
日常生活の中でできないことが増えたと感じることで、落ち込む、自信をなくす場合があります。やる気が出ず無気力になることもあります。
妄想
財布を盗まれたなど、物を盗られる妄想があらわれるケースが多くあります。あの人が悪口を言っているなど被害妄想をすることもあります。
―妄想について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「認知症の妄想(作り話)・幻視・見間違いとは?原因や対応方法を徹底解説!」
幻覚
実際には存在しないものが実在するかのように体験する症状です。ハンガーにかかっている衣服を人や動物に見間違える、誰かに話しかけられているような声が聞こえるなど症状は多種多様で、レビー小体型認知症を患う人によく見られます。
―幻覚について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「認知症の妄想(作り話)・幻視・見間違いとは?原因や対応方法を徹底解説!」
不潔行為
排泄物を手で触って布団や部屋などを汚す、口に運ぶなどの行為などが挙げられ、弄便(ろうべん)とも呼ばれます。排泄物であることを認識できずトイレの失敗を隠す、おむつの不快感などが原因で行為に及ぶと言われています。
―弄便(ろうべん)について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「弄便(ろうべん)はなぜ起きてしまうの?原因と対策を解説」