この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
認知症になりやすい人の口癖とはいったいどんなものか?性格や習慣による認知症になりやすさの傾向とその予防方法についての解説など、気になる認知症のことを紹介します。
2023年10月30日
認知症になりやすい人の口癖とはどういうものか?近年、研究が進み認知症になりやすい人の性格が明らかになってきていることから、その人の口癖が認知症になりやすいかを判断するひとつの材料となっています。
認知症になりやすい人の口癖として挙げられているのは、以下の言葉があります。
<認知症になりやすい人の口癖>
■これだから現代人は〜
■今の若い人は〜
■自分は自分、人は人
■今に比べると昔はよかった
■社会が悪い
これらの口癖に共通するのは、考え方が固く柔軟な思考ができないということです。言い換えると自分の意見や考えを変えようとしない頑固な状態とも言えます。頑固な考え方が行き過ぎると、社会や周囲の変化についていけなくなる原因となり、時代の変化に取り残され不満やストレスが増える可能性が高まるので良くないでしょう。あくまでもここであげた口癖は、認知症になる可能性が比較的高いということを示しているのであり、実際の診断には専門医の判断が必要ですので気になる方はご相談ください。口癖は自分自身では気づきにくいものですから、参考として自分や周りの方が普段よく言っている言葉を日常的に振り返ってみるのも良いでしょう。
では、口癖は脳にどのような影響を与えるのでしょうか?
ポジティブな言葉は脳を活性化させて意欲や幸福度を高め、反対にネガティブな言葉は自己否定や憂鬱な気分を引き起こし、脳や心の活力を低下させると言われています。脳科学の観点からも、言葉がミラーニューロンなど脳内の神経細胞に影響を与えることがわかっています。このようにネガティブな言葉を繰り返し使うことは脳に影響を与え、認知症の可能性が高まります。日常的にポジティブな言葉を使うことで認知症を予防しましょう。
スウェーデンのイエーテポリ大学が行った調査の結果によると、認知症になりやすいと言われている性格や特徴について、心配性の人はそうでない人に比べ認知症になる可能性が高いという結果がでています。この研究結果は、心配性の度合いが認知症の発症に影響を与える可能性があることを示唆しています。
<認知症になりやすいと言われている性格や特徴>
■心配性な人は、認知症になるリスクが前向きな人よりも高い
■その差は、あまり心配しない人と比べて約2倍
批判的な人も認知症になりやすいと言われています。東フィンランド大学の脳神経学者トルパネン博士の論文によると、批判的な人は皮肉や批判が少ない人と比べ認知症の発症リスクが3倍近く高いという結果がでています。過度な皮肉や批判はストレスや孤立感を増し、認知症を引き起こすことも考えられます。認知症のリスクを軽減するためにも、日常生活で皮肉や批判が多い方は注意が必要です。
他人との関わりが少ない人も注意が必要です。適度なコミュニケーションをともなう人間関係や社会的な活動が、認知機能の健全性に重要な影響を及ぼすことは広く知られています。そのため他人との関わりが少ない人は、認知症になりやすい傾向があります。
これは、社会との接点や会話の機会が減り、孤立しやすくなることが要因の1つですが、社会的に孤立するとコミュニケーションの機会が減るだけでなく、脳の衰えにもつながる可能性があります。
短気な人も注意が必要です。短気で怒りっぽい人は、コミュニケーションが円滑に進まない傾向にあります。ちょっとしたことで激昂し、少しでも自分の意見が通らないと他人に強く当たってしまうため、周囲から避けられ距離を置かれてしまいます。その結果、人との関係を築く機会を逃し、孤立することも多いようです。他人との交流は脳に刺激を与え、脳の活性化を促します。しかし、交流が途絶える状態が続けば、脳が衰えて認知症を発症するリスクが高まる可能性があります。
神経質な人も注意が必要です。神経質な人は、日常生活で起こる些細なことでも気になり、ストレスを感じやすい傾向があります。小さな問題にも過剰に反応し、ストレスを抱えることが多いためネガティブな考えに陥りやすく、うつ気味になりやすいです。ストレスやうつ症状は脳の健康に悪影響を及ぼし、認知症のリスクを高める可能性があります。
―認知症になりやすい人の特徴について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶「若年性認知症(アルツハイマー)とは?初期症状やなりやすい人の特徴、相談先について解説」
責任感がある人、勤勉な人は認知症を発症するリスクが低いと言われています。責任感のある人は自分の行動や言動に責任を持ち、他人に対して誠実で、約束や時間を守る、自身の義務に対して真剣に取り組む、自分をコントロールすることができるなどの特徴を持っています。
勤勉な人は仕事や日常生活において努力を惜しまず、目標を達成するために根気強く取り組むなど自己管理能力が高い特徴があります。責任感がある人、勤勉な人が持つこれらの性格的特徴が認知症の発症リスクを軽減するとされています。
認知症に対して危機感を持っている人も、認知症になりにくいと言えます。危機感がない人は認知症の予防について関心を持たず、何も行動しませんが、危機感があると問題が深刻化する前に対策を講じ、認知症について正しい理解をし、予防にも積極的に取り組む傾向にあります。また、自分や家族の違和感を軽視せず、医師へ相談し予防法のアドバイスや治療を受けるなどの行動を起こすため、認知症発症のリスクが抑えられていると言えるでしょう。
人の意見に耳を貸せる人も、認知症になりにくいと言われています。人の意見を聞けるということは相手の言葉や気持ちを大切にし、尊重する姿勢を持っているということであり認知症予防にもつながります。柔軟な姿勢で他人の意見を受け入れられると自分の視野が広がり、新しい情報や知識を得て、脳を活性化できます。反対に、自分の考えだけを主張し、他人の話を聞かない人は認知症を発症するリスクが高くなりますので、しっかりと人の意見に耳を傾け、他者とコミュニケーションを図り、脳を健康に保つようにしましょう。
食生活の偏りがあると栄養バランスが乱れ、特定の栄養素の不足や過剰摂取などが起こり、脳の健康に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、次のような食生活の偏りが認知症の原因となり得ると考えられています。
■長期間にわたる高脂肪や、高コレステロールの食事
■高塩分の食事
■ビタミン・ミネラルなどの栄養不足
■高血糖状態が続くような食事
■長時間食事をとらない
睡眠不足の方も認知症のリスクが高いと言われています。睡眠時間が5時間未満の高齢者は、睡眠時間が7~8時間の高齢者と比較すると、5年以内に認知症が発症するリスクが約2倍という研究データもあり、要因としては次のようなものがあります。
■脳内にアミロイドβと呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積しやすくなる
■脳のリフレッシュと記憶整理が妨げられ、認知機能低下が進む
■免疫系に影響し、炎症反応が増加、認知症リスクを上昇させる
■心理的ストレスが増えて脳に悪影響を及ぼし、認知症リスクが高まる
昼夜が逆転するなどの不規則な生活を送ることで、認知症を引き起こす可能性があります。睡眠は脳のリフレッシュと記憶の整理に重要な役割を果たしていますので、不規則な生活により体内時計が乱れると、睡眠不足や睡眠の質の低下が起こり、脳に悪影響を及ぼし、認知機能の低下を招くと考えられています。
高齢者の一人暮らしでは、社会的な交流や刺激が不足し、孤独感やストレスが増えることが多くなります。これにより、脳への影響や認知機能の低下が進み、認知症の発症リスクが高まります。特に地域の催しや近所付き合いも減少し、人と人とのコミュニケーションの機会が減少するため認知症を引き起こしやすくなっています。
飲酒量が多いことも認知症の発症に影響を与える生活習慣です。飲酒量が多いと血流に悪影響を及ぼし、高血圧や糖尿病などの病気を引き起こす可能性があります。特に、血管のダメージが脳の血流を妨げる高血圧や、高血糖が脳の神経細胞に損傷を与える糖尿病は、認知症との関連が知られています。認知症は年齢を重ねた人がなるものと思われていますが、若い人の中でも生活習慣の乱れが原因となり、アルコール性認知症を発症している人が多く存在します。休肝日を設けるなどして、過度な飲酒は控えましょう。
―認知症の対処法についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶「認知症」と「物忘れ」の見分け方は?対処法も解説
栄養バランスの良い食事をとることが認知症予防に重要です。
偏った食事は脳に必要な栄養素を十分に届けられませんので、緑黄色野菜、果物、全粒穀物、健康的な脂肪などを摂取するようにしましょう。特に、抗酸化作用のあるビタミンやオメガ-3脂肪酸などは、脳の健康に重要であり、青魚、ナッツ、種子なども脳の健康に良い影響を与えます。過剰な塩分や糖分の摂取を抑え、加工食品はできるだけ避けることも大切です。
運動習慣を身につけることも大切です。定期的な運動は脳の健康を促進し、認知機能を改善させます。特に、有酸素運動や筋力トレーニングは脳への血流を増やし、神経細胞の成長を促すのに有効です。運動はストレスを軽減し、うつ症状を緩和する効果もあります。自分に合った無理のない運動を取り入れ、習慣化することで健康な脳と心を保ち、認知症のリスクを減らすことができます。ウォーキングやジョギングなど軽い運動で良いので、できれば週1回以上のペースで行うように心掛けてください。
社会との接点を持つように意識しましょう。例えば、週に1回以上友人や知人と交流するだけで活動能力の低下を防ぐと言われています。社会活動やコミュニティへの参加は、生活のリズムを整え、前向きで積極的な気持ちにするメリットがあります。ボランティア活動や地域活動、市民活動や地域のイベントなどコミュニティへ参加することで社会との接点を持ち、人との交流を生むことで、認知症のリスクを軽減しましょう。
脳を使う習慣を取り入れることも良いでしょう。新しい知識を学ぶ活動や趣味などの知的な活動は、脳に良い刺激を与えられるため、認知症のリスクを軽減できるのでおすすめです。
日常で簡単にできる掃除や買い物、料理などの簡単な家事をするだけでも脳に良い影響を与えることができるので積極的に取り組みましょう。興味のない脳トレーニングや学習はなかなか長続きしませんので、自分が興味を持っている分野に関する知的な活動に取り組む方が効果的です。
喫煙を控えることも、認知症を予防するのに有効と言えます。喫煙は脳の血流を悪化させ、酸化ストレスを増加させるため、脳の細胞がダメージを受けやすくなり、認知症のリスクが増加するとされています。喫煙を控えることで脳の健康を維持でき、認知症の予防にもつながるため、健康のことを考えても禁煙を心掛けることはとても大切です。
睡眠の質を上げることも、認知症の予防につながります。アルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβは、睡眠中に減少するので、睡眠の質を上げることがアミロイドβの脳外への排出を促すことにつながります。不規則な睡眠リズムにより昼夜が逆転することがありますが、そのような場合は以下の点を心がけ、睡眠の質を上げるようにしましょう。
■日中に刺激を与えて覚醒させる
■規則正しい生活リズムを保つ
■夜の睡眠を妨げる原因を取り除く
歯周病は、認知症の原因物質と考えられているアミロイドβを作り出すため注意が必要です。
歯肉組織に炎症を引き起こす細菌の繁殖によって引き起こされる歯周病によって、体内で有毒な物質であるアミロイドβが生成され、血流に乗っているアミロイドβが脳に運ばれると、アルツハイマー病の発症リスクが高まります。認知症になると、認知機能の低下や日常生活の自己管理の困難さから、口腔衛生の維持が難しくなることがあります。歯磨きや口腔ケアの不十分さが歯周病の発症や進行を促すため、口腔衛生の維持や歯科医師の定期的な受診など、適切なケアが必要です。
―口腔ケアについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶「口腔ケアとは?健康を維持するためのケア方法と目的を解説」
食事をする時に噛むという行為は、脳へ適度な刺激を与え、認知機能の維持で非常に重要な役割を果たしています。歯周病によって歯がぐらぐらする、抜けるなどの影響を受けると噛む力が弱まり、通常の食事が困難になってしまうため、結果的に脳への刺激が減少します。脳への刺激が減少すると脳が活性化されなくなり、認知機能が低下する可能性があるため、歯周病を長く患っている人は認知症になりやすい傾向があります。
今回は認知症になりやすい人の口癖や性格について紹介してきました。認知症になりやすい人は、「今の若い人は〜」「昔は良かった」「自分は自分、人は人」「社会が悪い」などのネガティブな口癖を持っていることが多く、それが認知症になりやすいとされています。また、認知症になりやすい人の性格は、心配性で短気、批判的、神経質ということもわかりました。ご紹介した口癖や性格が必ずしも認知症になるというわけではありませんが、ネガティブな口癖はやめ、前向きになることは生活する上でもとても大切です。
口癖や性格が当てはまり、心配や疑いがある方は、早めに専門医に相談するようにしましょう。
認知症に対する誤った情報は、状態を悪化させることにもなりかねませんので、認知症について正しい理解をするようにしましょう。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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