この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
認知症の介護はストレスがたまります。ストレスによる介護うつなどにならないために
認知症の人への対応の仕方、ストレスや介護疲れを溜めない方法を紹介します。
2023年3月25日
認知症とは実は病名ではなく、脳の機能が低下することで引き起こされる特有の症状のことを言います。以前は痴呆症と呼ばれていましたが、痴呆という言葉に愚かという意味があったため認知症と呼ばれるようになりました。認知症と聞くと、もの忘れのイメージが強いかもしれません。しかし認知症によるもの忘れと加齢によるもの忘れでは症状が異なります。夕食の献立を思い出せない、芸能人の名前が思い出せないといった部分的なもの忘れは加齢によるものです。認知症によるもの忘れは、夕食を食べたこと自体を忘れる、少し前に電話したこと自体を忘れるなど、体験そのものを忘れてしまうのが特徴です。同じ話を何度も繰り返してしまうのは、自分が話したこと自体を覚えていないからなのです。
認知症は、記憶障害だけではなく判断力や理解力の低下などの症状が見られ、日常生活にも支障をきたします。症状は大きく分けて「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の2種類に分けられます。
脳の神経細胞が破壊されることで現れる直接的な症状。認知症を患っていれば、どんな人でも見られる症状です。
・記憶障害(直近の出来事や昔のことを忘れる)
・見当識障害(日付や自分のいる場所がわからなくなる)
・判断力の障害(ものごとの良し悪しが判断できなくなる)
・実行機能障害(計画を立てて順序よく行動できなくなる)
・失行(服を着るなど以前できていたことができなくなる)
・失認(日常で使っている道具なのに何かわからなくなる、親しい人が誰かわからなくなる等)
・失語(うまく言葉にできなくなる、読み書きができなくなる等) など
行動・心理症状(BPSD)は、周辺症状とも呼ばれ中核症状に精神的な要因などが加わって現れる症状。本人の性格や環境、心理状態などによって引き起こされるため、症状の現れ方には個人差があります。
認知症の症状が進行すると、今までできていたことができなくなったり、理解できないような行動や言動が見られるようになります。介護する家族はこうした状況に、どのように接したらよいのかと戸惑うこともあるかもしれません。認知症の介護で大切なことは、認知症をきちんと理解して本人の気持ちに寄り添うことです。そこで、認知症の人への対応のポイントをご紹介します。
ゆっくり丁寧に話すことを意識しましょう。決して急かさず、本人のペースに合わせることが大切です。 認知症の症状により、言われたことをすぐに理解することや、とっさに反応してスムーズに動くことが難しくなります。何をするにも時間がかかってしまうため、急かしたくなることもありますが、本人は責められているように感じて不快な気持ちになるので気をつけましょう。
本人の言動に対して責める、叱るなど否定しないようにしましょう。 話している内容が間違っていても「そうでしたね」などと否定せずに受け入れてあげましょう。 否定された理由は覚えていなくても、そのときに感じた不安や不快な気持ちは残り、自尊心を傷つけてしまうこともあります。問題行動は認知症によるものですから責めたり叱ったりしもなくなるわけではありません。安全面に問題があるとき以外は否定せずに受け入れることが大切です。
認知症の症状によって、被害妄想や理解しがたい行動をとる場合があります。周囲の人に理解できなくても、本人には何か理由があるはずです。どうしてそのような行動や考えに至ったのか原因を探り、本人の気持ちを理解してあげることが大切です。 認知症によって新しい記憶は抜け落ちるものの、昔の記憶は鮮明に残っているケースが多く、現在の自分と数十年前の自分が重なってしまうことがあります。例えば息子を学校まで迎えに行くと言って出かけようとするなど、過去の体験に基づいた言動が見られます。そうした言動には孫の姿を見て昔の記憶と重なって起こるなど、何かしら要因があります。言動のきっかけとなった要因を探り、本人の考えを理解して受け止めてあげましょう。現実を伝えても本人は混乱するだけなので「今日は創立記念日でお休みなので、お迎えはいりませんよ」などと話を合わせてあげましょう。
認知症の介護をする家族は、本人から目が離せずなかなか気が休まりません。介護は先が見えないことから、将来に対して不安を感じることも多いと思います。認知症の症状によっては暴言を吐かれたり、介護を拒否されることもあり、家族には大きなストレス、介護疲れとなります。
認知症介護をする家族の心理状態は、 一般的に4つの心理ステップをたどるといわれています。以下を参考に自分が今どのステージにいるのかを考えてみましょう。
●とまどい・否定
認知症によっていつもと様子が異なり、とまどいを覚える段階です。医師に認知症と診断されても冷静に受け止めることができません。事実を信じたくないという気持ちにより、症状があってもすぐ治るから大丈夫などと症状自体を否定しようとする場合もあります。
●混乱・拒絶・怒り
認知症の症状が進行することで言動にも大きく変化が現れ、どう対応すればいいのか混乱してしまいます。理解できない行動にイライラしたり、怒りを覚えたりすることもあります。なぜ私だけこんな思いをしないといけないのと絶望したり、私が一人で頑張れば、迷惑をかけずに済むと一人で介護を抱え込み、周囲の助けすら拒絶してしまうケースもあります。
●割り切り・諦め
認知症であることを割り切って考えることができるステージ。認知症による症状だから、注意したって改善されないし諦めようなど、予防も治療もできない認知症に対して諦めを感じながらも、認知症とうまく付き合っていくにはどうすべきかを考えはじめる時期でもあります。
●受容
認知症そのものを受け入れることができるステージ。認知症であること、認知症の介護をしている自分を受容できるようになります。ここまでくるとどんな言動でも許せるようになり、心穏やかに接することができます。
家族の介護を行っていると、気づかないうちに疲労が続きストレスが蓄積してしまいます。ストレスがたまると介護者に大きな負荷がかかるだけでなく、次のようなリスクが考えられます。
厚生労働省の調査をみると、介護者による高齢者虐待の相談・通報が過去10年間で急増しています。令和3年度は、相談・通報件数が
36378件となっており、前年度と比べて1.7%増加しています。実際に虐待と判断された16,426件の中で、最も多いのは身体的虐待、次いで暴言・無視などの心理的虐待、他にも介護放棄や介護者が勝手に金銭を使うなどの経済的虐待が挙げられます.虐待を行う理由は、認知症の介護疲れや介護ストレスも関係しています。さらに、認知症の度合い(要介護度/寝たきり度)が高いほど、心理的虐待が減り、介護放棄が増えることがわかっています。介護者による虐待を防ぐためには、介護者の負担を軽減することが第一です。電話やメールなど専門の相談窓口があるので、ストレスを溜めこむ前に早めに相談するようにしましょう。
参考:
▶厚生労働省 令和 3 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果
介護者は、毎日休む暇もなく介護を続けなくてはいけない状況になりがちです。そのため不眠症になる、食欲が落ちるなど心身に少しずつ影響を与え、常に疲労状態から抜け出せなくなります。介護中心の生活になり、好きな時に外出もできないなどストレスばかりが溜まってしまいます。結果、気分が晴れず塞ぎ込むことが多くなり、介護うつの発症へつながることもあります。
介護うつとは、日常的に介護を行う中で、心身のストレスや疲労などが継続的に蓄積することによって引き起こされるうつ病のことを指します。発症してから早期の段階なら、症状の改善や回復が見込めます。ご紹介するのはあくまで一例ですが、介護うつの主な症状や、介護うつになりやすい人の特徴について知っておきましょう。
●倦怠感(体が重く、だるさを感じる、すぐ疲れてしまう)
●不安(不安な気持ちになる、焦りがあって落ち着かない)
●食欲不振(何を食べても美味しくなく食欲がない)
●睡眠障害(うまく寝付けず十分に眠れない)
●憂鬱(気分が落ち込み消極的になる)
●無気力(何をするのも億劫で意欲がない、興味を持てない)
●責任感が強い
責任感が強く、自分が頑張らないといけないと強く考えるタイプ。人に頼ることが苦手で、疲れを感じたり体調が悪くなったりしても自力でやり遂げようとして自分を追い詰めてしまいます。
●真面目で几帳面
全てをきっちりこなそうと頑張ってしまいます。自分のことよりも介護を優先してしまう傾向にあり、ストレスを蓄積しやすいタイプです。
●完璧主義
とてもストイックで、中途半端やいい加減が許せないタイプ。こうであるべきだという理想を実現するために自分を追い詰めてしまいます。介護は自分ひとりのものではないため思い通りにならずイライラしてストレスを感じてしまいます。
介護うつは、介護者なら誰で発症する可能性があります。介護うつを発症する疲れやストレスの原因として、次の3つが考えられます。
在宅介護の場合、介護される方が起床する時、移動する時、姿勢を変える時、トイレ、入浴、衣服の着脱など、様々な場面で介助が必要となります。介護する方は束縛感を強く感じ、身体的な負担も増えます。1日に何度も体を支える、持ち上げる、降ろすなどすると、背中、腰、腕や膝を痛めることにもつながります。普段の生活の中でも、散歩や通院の付き添い、夜中のおむつ交換、トイレの介助などをしなくてはいけません。十分な睡眠も休養が取れず、疲労が増していき、身体的な負担が溜まっていくのです。
介護に追われると、介護者の自由時間が奪われストレスを感じる傾向にあります。そのうえ、家族との関係を保つ、介護スタッフとやり取りをする、役所などの公的手続きをするなど、やるべきことが山のようにあります。対人面で疲れることも多く、ストレスが介護者にのしかかります。場合によっては、思うようにうまく介護ができないことや、要介護者や家族から非難されるなど精神的なプレッシャーが加わります。周囲が介護を手伝ってくれないと、自分だけに介護を押し付けられている認識が強まり、精神的な負担が増え、ストレスが一層溜まるので気分がますます落ち込んでしまいます。
介護サービスの利用は、要介護度に応じて支給限度額が決められています。自己負担は原則1割(所得に応じて2~3割)となっています。ただし、介護保険は日常生活の費用には適用されず、在宅介護ではおむつ代や介護食をはじめ、デイサービス/デイケアでの食事代やホームヘルパー代は全額自己負担になります。もしも介護者が仕事と介護の両立ができずに介護離職すれば、世帯収入が減少してしまい、経済的な負担が強いられてしまいます。
介護うつは初期段階では本人も周囲も気づきにくく、発症すると、完治するまでには時間がかかります。介護うつの疑いを感じた場合はどう対処すればいいのでしょうか。
介護うつはそのままではなかなか回復が難しいため、症状に気づいた時点で、早めに精神科や心療内科など医療機関で診察を受けてください。そのままにしておくと、症状はさらに進み、長い間辛く苦しい思いをします。介護うつのわずかな兆しを見過ごさないようにして、医師に適切に診断してもらいましょう。早めの治療が最も大切です。
介護をすべて自分だけで抱えこまずに、他の家族にも助けを求めるようにしてください。介護を助けてくれる家族や協力者がいれば、介護者一人の心身にのしかかる負担を少しでも軽くすることができます。心と身体の限界を迎える前に、今後の介護の体制を見直して、介護の負担を家族で分担して協力し合うことがとても重要です。
介護をすべて自分だけで抱えこまずに、他の家族にも助けを求めるようにしてください。介護を助けてくれる家族や協力者がいれば、介護者一人の心身にのしかかる負担を少しでも軽くすることができます。心と身体の限界を迎える前に、今後の介護の体制を見直して、介護の負担を家族で分担して協力し合うことがとても重要です。
介護休暇とは、要介護状態にある家族の短期的・突発的な介護をするために、短期の休暇を取得する制度です。介護休業は、要介護状態にある家族の介護をするために、長期の休みを取得できる制度です。介護休暇、介護休業それぞれの特徴は以下の通りです。
【介護休暇・介護休業共通の特徴】
■対象家族: 配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫
■取得条件: 要介護状態にある家族を介護
■法律: 育児・介護休業法
【介護休暇の特徴】
■取得休暇日数: 対象となる家族1人につき年5日まで、2人以上だと年10日まで 令和3年1/1〜 時間単位で休暇取得可能
■申請方法: 口頭で会社へ申し出 (場合により、書面提出が必要)
■給付金: なし
■その他: 令和3年1/1〜 日雇い契約を除く全労働者が取得可能(原則)
【介護休業の特徴]
■取得休暇日数: 対象家族1人につき通算93日まで(3回まで分割可能)
■申請方法: 休業開始予定日の2週間前までに書面で会社へ申請
■給付金: 申請可能
■その他: 令和4年4/1〜 雇用期間に関係なく取得可能(原則)
介護のため仕事を休まざるを得ない場合は、介護離職を避けて、仕事と介護の両立を図るために介護休暇や介護休業の制度を十分に活用しましょう。
―介護休暇、介護休業について、もっと詳しく知りたい方はこちら―
▶ 「介護休暇とは?介護休業との違いや給与、取得条件、給付金について解説!
介護うつの症状があれば、病院または民間のカウンセリングルームに行って相談に乗ってもらう方法もあります。自治体には電話やメールなどの相談窓口を設置している場合がほとんどです。介護を行う中で抱いてきた悩みや不安、心身の状況を専門家に話すことによって適切な治療へと導いてもらえます。カウンセリングでは、自分と向き合い、現状の問題に対し自ら気づくようになります。カウンセラーに寄り添ってもらい思考や行動の見直しができれば、再発防止が可能になるでしょう。
介護うつにならないためには、介護疲れをできるだけ軽減することが大切です。介護うつの予防のために以下のことに注意しましょう。
介護について困ったことや悩み事があれば、一人で抱え込まずに家族や親戚、友人などに相談しましょう。誰かに話を聞いてもらうだけでスッキリし、気持ちが軽くなります。ケアマネジャーやプロのカウンセラーなどの専門家に相談すれば、新しい発見やアドバイスがあるかもしれません。
書籍やインターネットなどを活用し、介護に関する知識と最新情報を集めましょう。地域の行政や福祉団体による無料の講習会などに参加してみるのもよいでしょう。 ケア方法や便利なサービスなど介護に関する正しい知識を身につけることで、ストレスや悩みの解消につながることもあります。
介護サービスを上手く利用して、息抜きをしましょう。介護ストレスを減らすためには、自分のために使える時間をきちんと持つことが大切です。訪問介護やデイサービスなどの介護サービスは介護保険の適用対象です。ケアマネジャーに相談してケアプランを作成してもらいましょう。
介護サービスを上手く利用して、息抜きをしましょう。介護ストレスを減らすためには、自分のために使える時間をきちんと持つことが大切です。訪問介護やデイサービスなどの介護サービスは介護保険の適用対象です。ケアマネジャーに相談してケアプランを作成してもらいましょう。
在宅で介護をしていると、外に出る機会が限られているため、どうしても孤立しがちになります。ストレスや悩みを抱いていても発散することが難しく、蓄積するばかりです。住んでいる地域ごとに、介護者の会というものがあります。家族の介護をしている人たちが集まって交流を行なっています。介護者の会では悩みごとの相談や、経験者ならではのアドバイスをしてもらうことができますので、参加を心がけてみてください。
介護を始めて間もない頃は慣れないことも多く、介護スキルがあまり備わっていません。そのためできないことばかりで自信を失ってしまい、どうしてもストレスを感じることになります。また、介護が上手にできないことで、要介護者との関係も悪くなる恐れがあります。お住まいの自治体などで開催されている在宅介護のための講座等を利用して、介護スキルをアップさせるようにしましょう。
介護サービスなどの様々な高齢者支援サービスが揃っています。高齢者支援サービスを利用して介護疲れやストレスを軽減しましょう。
デイサービスやショートステイなどの介護保険サービスを利用すれば、レスパイトケア(介護者が休息すること)が可能となります。入浴介助や排泄介助・食事介助を希望する場合には、訪問入浴介護や訪問介護を依頼することも可能ですケアマネジャーと十分相談をして、支給限度額に見合ったケアプランを作成してもらうのが良いでしょう。家族で介護をおこなう部分と、専門家に任せる部分をはっきり区別して、担当決めをするといいでしょう。
介護保険外(自費)サービスはNPO法人や社会福祉法人などが実施しているサービスです。具体例としては、要介護者に同居家族がいれば日常生活援助をしてくれます。リハビリとは無関係ですが、散歩・旅行・墓参の付き添いなどの支援をしてくれるサービスもあります。他には、配食、生活支援、安全確認などのサービスが受けられます。どこのサービスを利用した方がいいかについては、まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しましょう。インターネットで検索をして調べる等口コミを参考にするのもいいでしょう。
地域包括支援センターは、高額介護サービス費、高額医療費、高額医療合算介護サービス等の費用負担緩和制度について相談に乗ってくれます。自治体で助成される紙おむつ費用の数割についても詳細を問い合わせが可能となります。ケアマネジャーは介護のプロで、主治医と連携して情報収集もしてくれます。何か悩みや不安があれば、遠慮なく相談するようにしましょう。介護者に寄り添った的確なアドバイスを与えてくれるでしょう。
認知症介護によるストレスや介護疲れの対処法として、7つのポイントをご紹介します。
私が一人で介護をしないといけないなどと必要以上に頑張ってしまうと、介護する側も体調を崩してしまいます。家族や親戚に相談して役割分担してもらうなど、周りの人に頼りましょう。
介護をしていると辛いことや苦しいこともたくさんあるはずです。愚痴や弱音を吐くことはいけないことと考える人もいるかもしれませんが、自分の感情を整理するのに効果的とされていますから、強がらず、弱音を吐いてみましょう。
認知症の症状の現れ方は人それぞれです。症状や進行具合など他の人はどうなのだろうと気になると思いますが比べても仕方ありません。本人の気持ちを尊重し、その人らしく生きられる介護を目指しましょう。
目の前にある苦しみがいつまで続くのかと不安になることもあるでしょう。どのような症状もいつかおわりを迎えます。徘徊の症状があり目が離せなかった人も、歩くことが困難になれば症状はなくなります。いま辛い状況に置かれているかもしれませんが、いつかおわるものだと考えるようにしましょう。
介護者にとって、無理をせずに続けることができる介護環境を整えることが何より重要です。家族は当然のこと、ケアマネジャー、地域包括支援センター、主治医や介護施設などへ気軽に相談して、適切な介護を進めるようにしましょう。介護者は日々介護に追われると休む時間がなく、余裕がありません。疲れやストレスを解放させるため、レスパイトケア(休息)が時に重要です。デイサービスやショートステイなどのサービスを積極的に活用してください。
介護のためにずっと部屋にこもったままだとストレスは溜まる一方です。介護の途中でイライラすることや気持ちが落ち込むことがあったら、まずは気分転換をするのが良いでしょう。介護している部屋から離れて、短時間でも構わないので自分の時間を過ごすべきです。お茶を飲む、お菓子を食べるだけでも、気持ちの切り替えが可能です。アロマの香りを嗅ぐ、テレビを見る、音楽を聴く、庭に出るだけでも、一時的にリフレッシュすることができます。気分が落ち込んでいるなと思ったら、自分の時間を作ることを心がけましょう。
介護疲れやストレスが蓄積してくると、身体に異変が起き始めます。体内リズムが狂うと、とりわけ不眠や過眠などの睡眠障害が起こりやすくなります。要介護者が認知症の場合は、昼と夜が逆転することも多くなり、夜中の介助が増えてしまいます。そうなることで介護者は眠る時間を失い、慢性的な睡眠不足に陥りやすい傾向にあります。介護者はなるべく睡眠時間を確保することや短時間で質の高い睡眠が取れるような工夫することが必要となります。
過去2週間を振り返って、以下の項目で当てはまるものにセルフチェックしてみましょう。
□何をするにしても気力がない、やる気が出ない
□激しい運動をしたわけではないのにすぐに疲れる
□眠れない、夜中に目が覚める、寝つきが悪い、昼に眠気が襲う
□食欲がない、または食べ過ぎてしまう
□何に対しても興味が湧かない、楽しくない
□集中できない
□落ち着きがなく、気がそわそわしてしまう
□憂うつになる、気持ちが暗くなる
□話しや動作が遅くなる
□自信が持てなくなる、申し訳ない気持ちになってしまう
□ネガティブ思考になり、何もうまくいかないと考えてしまう
□自分はいない方がいいと思う
上記はあくまで参考ですが、5つ以上当てはまる人は、介護うつの可能性があります。
早めに対応すれば、介護うつは改善も予防もできます。日頃からセルフチェックをして、介護うつの兆しを発見したら、医療機関を受診しましょう。
介護と仕事を両立することは非常に困難なことです。介護離職することになれば経済的な問題点が発生します。厚生労働省「仕事と介護 両立のポイント」には両立するためのポイントは以下のように明記されています。
1)職場に「家族等の介護を行っていること」を伝え、必要に応じて勤務先の「仕事と介護の両立支援制度」を利用する
2)介護保険サービスを利用し、自分で「介護をしすぎない」
3)ケアマネジャーを信頼し、「何でも相談する」
4)日ごろから「家族や要介護者宅の近所の方々などと良好な関係」を築く
5)介護を深刻に捉えすぎずに、「自分の時間を確保」する
介護に直面しても決して慌てずに、かつあきらめずに、仕事と介護の両立を目指しましょう。
在宅介護の場合は、ストレスや疲労が溜まりすぎると、心身に悪影響を及ぼし、介護うつを引き起こす危険性があります。特に、完璧主義で責任感が強いまじめな人ほど介護うつを発症しやすくなります。一人ですべてを抱え込まず、家族に協力してもらう、各種サービスをできる限り利用するなどして疲労やストレスが溜まらないように注意しながら、介護に臨むようにしましょう。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
商品やサービスに関するご質問、
ご相談にお答えしています。
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