家族が認知症になったらどう対応する?症状の理解と対応のヒント

家族が認知症になったときにどのように対応したらいいのか、症状や対応方法についてご紹介します

2021年10月29日

認知症は、どういう病気?

認知症とは、老化にともなう病気で、様々な原因により脳の機能が低下して記憶力や判断力が衰え、日常生活に支障をきたす状態のことをいいます。
症状や予防についてなどよくある認知症の疑問についてひとつずつ見ていきましょう。

認知症 と "もの忘れ" は違う?

加齢によるもの忘れと認知症の違いは、もの忘れは忘れているという自覚がありますが、認知症の場合は体験したこと自体を丸々忘れてしまうため、忘れているという事実もわからなくなってしまいます。

―もの忘れと認知症の違いについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「もの忘れ?認知症?違いと特徴を解説」

中核症状、行動・心理症状ってなんですか?

認知症の症状は、大きく中核症状と行動・心理症状(周辺症状BPSD)の2種類に分けられます。

【1.中核症状】

中核症状とは、脳の神経細胞が壊れることで働きが低下して現れる直接的な症状のことです。

■見当識障害・・・日付や自分のいる場所がわからなくなるなど自分が置かれている状況がわからなくなります。

■記憶障害・・・新しいことが覚えられなくなり直近のできごとや体験を忘れてしまいます。

■実行機能障害・・・事前に計画を立てて順序よく行動することが難しくなります。

■判断力・理解力の低下・・・物事の理解や良し悪しの判断できなくなります。

■失行・失認・失語・・・服を着る、親しい人がわからない、うまく言葉が出ないなど日常的に行っている動作ができなくなります。

【2.行動・心理症状(周辺症状BPSD)】

行動・心理症状(周辺症状BPSD)は、周辺症状とも呼ばれ中核症状に精神的な要因などが加わって現れる症状です。本人の性格や環境、心理状態などによって引き起こされるため、症状の現れ方には個人差があります。

■興奮、暴言、暴力、介護拒否
■徘徊
■不安、抑うつ
■妄想
■幻覚
■不潔行為

―認知症について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「認知症はどのように進行するの?中核症状や周辺症状とは?」

認知症って老化のこと?高齢でなければ発症しない?

認知症を引き起こす原因は、脳の病気や障害などさまざまです。年を重ねるほど認知症になる可能性は高まりますが、高齢者だけでなく働き盛りの若い世代でも発症することがあります。

―若年性認知症について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「若年性認知症とは?症状や予防法とは?」

認知症は予防ができない?

認知症の予防には生活習慣の見直しが必要です。高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、認知症と関連があると言われています。認知症予防のためにも、バランスのよい食事を心がけ、定期的に運動し、質の良い睡眠をとるなど、生活習慣の改善を目指すことが大切です。

認知症になることは恥ずかしい? いま何人くらいいるの?

認知症になることは決して恥ずかしいことではありません。誰にでも発症する可能性があり、2020年現在、65歳以上の認知症の人は約600万人いると推計されています。高齢化が進む日本では今後さらに増えていくと予測されています。

認知症になってしまったかどうか、どう判断するの?

認知症かどうかを判断するのは難しいですが、下記に当てはまることがあれば認知症の可能性があります。確認してみましょう。

■チェック1 忘れたことの自覚がない
認知症になると忘れているという自覚がなくなります。忘れていることに気付けなくなっている場合は、認知症の可能性があります。

■チェック2 できごと全体を忘れている
朝食の献立を思い出せないという部分的なもの忘れは加齢によるものだと思われますが、朝食を食べたこと自体を忘れているなど、できごと全体を忘れている場合は認知症の可能性があります。

■チェック3 日常生活に支障が出ている
大切な約束をすっぽかす、自分が体験したことを忘れてしまうなど、日常生活に支障をきたすほどに忘れることがある場合は、認知症の可能性があります。

上記はあくまでも参考で医学的診断基準ではありません。気になることがあれば、早めにかかりつけ医または専門医に相談してください。

病院に行くのが怖い…でも軽症のうちに診察してもらうのがいいと聞きましたが?

早期発見・早期治療は、認知症の進行を遅らせることにつながります。認知症でなくても、認知症の前段階と呼ばれる「軽度認知障害(MCI)」の疑いがあるかもしれません。MCIになった人すべてが認知症を発症するわけではありませんが、認知症に移行してしまうこともあります。早いうちから適切な対応や治療を受けることで進行を遅らせることが期待できるため、早めの受診をおすすめします。

困ったときのリンク集

認知症について気になることや困ったときに以下のサイトも参考にしてみてください。

1. 厚生労働省のホームページ

■認知症について幅広く紹介しています。
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス こころの病気を知る 認知症

■認知症の症状について細かく説明を知ることができます。
厚生労働省 政策レポート 認知症を理解する

■厚生労働省が行う認知症施策について紹介されています。
厚生労働省 認知症施策


2. 内閣府大臣官房政府広報室

■家族や自分が認知症になったときのために知っておきたいことを紹介しています。
政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報 | もし、家族や自分が認知症になったら 知っておきたい認知症のキホン


3. 公益社団法人 社会福祉法人 特定非営利活動法人など

■家族が認知症でないかと心配している方へのアドバイス。
公益社団法人認知症の人と家族の会
家族が「認知症ではないか」と心配しているあなたへ | 認知症を知る |

■若年性認知症についての相談ができます。
社会福祉法人 仁至会 認知症介護研究・研修 大府センター
若年性認知症コールセンター

■特定非営利活動法人 地域共生政策自治体連携機構
認知症サポーターキャラバン

認知症が疑わしい…
家族はどう受診を促す?

もしかすると認知症かもしれないと感じたときは、以下のポイントに注意しながら受診を促しましょう。

【ポイント1】 本人も不安なことが。無理強いは禁物

本人が認知症だと認めない場合でも、漠然といつもと違う。何かがおかしいなどと感じ、不安な気持ちを持っていることが多くあります。受診を促すときは、そうした不安な気持ちがあることを理解して接することが大切です。あまり受診に乗り気でない場合は、決して無理強いせず、健康診断のついでに脳のチェックもしておきましょうなどとかかりつけ医に話を持ちかけてもらう、知人などの例を示して受診を促してみるなどするとよいでしょう。

【ポイント2】一人で抱え込まずに相談を

一人で抱え込まずに困ったときは必ず誰かに相談しましょう。地域包括支援センターなどへ行けば相談することもできますし、家族や親戚、友人などに話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなるはずです。認知症の診断を受けていない場合でも、家族の会に参加できることもあります。一人で何とかしようと思い込まず、協力者を見つけることが大切です。

認知症の方のために家族が出来る10ヵ条

認知症の方のために家族は何ができるのか?
以下の10か条にまとめてみました。参考にしてください。

① 異変に気付いたら、かかりつけ医に相談する

認知症のはじまりはちょっとしたもの忘れなどの異変。それに気付けるのは、身近にいる家族だからこそです。早期発見のためにも、何か気になることがあれば早めに病院を受診しましょう。

② 認知症に関する正しい知識を身につける

認知症と言っても、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なります。症状や対応の仕方など、認知症に対する正しい知識を身に付けておくことが大切です。

③ 介護サービスを活用する

介護サービス利用しましょう。介護する家族の息抜きの時間を確保できるだけでなく、専門知識を持ったプロによるケアが受けられるというメリットもあります。家族以外の人と接するよい機会にもなりますし、要介護認定を受けていれば介護保険が適用されます。 全て家族だけで何とかしようとせず、介護サービスを上手く活用することが大切です。

④ 友人・知人など周囲の力を借りる

友人や知人、ご近所さんなど周囲の力を借りるのもひとつの方法です。家族以外の第三者から促されると受診する気になる場合もあります。介護経験者の方の体験談を聞くこともよいでしょう。もしも徘徊などの恐れがある場合は、普段から様子を気にかけてもらう、見かけたら声をかけてもらうなど、見守りの体制を作っておくと安心です。

⑤息抜きする時間を持つ

介護ばかりに追われる生活では、介護者も体調を崩しかねません。介護者にも自分の生活があります、たまには息抜きをして、自分だけでの時間を持ちましょう。介護者の気持ちが疲れているとその気持ちは認知症の方にも伝わります。

⑥本人のペースに合わせる

認知症になると、言われたことをすぐに理解することや、とっさに反応することが難しくなり、何をするにも時間がかかってしまいます。介護者が急かすと不快な気持ちにさせてしまいますし、次から次へと話しかけると混乱のもとになります。決して急かさず、本人のペースに合わせるようにしましょう。

⑦優しい口調で、ゆっくりと大きな声で話す

コミュニケーションを取るときは、しっかり目線を合わせ、優しい口調で話しましょう。聞こえづらくなっていることもあるため、ゆっくりと大きな声で話すことを心がけましょう。

⑧ 話を否定せずに受け入れる

本人の話にしっかりと耳を傾け、たとえ話の内容が間違っていても否定せず、そうでしたねと話を合わせて受け入れてあげましょう。

⑨今できることに目を向ける

認知症になってからもできることはたくさんあります。今できることに目を向け、本人ができることを進んでやってもらいましょう。

⑩本人の気持ちに寄り添う

本人の気持ちに寄り添い、その人らしい生活が続けられるようにサポートしていきましょう。

認知症の家族への対応方法。
こんなシチュエーションのときどうする?

認知症の方と接するときは、責めたり叱ったりせず、落ち着いて対応することが大切です。ここでは、シチュエーション別に対応するときのポイントをご紹介しましょう。

1)落ち着かないで大声を出しているとき

ただ大声を出しているわけではなく、何か理由があるはずです。冷静に対応しながらその原因を探ってみましょう。攻撃的な態度が見られる場合は、落ち着くまで少し距離をとって見守るか、別の人に交代してもらいましょう。

2) 勝手に外へ出かけようとするとき

他のことに気をそらし、得意な手仕事を頼むなどすると、外へ出ようとしていた理由を忘れて落ち着くことがあります。本人の話を否定せず、もうすぐお迎えの車が来るのでお茶でも飲んで待ちましょう、外は冷えるので上着でも着ましょうか、などと別の行為につなげて落ち着くのを待ってみましょう。

3)モノを盗まれた、○○が盗んだなどの妄想を言われたとき

本人の気持ちを受け止め、一緒に探しましょう。探し物を家族が手渡すと盗まれたという疑念が残ることもあるので、なるべく本人の手で発見できるように誘導するとよいでしょう。

―妄想について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「認知症の妄想・幻視・見間違いとは?対応方法を徹底解説!」

4)まだご飯を食べていないと言われたとき、空腹を訴えられたとき

今から用意しますからもう少し待ってくださいね、と言って少し時間を空け、忘れてもらうのもひとつの方法です。お腹にたまらないような軽いデザートを提供するのもよいでしょう。

5) 排便で失敗してしまったとき

羞恥心を和らげるように落ち着いた態度で接することが大切です。トイレの場所がすぐわかるように貼り紙をする、早めにトイレへ誘導するなど、失敗の回数を減らす対策も考えましょう。

―排泄介助について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「排泄介助の正しい方法とは?適切な排泄方法の手順とポイントについて解説」

6)便をいじったり、便で衣服や壁を汚してしまったとき(弄便)

汚れる範囲を最小限にするためにも、まずは手をきれいに拭き取りましょう。その後、お風呂へ誘導して汚れをきれいに洗い流します。介護する方にとっては大きな負担ですが、感情的にならず穏やかに対応することを心がけましょう。壁に保護シートを貼る、ベッド周りに防水シートを敷くなど、掃除しやすい環境にして、後始末の負担を減らす工夫をしておくとよいでしょう。

―弄便について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「弄便(ろうべん)はなぜ起きてしまうの?原因と対策を解説」

まとめ

認知症になると、理解しがたい行動をとることもありますが、本人にとっては何かしらの理由があってのことです。感情的にならず、本人の気持ちに寄り添いながら、落ち着いて対応することを心がけましょう。認知症介護は、身体的にも精神的にも負担が大きくなります。必ず介護を一人で抱え込まず、周囲の方に協力してもらう、介護サービスを活用するなど、自分自身も大切にしてください。

この記事の制作者 

フランスベッド メディカル営業推進部

当部は福祉用具業界動向や情報収集をはじめ、当社が福祉用具貸与業者として、在宅で生活される皆様に対して、福祉用具や住宅改修を通してより安心かつ安全に、日常生活を送っていただけるよう、現場の営業所や開発・生産部門と連携して独創的な商品やサービスを企画提案しております。
当社は1983年に日本で初めて療養ベッドのレンタルサービスをスタートさせて以来、環境に配慮し、皆様へやさしさのある暮らしを追求してまいりました。
その一環として、このホームページ内でも「介護する方、介護される方に役立つ」情報をお届けしてまいりたいと思っております。

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