傾眠傾向ってなに?高齢者のウトウトは認知症のシグナルで要注意?

傾眠傾向とはどういう症状なのか、傾眠の要因や対策、認知症との関係などをご説明します

2021年11月8日

傾眠傾向とは?
どういう症状?



傾眠とは、意識障害のひとつで、声かけや肩をポンッと叩くような軽い刺激で意識を取り戻す状態のことをいいます。意識障害のレベルは、傾眠・昏迷・半昏睡・昏睡の4段階があります。傾眠は意識障害のレベルの中では最も軽度の状態です。

【意識障害のレベル4段階】
(1)傾眠
傾眠は、声かけや肩を叩くなど、外部からの軽い刺激で目を覚ます状態です。外からの刺激がない状態で放っておくと眠ってしまいます。

(2)昏迷(こんめい)
昏迷(こんめい)は、大声での呼びかけや、体を揺するなどの強い刺激に対して反応する状態のことをいいます。

(3)半昏睡(はんこんすい)
半昏睡は体を強くつねるなどの強い刺激を与えたときに、避けようとする、顔をしかめるなど、身体の一部が反応する状態です。

(4)昏睡(こんすい)
昏睡は、まぶたを閉じたままで、外部からの刺激に対しても全く反応しない状態のことです。


傾眠傾向のある方は、覚醒した後も注意力に欠ける、無気力になるなどといったことがおこります。進行すると錯覚や妄想、せん妄といった症状が現れることもあります。ウトウトしているためうたた寝だろうと思い放っておくと、症状が重くなる可能性があるため注意が必要です。

ただのウトウトとは
どう違う?



高齢者によく見られる傾眠傾向は、ただウトウトとうたた寝しているように見えますが、もしかすると認知症や硬膜下血腫、内臓疾患などの病気のサインかもしれません。放っておくと意識障害が進行してしまう恐れもありますし、食事中に傾眠傾向が見られる場合は誤嚥のリスクも高まるため、注意が必要です。

ただのうたた寝なのか、傾眠傾向なのか、見た目から判断するのは難しいですが、昼間にウトウトする様子がよく見られる、ある日を境に明らかにウトウトすることが増えたといった場合は、傾眠傾向を疑ったほうがよいでしょう。何か気になる事や不安なことがあれば、早めに医師に相談することをおすすめします。



―誤嚥について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「嚥下障害とは?原因と症状を理解して、正しい対策を」

傾眠傾向の要因



では、傾眠傾向の要因にはどのようなものがあるのか、要因についてご紹介します。

【要因1】認知症

認知症の初期症状のひとつである無気力状態(アパシー)になると、意欲を失って脳が興奮状態になりにくく、傾眠傾向が強くなります。また、認知症になると睡眠のリズムが崩れやすく、夜間の睡眠不足により傾眠傾向が見られることもあります。

【要因2】加齢に伴う体力低下

加齢とともに神経伝達の機能が低下するため、自然と傾眠が起こることもあります。夜間の眠りが浅い場合は、日中に眠気が取れないことも考えられるため、健康面で何も問題がない場合は加齢によるものかもしれません。

【要因3】脱水症状

脱水症状によって、意識が朦朧として傾眠状態になる場合もあります。高齢になると、のどの渇きを感じにくい上に、体内に水分を蓄える機能が低下してしまうため脱水症状を引き起こしやすいので注意が必要です。

【要因4】内科的疾患

臓器に何かしらの異常が起きている場合も、傾眠が起きやすくなります。体内で炎症が起きていることが原因の場合や、発熱など風邪のような症状で身体が休みたがっていて、傾眠を引き起こしている場合も考えられます。このような場合は、疾患が治る、熱が下がることで傾眠傾向がなくなります。

【要因5】慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは、頭を打ったときに血管に傷がつき、硬膜と脳の間に血腫ができてしまう脳疾患です。この血腫が大きくなると傾眠傾向が見られます。高齢者の血管はもろく、軽く頭をぶつけた程度でも硬膜下血腫を起こしやすくなります。頭を打った直後ではなく、1〜2ヶ月程度経過してから症状が現れることも多いです。小さい血腫であれば自然治癒する可能性もありますが、基本的には外科手術が必要となるため、早期発見が大切です。

【要因6】薬の副作用

薬の副作用が要因となり、傾眠傾向が見られることもあります。普段服薬している薬が原因かもしれませんので、気になることがあれば医師や看護師に相談してみましょう。

【要因7】低血圧

食事を摂取した後、急激に血圧が下がる食事性低血圧が傾眠の要因になっていることもあります。食事性低血圧は、パーキンソン病やアルツハイマー病、脳血管障害、高血圧、糖尿病、高齢などが原因で起こると言われており、降圧薬や利尿薬を服用している方によく見られます。急激な血圧低下を防ぐためにも、食事内容を見直し、ゆっくりと時間をかけて食事をすることが大切です。

自分でできる "傾眠" 対策



では傾眠傾向が見られたときにできる対策としてはどのようなものがあるのかを順に紹介していきます。

【傾眠対策1】話しかける
話しかけて会話する機会を増やすことで、眠る隙を与えないようにしましょう。声かけによって目を覚ますことができますし、コミュニケーションをとることで脳の働きが活発になります。

【傾眠対策2】日中に体を動かす
日中、散歩に出かけるなど体を動かすことも効果的です。体を動かすことで、血流がよくなって脳が活性化されますし、夜間の睡眠の質をあげることにもつながります。昼夜逆転していることが傾眠の原因である場合は、生活リズムを整えることが大切です。

【傾眠対策3】こまめに水分補給する

脱水症状を防ぐためにも、こまめに水分補給しましょう。適切な水分補給は、傾眠の対策になるだけでなく、熱中症の予防にも効果的です。起床時、入浴前後など、水分補給する時間を決めておくのもよいでしょう。のどが渇いている自覚がないことも考えられるため、周囲が様子を見ながら声をかけ、必要に応じて水分摂取を促すようにしましょう。

―高齢者の脱水症について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶  「高齢者の脱水症の原因は?見逃してはいけないサインや予防法を解説」

【傾眠対策4】薬を調整してもらう
薬の副作用が原因であると考えられる場合は、医師に相談して薬の量や内容を調整してもらいましょう。介護する家族は、服用している薬の成分や副作用などを把握しておき、薬を飲み始めてから変わったことがないかなど、日頃から様子を気にかけておきましょう。

【傾眠対策5】食事を見直す
傾眠によって十分な食事が摂れないと、脱水症状や栄養不足を招く恐れがあります。食事中に傾眠傾向がある場合は、誤嚥を防ぐためにも食事の内容を見直しましょう。食事性低血圧が見られる場合は、一度にたくさん食べない、ゆっくり時間をかけて食べるなど、食事の摂り方を見直すことが大切です。

【傾眠対策6】見守る・支える
傾眠傾向について医師に相談し、高齢が原因だと考えられる場合には、安心して日常生活を送れるように家族が見守り、支えてあげましょう。転倒や誤嚥などに気を配り、安全に暮らせるようサポートすることが大切です。

―転倒予防について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「転倒を予防するには?高齢者が転ぶ原因と場所、予防グッズを紹介」

こういう場合は医療機関に相談を!



先にも述べましたが、傾眠傾向の原因が脳疾患や内臓疾患の可能性もあります。傾眠傾向が疑われる場合は、病気の早期発見・早期治療のためにも、なるべく早く医師に相談することをおすすめします。たとえ傾眠傾向の原因が病気でないとしても、傾眠によってきちんと食事が摂れていなければ、脱水症状や栄養不足などに陥ることも考えられます。また、処方されている薬の副作用が原因の場合もありますので、少しでも気になることがあれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

認知症は、介護の始まり。
早めに介護プランの
検討を始めよう



傾眠傾向の原因のひとつとして考えられる認知症は、誰でも発症する可能性があります。認知症によって今までできていたことができなくなる、傾眠傾向のようにこれまでなかった症状が出るなど日常生活における介護が必要になってきます。認知症が進行するにつれて、理解しがたい行動をとることもあります。家族は現実を受け入れづらく、これからの介護に不安を抱く方も少なくありません。
このような不安を少しでも解消するためにも、早めに介護プランの検討を始めることをおすすめします。認知症と診断されて家族ももちろんショックを受けますが、何より不安を感じているのは認知症である本人自身です。本人の気持ちに寄り添いながら、本人と家族の望みに合わせた介護プランを検討することが大切です。介護に関する正しい知識を身につけながら、本人そして家族にとってよりよい介護を目指しましょう。

―認知症ついて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「認知症はどのように進行するの?中核症状や周辺症状とは?」

―介護の不安について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください―
▶ 「介護に不安を感じるポイントとその解消方法について」

この記事の制作者 

フランスベッド メディカル営業推進部

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