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寝たきりの高齢者の介護は、廃用症候群に注意
(介護の仕方と寝たきりの原因)

寝たきりが原因で起こる「廃用症候群」。その原因や対処法を紹介します。
またそもそも寝たきりになる原因や、寝たきりの高齢者の介護の方法についても
あわせて考えていきましょう。

2020年5月27日

危ない!寝たきり高齢者の介護には
「廃用症候群」に注意

廃用症候群とは

「生活不活発病」とも呼ばれる廃用症候群とは、長期間の安静状態や運動量の減少によって身体機能が衰え、心身の様々な機能が低下してしまうことです。
体を動かすことは、筋肉や関節を動かすだけでなく、たくさんの臓器の働きにも関わっています。そのため、体を動かさない状態が長く続くと、身体能力が低下するだけではなく、内臓の機能も低下してしまいます。
病気やケガなどで安静を保つ必要があったり、関節の痛みなどで動くことが億劫になってしまうと、体を動かす機会が減ってしまいます。その状態が続くと筋肉や関節、臓器などがうまく機能しなくなり廃用症候群を引き起こします。
廃用症候群の代表的な症状として、以下のような症状があります。

【運動器障害】
・筋萎縮(筋肉がやせ衰える)
・関節拘縮(関節が硬くなり動きが悪くなる)
・骨萎縮(骨がスカスカになりもろくなる)

【循環・呼吸器障害】
・誤嚥性肺炎(食べ物や唾液などが誤って気管支や肺に入って起きる肺炎)
・心機能の低下(心臓の働きが悪く、全身に十分な血液を送り出せない)
・血栓塞栓症(血のかたまりが血管で詰まってしまう)

【自律神経・精神障害】
・うつ状態(気分が落ち込む)
・せん妄(周りの状況が理解できず、ぼんやりして幻覚や錯覚が見られる)
・見当識障害(今いる場所や時間がわからなくなる)

廃用症候群の原因

廃用症候群は体を動かさない状態が続くことで発症することはわかりました。では、具体的にどのような状況が発症の原因となるのでしょうか?

原因1:安静状態が長期間続く

病気やケガなどで長期間安静を保つ必要がある場合 、体を動かさない状態が長く続くことで運動能力が低下し、運動することが億劫になってしまいます。それによって、体を動かす機会が更に減ってしまい、廃用症候群がどんどん進行するという悪循環に陥ります。 高齢者は特に進行が早く、寝たままの状態が1週間続くと約10〜20%の筋力低下がみられるといわれています。

原因2:運動量の減少

関節痛や麻痺などによって動く意欲をなくし、運動量が大幅に減ることも廃用症候群の原因のひとつです。外出する機会が減少すると、関節の動きが鈍くなり、筋力の低下が進みます。そうなると思うように動けなくなり、外出や運動がますます億劫になることで廃用症候群が進行します。脳機能が低下して認知症の進行につながったり、精神神経系の機能が低下してうつ状態などの精神疾患を発症することもあります。また自力で動ける時から車いすやおむつを使用することは、廃用症候群の原因となるため避けましょう。

廃用症候群の対処法・リハビリ

では、廃用症候群にどのように対処していけばいいのか、その方法をご紹介します。

対処法1:体を動かす機会を作る

廃用症候群の一番の対処法は、できるだけ体を動かすことです。介護をしていると、身の回りの世話など色々と手伝いたくなってしまいますが、本人ができることはなるべく自力で行ってもらいましょう。着替えや排泄、簡単な家事など、少しでも体を動かす機会を増やすことが大切です。散歩やラジオ体操、ストレッチなどを毎日の習慣にしても良いでしょう。同じ趣味の人たちが集まるグループの活動やイベントなど、本人が積極的に行きたいと思える場所への参加を促すのも、体を動かす良いきっかけとなります。

安静にしている場合は、体位変換や簡単なマッサージをするだけでも運動になります。足の指を動かしたり、寝たまま足首を回すなど、固まった筋肉をほぐすイメージで優しく行いましょう。手足の皮膚表面を軽く揉みほぐし、血行を良くすることも効果的です。

対処法2:栄養バランスの良い食事

廃用症候群の方に多いのが、低栄養状態です。低栄養状態は、筋肉量の減少など身体機能の低下につながります。筋肉づくりに必要なたんぱく質(肉類、大豆類、乳製品)を摂るなど、栄養バランスの整った食事を心掛け、体を動かすために必要なエネルギーをしっかり補給しましょう。

食欲がない場合は、健康状態を観察してなぜ食欲不振なのかをみつけてあげましょう。嚥下不良や消化器機能の低下など、原因はさまざまです。口腔ケアをしっかり行うことや、消化しやすい食事に変更するなど、原因に合った対策を考えて実践してみましょう。

対処法3:リハビリを行う

廃用症候群の対処法として、早期のリハビリが効果的です。病院など専門の施設でリハビリを受けるか、通院が難しい場合は訪問リハビリの利用を検討してみましょう。

リハビリは、本人が前向きな気持ちで取り組むことが大切です。無理にリハビリを受けさせようとすると、本人が嫌がることもあります。リハビリを行う目的を理解してもらい、目標を設定するなどして本人のやる気を引き出してからスタートしましょう。リハビリへの意欲を高めるために、医師や看護師、理学療法士などに相談して本人に働きかけてもらうのも良いでしょう。

施設サービス

「廃用症候群」を防ぐ。
寝たきり高齢者の介護は工夫しよう。

寝たきりの原因

寝たきりになる主な原因は、脳卒中や認知症、骨折・転倒と言われています。寝ている状態が長く続いたり、後遺症が残って思うように動けなくなると、筋力や骨量が低下して長期の寝たきりになるリスクが高まります。

動けない状態が習慣化されると、本人が体を動かすことを嫌がってしまう場合があります。体を動かす機会が減れば、身体能力は低下する一方です。健康な間に体を動かす習慣を身につけ、寝たきりを予防しましょう。一時的に寝たきりになったとしても、できる限り体を動かして長期の寝たきり状態になることを防ぎましょう。

寝たきり高齢者の介護の注意点

廃用症候群を未然に防ぐには、寝たきり状態でも体を動かすなど介護の仕方に工夫が必要です。ここでは、寝たきり介護をする際の注意点や大事なポイントをご紹介します。

座ることを意識する

寝たままの状態が長い場合は、座ることを意識してみましょう。座るだけでも筋肉を使いますし、バランスをとる力を向上させます。また、便秘の改善や床ずれ予防にもなるので、健康状態を見ながら座ってみると良いでしょう。

床ずれを予防する

長時間同じ体勢のまま寝ていると、骨の突出部分などがマットレスや布団に当たって圧迫され、床ずれを引き起こす可能性があります。ひどい場合、傷が筋膜や骨にまで達することがあるため注意が必要です。体位変換を行ったり、体圧分散用具を活用するなど、適切なケアをして床ずれを防ぎましょう。

床ずれについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

正しい排泄ケアを行う

寝たままの状態だと、腹圧がかかりにくく排便しづらくなります。自分で便意や尿意を介護者に伝えられる間は、便器に座って排泄するようにしましょう。筋力の衰えで便意や尿意を我慢できないことがあるため、排泄を最優先させましょう。

早いうちからおむつを使用すると、体を動かす機会を減らしてしまいます。なるべく尿意や便意の意思表示ができない場合や、排泄のコントロールが難しくなってからおむつを使用するようにしましょう。

皮膚を清潔に保つ

寝たきりになると、入浴や着替えの頻度が減ってしまいがちです。体を拭ったり、訪問入浴介護サービスを利用して皮膚を清潔に保ちましょう。

体を拭うこと(清拭)は、血液の流れを良くするため、床ずれや拘縮の予防にも効果的です。また、皮膚状態を観察しながら行えるので、異常の早期発見にもつながります。体を拭うときは、身体が疲れてしまわないように、楽な体勢を保ち手際よく行いましょう。また、室温やプライバシーにも注意しましょう。

訪問入浴介護サービスを利用すると、介護スタッフが自宅まで訪問し、専用の浴槽で入浴のサポートをしてくれます。家族のサポートだけでの入浴は、転倒の可能性などもあり負担が大きくなります。自力での入浴が困難な場合は、こうしたサービスを利用して介護者の負担を軽減することも考えてみましょう。サービスの利用を検討される場合は、まず担当のケアマネジャーやかかりつけの医師に相談してみましょう。

介護者の負担を減らす

寝たきりになると介護者の負担が増大し、介護者自身が体調を崩してしまう場合があります。介護者の負担をなるべく軽減できるよう、介護サービスをうまく活用したり、家族や親戚とよく話し合って役割分担しましょう。

介護を自分一人で抱え込んでしまうと、肉体的にも精神的にも追い詰められてしまいます。たまには息抜きをし、困ったことがあれば周りの家族やケアマネジャーなどに相談しましょう。