介護ロボットとは?導入のメリット・デメリットや種類についても解説

介護が必要な方の自立支援や介護する側の負担軽減に役立つ介護ロボットについて、種類やメリット・デメリットなどをご紹介します。

2022年3月7日

介護ロボットとは


介護ロボットとは、介護が必要な方の自立支援や、介護する側の負担軽減に役立てられるロボット機器のことです。厚生労働省の介護ロボットの開発・普及の促進のページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000209634.html)によると、情報を感知、判断し、動作するという3つの要素技術を持つ、知能化した機械システムをロボットの定義としています。

介護ロボットが注目されている背景

介護ロボットが注目されている背景にあるのが、介護現場における人手不足があります。高齢化が進むにつれて介護ニーズがどんどん増えている中、労働人口の減少などにより介護の担い手不足は深刻な問題となっています。こうした状況から、介護が必要な方ができるだけ自立した生活を送れるように支援すること、そして介護する側の負担軽減を目指すことが重要であるとされ、日本のロボット技術を活かした介護ロボットの開発が進められるようになったのです。実際の介護現場のニーズに合うロボットを普及させるべく、介護ロボットの開発・導入に向けて様々な取り組みが行われています。

介護ロボットの現状の普及率

介護に役立つものとして開発が進められている介護ロボットですが、実際の介護現場での普及率はまだまだ低いのが現状です。全国の介護保険サービス事業者を対象とした令和2年度介護労働実態調査の「事業所における介護労働実態調査結果報告書」(http://www.kaigo-center.or.jp/report/)によると、80.6%が介護ロボットを導入していないという結果がでています。導入率が最も高い「見守り・コミュニケーション(施設型)」のロボットでも3.7%という結果で、介護ロボットの導入率はとても低くなっています。介護ロボットの普及率が伸びない理由として、導入する予算がない、維持や管理が大変、うまく使いこなせるか不安などが挙げられます。介護ロボットを利用したいと考えていても、小型のロボットでも数万円~数十万円、移乗などを支援する大型のロボットにおいては数百万円という費用がかかってしまうため、コスト面で断念せざるを得ない場合もあります。それだけの導入コストをかけ、それに見合う効果が期待できるのかという実用性や安全性への不安を抱き、導入に前向きになれないという意見もあります。現段階では、1台の介護ロボットができることは限られています。介護スタッフに代わって様々な業務を任せようと思うと、多種多様なロボットを上手く組み合わせて利用しなくてはいけません。また、ロボットの使用には、人間が操作しなければならない部分もあるため、うまくロボット機器を扱えるのか、導入後に活用できるのか不安だという声もあります。その他にも、ホスピタリティを重視しているからという理由で介護ロボットの導入をためらう施設もあり、介護ロボットに対する正しい知識や理解が深まっていないことも普及率の低さに影響していると考えられます。

こうした状況もあり、介護ロボットを開発するメーカーへの支援や、介護ロボットの導入促進に向けた補助金制度、介護ロボットの開発から普及までを支援するプラットフォーム事業など、実用化や普及の加速化を目指した取り組みも行われています。今後、高齢化が進み、介護ニーズがさらに高まると、介護ロボットが活躍できる場もどんどん増えていくはずです。コスト面や実用性などの課題が解消され、介護ロボットの普及がどんどん進むことを期待したいものです。

介護ロボットの種類とは

(1)介護支援型の介護ロボット

介護支援型は移乗や入浴、排泄など、介護者の身体に負担のかかる業務を支援するためのロボットです。足腰に負担のかかる動作や無理な姿勢による作業などの身体的負担だけでなく、介護者の心理的負担の軽減にも役立ちます。介護される側も、ロボット機器であれば気遣いや遠慮することなく身体を委ねることができるため、介助してもらうことに対する申し訳なさや不安、緊張を感じることも少なくなるでしょう。

(2)自立支援型の介護ロボット

自立支援型は歩行や食事など日常生活における動作をサポートし、要介護者が自立した生活を送ることができるように支援するロボットです。例えば、膝に装着するタイプを用いると、これまで膝の痛みによって歩くことが億劫になっていた方でも、歩行時の膝への負担を軽減できて歩きやすくなります。介護ロボットの支援があれば、これまで自力では難しいと感じていたこともできるようになり自立した生活を目指すことができます。できることが増えれば高齢者の自信にもつながり、心理的な負担も軽減できるでしょう。

(3)コミュニケーション型・セキュリティ型の介護ロボット

コミュニケーション型、セキュリティ型は人とコミュニケーションがとれる機能が搭載されているロボットや、センサーを活用して見守りができるロボットなどもあります。
コミュニケーション型は、ただ会話ができるだけでなく、歌やダンスなどのレクリエーション機能が備わっていたり、要介護者の動きを検知して声掛けを行ったりと、種類によっていろいろな機能が搭載されています。
セキュリティ型は、見守りを行い要介護者の様子に異変があれば、検知して介護者にお知らせしてくれる機能などが備わっており、高齢者の転倒予防や認知症の方の徘徊予防に役立ちます。

介護ロボットの
重点開発分野


厚生労働省と経済産業省が連携し、介護ロボットの開発・普及の促進のため「ロボット技術の介護利用における重点分野」を特定しています。
重点分野として定められているのは以下の6分野13項目です。

【移乗支援】
装着型
介護者が装着するタイプの機器で、パワーアシストを行います。
非装着型
非装着タイプで、抱え上げなど移乗動作のパワーアシストを行う機器です。

【移動支援】
屋外用
高齢者等の外出をサポートする歩行支援機器です。外出時の歩行をサポートするだけでなく、荷物などを安全に運ぶことができます。
屋内用
屋内での移動や立ち座りをサポートする歩行支援機器です。お部屋からトイレまでの移動や、姿勢保持、立ち座りなどの動作を支援します。
装着型
高齢者等が装着して使用するタイプの機器です。ロボット技術を用いて、転倒予防や歩行の補助を行います。

【排泄支援】
排泄物処理
設置場所を調整できるトイレで、排泄物の室外への排出、袋に密閉して臭いを漏らさず簡単に処理できるシステムなどが備わっています。
トイレ誘導
適切なタイミングでトイレへ誘導できるよう、ロボット技術を用いて排泄を予測します。
動作支援
衣服の着脱など、トイレ内での一連の動作をサポートする機器です。

【見守り・コミュニケーション】
施設型
介護施設で使用されるロボット機器で、センサーや外部通信機能が搭載されており、複数の要介護者を同時に見守ることできます。
在宅型
在宅介護で使用することを目的としたロボット機器で、転倒検知センサーや外部通信機能が備わっています。
生活支援型
コミュニケーションがとれる介護ロボットです。会話や声掛け、見守り機能など、生活を支援する機能が搭載されています。

【入浴支援】
浴槽の出入りに必要な一連の動作をサポートするロボット機器です。

【介護業務支援】
ロボット技術を用いて、介護業務に伴う情報を集めます。これを基にデータを分析することで、必要な支援に活用することができます。

介護ロボット導入の
メリット


【メリット1】介護者の負担軽減につながる
身体的にも精神的にも負担が大きい介護ですが、介護ロボットの導入によって負担軽減につながります。介助する時は、ベッドから体を起こす、抱きかかえて移動するなど介護者の足腰に負担がかかる動きが多くなりますが、ロボットを活用することでそうした負担を減らすことができます。夜間の見回りが必要な場合も、見守りセンサーなどがあれば要介護者の異変に気づきやすくなり、見回りの回数を減らすことができます。要介護者の状態が気になって睡眠不足に陥りやすい介護者も、安心して就寝できます。

▶ 立ち上がりをサポートし介護者の負担軽減になるベッド
フランスベッドのマルチポジションベッド

▶ 療養者の状態と安全を見守り、介助負担を軽減するベッド
ベッド内蔵見守りケアシステムM-2

▶ 自動寝返り機能で体位変換を行うベッド
自動寝返り支援ベッド



【メリット2】介護される側の心理的負担軽減につながる
介護してもらうことに対して申し訳ない、恥ずかしいなどと負い目を感じる要介護者も少なくありません。このような場合でも、介護ロボットをうまく活用すれば、そうしたストレスを感じることが少なく済みます。見守りセンサーなどがあれば、自分に何かあったときも誰かが駆けつけてくれると安心でき、これまで不安で眠れなかった方もしっかりと睡眠をとることができるでしょう。また、コミュニケーションロボットを導入することで、コミュニケーション不足の解消にもつながり、癒し効果や認知症予防も期待できます。

▶ 抱くたびに心癒されるセラピー人形
ヒーリングベイビー たあたん



【メリット3】介護現場の業務効率化につながる
介護ロボットの導入で、これまで時間をかけて行っていた作業の減少によって、別の業務を行うための時間の確保など業務の効率化が期待できます。人手不足が深刻な介護現場ですが、業務を効率化することで生産性の向上を目指すことにもつながります。仕事内容がきつそうなどとネガティブなイメージを持たれやすい介護職ですが、介護ロボットにより業務が効率化できれば、そういったイメージも払拭されていき、人員確保につながるかもしれません。

介護ロボットの導入の
デメリット


【デメリット1】導入コストがかかる
介護ロボット導入のデメリットとして真っ先に挙げられるのが、導入コストが高いという点でしょう。介護ロボットの普及率が低いことから生産量が少なく、単価が高くなっています。介護ロボットの購入費やレンタル費だけでなく、維持費もかかることを考えると、介護ロボットを導入したくても予算がなく、利用を断念してしまうご家庭や施設も多いようです。介護ロボットの普及率が高まり、大量生産されるようになれば、今後このような問題も解消されることが期待できます。

【デメリット2】設置スペースの確保が必要である
介護ロボットは、小型から大型のものまでありますが、移乗などを支援するロボットは大型のものが多く、設置スペースを確保する必要があります。ご家庭や小規模の施設などでは使用したくても、設置スペースの確保ができない場合もあります。

【デメリット3】操作方法を覚える必要がある
介護ロボットを安全に使用するには、搭載されている機能や操作方法をきちんと理解しておく必要があります。操作に慣れるまでは、操作方法の習得や実践練習のための時間を確保しなければならず、一時的に介護スタッフの負担になってしまいます。思っていたよりも操作が難しく、うまく使用できるかと不安を抱くスタッフが出てくる可能性もあります。

介護ロボット導入の課題


介護ロボットの導入率を高めるためには、介護現場のニーズに応じた実用性の高いロボットの開発を進めていく必要があります。開発者が高い技術を用いてたくさんの機能を搭載したとしても、それを利用者が実際の介護現場でうまく活用できなければ意味がありません。開発者は、実際の介護現場でのニーズを把握して実用的なロボットの開発を目指し、利用者は、介護ロボットに対する正しい知識や活用方法を理解する必要があります。こうした両者のミスマッチをなくしていくことが、介護ロボット導入に向けた大切な取り組みとなるでしょう。

はじまっています
フランスベッドの介護ロボット

フランスベッドでも少しずつではありますが介護負担を軽減するための介護ロボット技術の利用がはじまっています。

▶ 立ち上がりをサポートし介護者の負担軽減になるベッド
フランスベッドのマルチポジションベッド

▶ 自動寝返り機能で体位変換を行うベッド
自動寝返り支援ベッド

▶ 抱くたびに心癒されるセラピー人形
ヒーリングベイビー たあたん


【医療・福祉施設向け】

▶ 療養者の状態と安全を見守り、介助負担を軽減するベッド
ベッド内蔵見守りケアシステムM-2

▶ 自動寝返り機能で体位変換を行うベッド
自動寝返り支援ベッド FB-640A

まとめ

高齢者の自立支援や介護者の負担軽減につながる介護ロボットですが、まだまだ普及率が低いのが現状です。実際の介護現場のニーズに適した介護ロボットの開発が促進されれば、活用事例も増えていき、ロボットを導入しやすくなっていくでしょう。これからどんどん介護ロボットの普及が進み、介護ロボットを使うのが当たり前となる未来も近いかもしれません。

この記事の制作者 

フランスベッド メディカル営業推進部

当部は福祉用具業界動向や情報収集をはじめ、当社が福祉用具貸与業者として、在宅で生活される皆様に対して、福祉用具や住宅改修を通してより安心かつ安全に、日常生活を送っていただけるよう、現場の営業所や開発・生産部門と連携して独創的な商品やサービスを企画提案しております。
当社は1983年に日本で初めて療養ベッドのレンタルサービスをスタートさせて以来、環境に配慮し、皆様へやさしさのある暮らしを追求してまいりました。
その一環として、このホームページ内でも「介護する方、介護される方に役立つ」情報をお届けしてまいりたいと思っております。

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