この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
足浴(そくよく)とは何か、その目的や血行促進などの効果、行う際の手順、注意点、ポイントなどをご紹介します。
2022年9月30日
足浴とは、温めながら足を洗浄するケアのことで、身体の一部分だけをお湯につけて洗う部分浴のひとつです。病気やケガなどによって全身浴が難しい方に取り入れられることが多く、足先を清潔にする以外にも足のしびれや痛みを和らげる、血行促進、睡眠促進のために行われることがあります。
足浴は、全身浴に比べて温熱作用や水圧による影響が小さく、身体への負担が少ないというメリットがあります。また、服を着たまま行えるため介護する側もされる側も羞恥心なく行え、全身浴に比べ介護の負担も軽減されます。寝たままの状態でも行える足浴は、介護度が重度の方のケアにも役立ちます。
足浴の主な目的と効果は、以下の4つです。
足の裏には汗腺が多くあり、雑菌が繁殖しやすいため、足浴で汚れを洗い流して足をきれいな状態に保つことが大切です。足を清潔に保つことで水虫などの感染症予防や創傷の治癒を早めることにも効果的です。
身体の末端にある足先は血流が滞りやすい箇所です。足浴で足を温めることで血の巡りがよくなり、全身が温まります。血行が促進されて循環機能が高まれば、むくみの改善や床ずれ・拘縮(こうしゅく)の予防にもつながります。
足浴は、普段なかなか見ることのない足の状態を観察できるよい機会でもあります。皮膚に乾燥や変色はないか、かゆみや痛みを感じるところはないか、爪の状態に異常はないかなど、足浴する際に足先の状態をチェックしましょう。足のトラブルは、靴や靴下を履いた状態では気付きにくいため、足浴の際に観察して早期発見につなげましょう。水虫などのトラブルが悪化すると、専門医へ受診の必要があるため、注意深く観察しましょう。
足浴にはリラックス効果があるため疲労解消や安眠のためにも取り入れられます。冷えやすい足先を温めることで心地よさを感じられるだけでなく、足をきれいに洗い流すことで爽快感も味わえます。筋肉の疲れの軽減や、神経痛などによる足のしびれの緩和にも効果的です。組み合わせてマッサージを行うなどするとさらなる効果が期待できます。お湯の中にアロマオイルなどを入れてリラックス効果を高めるのもよいでしょう。
足浴をスムーズに行えるように、足浴の手順を確認しておきましょう。
■足首まで入る洗面器 ■防水シート
■汚水用バケツ ■お湯(40℃前後)
■かけ湯用のやかんまたはピッチャーなど
■タオル ■バスタオル ■ガーゼ ■石鹸
※必要に応じて、軽石や浴用たわし、保湿剤や塗り薬、爪切りも用意しましょう。
【1. 本人への声かけ】
・最初に、本人に足浴することを伝えて同意を得ましょう。
・足浴中は一定時間動くことができないため、尿意や便意がないかを確認し、事前に排泄を済ませておきましょう。
【2.環境を整える】
・暑い寒いなどがないように室温を25℃程度に設定しましょう。
・周りのものが濡れないように移動し、足浴を行いやすい環境を整えましょう。
・足下に防水シートを敷き、その上にお湯の入った洗面器を置きます。お湯の量は、足首あたりまで十分に浸かる程度にしましょう。
【3.姿勢を整える】
・ベッドに座って行う場合は、両足がしっかりと床につくようにベッドの高さを調節し、楽な姿勢をとってもらいましょう。
・仰向けで行う場合は、膝を立てて、膝下に枕やバスタオルを入れて姿勢を安定させましょう。
【4.片足ずつお湯に浸ける】
・衣服が濡れないように裾をまくり、お湯の温度を確認してから片足ずつゆっくりとお湯に浸けましょう。
・膝下の露出部分が冷えないように、保温用のバスタオルをかけましょう。
【5.片足ずつ洗浄する】
・石鹸をつけたガーゼを使って、爪先から足首までをきれいに洗いましょう。特に指の間は汚れがたまりやすいため、入念に洗いましょう。
・足裏を洗う際は、必要に応じて浴用たわしや軽石を使うとよいでしょう。
・お湯から出している足は、お湯でしぼった温かいタオルでくるんで保温しておくのがおすすめです。
・両足を洗い終えたら汚水をバケツに流し、かけ湯でしっかりと足をすすぎましょう。
【6.水分を拭き取る】
・きれいに洗い流せたら、拭き残しのないようにタオルで水分を拭き取りましょう。
・保湿剤を塗る、爪を切るなどの必要がある場合は、このタイミングで行いましょう。
足浴を行うときに気をつけたいポイントをいくつかご紹介しましょう。
本人の同意を得ることもですが、病状などによっては足浴やマッサージを避けた方がよい場合もあります。足浴を行う前に、必ず医師や看護師に注意点がないか確認しましょう。
食事の直前や食後すぐに足浴を行うと、消化不良を引き起こす原因になることが考えられます。食前・食後の足浴は避け、気温の高い日中やお昼寝の前などに行うようにしましょう。なるべく本人の身体への負担が小さくなるよう、実施するタイミングを考慮しましょう。
足浴に適したお湯の温度は40℃前後と言われていますが、介護者があらかじめ手で温度を確認し、熱くないですか?と必ず声をかけて本人にも確認してもらいましょう。足を洗うときには、痛くないですか?と力加減を確認して行いましょう。
足浴する際にしっかりと足を観察し、皮膚トラブルがないかをチェックしましょう。高齢者の場合、視力の低下でよく見えていない、足先まで手が届きにくい、関心が薄れているなど、症状が悪化してから気づくことも多いです。傷・かぶれはないか、乾燥やひび割れはないか、爪に異常はないかなど、皮膚トラブルの有無をチェックしましょう。水虫の場合は、感染予防のために片足ずつでお湯を交換し、タオルや爪切りなどの使い回しは避けましょう。介護者の感染を予防するためにも、足浴後はしっかりと手を洗いましょう。
足浴時間は15分程度を目安にして、温まりすぎ、冷えなどに配慮しながら行います。足浴後は、タオルでしっかりと水分を拭き取りましょう。拭き残しが原因で水虫の悪化や感染症を引き起こす可能性もあります。指の間まで入念に拭き取り、よく乾かしてから靴下を履くようにしましょう。
足浴後に体調の変化がないかを観察しましょう。足浴は、全身浴に比べて身体への負担を軽減できますが、血圧の上昇など異変が起こりうる可能性はゼロではありません。足浴後の体調の異変には十分注意し、脱水状態を予防するための水分補給も忘れず行いましょう。
フランスベッド では、在宅介護に役立つ福祉用具・介護用品のECショップ「ホームケア全科オンライン」を運営しています。足浴に役立つ福祉用具・介護用品も取り揃えていますのでご覧ください。
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足浴は、足を清潔に保つだけでなく、血行促進、安眠効果やリラックス効果などメリットがたくさんあります。入浴が難しい方でも行え、全身浴に比べて体力の消耗や身体にかかる負担が少なく、比較的安全性の高いケア方法とも言えるでしょう。足浴を行いながら会話やマッサージをすれば、コミュニケーションをとるよい機会にもなり、お互いの信頼関係も深まることでしょう。今回ご紹介した足浴の効果と手順を参考に、ぜひ日々のケアに取り入れてみてください。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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