どんな手すりを設置するのがよいのか、設置にはどれくらいの費用がかかるのか、利用シーン別におすすめをいくつかご紹介します。
1.寝室へ設置する場合
ベッドや布団から自力で起き上がることや立ち上がることがつらい方には、据え置き型や突っ張り型の手すりが役立ちます。
【据え置き型】

ベッドや布団のそばに据え置き型の手すりがあれば、横になっている状態から体を起こしやすく、立ち上がりの動作もサポートできます。特に布団のような低い位置から立ち上がるときは、据え置き型を使うことで手すりをつかんで体を押し上げることができます。据え置き型は、ベッドや布団の下にベースを滑り込ませるだけなのでとても簡単に設置できます。
■レンタル費用
全額自己負担の場合:月額2,000円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額200円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
【突っ張り型】

突っ張り型の手すりも、ベッドや布団からの起き上がり、立ち上がりのサポートに役立ちます。特にベッドのような高い位置から立ち上がる場合は、突っ張り型の上の方をつかむと身体を持ち上げやすいです。オプション品のつかみやすい手すりを組み合わせれば、さまざまな動作・姿勢を補助してくれるので便利です。
■レンタル費用
<オプションなしの場合>
全額自己負担の場合:月額3,200円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額320円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
<オプションありの場合>(突っ張り型手すりにつかみやすいオプション手すりを1本つけた場合)
全額自己負担の場合:月額4,200円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額420円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
2.廊下へ設置する場合
廊下に、据え置き型、突っ張り型の手すりを設置することでふらつきなど歩行に不安を感じている方にとって役立ちます。
【据え置き型】

据え置き型は、ベースとなる板に手すりが付いているため、そのまま廊下に置いて使用することができます。片側だけのタイプ、両側についているタイプなど形状を選ぶこともできます。手すり部分が伸縮するタイプを使えば、段差にも置くことができます。
■レンタル費用(福祉用具貸与の対象となる突っ張り型手すりの場合)
全額自己負担の場合:月額 11,000円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額 1,100円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
【突っ張り型】

突っ張り型の手すりを廊下に数本設置し、その間をつなぐように横手すりをつけます。(動線に合わせてさまざまな手すりを選ぶことができます)横手すりを持つときは、杖のように上から軽く押さえつけるようなイメージでつかみ、前へ進むときには手をスライドさせます。手すりをつかむことでバランスが取りやすく、歩行が安定しやすくなります。ふらついてしまうなど歩行に不安を感じている方におすすめです。
■レンタル費用(2本のポールの間に横手すりを1本設置するH型の場合)
全額自己負担の場合:月額7,300円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額730円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
3.浴室へ設置する場合
浴室では、レンタルできる簡易的な手すりは使いづらいため、工事で取り付けるタイプの手すりを設置することが多くなります。ドア付近に縦型の手すりを設置、浴槽の横に立ち座りに便利なL字型の手すりを設置することで、姿勢を安定させやすく転倒のリスクを減らします。このような手すりはレンタル対象外ですが、介護保険を利用して介護用品・福祉用具を購入できる特定福祉用具購入、または工事を伴うため住宅改修の対象になります。
■住宅改修工事費用(都度お見積りが必要となります)
全額自己負担の場合:30,000〜50,000円(税込)程度
介護保険適用の場合:3,000〜5,000円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)

4.階段に設置する場合
階段の手すりは、昇り降りがつらい方をサポートするだけでなく、転倒や転落のリスクを減らすことにつながります。工事で取り付ける手すりを設置するのが一般的ですが、段数が少ない階段であれば、段差のあるところにも取り付け可能な突っ張り型の手すりを設置することもできます。
■住宅改修工事費用(都度お見積りが必要となります)
全額自己負担の場合:100,000〜150,000円(税込)程度
介護保険適用の場合:10,000〜15,000(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)

■レンタル費用(福祉用具貸与の対象となる突っ張り型手すりの場合)
全額自己負担の場合:月額7,300円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額730円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)

5.トイレに設置する場合
トイレには、据え置き型の手すりを設置するか、工事で取り付けるタイプの手すりを設置するのがおすすめです。トイレ内に手すりがあることで、便座からの立ち上がりや立ち姿勢を安定させることができます。
【据え置き型】

左右両側に手すりが付いているタイプや、片側と前方に手すりが付いているタイプがあります。トイレ専用の手すりには、便器に合わせて幅を調整できるタイプやひじ掛けを跳ね上げられるタイプもあります。ふらつきやすい方や、立ち上がりがつらく感じる方におすすめです。
トイレでは、工事で取り付けるタイプの縦型やL字型の手すりも役立ちます。手すりを利き手側の壁に設置することで、便座から立ち上がりやすくなり、体を安定させることができます。
■レンタル費用
全額自己負担の場合:月額2,800~3,300円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額280~330円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)

■住宅改修工事費用(都度お見積りが必要となります)
全額自己負担の場合:50,000〜100,000円(税込)程度
介護保険適用の場合:5,000〜10,000(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
6.玄関に設置する場合
玄関は段差があることが多いため、転倒防止のために手すりを設置するとよいでしょう。靴を履くときに立ち座りすることもありますし、バランスを崩しやすい体勢になることもあるため、据え置き型や突っ張り型の手すりがあると便利です。
【据え置き型】

玄関に据え置き型の手すりがあれば、歩行がふらつきやすい方も手すりをつかんで体を安定させることができるので安心です。片側だけに手すりが付いているタイプと両側に手すりが付いているタイプがあります。玄関先の公道に面した階段などに設置できる屋外用の手すりもあります。
■レンタル費用(屋内用)
全額自己負担の場合:月額4,000~8,000円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額400~800円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
■レンタル費用(屋外用)
全額自己負担の場合:月額6,000〜14,000円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額600円~1,400円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)
【突っ張り型】

突っ張り型手すりを玄関に設置するのもよいでしょう。基本となるポールにつかみやすいアームが付いているタイプがあり、それを使えば玄関の段差などを昇り降りしやすくなります。
■レンタル費用(屋外用)
全額自己負担の場合:月額5,500円(税込)程度
介護保険適用の場合:月額550円(税込)程度
※要介護認定を受けている方、費用の原則1割(所得に応じて2~3割)