(2)胃ろうのデメリット

デメリット1)手術が必要
胃ろうの造設には、手術が必要になります。内視鏡を使って行う短時間の手術なので身体への負担は小さいですが、体に穴を開けるなど手術で身体に傷をつけることに抵抗を感じる方にはデメリットとなります。認知症の方は、カテーテルを自分で引き抜いてしまう場合もあります。一度カテーテルが抜けてしまうと、穴が一晩でふさがってしまい再手術の必要があります。
デメリット2)定期的なメンテナンスが必要
胃ろうは、定期的にカテーテルの交換を行う必要があります。交換する手間と費用がかかるため、不便に感じることもあります。カテーテルの種類により、バルーン型は1〜2ヶ月に1回、バンパー型は4〜6ヶ月に1回の交換が必要です。交換にかかる料金は、材料費と手技料を合わせて、バルーン型は約10,000円前後、バンパー型は約22,000円前後となります。1回あたりの料金で比較するとバンパー型が高くなりますが、交換頻度を考えると、結果的にはバンパー型の方が安くなります。カテーテルなどの使用する器具を清潔に保つことは大変重要ですから、適切な期間内に必ず新しいものに取り替えましょう。
デメリット3)誤嚥性肺炎のリスクがある
胃ろうは、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスクを減らすために有効ではあります。しかし唾液を誤嚥(ごえん)してしまうことや胃に注入された栄養剤が逆流して気管に入ってしまうことなどがあり、誤嚥(ごえん)のリスクがすべてゼロになるわけではありません。誤嚥(ごえん)を予防するためには、口腔ケアを徹底しておこない栄養剤の逆流を防ぐことが大切です。栄養剤を注入する前には姿勢を整えるようにしましょう。また、胃の中のものが逆流しやすい胃食道逆流症という症状が見られる方には、とろみのついた栄養剤を使用するなどの工夫も必要です。
デメリット4)口腔内が不潔になりやすい
胃ろうによる栄養補給で口から食べる機会が減ってしまうと、唾液の分泌が少なくなり口腔内が乾燥するため不潔になりやすいです。誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、自分の唾液が原因で引き起こされることもあります。口から食事をしていないことを理由に口腔ケアを怠ると、雑菌の混ざった唾液を誤嚥(ごえん)する恐れがあるので注意が必要です。
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