この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業企画部
副部長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
高齢者に多い大腿骨頸部骨折とは何か?原因、症状や治療法、注意点からフランスベッドがおすすめする介護用品・福祉用具までをご紹介します。
2026年5月19日
大腿骨頸部骨折とは、股関節の内側にある頸部と呼ばれる部分が骨折することを言います。脚の付け根にある股関節は、骨盤と太ももの骨である大腿骨をつないでいる関節です。大腿骨の先端の丸い部分を骨頭、そのすぐ下の細い部分を頸部と呼び、この頸部が折れることを大腿骨頸部骨折と呼びます。
骨の表面には、折れた骨をくっつけるのに重要な外骨膜があるのですが、大腿骨頸部には外骨膜がありません。そのため、骨がうまくくっつかず完全に治らないままの偽関節という状態になってしまうことがあります。また、骨折により動脈が傷つけられて血が巡らず骨頭が壊死する、骨頭がつぶれてしまうなどすることもあり、治療が難しい骨折と言われています。
大腿骨頸部骨折の主な症状は脚の付け根部分の痛みと腫れによって立つことや歩くことができなくなる症状がほとんどです。大腿骨は、姿勢を保つ、歩くうえで重要とされる骨ですので、転倒後に立ち上がれないようであれば大腿骨頸部骨折が疑われます。
大腿骨頸部骨折が起きると、立つことも歩くこともできなくなるので日常生活に支障をきたすことが大半です。骨折前にしっかり歩いていた方でも元の状態に戻ることは難しいと言われています。歩行困難となり要介護状態になることも少なくありません。骨折して思うように動けなくなると身の回りのことを周囲に任せることが多く、活動量は減少、生活への意欲も次第に低下していきます。外出せず誰かと交流する機会が減ると脳への刺激も少なくなり、認知症になることも考えられます。 治療には手術を行うのが一般的です。しかし、回復までには時間がかかることから筋力が低下してしまい、寝たきり状態になるリスクが高くなるでしょう。手術後は合併症が起きることもあり、それが原因で命を落とすといった場合もあります。

大腿骨頸部骨折は、交通事故や転落事故など外部からの衝撃によって起こることがあります。高齢者の場合は骨粗しょう症が原因となるケースも多く見られます。
骨粗しょう症とは、骨の密度や質が低下して骨がもろくなっている状態のことです。骨粗しょう症によって骨が弱くなっていると健康な骨であれば問題ないような軽い転倒やちょっと足をひねるなどの衝撃でも、大腿骨頸部骨折を引き起こしてしまう危険性が高まります。特に閉経後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって骨密度が急激に低下するため、骨粗しょう症を発症しやすくなります。そのため大腿骨頸部骨折も女性に多く見られ、男女比は約1:4とされています。
寝たきりなどで長期間関節を動かさないでいると骨のもろさがより深刻化し、おむつ交換の際のわずかな力で骨折してしまうこともあるので注意が必要です。
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大腿骨頸部骨折がなぜ高齢者に多いのか?その理由としては、骨密度の低下、骨粗しょう症になりやすいことなどが挙げられます。骨粗しょう症の原因は、主に、ホルモンバランスの影響、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣の乱れが考えられます。骨粗しょう症になると軽い衝撃でも骨折しやすく、わずかな段差につまずいて転倒し、骨折へとつながります。ホルモンバランスの影響として前述したとおり高齢女性は、閉経後、女性ホルモンが減少し骨密度が急激に低下するため骨粗しょう症になりやすいと言われています。
大腿骨頸部骨折が高齢者に多い原因として、骨がもろくなっていることだけではなく身体機能の低下が影響していることも考えられます。年齢とともに筋力やバランス能力の衰え、加えて視力や反射神経も低下し、転びやすく受け身が取れないため骨折することがあります。また、若い頃は全く問題がなかった生活環境も、転倒による骨折の原因になることがあります。家のちょっとした段差、あるいは椅子から立ち上がろうとしたときに支えるものがなくふらついて転倒したり、床に落ちていたビニール袋に気づかず滑って転倒したりするなど、日常生活レベルでも骨折が起きてしまうリスクを意識しておくことが重要です。
大腿骨頸部骨折を調べるには、最初に痛みのある部分を確認してレントゲン検査を行います。レントゲン検査では、骨折の型や骨のずれがどの程度なのかを診ることはできますが、亀裂が少し入っているくらいの場合はわかりにくく、診断が難しいこともあるでしょう。その場合は、CT検査やMRI検査を行って診断を行います。MRI検査は、骨折線だけでなく骨内出血なども鮮明に写し出せることから、不全骨折(骨にひびが入っているなど)の診断にも有効でしょう。認知症の方の場合、骨折したきっかけを忘れる、状況をうまく伝えられないことがあります。転倒や転落などが起きてから立ち上がれない、歩けないといった異変を見つけたらすぐに病院を受診し、家族など周囲から医師に状況を伝えましょう。
大腿骨頸部骨折は、手術をしないと治らないのか?疑問に思う方も多くいます。実際、理論上は手術をせずに治る場合もありますが、現在では治りやすさ、回復の速さ、合併症予防の観点から原則として手術が選択されます。手術の種類としては自分の骨を固定する「骨接合術」と金属に置き換える「人工骨頭置換術」の2種類があります。
以前は、医療技術や設備も現在ほど発達していなかったため、高齢者に対する手術のリスクが高いこともあり、ギプス固定や牽引療法など、手術を行わない「保存療法」が選択されていました。しかし、保存療法は長期間の安静が必要になるため、血流が乏しく、骨が自然にくっつきにくい大腿骨の頸部の場合は筋力や歩行能力の低下を招き要介護へと移行するリスクも指摘されています。また、肺炎や床ずれなどの合併症のリスクも決して低くありません。こうした背景から、現在では早期回復を目指すための手術が主流となっています。
大腿骨頸部骨折の治療には、骨接合術または人工骨頭置換術という手術を行うのが一般的です。それぞれの治療法について、詳しくご紹介しましょう。

骨接合術とは、骨折した部分を金属などの器具で固定して骨をくっつける手術のことです。この手術は比較的身体への負担が少ないと言われていますが、骨がうまくくっつかずに偽関節と呼ばれる状態になる、骨頭が壊死してしまう、潰れた骨が内部に陥没してしまうなどの合併症が起こる可能性があります。骨折部の骨のずれが大きい場合に骨接合術を行うと、こうした合併症による再手術が必要になる確率が高いことから、医学的には骨のずれが少ない場合に行うのがよいとされています。手術後に合併症が起きてしまった場合は、骨を固定していた器具を抜去して、次に紹介する人工骨頭置換術という手術を行う必要があります。

人工骨頭置換術とは、折れてしまった頸部から骨頭までを切除し、その部分を金属やセラミックなどでできている人工骨頭に置き換える手術のことです。この手術は骨折した部分の骨が大きくずれている場合に実施されるだけでなく、前述したように骨接合術の後に合併症が起きた場合にも行われます。骨接合術よりも手術時間が長い上に輸血が必要になることが多く、手術後に細菌感染を起こす恐れもあるなど身体への負担が比較的大きい手術となります。しかし、骨接合術のような偽関節や骨頭が壊死してしまうなどの合併症を避けることができるというメリットがあります。 人工骨頭置換術を受けた後は深くしゃがむ、股関節を内側に捻るような動きなどをすると脱臼してしまう恐れがあるため、日常の動作に気をつける必要があります。
大腿骨頸部骨折になっても歩くことができるように、そして寝たきり状態にならないようにするためにリハビリテーションはとても重要です。大腿骨頸部骨折の手術を受けた後は、以下のような流れでリハビリを行うのが一般的です。
1. ベッド上坐位保持訓練
2. 車いすへの移乗訓練
3. 立位保持訓練
4. 平行棒を使用した歩行訓練
5. 歩行器を使用した歩行訓練
6. 松葉杖を使用した歩行訓練
7. T字杖を使用した歩行訓練
リハビリは、手術を受けた翌日から開始されます。まずはベッドから起きて座ることから始め、状況を見ながら立ち上がる訓練などに進みます。関節の動きをよくするトレーニングや筋力をつけるためのトレーニングを行い、リハビリが順調に進めば階段の昇降や入浴動作などの練習を行い日常生活に戻れるように機能回復を目指します。 人工骨頭置換術を受けた場合は、前述した通り深くしゃがむ、股関節を大きく捻るような動作は脱臼を引き起こす恐れがあります。日常生活上では、低い椅子に腰をかける、横座りする、和式トイレでしゃがむ、足を組むなどの動作が脱臼を引き起こしやすいため、リハビリの専門家である理学療法士や作業療法士と正しい動作方法を確認しながらしっかり身につけることが大切です。
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大腿骨頸部骨折の治癒時間はもともとの身体能力や骨折の程度によって異なりますが、一般的に1~3か月ほどと長期にわたります。しかし骨折前から元気に歩いていた患者の場合は1か月もかからないうちに退院でき、杖や歩行器などを使いながら歩行できることもあります。
大腿骨頸部骨折の予防方法としては、1原因となる骨粗しょう症を予防すること、2転倒しないような環境づくりを意識することの2つです。体の内側から、体の外側から両方から日常のケアが大事になります。
骨粗しょう症を、予防するためには栄養バランスの偏った食事や過度の飲酒、運動不足など生活習慣の乱れに気をつけることが大切です。次のような習慣を心がけましょう。
■食事: カルシウム(牛乳・小魚など)ビタミンD(きのこ・卵黄など)タンパク質(肉・大豆など)を摂る。
■日光浴: 太陽の光を浴びて、体内でビタミンDを作る。
■節制: 過度の飲酒を避け、生活習慣を整える。
■運動: ストレッチやウォーキングを無理なく続ける。
栄養バランスの整った食事をとり、ストレッチやウォーキングなどの適度な運動を習慣にして骨粗しょう症予防に努めましょう
転倒、転落を防ぐために重要なのが住環境です。家の中の片づけ、バリアフリー、明るさ、服装などケアする点を具体的に挙げましたので参考にしてください
■片付け: 購入した日用品、電気コードなど、床にはなるべく物を置かない。
■バリアフリー: スロープや手すりを設置し、わずかな段差も解消する。
■明るさ: 階段などの足元が暗い場所をなくし、踏み外しを防ぐ。
■服装:外出時は滑りにくい靴を履き、状況に応じて杖や歩行器を使う。
段差、滑りやすい床など転倒リスクになる要因が多いと転びやすくなります。電気コードに足をひっかける、和室と洋室のわずかな段差につまずいて転んでしまうこともありますし、足もとが暗くて階段を踏み外してしまうなどの転落事故も発生しかねません。床にはなるべく物を置かないようにし、スロープや手すりを設置するなどして、できる限りバリアフリーな環境になるように整えましょう。
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―フランスベッドのマルチフィットてすり―
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大腿骨頸部骨折の原因となる転倒リスクを減らすために、高齢者の安全な暮らしをサポートしてくれる介護用品・福祉用具を活用しましょう。 フランスベッドでは、介護用品・福祉用具のレンタルサービスを行っています。要介護認定を受けている場合は介護保険を利用してレンタルすることも可能です。 フランスベッドおすすめの介護用品・福祉用具をご紹介しますので、参考にしてください。

手すりがあれば立ち上がりや歩行が安定しやすく、バランスを崩しやすい高齢者も安心です。ベッドサイド、廊下、トイレ、浴室、玄関などに設置するのがおすすめです。
―フランスベッドおすすめの手すりはこちらをご覧ください―
▶ 「完成品手すり」
▶ 「トイレ用手すり」
▶ 「浴槽手すり」
大腿骨頸部骨折の術後は、安全に動ける環境づくりがとても大切になります。体重をしっかりと支えられる歩行器、股関節に負担をかけずにトイレをサポートする用具、入浴時の安全対策など、様々な場面において介護用品・福祉用具が必要になるでしょう。
どのようなものが必要かわからないという方は、医療・介護の分野において幅広い実績があるフランスベッドに介護用品・福祉用具のレンタルについてご相談ください。
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大腿骨頸部骨折と診断された場合、本人やご家族にとっては、介護や今後の生活について考えるために知っておきたい疑問や悩みが出てくると思います。ここでは大腿骨頸部骨折に関してよくある質問について、3つ例をあげてご紹介します。
大腿骨頸部骨折になった場合にどれくらいで歩けるかは、骨折の程度や本人の体力などによって個人差もありますが早い方であれば1か月くらいで杖を使用しての屋外歩行が可能になります。
通常、大腿骨頸部骨折で手術をした場合の入院期間は1~3か月ほどとされており、一般的な流れとしては、術後から1週間ほどで歩行器や平行棒などで歩行リハビリを開始します。このリハビリが順調にすすめば、1か月もしないうちに屋外歩行が可能になるとされています。
大腿骨頸部骨折の特徴としては、高齢者の転倒によって発生することが多く、その中でも女性のリスクが高いとされていることです。症状としては股関節の強い痛み、腫れ、内出血をはじめ、痛みによって歩行困難や起立不能などの症状も見られます。骨折をきっかけにして安静期間が長くなりそのまま寝たきりへとつながるリスクや一度骨折すると再転倒や反対側の骨折のリスクが高まるとされています。予防としては、骨粗しょう症対策が重要になります。
大腿骨頸部骨折中、術後にやってはいけないこととしては、無理な動きをすると脱臼のリスクが高くなるので十分注意してください。具体的な動作として、股関節を強く内側にひねる、椅子に座ったときに足を組む、深くしゃがむなどの動作は禁忌肢位とされています。とはいえ、身体をほとんど動かさずに長時間寝たまま過ごしていると筋力が低下し、寝たきりの原因になる可能性もあります。医師の指示のもと、無理をしない程度にリハビリを開始することも大切です。
高齢者に多い大腿骨頸部骨折は、骨折の程度や本人の体力などによって個人差があります。場合によっては合併症を引き起こす恐れもあり、命に関わる危険性のある大きなケガの一つといえるでしょう。これをきっかけにして歩けなくなることや、要介護状態になるリスクもあるため、一般的には手術を行うことがほとんどです。大腿骨頸部骨折を防ぐためにも、骨粗しょう症の予防と治療を意識した生活を心がけ、介護用品・福祉用具を上手に活用しつつ身体機能の維持・向上を目指しましょう。
フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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