片麻痺とは?主な原因と効果的なリハビリ方法を紹介

片麻痺とは何か?その症状と原因、片麻痺を患った場合の効果的なリハビリ方法についてご紹介します。

2020年11月19日

片麻痺とは

片麻痺とは、身体の左右どちらかに麻痺の症状が見られる状態のことを言います。右脳または左脳の神経障害によって引き起こされる症状で、運動機能に影響することが多いです。 左右の脳は、それぞれの脳と反対側の体の動きをコントロールしているため、右脳に損傷がある場合は左麻痺、左脳に損傷がある場合はほとんどは右麻痺を発症します。左麻痺と右麻痺の症状はそれぞれ特有の症状があります。麻痺の程度も軽度から重度まで様々になります。

片麻痺の原因

片麻痺の原因の多くは脳卒中によるものです。血管が詰まって血液がうまく流れなくなる脳梗塞、血管が破れて出血する脳出血やくも膜下出血などによって、脳の神経細胞に障害が起きると片麻痺の症状が現れます。軽く頭をぶつける、頭部に外傷を受けるなどして、脳を包む膜と脳の表面の間にじわじわと血がたまっていく慢性硬膜下血腫も片麻痺の原因のひとつとされています。頭を打って数ヶ月経過してから症状があらわれるといわれています。

片麻痺の症状

左麻痺と右麻痺にはそれぞれ特有の症状と、左右共通して見られる症状があります。

【左麻痺・右麻痺共通の症状】

1.片側の手足、顔半分の麻痺やしびれ
片側の手足が思うように動かずに手に持った物を落としてしまう、足がもつれ歩きづらくなるなどします。顔半分に麻痺があらわれると片側からよだれが出る、食べ物をこぼしてしまうなどの影響がでます。

2.視野の欠損
麻痺している側の視野が半分欠けてしまいます。

3.構音障害
正しい発音ができなくなる、呂律(ろれつ)がまわらなくなるなどうまく話せなくなります。

左麻痺の場合

左麻痺(右脳に損傷があり、体の左側が麻痺する場合)の主な症状は、失認(しつにん)と性格変容です。右脳には自分の体や空間を認識する、感情をコントロールするなどの役割がありますが、右脳の損傷によってそれらがうまく働かず、失認(しつにん)や性格変容といった症状があらわれます。

【麻痺の症状1:失認(しつにん)】

失認(しつにん)は、ある感覚を介して対象物を認知する事が出来ない障害です。左半分の空間を無視してしまう半側空間無視という症状が見られます。左側に置いてあるものを見落としたり、左側にある壁や障害物に気付かずぶつかったりするなど、右側にしか注意が向かなくなります。また、自分の症状を理解できない病態失認という症状も見られます。例えば、手足を動かすことができないのに「今は動かしたくないだけで、しっかり動きます」などと言ったりして、自分には麻痺がないかのように振る舞います。

【麻痺の症状2:性格変容】

突然に性格が変わってしまう症状、性格変容が見られます。温厚だった人が怒りっぽくなったり、優しかった人が急にわがままになるなどの症状が起こります。

右麻痺の場合

右麻痺(左脳に損傷があり、体の右側が麻痺する場合)の主な症状は、失行(しっこう)と失語症です。左脳は論理的思考や言葉を司る脳ですが、脳の神経細胞がダメージを受けることで本来の機能がうまく働かず、失行(しっこう)や失語症といった症状があらわれます。

【麻痺の症状1:失行(しっこう)】

失行は、意識をしていないときは自然に動けますが、指示されたとおりに手足を動かそうとする、意図的に何かをしようとするなど目的にあった動きがうまくできなくなる症状です。歩こうとすると最初の1歩がうまく出せずに足がすくむなど、動作を意識してしまうと正しく体を動かすことができなくなります。

【麻痺の症状2:失語症】

失語症は、聞く、話す、読む、書く、の能力が低下し、言葉をうまく使うことが難しくなる症状です。聞いたことは理解できても話すことができない、言うべき言葉や物の名前が出てこず回りくどい話し方するなど、症状の出方には個人差があります。

効果的なリハビリ方法

発症後のリハビリは、発症直後から約2~3週間に行う急性期リハビリテーション・発症後3~6ヶ月までに行う回復期リハビリテーション・発症後6ヶ月以降に行う生活期リハビリテーションの3段階に分けられます。それぞれの段階に合わせた効果的なリハビリを行うことが大切です。

【1.急性期リハビリテーション】(発症直後から約2~3週間)

急性期のリハビリは、発症から48時間以内に開始するのが良いとされています。治療のためにはある程度の安静が必要ですが、寝たままの状態が続くと麻痺した手足の関節が硬くなることや、麻痺していない側の筋力の衰え、床ずれなどを引き起こします。安静状態が続くことによるこのような二次的症状を廃用症候群と呼びます※。急性期ではこれを予防するために発症直後の早いうちからリハビリを開始します。手足の関節を動かすストレッチやベッドから起き上がる訓練など、ベッドサイドでできるリハビリを中心に行い、早期離床を目指します。

※廃用症候群について詳しくはこちら

【2.回復期リハビリテーション】(発症後3〜6ヶ月まで)

回復期のリハビリは、脳の神経ネットワークを再構築していく時期だといわれています。機能訓練をしながらADL(日常生活に必要な動作)訓練を行い、在宅復帰と社会復帰を目指します。再構築は発症後6ヶ月経つ頃には収束するので、それまでに頭の中の動作イメージと実際の動きとの間にあるズレをできる限り少なくし、修正していくためにリハビリを行います。座位訓練や立ち上がり訓練、歩行訓練などの機能訓練を行いながら、食事や着替え、トイレでの排泄など実際の生活を通じて行うADL訓練を組み合わせてできる限り自立した生活を送れるようにしていきます。

【3.生活期リハビリテーション】(発症後6ヶ月以降)

維持期とも呼ばれる生活期リハビリは、急性期と回復期のリハビリで改善した機能やADL能力を長く維持することを目的として行います。これまでに行った訓練内容を自宅でも継続し、動作のコツを反復練習することで脳に定着させます。機能の維持や向上には目的、目標を持ってリハビリするのが良いと言われています。趣味の集まりに参加したり、買い物に出かけるなど自分なりの目的や目標を設定して活動的な日常生活を送ることでさらなる機能改善が期待できます。

自宅でできるトレーニング

よりスムーズな動作を目指すには、体を使いやすい状態に整えることが大切です。下記を参考にしてトレーニングを行い、効率よく体を動かせるようにして、良い感覚や刺激を受けられる状態を作りましょう。

【1.麻痺している側の筋力トレーニング】

―腕の上げ下げ―
1.椅子に座り、膝の上で指を絡ませて両手を組みます。両手を組むのが難しければ、健側(障害のない側)の手で麻痺している側の手首をつかみます。
2.腕を伸ばした状態で、手をゆっくりと上に持ち上げます。
3.頭の上まで持ち上げたら、そのままゆっくりと手を下ろします。
4.2と3の動作を5〜10回程度繰り返します。肩に痛みが出ない程度にしましょう。

―左右に体を振る―
1.仰向けに寝て、ひざを立てます。
2.指を絡ませて両手を組むか、健側(麻痺のない側)の手で麻痺している側の手首をつかみます。
3.天井に向けて腕を伸ばしたら、腕を片側に倒し、寝返りを打つようなイメージで体も倒します。
4.腕を元の位置に戻し、反対側も同じように倒します。
5.3と4の動作を5〜10回程度繰り返します。

【2.体幹の動きをよくする運動】

―上体の曲げ伸ばし―
1.姿勢を正して椅子に座り、みぞおちあたりに片手を当てます。
2.息を吐きながら、みぞおちを押すようなイメージで背骨を丸めます。
3.息を吸いながら、背骨を伸ばして姿勢を正します。
4.2と3の動きを10回程度繰り返します。

―上体ひねり―
1.姿勢を正して椅子に座り、みぞおちあたりに両手を当てます。
2.上体を片側にゆっくりとひねり、反対側にもひねります。
3.2の動きを10回程度繰り返します。

機器を使用したリハビリ

【1.NESS H200® ワイヤレス システムキット】

ハンド・リハビリテーション・システム NESS H200® ワイヤレスは、手指の動作に関わる前腕の筋肉に電気刺激を与えて筋肉を活性化させるリハビリ機器です。手指の開閉や手でしっかり握るトレーニングなどができ、手の機能改善が期待できます。その他、筋力増強や関節可動域の改善、局部の血行促進などの効果も見込めます。軽量でどんな腕にもフィットするデザインになっており、コントロールユニットによって症状に合わせた専用プログラムを設定できます(※プログラムの設定は医師の指示に従ってください)。全身状態がよければ発症直後から使用可能で、退院後まで長期的に使うことができます。

「ハンド・リハビリテーション・システム NESS H200® ワイヤレス」について詳しくはこちら

【2.NESS L300™ システムキット】

フットドロップ・システム NESS L300™は、麻痺などによって歩く時につま先が地面に引っ掛からないように足首の動きをサポートするリハビリ機器です。足の筋肉に電気刺激を与えることで、自然な足首の動きをサポートして歩行バランスを改善します。訓練モードと歩行モードを選ぶことができ、歩行機能の改善だけでなく廃用性筋萎縮の予防や関節可動域の維持・拡大、局部の血行促進にも効果が見込めます。

「フットドロップ・システム NESS L300™」について詳しくはこちら