この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
無呼吸症候群について、原因や症状から検査方法や治療方法まで、徹底解説します。
2023年7月27日
無呼吸症候群とは、気道に流れる空気が止まってしまい、10秒以上呼吸が止まる状態(無呼吸)が繰り返されることを言います。
成人男性に3〜7%、成人女性に2〜5%でみられる睡眠時無呼吸症候群について詳しく紹介していきます。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、医学的に10秒以上呼吸が止まる状態の無呼吸や、1時間に5回以上または7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸がみられる状態のことを言います。
睡眠時無呼吸症候群になると、大きないびきとともに無呼吸になるので、眠りが浅く熟睡することが困難になります。また、無呼吸状態が継続すると身体の中へ送られる酸素が足りなくなるため、場合によっては致命的な大きな病気につながることもあります。
睡眠中に無呼吸が起きているかどうかは自分自身でなかなか気がつかないため、検査や治療が必要であるにもかかわらず、自覚していない潜在的な患者も大勢いると推測されています。
睡眠時無呼吸症候群は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性無呼吸症候群の2種類と両方を合わせた混合タイプの3種類に大別されます。その中から閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性無呼吸症候群について病態や特長を詳しく説明していきます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、気道(就寝時に空気が通る道)が物理的に狭くなり、無呼吸の状態になる最も発症率が高いタイプです。
症状としては、夜間のいびき、深い眠りが得られないために起こる起床時の頭痛や日中の過度の眠気などがあります。
中枢性無呼吸症候群(CSA)は、脳から呼吸指令が来ないことで生じる呼吸中枢の異常により発症します。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)とは異なり無症状なのが特長で末梢神経や、呼吸筋・胸郭・肺はまったく異常がなく、脳の中枢神経系のみに問題が発生します。心臓機能が弱くなった場合に、中枢型の無呼吸状態が発生しやすいと考えられています。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群が起きる一番の原因は、肥満症によって気道(空気の通り道)が狭くなることが挙げられます。実際にSAS患者の6割以上が肥満体質となっています。
肥満症で体重が増加すると、首やのどの周囲の脂肪が多くなり気道自体が細くなるので、仰向けで寝た場合には、重力で気道が圧迫され呼吸するごとに大きないびきをかき、気道が完全に塞がってしまった場合に無呼吸状態となってしまいます。
痩せているのに睡眠時無呼吸症候群という方は、口蓋垂・扁桃腺・舌が大きいなど喉の奥の状態や、下顎が小さいなど顎の形によって気道が塞がりやすい傾向がみられ、舌根沈下などが無呼吸の原因となっています。普段から飲酒の習慣がある方、睡眠薬を服用する方、慢性鼻炎など鼻の病気がある方、高齢者、閉経後の女性なども睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいと考えられています。
中枢性睡眠時無呼吸症候群の発生率は、無呼吸症候群の中でも数%程度に限られますが、脳からの呼吸指令の異常が原因で、気道は開いた状態なのに呼吸コントロールをする脳機能(延髄の呼吸中枢)が働かず無呼吸になってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群の顕著な症状として、無呼吸と大きないびきが挙げられます。眠っている間に無呼吸になると睡眠の質が下がり、睡眠障害につながります。熟睡できない、昼間に強い眠気を感じる、起床時の頭痛、倦怠感などの症状を訴える人もおり、注意力散漫や居眠りなどで仕事や勉強でのミス、交通事故を起こすといった社会生活に支障が出るほどの状態まで進む可能性もあります。
また、無呼吸により血中酸素が不足するため、脳や心臓、血管などに大きな負荷がかかってしまい、結果として、心不全や脳梗塞・脳卒中など、命に関わる合併症を引き起こす危険もあります。
さらに、高血圧、高脂血症、糖尿病、不整脈などの持病を悪化させるケースも報告されています。
日本の睡眠時無呼吸症候群の患者数は推計2200万人とされていますが、そのうち検査や治療をきちんと受けているのは10%程度とされています。
もし周囲の人からいびきを指摘されたり受診を勧められたり、昼間に強い眠気に襲われるなどの自覚症状がある場合は、機会を見つけて早めにかかりつけの医師、専門の窓口や医療機関に相談してみるといいでしょう。
無呼吸症候群の検査方法は、はじめに簡易型アプノモニターと呼ばれる装置を用いて、血中酸素濃度や口・鼻の呼吸状況を測定して睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行います。
簡易型アプノモニターは貸し出しが可能ですので自宅でもスクリーニング検査ができます。
次に、ポリソムノグラフィー(PSG)と呼ばれる精密検査を通常実施します。PSG検査は1〜2泊の入院が必要で、血中酸素濃度・呼吸の状態だけでなく、筋電図や脳波なども測定します。
簡易型アプノモニターおよびPSGの2種類の検査で、1時間ごとの無呼吸/低呼吸の平均回数を測定し、無呼吸/低呼吸指数(AHI)を出して、睡眠時無呼吸症候群の程度を判定します。
AHIが1時間に5回以上に増えると、最終的に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
さらに必要があれば、高血圧・糖尿病・高脂血症などの合併症についての検査や耳鼻科的な診察も追加されることがあり、頭部CT検査や頭部レントゲン検査(セファログラム)で、顎やのどの形状に問題がないかどうかを確かめることもあります。
睡眠時無呼吸症候群の検査キットには各種あります。特に簡易タイプの睡眠時無呼吸症検査キットは、誰でも自宅で手軽に測定ができるため非常に便利です。
睡眠時無呼吸症検査キットは、病院から貸し出される本格的なものから、自宅で気軽に検査ができるものまで様々な種類があります。例えば、指先にセンサーを巻き付けて腕に本体を装着するタイプは取扱いも簡単で、自宅で睡眠中に測定することができます。機器を装着して就寝しているだけで痛みや違和感もなく、睡眠中の呼吸状態を測ることができるため病院で本格的な検査をしてもらう前に、検査してみる際におすすめです。
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では、無呼吸症候群にはどのような治療法があるのでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群の治療は、症状の程度や目的に応じて行われます。まず肥満対策として日常的な生活上の指導が行われます。軽〜中等症の場合は、下顎を上顎よりも前方へ移動させるためにマウスピースの装着をすすめられ、無呼吸状態の程度が重度に進むにつれ、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)が用いられます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群、それぞれの治療およびCPAP療法について詳しく説明していきます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療法は、まず主原因となる肥満対策が大切で、食事療法や運動などを取り入れて生活改善を図ります。
生活習慣の見直しも必要で、飲酒する方や睡眠薬を服用されている方は、回数や量を減らす、やめるなどのコントロールが大切となります。鼻炎など鼻関連の疾患がある方は、医師の指示のもとで治療を継続してください。
睡眠時の無呼吸状態が軽症または中等症の場合は、体位療法(横向き寝)や口腔内装置(マウスピースなど)を使用して治療を進めますが、重症と診断されると、CPAP療法を実施することが多くなります。
ただし、肥満による気道閉塞の場合は、気道を拡げるために鼻やのどの手術を行うこともあります。
また、無呼吸症候群の小児の場合には、成長の悪影響となるため、扁桃やアデノイドの手術が推奨されています。
中枢性睡眠時無呼吸症候群の場合は、心臓機能の低下との関係性が高いと考えられているため、第一に心機能系の治療を実施します。治療を進めたうえで無呼吸状態が継続する場合は、CPAP療法や酸素投与、高度な陽圧呼吸療法などを追加することもあります。
CPAP(シーパップ)療法は、Continuous Positive Airway Pressure(経鼻的持続陽圧呼吸療法)の略語で、睡眠時無呼吸症候群の中等症から重症と診断を受けた方の治療法として有効であり、保険適用がされています。
CPAPの安全性と持続的効果については既に検証済みのため、現段階で主流の治療として使用されています。仕組みとしては、睡眠時、鼻に専用のマスクを装着し、CPAP装置で圧力をかけた空気(加圧力は患者ごとに違います)を送り込むことで、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止することで治療します。
劇的な効果が期待できますが、CPAP療法が合わない方もいますのでその場合はマウスピース治療を行います。
CPAPの注意点としては、療法を行う前提として、鼻炎などの鼻の治療を済ませていること、
また気道の閉塞自体を完治する療法ではないためあくまでも外来通院は継続となることなどがあります。
フランスベッドでは、自宅で手軽に検査ができる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査キットを取り扱っています。お届けする検査キットを装着するだけで睡眠中の血中酸素飽和度を計測し、無呼吸状態の回数を測ることができます。測定したデータから睡眠時無呼吸症候群の判定を4段階(A〜D)で行い、結果に沿って全国医療機関リストを同封し専門医の受診をお勧めしています。
検査キットは、指先にセンサーを巻き付けて、大きめの腕時計サイズの本体を手首に装着する指タイプと指と鼻の2か所にセンサー、お腹に本体を取り付けて測定する指+鼻タイプがあります。
介護用品・福祉用具のレンタル、販売を40年行っているフランスベッドが、プロの視点から各種サポートをいたします。睡眠時無呼吸症候群の検査に関することは、いつでもお気軽にご質問/ご相談ください。
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フランスベッドは、日本で初めて療養ベッドのレンタルを始めたパイオニアとして40年以上にわたり介護用品・福祉用具のレンタル事業で選ばれ続けてきました。
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