この記事の監修者
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フランスベッド
メディカル営業推進課
課長 佐藤啓太福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナー、
社会福祉主事任用資格、知的障害者福祉司任用資格、児童指導員任用資格、
可搬型階段昇降機安全指導員、スリープアドバイザー
松葉杖を使用する際、体にどのように合わせればいいか長さや握りの高さなどの目安や注意点を紹介します。
松葉杖の長さは、使用者の身長から40~41cmを引いた数字が体に合った適切な長さの目安だと言われています。ただし個人差があるので実際は専門家の意見を参考にして選ぶことをおすすめします。また、長さが調節できるタイプを選んでおけば後で調節も可能になります。
松葉杖を握る高さは、肘を30度くらい軽く曲げた状態でグリップを持てる位置にし、股関節(足の付け根)の高さが適切だと言われています。松葉杖の先端がつま先と足の小指側から15cm離れた位置で、松葉杖を固定して正しく調節しましょう。
その他に注意しておきたいのは、体に合った松葉杖を選ぶために松葉杖の長さや握りの高さを決める際は、普段履いている靴を着用して測定することです。これにより普段の歩行と同じ状況で測定することができます。
また松葉杖の長さは、目安となる計算式「身長-40~41cm」に必ずしも当てはめない方が良い場合があります。例えばギプスや装具を装着している方、猫背や背中の丸い方は、計算の基本となる身長が不正確になるため、専門家に相談し適切な松葉杖を合わせてもらうようにしましょう。
適切な調整が完了したら、肘を軽く曲げて約30°の角度で松葉杖を持つように意識します。脇の下から手の指2〜3本分程度、隙間を空けた箇所で松葉杖を支えるのが正しい持ち方です。さらに歩行時の目安として、くつの外側から約15cm、靴のつま先から約15cm離れた前方位置に、松葉杖の先端が常にあるよう移動させながら歩きましょう。
松葉杖は、捻挫や骨折、股関節症や下半身麻痺の際、体重を上肢全体で支えることで下半身にかかる負荷を調節し、怪我を悪化させないことを目的に使用します。
基本は、体を安定させて歩くために左右の脇に一本ずつはさみ2本1組で使用します。松葉杖を使用するときに一般的な3点歩行には、大きく分けて以下の3つの方法があります。
(1)免荷3点歩行:
体重をかけてはいけない状態にあり、医師から麻痺や痛みがある足への荷重の許可が出されていない場合に用いる方法で
両手に松葉杖を持って同時に前方へ出してから、痛めていない足を前方に出して歩行します。
(2)部分負荷3点歩行:
医師から麻痺や痛みがある足への部分的な荷重が認められている場合に用いる方法で、松葉杖と患側の足を同時に前方へ出し、医師から指示を受けた荷重量(体重の1/2、1/3など)をつま先か踵か足底にかけながら、片方の健側の足を前方へ出し歩行します。
(3)負荷3点歩行:
麻痺や痛みがある足への全荷重が認められた場合に用いる方法で松葉杖と患側の足を同時に前方へ出し、片方の健側の足を前方に出し、歩行します。
基本的には2本1組で使用しますが、リハビリが進むにつれて体重を足にかける訓練のために痛めていない足側で松葉杖を持ち、患側の足と松葉杖を同時に出して歩行するなど松葉杖1本で歩行することもあります。1本で使用する際に、痛めた足と同じ側で松葉杖を持つのは逆効果になりますので注意しましょう。 2本1組での使用、1本での使用いずれの場合も医師や病院から指示された方法で松葉杖を使用するようにしましょう。
松葉杖の階段の昇り方、降り方については、使用する本数や荷重の可否などの条件により使用方法が異なってきますので以下を参考にしてください。
【階段の昇り方】
松葉杖の数 | 昇り方 |
2本 | ① 松葉杖2本で支えながら痛くない足を上段へ上げる ② 痛めた足と松葉杖2本を同時に上げる |
1本 | ① 松葉杖1本で支えながら痛くない足を先に上段へ上げる ② 痛めた足と松葉杖1本を同時に上げる |
【階段の降り方】
松葉杖の数 | 降り方 |
2本 | ① 松葉杖2本と痛めた足を同時に下段へ降ろす ② 痛めていない足も降ろす |
1本 | ① 松葉杖1本と痛めた足を同時に下段へ降ろす ② 痛めていない足も降ろす |
まだ荷重がかけられない段階では、痛めた足に全体重がかからないよう松葉杖でしっかり支えるようにしてください。また、階段の昇り降りの際は、身体のバランスを安定して保つためにも上段へ先に松葉杖がこないように注意が必要です。
松葉杖を片方(1本)で使う場合のポイントは、痛くない足の側(健側)で松葉杖を持ち、徐々に体重をかける訓練を行うことが大切です。松葉杖と患側の足を同時に出せば、体重が分散されるので歩行が楽になります。痛めている足側(患側)で松葉杖を持って歩こうとすると、患側に体重がかかってしまいやすく、上手く歩行ができないので注意してください。
1本で使う場合のポイントをご紹介しましたが、前提としては安定した歩行のためには松葉杖は2本1組で両手に持ち、身体を両側から支えるのが効果的な使い方になります。特に、骨折や捻挫、股関節症、下半身麻痺などの状態の場合は、松葉杖2本を用いてしっかり身体を支えるようにしましょう。2本セットで使えば上半身で体重の大半を支えられるため、足にかかる負担を軽減できます。
ただしリハビリを進めていく段階で、少しずつ足への負荷をかけていく必要があるため、はじめは松葉杖2本使用でも、リハビリのため別の方法へシフトしていきましょう。例えば、支える松葉杖を1本に減らしたり、前腕固定型杖(ロフストランドクラッチ)を使用したりなどの方法があります。
松葉杖は、両手で2本の杖を振りながら歩行するため広いスペースが必要となります。部屋や廊下の幅が狭いと非常に危険ですので注意してください。
松葉杖を使用するときは、脇で杖を挟んだ状態で、グリップに力を入れて手で体重を支えましょう。松葉杖のグリップを握る際に、杖の最上部と脇の下との間に卵1個分のスペース(4.5~6cm程度)ができるように調節します。
脇部に体重をかけてしまうと、血行不良を招くことや、脇の下の神経が圧迫されて手が痺れるなどの腋窩神経障害を引き起こすことがあります。肩こりや転倒などの原因にもなりますので、松葉杖は正しく扱うようにしましょう。
クイック型松葉杖は、手と脇の両方で体重をしっかり支える松葉杖です。通常2本1組で、長さやグリップ位置の調整が可能な上、最も重い荷重に耐えられるため骨折・捻挫・下半身麻痺などに適しています。
前腕固定型杖は、ロフストランドクラッチとも呼ばれ、体を支えるグリップと前腕を通すカフ(O字型かU字型)が付いた一本杖です。カフとグリップの2か所で体重を支えるので体重が分散しやすく、ケガや麻痺などにより足の筋力や手の力が弱い人向きですが、長時間使用すると腕が痛くなることもあります。
四脚バランス杖は、四点で地面に接しているので非常に安定した杖です。自立するので安定性に優れ、荷重にも強く、片麻痺やリウマチ、変形性股関節症の方の歩行に向いていますが、一本杖と比較すると重く、大きいため狭い場所では使用しにくくなります。
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▶「歩行補助用具-杖のレンタルについて フランスベッド」
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