介護耳より情報2026年6月号(Vol.201)

編集協力:シルバー産業新聞社

認知症老人徘徊感知機器へのGPS搭載、
給付対象に

3月30日、厚生労働省の介護給付費分科会は、通信機能を備えた福祉用具の介護保険上の取扱いについて報告した。GPS等による屋外での位置情報の取得が給付対象となるのは認知症老人徘徊感知機器に限定され、その他の福祉用具では、主に使用状況や異常・故障、修理・交換の目安の通知について保険給付を認める方針を示した。
新たな介護保険の給付対象として、認知症老人徘徊感知機器については、居宅内だけでなく屋外でもGPSなどで位置情報を取得し、家族や隣人らに通知する機能が示された。すべての福祉用具貸与種目については、用具の異常・故障、使用状況、バッテリーの状態を利用者や家族、必要に応じて福祉用具専門相談員らへ通知する機能が、給付対象として例示された。
なお、通信料金やソフトウェア、アプリケーションの利用料、スマートフォン・タブレット等の端末、Wi-Fiなどの環境整備にかかる通信機器の調達費用等は、給付対象外と明記された。
今月からTAISの改修に着手し、6月ごろに改正通知・Q&Aの発出を見込む。自治体や介護事業所への説明会は通知発出後に実施し、TAIS改修の完了後に施行する予定である。
なお、GPS機能を持つ認知症老人徘徊感知機器を携行しつつ、車いすや歩行器をレンタル利用することは給付対象となるが、徘徊のリスクを踏まえて機器選定を行う必要がある。

人権擁護の観点から、「通信機能の利用において、本人の意思確認が重要な課題。意思疎通が難しい場合に、どのように担保するのか検討する必要がある」(日本医師会の江澤和彦常任理事)といった声が挙がった。

病院の業務効率化支援を制度化 
1病院当たり上限8,000万円

厚生労働省は、病院の業務効率化と勤務環境改善を後押しする新たな支援の枠組みを整える。2025年度補正予算200億円でICT機器導入などを支援する事業を26年度に先行実施し、その後は地域医療介護総合確保基金に新区分を設けて継続支援につなげる。あわせて、計画的に取り組む病院を厚労相が認定する仕組みや、医療機関側の努力義務の明確化も盛り込む。
補正予算では、2月13日付の医政局長通知に基づく実施要綱を発出した。都道府県を実施主体とし、ICT機器等の導入によって業務効率化や職場環境改善を進める病院を支援する。対象は一定の要件を満たす病院で、1施設当たりの補助上限額は8,000万円。厚労省はこの補正予算事業を26年度に実施するとしている。
制度面では、「健康保険法等の一部を改正する法律案」に、地域医療介護総合確保基金へ業務効率化・勤務環境改善の新区分を設けることや、計画を作成して取り組む病院を厚労相が認定する仕組みを創設することが盛り込まれた。法案要綱では計画期間や達成目標、評価委員会の設置などを求めている。施行期日は27年4月1日。
これに伴い、医療法を改正し、病院・診療所に業務効率化を努力義務として課す。業務効率化支援は、補助事業を先行させ、法制度を後から本格施行する二段構えとなる。

先行する介護施設分野の介護テクノロジー導入支援補助金制度を追う形で、病院の業務効率化に向けた支援策がスタートする。初年度は国主導になる見込み。

CPデータ連携、27年3月末までに利用実績を
処遇改善加算の算定要件

今年6月の介護報酬の臨時改定で拡充される介護職員等処遇改善加算では、算定要件の一つにケアプランデータ連携システムの利用が盛り込まれた。システムを利用していなくても、加算の届出時に利用を誓約すれば算定できるが、来年3月末までの利用実績を都道府県等へ報告する必要がある。厚生労働省が3月13日に示した加算の考え方やQ&Aで明らかにした。
今回の見直しで、処遇改善加算の算定に当たって特例要件として設けられたのが、国が普及を急ぐケアプランデータ連携システムの利用である。届出時点でシステムを使っていなくても、その後の加入・利用を誓約すれば当面は算定できるが、2027年3月末までに同システムを利用し、実績報告書で利用実績を示すことが必要となった。具体的には「使用画面のスクリーンショット(データの送信または受信の記録が分かるよう撮影されたものに限る)」とQ&Aで例示された。
6月の見直しで対象に加わった訪問看護、訪問リハビリテーション(いずれも介護予防を含む)、居宅介護支援、介護予防支援が処遇改善加算を算定する際や、訪問・通所・短期入所系サービスが(Ⅰ)(Ⅱ)に新設される上位区分「ロ」を算定する際に必要となる「26年度特例要件」の一つに、ケアプランデータ連携システムの利用が含まれる。新たに対象となるサービスでは、処遇改善計画書の都道府県等への提出期限は6月15日とされる。
また、代表者一人のみで運営する、いわゆる「一人ケアマネ」事業所についても、処遇改善加算の算定が認められる。代表取締役などの役員であっても、実際にケアプラン作成業務などの介護サービスを提供している場合は、同加算による賃金改善の対象に含められるとQ&Aに明記された。

2026年4月から、CPデータ連携が機能統合する介護情報基盤の構築が始まる。準備の整った市町村から順次スタート。

介護福祉士、合格者5万4,987人
うち外国人受験者は1万6,580人
26年福祉・介護関連国家試験結果

2026年の福祉・介護関連国家試験結果が発表された(表)。介護福祉士は、受験者7万8,469人に対し、合格者は5万4,987人で、合格率は70.1%だった。特定技能、留学生、技能実習、EPAの4区分を合わせた外国人受験者は計1万6,580人となり、日本人を含めた全体の受験者数の21.1%を占めた。外国人の合格者は5,532人で、合格率は33.7%。EPAのベトナム人は受験者133人に対し合格者103人(合格率77.4%)、インドネシア人は602人に対し185人(同30.7%)、フィリピン人は461人に対し92人(同20.0%)だった。
また、今回からパート受験が認められ、Aパート(人間の尊厳と自立、介護の基本など)は3,935人、Bパート(こころとからだのしくみなど)は1,509人、Cパート(介護過程など)は6,881人がパート合格者となった。合格したパートは翌年、翌々年の受験で免除される。
社会福祉士は、受験者数が23年ぶりに2万人台に落ち込んだ昨年度からさらに減少したが、合格率は60.7%で、一昨年度の58.1%を上回り、記録を更新した。
看護師は、受験者が5年ぶりに6万人を割り、合格率も90%を下回った。EPAのベトナム人は受験者46人に対し合格者11人(同23.9%)、インドネシア人は125人に対し5人(同4.0%)、フィリピン人は64人に対し4人(同6.3%)だった。

介護福祉士や精神保健福祉士では受験者数が増加した一方、他資格では減少もみられた。人口減少が進む中、受験者確保は引き続き大きな課題である。

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