介護耳より情報2026年5月号(Vol.200)

編集協力:シルバー産業新聞社

福祉用具「選択制」の改定検証 
導入後も貸与選択が大半

2024年度の介護報酬改定で導入された、福祉用具の「貸与と販売の選択制」の検証結果が明らかになった。24年度の購入選択率は、固定用スロープの15.2%が最も高く、多点杖9.5%、単点杖5.5%、歩行器1.6%と差がみられたものの、いずれの種目においても利用者の8割から9割以上が貸与を選択していることがわかった。さらに25年4月~6月には、固定用スロープ7.5%、多点杖4.9%など、いずれも購入割合は減少している。
購入を選択した理由で最も多かったのは「長期利用が想定されるため」(各種目で38.2~43.5%)だったが、購入後に身体機能の低下などを理由に使用を取りやめるケースが、歩行器で6.4%あった。
財務省が主張している「ケアマネジメントの切り離しによる給付費抑制」についても、その効果は限定的だった。25年4月~6月の期間、選択制対象種目がケアプランに位置付けられた利用者のうち、購入を選択したことでケアプラン作成がなくなったケースは2.6%にとどまり、約97%の利用者は引き続きケアマネジャーによる支援を受けている。委員は「居宅介護支援費への財政的な効果はあまりない」と指摘した。
今後の焦点となる対象品目の拡大について、保険者に対し「貸与・販売を選択可能にした方が良いと考えられる用具」を尋ねたところ、回答は「特になし」が60.3%と過半数を占めた。次いで、手すり(7.3%)、車いす(7.0%)、歩行車(5.5%)などが挙がったが、いずれも1割に満たなかった。

この改定検証調査は、次期報酬改定に向けた議論の基礎資料となる。24年度改定で福祉用具貸与の4品目に、利用者による貸与か購入「選択制」が導入された。本調査では対象品目の拡大もテーマになったが、積極的な意向は見られなかった。利用者の心身状況の変化などに合わせて機器の見直しができる、貸与原則の仕組みが根付いている。

有老ホームの登録制導入 
書面説明・交付義務化
住まいと介護サービス会計分離

このほど厚生労働省の26年度部局長会議が開催され、有料老人ホームへの登録制の導入など、経営の透明化がテーマに挙がった。具体的な検討は今後だが、主な内容は①中重度要介護者向け有料老人ホームに登録制を導入し、人員・施設・運営等に関する基準を設ける ②必要に応じて更新制や更新拒否の仕組みも取り入れる ③廃止・停止時の関係者との調整を義務化する ④契約書・重要事項説明書について、契約前の書面説明・交付を義務付ける ⑤公益社団法人等による優良事業者認定制度を創設する ⑥囲い込み対策として、提携先の介護事業所を持つ有料老人ホームで、住まい事業と介護サービス等の会計を分離する ⑦住宅セーフティネット法改正も踏まえ、住居施策と連携する――など。

27年度介護報酬改定では、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅において、「ケアマネジメントと相談支援を一体化した新類型」の創設が検討されている。登録制といった事前規制の対象となる有料老人ホーム等の入居者が対象となる。利用者負担を求めることも考えられ、丁寧に検討を行うとしている。

厚労省は昨年11月5日に「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会とりまとめ」を公表し、中重度の要介護者や、医療ケアを要する要介護者、認知症の人などを入居対象とする有料老人ホームについて、これまでの届出制から登録制へ切り替える必要があるとした。

26年6月診療報酬改定
改定率30年ぶりの3%超となる3.09%

厚生労働省の中央社会保険医療協議会は2月13日、2026年度診療報酬改定内容を取りまとめ、薬価等を除く本体報酬の改定率は30年ぶりの3%超となる3.09%とした。医療職を含む幅広い職員の賃上げや、全医療機関を対象とした物価対応料の新設などに充てる。
本体報酬の内訳は、①賃上げ分+1.70% ②物価対応分+0.76% ③食費・光熱水費分+0.09% ④経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分+0.44% ⑤在宅医療・訪問看護等の適正化-0.15% ⑥その他+0.25%となった()。
①の賃上げは26・27年度でそれぞれ3.2%(看護補助者、事務職員は5.7%)のベースアップ実現を支援する。
このうち、外来・在宅ベースアップ評価(Ⅰ)は、初診料の上乗せ点数を現行6点(1点=10円)から17点に引き上げる。27年6月からは上乗せ点数が2倍の34点となる。加えて、賃上げの対象は「主として医療に従事する職員(医師・歯科医師を除く。以下同)」から「当該医療機関に勤務する職員」へ拡大する。
入院医療では、高齢者や要介護者など退院後の地域生活の継続が困難な患者に対し、入院早期から病院内の専門チーム(入退院支援部門)が連携して退院計画を策定し、円滑な在宅復帰や転院を支援する「入退院支援加算」が設けられている。今改定ではこれを促進し、算定対象となる「退院困難な患者」を拡大する。現行の「要介護・要支援の疑いがあるが未申請の人」に、「既認定者で区分変更に該当する疑いがある人」も含める。
また、身寄りのない高齢者など、患者の意思決定支援や退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族・親族との連絡が困難な人も対象とする。
在宅医療・訪問看護等の適正化-0.15%
サ高住などへの訪問看護は、同一建物の利用者数や1月の訪問日数に応じて、きめ細かな報酬体系へ見直すほか、訪問看護は、提供時間も厳格化する。30分以上を「適切な時間の訪問看護」と定め、提供時間が20分を下回る場合は、加算も含め算定不可とする。緊急時を除き、前回提供した終了時間から2時間未満に20~30分未満の訪問看護を行う場合は、それぞれの所要時間を合算し1回とする運用ルールも追加した。
訪問看護ステーションがサ高住等へ併設・隣接し、24時間体制での計画的または随時対応による頻回の訪問看護を行う場合の報酬として、「包括型訪問看護療養費」を新設した。

2年ごとの診療報酬改定が6月1日に実施される。今回は介護従事者の介護報酬臨時改定も同日に実施される。ともに賃上げと物価高対策が基本テーマとなった。一方、同一建物への訪問看護には適正化が実施される。

居住系 入所・泊まり系で導入
介護記録ソフト56.4% 見守り機器47.2%
インカム22.3%

24年度改定検証調査で、介護テクノロジー等の導入状況が明らかになった。介護現場における生産性向上等を通じた働きやすい職場環境づくり調査研究の結果が2月18日の介護給付費分科会に報告された。介護テクノロジーの導入率は、居住系、入所・泊まり系で、見守り機器は47.2%(22年度調査30.0%)に拡大、介護記録ソフト等は56.4%(同10.2%)に拡大したほか、インカム等は今回22.3%、移乗支援機器は15.8%、入浴支援機器は26.2%、機能訓練支援機器6.1%、食事・栄養管理支援機器9.6%で導入されていた。生産性向上推進体制加算の取得状況(25年4月~9月)は、加算Ⅰは2.7%、加算Ⅱは22.1%。うち特養は加算Ⅰ2.8%・Ⅱ31.9%、同じく老健は3.0%・33.2%、特定施設7.9%・27.4%、小規模多機能1.0%・14.4%、看護小多機1.6%・15.7%だった。

テクノロジー導入のきっかけは、いずれの機器でも「施設長・管理者等、管理職からの提案」が約5~7割を占めた。委員会の設置が義務づけされ、組織的な対応が必要とされる。

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