介護耳より情報2026年4月号(Vol.199)

編集協力:シルバー産業新聞社

介護事業経営実態調査5月開始、10月公表
27年報酬改定の基礎資料に

27年介護報酬改定の基礎資料となる、介護保険全サービスを対象とした「26年度介護事業経営実態調査(25年度決算対象)」が5月から始まる。結果は10月公表の予定。調査項目は、サービス提供、居室・設備等、職員配置や職員給与、収入・支出の状況など。25年度概況調査の調査項目を基本に一部見直す。訪問系サービスでは、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム等への訪問回数、通所介護等の平均送迎時間を追加する。
調査項目の見直しは次の4点。①食事の提供(施設系サービスについて、食費に計上される食事提供回数を把握するための調査項目を追加)②訪問系及び通所系サービスの提供状況(25年度概況調査で訪問系サービスに追加した、訪問先・移動手段・移動時間の把握項目を通所系にも拡大。サ高住や有料老人ホームへの訪問回数を把握)③介護テクノロジーの導入状況(25年度概況調査で追加した介護ロボット・ICT等の導入状況や保守・点検などのランニングコストを、機器別に見直す)④介護保険事業費補助金(補助金収入の記載欄を追加)。

介護事業経営実態・概況調査は、介護報酬改定の基礎資料として、介護サービスごとの経営実態と収益率の把握をめざしている。24年度から個別の介護サービス事業所の経営情報の報告もスタートした。

ケアマネ減少に危機感
処遇改善へ制度見直し提案 
日本ケアマネ学会

日本ケアマネジメント学会(白澤政和理事長)は1月28日、「介護支援専門員の今後のあるべき方向」に関する意見を表明した。介護保険制度創設から四半世紀が経過する中、ケアマネジャーの減少が深刻化しており、制度の根幹を揺るがしかねないとして、ケアマネジャーの処遇改善や自己効力感を高めるための制度改革などを国に求めた。
厚労省調査によると、居宅介護支援事業所のケアマネジャー数は2017年度から22年度の5年間で約9,000人減少し、直近1年間では5,000人以上も減少している。高齢者数が今後も増加する中で、学会は「ケアマネジャーが減少していくことは介護保険制度そのものの存立を揺るがしかねない事態」と懸念を表明。
主因として挙げたのは処遇の低さだ。国の賃金構造基本統計調査によれば、ケアマネジャーの平均月額賃金は29.7万円と専門職としてキャリア形成してきたことに見合う水準にはなっていない。また、ケアマネジャーは、これまで介護職員処遇改善加算の対象外だったため、他の介護職員と比べて、賃金上昇率にも大きな差が生じている。
意見表明では、こうした事態を改善するために、居宅介護支援の基本報酬を引き上げるとともに、処遇改善加算とは別に、「介護支援専門員処遇改善加算」の新設を提言。居宅介護支援事業所に特化したキャリアパス要件や職場環境要件を設け、処遇改善が確実にケアマネジャーに届く仕組みの構築を求めた。また、独居高齢者への一時的保護的支援や地域ケア会議への参画など、実態に即した業務評価を報酬に反映すべきとした。
さらに、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの約4分の1が「辞めたいと思っている」とする調査結果を踏まえ、「ケアマネジャーが仕事への自己効力感を高めるための環境づくり」の必要性を強調。有料老人ホームに特化したケアマネジメントの自己負担導入には否定的な立場を示し、人材確保と専門性向上を両立する制度設計を国に訴えた。

居宅介護支援事業所の不在地域の出現が現実になってきた。

26年度期中改定 「介護職員等処遇改善」
加算率 訪問介護28.7%

厚生労働省は1月16日の社会保障審議会介護給付費分科会で、今年6月の介護報酬臨時改定で拡充される介護職員等処遇改善加算の加算率を示した。先行して実施されている「25年度介護分野職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」を引き継ぐ。これまで加算対象外だった居宅介護支援・介護予防支援や訪問リハビリテーション、訪問看護についても新たに加算率を示した。
26年度介護報酬臨時改定は、改定率+2.03%。内訳は介護職員の処遇改善+1.95%と食費の基準費用額+0.09%。各サービスの介護職員等処遇改善加算率は、いずれの類型でも加算率を引き上げた。加算(Ⅰ)(Ⅱ)には上位区分(ロ)を新設し、生産性向上の取組などの「令和8年度特例要件」を満たすことで、加算率を上乗せる(表)。
これにより▽介護職員だけでなく幅広い介護従事者に月1万円相当の賃上げ ▽生産性向上や協働化を要件に当該事業所の介護職員に0.7万円相当の上乗せ ▽定期昇給0.2万円相当――を合わせて、事業所の取り組みにより最大で1.9万円(6.3%)相当の賃上げを見込む。
特例要件として、①訪問・通所系でケアプランデータ連携システムへの加入②施設系では生産性向上推進体制加算(Ⅰ)か(Ⅱ)の取得③社会福祉連携推進法人に所属していること――のいずれかを求める。要件①②は、申請時に誓約することでも加算算定を認める。加算率は、例えば加算(Ⅰ)を算定する訪問介護事業所では、データ連携システムへの加入などにより(ロ)28.7%に引き上げる。介護職員の割合が多いサービスほど手厚く配分した。
この改定で新たに同加算対象となった訪問看護の加算率は1.8%、訪問リハビリテーションは1.5%、居宅介護支援・介護予防支援は2.1%に設定。要件は「ケアプランデータ連携システムへの加入(26年度特例要件)」か「処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件)」を求める。
また、食費の基準費用額は26年8月より1,545円/日(+100円)に引き上げる。低所得者の負担増を緩和し、第1・2段階の負担限度額は引き上げない。

介護人材の他産業への流出を防ぐとして、24年度改定(+1.59%)に引き続いて、25年12月~26年5月の「介護職の賃上げ・職場環境改善支援事業」での対応を経て、介護職員等処遇改善の加算率を引上げる26年度期中改定(+2.03%)を実施する。給与引き上げをめざす方針は27年度改定へ引き継がれる。加算要件のケアプランデータ連携の取組は介護情報基盤の構築につながる必須事項となる。

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