介護耳より情報2026年2月号(Vol.197)

編集協力:シルバー産業新聞社

25年度補正予算 
介護テクノロジー補助率80%へ引き上げ

12月16日、総額18兆3,034億円の2025年度補正予算案が国会で承認された。厚生労働省は、2.3兆円規模となる主要施策を公表。「医療・介護等支援パッケージ」(1.4兆円)では、介護職員の賃上げ(25年12月~26年5月、月1万~1.9万円支給)、昨年度に続く介護テクノロジー導入、訪問介護の提供体制確保等の支援事業などを実施する。この中で、介護テクノロジーは予算額、補助率ともに増強される。
介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等は、昨年度から予算を1割増(200億円→220億円)とした。事業所の業務効率化に向けた介護テクノロジーの導入に対し一定の補助を行う「生産性向上の取組を通じた職場環境改善」の補助率は、昨年度の75%(事業者負担25%)から80%に引き上げた。

厚労省は介護テクノロジー補助金について、「見守り機器・介護記録ソフト・インカムは業務時間削減効果が確認されているため、集中的に支援する」と説明。生産性向上推進体制加算の取得要件に直結する取組の推進をめざす。

中山間の介護守る制度転換
訪問介護に月定額、国が特例枠を検討

社会保障審議会介護保険部会は12月15日、2040年を見据えた介護保険制度の見直しに関する意見(案)をまとめた。人口減少が進む中山間・人口減少地域でのサービス維持を最優先課題に位置付け、介護サービスの提供体制を地域特性ごとに再設計する方針を明確にした。訪問介護では、出来高払いに加え、月単位の包括評価(定額報酬)を選択可能とする案を提示。人員配置基準などを柔軟化する「特例介護サービス」の創設も盛り込み、介護を地域インフラとして守る制度転換を打ち出した。

全国一律の制度の終焉

部会はこうした状況を受け、介護サービス提供体制を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3類型に整理。その上で、中山間地域については、全国一律の基準ではなく、地域の実情に応じた特例的な制度運用を認める方針を示した。

特例介護サービスの拡充

特例介護サービスに新たな類型を設ける。対象地域を設定し、人員配置基準や報酬を条例で定め、通常の介護保険サービスでは事業継続が困難な地域でも最低限のサービス提供を可能とする。対象は訪問系サービスにとどまらず、施設や特定施設への拡大も視野に入れる。一方で、質の確保や利用者保護の観点から、市町村の関与やICT活用を前提とする考えを示した。

訪問介護の包括報酬型創設

訪問介護は、出来高払いが基本となっている現行の報酬体系が、中山間地域では移動時間の長さやキャンセルリスクを十分に評価できていないとの指摘が多い。意見(案)はこれを踏まえ、月単位で報酬を算定する包括評価を新たな選択肢として位置付けた。事業者の経営の予見性を高め、少回数・高負担の利用者であってもサービスを受けやすくする狙いがある。

給付+市町村事業で介護基盤守る

給付としてのサービス提供が困難な場合には、市町村が関与する「事業」として介護保険財源を活用する仕組みも検討対象とした。契約に基づく利用者本位の原則やケアマネジメントを前提としつつ、制度の例外を明示的に設けることで、地域から介護が消える事態を防ぐ考えだ。

2027年度から始まる介護保険の第10期事業計画は、制度創設25年を経て、団塊世代が90歳、団塊ジュニアが高齢期を迎える2040年をターゲットに策定が進められる。長期の人口減少社会の中で、事業者と利用者の相対契約によるサービス提供から、人口減少が著しい中山間地域では、現行の相対契約による提供とともに、介護保険を財源に市町村事業の枠組みで介護や生活支援サービスが展開される状況へと移行していく。

ケアマネ試験合格率25.6%に低下 
受験者数・合格者数も減少

第28回介護支援専門員実務研修受講試験の合格者が全都道府県で発表された。受験者は5万605人で、1万2,961人が合格した。合格率は25.6%で、前回の32.1%から低下した(グラフは直近10年間の合格率)。合格率の最高は山梨県の31.3%、最低は宮城県の17.6%だった。
今回の合格基準は、介護支援分野(25問)18点、保険医療福祉分野(35問)25点。各分野で正答率70%を合格基準とし、問題の難易度に応じた補正が行われている。

近年のケアマネ試験は、介護・医療知識を取得するための関門となり、合格後に実務研修を修了しても、ケアマネジャーの実務に就く人が減る傾向にある。期中改定となる26年改定では、訪問介護、訪問リハビリとともに、ケアマネジャーの処遇改善加算が追加されることになった。

27年改定 
2割負担拡大 
国試案示すも結論持ち越し

25年内に結論を得るとされてきた2割負担の対象者拡大について、検討時期が第10期事業開始となる27年4月前まで引き延ばされた。
国が示した介護保険の2割負担者(一定以上所得)の対象を広げる4つの案と、負担の急拡大を抑えるための2つの配慮措置は、現行の「年金収入等280万円・上位20%」から、上位25~30%層へ広げる4つの所得ラインと、負担増を和らげるため増加額を月7,000円以内に抑える経過措置、または預貯金が一定額未満の人は申請により1割にとどめるとする2案で構成されていた。

現在、2割負担の対象者は全体の4.6%、3割負担は4.2%。仮に、年金収入とその他の合計所得金額が230万円まで拡大した場合、財政効果は▲360億円、影響対象者は約35万人に及ぶ。今回は診療報酬での負担増もあり、結論は引き延ばされた。

27年改定 
サービス付き高齢者住宅のケアマネジメントと
相談支援を有料化

ケアマネジメントの有料化について、27年度からサービス付き高齢者住宅のケアマネジメントと相談支援を有料化するサービス類型を設定する。特定施設を除く有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅が対象となる。計画作成(ケアマネジメント)と生活相談を、有料老人ホームから独立した立場で包括的に提供する。

新類型として想定されるのは、「特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型)」の費用額を準用する形で、要介護1~5は1日84単位とする案。利用者は要介護度に応じて1~3割を負担する。

26年6月介護報酬改定 
改定率+2.03%
処遇改善と施設食費引上げ

12月26日開催の介護保険部会で、国は26年6月に改定率+2.03%の期中改定を行うと発表した。ケアマネジャーや訪問リハビリのリハ職まで対象を広げ、処遇改善加算の拡充を図る。介護サービスを維持するため、産業界の賃金水準より低い現状を見直すとしている。
賃上げ額は月1.0万円とし、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に月0.7万円を上乗せする。定期昇給分0.2万円を含め、最大で月1.9万円(賃上げ率6.3%)となる。この臨時改定に先立ち、25年12月~26年5月の間、25年度補正予算により、同額となる介護職員1人当たり月1.0万~1.9万円を支給する。また、食費の基準費用額を1日当たり100円(+0.09%)引き上げる。低所得者については、所得区分に応じて利用者負担を据え置く、または日額30~60円の引き上げとする。26年8月施行。

生産性向上や協働化の要件として、訪問・通所系はケアプランデータ連携システムへの加入(見込み)を、施設・居住・多機能・短期入所系は生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡの取得(見込み)を想定する。

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