通信機能付き福祉用具
介護保険の給付対象にする方針
通信費用は自己負担に
- (1)認知症老人徘徊感知機器は、本来機能として通信機能を備えた福祉用具であり、これまでの居宅内のみならず、居宅外の位置情報を家族・隣人に通知する機能についても給付対象とする。ただし、通知後の対応については、利用者と事業者との契約により、駆けつけ、安全確保など利用者の自己負担のサービスとして利用可能とする。
- (2)歩行器や車いす等の本来機能に付属して、GPS(位置情報システム)などの通信機能を備えた福祉用具を給付対象とする。ただし、福祉用具に付属しないGPS発信器単体を新たな給付種目に追加するものではない。
- (3)用具の維持管理や修理交換、使用状況の把握のための福祉用具の情報を利用者又は家族、必要に応じて福祉用具貸与事業者等に通知する機能を認める。バッテリーの状態、福祉用具の異常・故障、福祉用具の使用状況を通知する機能で、搭載種目の例として、電動車いす、移動用リフト、歩行器、床ずれ防止用具、特殊寝台等があげられた。通知後の事業者の対応は、従来の保険給付内サービスであるが、通知後即時の対応を求めるものでなく、適時対応とされた。
-
(4)本来機能に付属して通信機能を備えた福祉用具について、つぎの機能は給付対象外とする。
- ①利用者の状態変化・体調不良等を通知する機能(バイタルセンシングによる検知等)
- ②利用者が操作し緊急情報を通知する機能(インターホン、ナースコールへの接続等)
- ③その他機能を搭載したもの。また、それらの機能を用いる、使用目的以外の活用(ナビゲーション・コミュニケーション等)
今後の新たな機能の検討については、同検討会において適宜見直しを行う。認知症高齢者の行方不明者は、2023年で年間1万9,000人となり、今後の増加が見込まれる。歩行器等への通信機能の搭載により、行方不明の防止に役立つとの期待がある。
24年度国民生活基礎調査
独居高齢者 過去最多の903万人
厚労省は7月4日、24年度国民生活基礎調査の結果を公表した。24年6月6日時点の全国の世帯総数は5,482万世帯で、うち高齢者がいる世帯は2,760万世帯(全世帯の50.3%)だった。高齢者世帯のうち、「単独世帯」は903万世帯で、前年度より47.8万世帯増えて過去最高になった。過去20年間で2.4倍に増えた。高齢者の単独世帯の男女比は、男性36.0%、女性64.0%。
大阪・関西万博
認知症ケアの歴史を展示
認知症体験コーナー
厚労省は、大阪・関西万博(10月13日まで大阪市で開催)において、6月21日~ 29日、最先端の医療・ヘルスケア関連製品などを体験できるイベント「ヘルス・デザイン展」に出展し、日本の認知症ケアの歴史「社会は認知症とどのように向き合ってきたか」では、認知症に関わるエポックとなる事象をオレンジ色で記述した円形の幕を展示した。認知症発症の仕組みをコンピュータグラフィックスで映像化したコーナーや、ゴーグルによる認知症体験には多くの人が並び、認知症への関心の高さが見受けられた。「認知症になっても自分らしく希望をもって暮らせる社会を実現したい」とのメッセージをアピールした。
2025年度老健事業
115のテーマが採択
介護保険制度改革の基礎データに
介護保険施策の基礎資料となる25年度の老人保健健康増進等事業(老健事業)の115件のテーマが決まった。介護保険運営を担う厚労省老健局の各課が政策決定の根拠となる調査事業を行う。調査を行うのはシンクタンクや医療介護の専門職団体が主で、一部、大規模な社会福祉法人や自治体が行っている。予算規模は20億円。
介護給付9,054億円・予防給付264億円
介護給付費実態統計25年3月審査分
国の介護給付費実態統計月報(25年3月審査分=主に前月サービス分)によると、費用額は介護給付9,054億円(対前年同月増減+0.9%)、予防給付264億円(同+5.1%)、総計9,318億円(+1.0%)になった。費用額が対前年同月比3.0%以上の伸びがあったサービスは、居宅療養管理指導173億円(+10.7%)、定期巡回85億円(同+10.3%)、看護小規模多機能69億円(同+11.0%)、介護医療院192億円(同+7.5%)、訪問看護358億円(+3.8%)、短期入所療養介護35億円(+3.2%)、居宅介護支援・介護予防支援497億円(+3.1%)。出来高払いサービスには、昨年の閏年明けの影響(暦日29日⇒28日に減少)が出ている。
介護保険を利用した福祉用具レンタルについて
介護ベッドのレンタルと購入はどちらがお得になる?
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
腰椎圧迫骨折の原因・症状・治療法などについて解説