介護耳より情報2025年5月号(Vol.188)

編集協力:シルバー産業新聞社

ケアプラン利用票へ福祉用具貸与の
機種名・TAISコード記載
データ連携時に限定

25年4月1日から福祉用具貸与の用具名称(機種名)・TAIS又は福祉用具届出コード(以下、商品コード)の記載が必要となったが、厚労省は3月6日、同記載はケアプランデータ連携を実施する場合に行うものとし、データ連携を行わない場合は、当面の間、当該項目を空白のままでよいとする通知を出した。
厚労省は、ケアプランにレンタル事業所が報酬請求に必要な商品コードの記載がないことから、転記ミスなどを防ぐために、25年4月1日からケアプラン第6表(サービス利用票)に、福祉用具貸与の商品コードの記載を求める通知を出していたが、今回、同記載はケアプランデータ連携を実施する場合に当面とどめることになった。ただ、記述する場合、「用具名称(機種名)」の欄に記載するのは具体的な機種名とする。

今回のケアプラン様式の改正は、ケアプランデータ連携システムの標準仕様の改訂が起点となっている。ケアプランにTAIS コードなどの情報を加えることで、貸与事業所側でコード入力の手間を省くことができ、標準仕様の改訂とともに、ケアプランの様式も見直された。一方で、「記載は必須か」「コードを誤記入してしまうとどうなるのか」といった疑問や懸念も寄せられていたため、同省は今回のQA を示した。

ケアプランデータ連携 
利用料1年間無料に

厚労省はケアプランデータ連携システムの利用促進に向けて、25年度のライセンス料(2万1,000円) を1年間無料にするフリーパスを導入する。新規申込みだけでなく、導入済みの事業所も更新時から1年間無料にする。本キャンペーン申請期間は、25年6月1日~26年5月31日の予定。

現在のケアプランデータ連携システムの導入状況は全国で約6%にとどまっており、費用を1年間無料にすることで利用促進を図る。同事業ヘルプデスク(電話0120-584-708)。

要介護認定審査期間 
依頼から7日以内めどに認定調査

介護保険法上30日以内とされる認定調査期間が平均で40日に達している問題で、厚労省は、2月20日の社会保障審議会介護保険部会に、「要介護認定の認定調査は依頼から7日以内」など、認定審査のプロセスごとに保険者がめざすべき目安を示し、大筋で了承された。認定にかかる平均日数は39.8日。法定の申請後30日以内に認定を受けた人の割合は、申請者全体の4分の1に止まっている。
要介護認定審査の各段階の目安となる期間は、①認定調査の実施=認定調査依頼から7日以内( 23年度平均10.9日)②主治医意見書の入手=主治医意見書依頼から13日以内(平均18.0日)③介護認定審査会の開催=認定調査票・主治医意見書が揃ってから12日以内(平均16.9日)が示された。
末期がん患者などは特に迅速な認定を要し、同省は昨年5月、入院中のがん患者は一定の条件下で、認定調査のオンライン実施も保険者が判断できると通知した。政府の「24年規制改革実施計画」で要介護認定の迅速化が盛り込まれ、「厚労省ホームページに保険者ごとの認定審査期間の公表」と今回の「各保険者が目安となる期間の設定」の取組が明記された。

目安の期間は、平均認定審査期間30日以内に収まっている66保険者の平均値から機械的に設定されたもので、国は「目安は、どこから手を付けるべきかを保険者が検討する際の参考にしてもらいたい」としている。将来的には、デジタル化やAI活用による認定審査を見据えている。

施設のWi-Fi利用料徴収OK

介護施設などで利用者がインターネットを使う場合、施設がWi-Fi等の通信利用料を徴収できる通知が出された。「その他の日常生活費に係るQ&A」を見直し、これまで規定のなかったWi-Fi等の利用料は「サービス提供とは関係のない費用」として、利用者から実費を徴収できるとした。全国老人福祉施設協議会から厚労省に要望が出されていた。

個人専用の家電製品の電気代は、これまでも「サービス提供とは関係のない費用」として利用者からの徴収が可能とされてきた。

訪問系サービス 
「集合住宅型」分けて分析
介護事業経営概況調査

次期介護保険法改正の基礎資料となる今年5月実施予定の介護事業経営概況調査の調査項目に、訪問系サービスについて集合住宅などへの提供割合や平均移動時間などを加える。事業所と同一建物の利用者の割合が90%を超える場合などは、同一建物減算が適用されている。前回改定の審議で、「地域展開型と集合住宅併設型とは事業モデルが全く異なる。収支差率も分けて出すべき」との意見が出されていた。

サ高住や住宅型有料老人ホームなどに併設された介護事業所と地域展開を行う介護事業所では、移動時間など事業形態が異なる。また今回の概況調査では、介護テクノロジーの導入状況についても調べる。

介護職員1人5万4,000円相当補助

厚生労働省は2月7日、24年度補正予算で実施する「介護人材確保・職場環境改善等事業」の実施要綱を、実施主体である都道府県に通知した。予算額は介護職員1人当たり5万4,000円相当を支給できる規模として806億円を確保した。介護職員等処遇改善加算Ⅰ~Ⅳを算定し、委員会の立上げなど生産性向上に取り組む事業所を対象に人件費や介護助手の募集費用などを補助する。同加算の設定がない居宅介護支援や訪問看護、福祉用具貸与などは対象から外れる。
要件となる生産性向上の取組については、①介護職員等の業務の洗い出しや棚卸しなど現場の課題の見える化 ②業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立上げ、または外部の研修会活動等)③業務内容の明確化と職員間の適切な役割分担――のいずれかの実施を計画していること。
補助額は、基準月の介護総報酬にサービスごとの交付率(認知症対応型共同生活介護13 . 2%~介護医療院2.7%)を乗じた金額。介護職員1人あたり5万4,000円相当の補助金が各事業所に交付されるが、介護職員全員に一律で5万4,000円の人件費の引上げを行うものではない。基準月は昨年12月を基本としつつ、サービス提供が他の平常月と比較して著しく低い場合などは各事業所の判断で25年1~3月のいずれかを任意で対象月にできる。
補助される経費は①職場環境改善経費 ②人件費の2つ。①②両方でも、一方のみでも構わない。経費総額は交付額以上となっていること。①職場環境改善経費は、介護助手の募集経費、職場環境改善の研修費などに限られ、介護テクノロジーの購入費には充てることはできない。同購入費は、「介護テクノロジー導入・協働化等支援事業」の補助対象とする。②人件費は、職員への一時金支給などが対象となり、介護職員に限らず、補助を受ける事業所の職員の賃金改善の対象にできる。ただし、居宅介護支援や訪問看護などの補助金対象外サービスに勤務する職員は対象に含めることはできない。

24年介護報酬改定は1.59%のプラス改定。処遇改善分で+0.98%を確保したもの、他産業の賃上げペースには追いついていない。政府は「足元の人材確保の課題に対応する観点から、生産性向上・職場環境改善等による更なる賃上げなどを支援する」とし、介護職員一人当たり(常勤換算)5万4,000円を支給できる規模として、補正予算で806億円を確保した。今回は、生産性向上の取組みも支給要件として加わっており、人材不足への対応には生産性を高める取組みも不可欠であるというのが国のスタンスだ。

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