介護耳より情報2025年11月号(Vol.194)

編集協力:シルバー産業新聞社

24年改定検証 1人費用額
平均17万6,200円(+1.9%)
改定率1.59%上回る

国の介護給付費等実態統計から、2024年介護報酬改定後の全サービスの1人費用額の状況をみる。改定前の24審査分(前月の3月サービス分)と改定後の25年4月審査分の給付データを比較すると、改定後の1人当たり費用額は全サービス平均で17万6,200 円(+1.9%)なり、4年改定率+1.59%を上回った。
このうち、在宅サービス(医療系サービス除くすべての在宅サービス)の1人費用額は11万7,800円(+1.8%)、同じく医療系サービス3万5,400円(▲1.0%)、施設サービス33万900円(+3.9%)となり、人件費増や物価高騰に報酬改定での対応が図れた施設サービスが伸び、対応が不十分だった医療系サービスが減少した格好になった。介護予防・日常生活支援総合事業も2万9,700円(+0.7%)と、平均改定率1.59%を下回った。
人材不足が続く中で、請求事業者数は、全体で24万3,696事業所(+0.8%)となり、施設サービスを除いて、増加傾向を維持した。訪問介護は3万5,497事業所(+0.1%)、訪問看護7,769事業所(+6.4%)、通所介護2万4,526事業所と、訪問看護事業所の伸びが顕著。総合事業は6万2,965事業所(▲1.2%)などの状況だった(表参照)。

医療系サービスの1人費用額(35千円)と低いのは、居宅療養管理指導の1人費用額(予防11.7千円・介護14.2 千円)が押下げた要因。総合事業への対応は、介護事業者にとって、逼迫する介護人材の確保のなかで厳しさが増している。

厚労省
「デジタル中核人材養成研修」申込
最終期11月15日締切

厚生労働省は「デジタル中核人材養成研修」(全3回、受講無料)を、今年10月~2026年2月にかけて、オンラインで開催する。最終期は11月15日の締切となり、オンライン授業で11月21日、12月23日、2月2日の全3回が行われる。介護サービス施設・事業所等の業務改善と介護テクノロジー導入に向けて、プロジェクトを継続的に推進することができる人材の育成をめざす。修了すると、介護事業者は、介護サービス情報公表制度「介護ロボット・ICT活用研修修了者」として掲示できる。
受講対象者は▽介護サービス施設・事業所等での勤務経験3年以上(介護職以外の職種や、法人本部等の勤務等を含む)▽介護事業所等で、業務改善や介護テクノロジーの導入・運用関わる、または今後取り組みたいと考えている――のいずれも満たす者。
オンライン授業は「課題①自施設での業務分析」、「課題②自施設での介護テクノロジー導入計画書の作成」、「授業」の全3回。確認テストがあり、基準を満たさない時は再受験が必要となる。
政府のデジタル行財政改革会議で、「デジタル人材の育成数(当該研修事業の受講者数)」が掲げられ、26年に5,000人の養成をめざす。25年5月時点で2,230人が受講済で、今年度末までに1,500人の受講者上乗せを目指す。

【研修の問合せ】日本介護福祉士会事務局
☎03-5615-9295(平日10~17時)
【本事業の問合せ】善光総合研究所介護DX部
 E-mail:d-jinzai@zenkou-lab.co.jp

利用者の医療・介護情報をケアマネジャーや医療・介護事業者、行政らが共有し最適な医療・介護サービスの提供をめざす介護情報基盤は、2026 年度から整備が進む自治体から順次スタートする。デジタル中核人材は、各事業所内でのDX推進役として期待されている。

医療、福祉も入職超過続く 
24年度雇用動向調査

9月26日、厚労省は、24年雇用動向調査の結果を公表した。全体の1年間の入職者数は747万3,700人、離職者数は719万5,300人で、入職者が27万8,400人上回った。全体では、入職超過は4年連続。入職率は14.8%、離職率は14.2%と、0.6ptの入職超過だったが、前年比0.4pt縮小した。産業別では、医療、福祉の入職者が115万8,600人(入職率14.1%)、離職者が113万5,400人(離職率13.8%)。入職者が2万3,200人(入職超過率0.3pt)上回り、22年度が離職者が上回った後、23年度からは入職超過が続く。

介護職員の処遇改善の進展などにより、短期的には介護人材の増加も期待できるが、今後の働き世代はこれまで以上に急速な減少が予測されるだけに、採用できる時により良い人材を確保するのが基本と思われる。

最低賃金の目安、
全国平均1,118円に 63円増
全都道府県1,000円超す

9月4日厚労省の中央最低賃金審議会は、25年度の最低賃金の目安を全国の加重平均で時給1,118円にするよう答申した。現在の1,055円から63円の引き上げとなり、上げ幅は過去最大。目安の引き上げは23年連続。伸び率は6.0%で、時給で示すようになった02年度以降で最大だった24年度(5.0%)を上回った。目安どおりの引き上げがされた場合、全都道府県で1,000円を超える。

政府は2020 年代に地域別最低賃金を全国平均1,500円とする目標を掲げる。昨年までは「2030年代のうちに」としていた全国平均1,500円の達成時期を前倒しにした。次期、第10期介護保険料論議にも影響は必至。

限界集落 3万超す 5年前の1.4倍に

9月8日、国交省は「過疎地域における集落の状況調査」結果を公表。過疎地域などの集落のうち65歳以上の高齢者が住民の半数以上を占める「限界集落」が24年4月時点で3万1,515に上った。過疎法などの支援対象となる1,085市町村にある7万8,485集落を調べた。5年前の調査では2万2,437で、今回はその1.4倍増に。住民全員が65歳以上の集落は1,458に及ぶ。

過疎地では新聞配達も滞り、配送はその地域の1 カ所までで、読者はそこまで自分で取りにいかなければならない。2040年問題の過疎地での介護サービス確保に、これまでのサービス給付の仕組みから市町村の委託事業へ転換も検討されている。

認定者数 700万人超 高齢者の19.4%
給付費等も過去最高に 
23年度事業状況報告

8月28日、厚労省は23年度介護保険事業状況報告(年報)を公表。第1号被保険者数は3,589万人。前年度の3,585万人から4万人(0.1%)増で、過去最多を更新。要介護(要支援)認定者数は708万人で同694万人から14万人(2.0%)増となり、過去最多に。第1号被保険者に占める認定者の割合も19.4%と、前年度の19.0%を更新して過去最高となった。
1カ月平均のサービス受給者数は609万人と、同599万人から10万人(1.7%) 増となり、こちらも過去最高になった。介護保険の給付費(利用者負担を除いた額)は、年度累計10兆8,263億円で、同3,163億円(3.0%)増。
第1号被保険者1人当たり年間給付費は、30.2万円で、同29.3万円から0.9万円(3.1%)増加、それぞれ過去最高。2000年(14.5万円)当初の2.09倍に増えている。

要介護認定者を介護度別に06年度と比較すると、要支援1 は102万人(06年度53万人)、要支援2は100万人(同51万人)と倍増。一方、最重度の要介護5は、59万人(同49万人)と1.2倍にとどまり、ほぼ横ばいで推移。

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