LIFE利用広がる 関連加算算定率
老健75% 特養64% 通所介護43%に
厚生労働省は2月27日、今年度のLIFEに関する調査研究事業の結果を公表した。
2021年4月から始まったLIFE関連加算の算定実績では、施設系サービスを中心に各サービスで伸びた(表1)。
22年9月時点で「科学的介護推進体制加算」などのLIFEへの情報提供を要件とする関連加算の算定実績は、算定率筆頭の老健は21年4月の47.3%から22年9月には75.0%に、同じく特養は34.9%から64.4%へ。通所介護は22.1%から43.1%へ、特定施設入居者生活介護は13.2%から39.4%へ、それぞれ取得率を伸ばした。
LIFEのデータを「利用者状態の管理・課題把握」に活用している事業所は、登録済事業所の63.6%に伸びた。国からの利用者個々人のフィードバック情報が未提供の現状で、LIFEデータ活用に向けた事業者の意欲や工夫が見られた。
その一方で、入力作業など業務負担の軽減が課題に上がった(表2)。
24年改正ではLIFE対象を居宅介護支援など在宅サービスに拡大する方向。今後、介護給付費分科会などの場で検討される。
ケアマネ法定研修見直し
「適切なケアマネジメント手法」実施 24年4月から
厚生労働省は2月17日、告示改正を行い、介護支援専門員の法定研修のカリキュラムを見直した。24年4月以降、各研修は新カリキュラムに沿った内容に変わる。実務研修から主任介護支援専門員更新研修まで、ケアマネが受講する全法定研修に「適切なケアマネジメント手法」を位置付けた。研修時間数は変えない。
適切なケアマネジメント手法は、国が2016年度から検討を始めた。①脳血管疾患②大腿骨頸部骨折③心疾患④認知症⑤誤嚥性肺炎の予防という5つのケアマネジャーが取り扱う可能性が高い疾患別に、想定される支援内容やアセスメント・モニタリングの視点をまとめている。国はこれまでも活用の手引きや解説動画などを公開。変更後のカリキュラムは昨年4月に示されている。
施設整備費 多床室の個室化
簡易陰圧装置設置 感染防止ゾーニングに
厚労省は、23年度予算に、地域医療介護総合確保基金を使い、新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、引き続き、①多床室の個室化に要する改修費②簡易陰圧装置の設置費用③感染防止のゾーニング環境の整備費用の支援を行う。
災害イエローゾーン(「洪水浸水想定区域」「土砂災害警戒区域」)に立地する老朽化等した広域型施設(30人以上)の建替への助成とともに、建築コスト高騰を踏まえ配分基礎単価の上限額8.9%増を行う。なお、災害イエローゾーンでの新規整備は、やむを得ない場合を除き、原則補助の対象外とする。
4月にこども家庭庁発足
4月1日、こどもが自立した個人として等しく健やかに成長することのできる社会をめざして、こどもの健やかな成長と子育て支援を行う「こども家庭庁」が発足する。内閣府の外局として設置する。子育て支援や障がい児支援など、こどもに関わる事象を一体的に行う。
23年度のこども家庭庁関連予算は4.8兆円。放課後児童クラブの受け皿整備などとともに、保育人材の確保や保育士・幼稚園教諭らの処遇改善を行う。児童虐待防止対策やひとり親家庭等の自立の推進、ヤングケアラー支援なども掲げられている。
また、厚労省として、4月1日から出産一時金(42万円→50万円)の引上げを行う。