2024年改正へ議論キックオフ
3月24日介護保険部会
厚労省は3月24日、社会保障審議会介護保険部会(部会長・菊地馨実=早稲田大学法学部学術院教授)を開催し、2024年度の介護保険法改正に向けた議論を開始した。3年ごとに制度と介護報酬を見直す介護保険制度。次の第9期(24~26年度)中で、団塊の世代(1947~49年生まれ)全員が75歳になる2025年を迎える。
2015年~35年までの20年間には、85歳人口は倍増し1,000万人を超える一方で、2040年までに日本の現役世代(20~64歳)は、およそ1,000万人の減少が予測される。席上、部会委員の江澤和彦・日本医師会常任理事は、こうした医療・介護ニーズが増大する一方、支え手である現役世代が減少する状況を「国難」と表現し、制度の抜本見直しの検討を呼びかけた。
今後、年内の取りまとめに向けて活発な議論が予想される。
国家試験合格者発表
介護福祉士合格者6万人超
(合格率72%に)
福祉・介護関連資格の国家試験の合格者が順次発表された。介護福祉士は、受験者8万3,082人(前年比1,401人減)、合格者6万99人(同124人増)で、合格率は過去2番目に多い72.3%になった。年齢別では、41~50歳が26.6%で最多、21~30歳が24.4%、31~40歳が19.7%、51~60歳が17.8%、61歳以上は3.7%だった。
介護福祉士のEPA合格者は374人(累計2,136人)。合格率は36.9%だった。
新設「栄養マネジメント強化加算」
介護保険施設2~3割算定に
ミールラウンドを評価
介護保険21年改定で、管理栄養士配置(50対1)や、食事の状態を確認・評価するミールラウンドを要件とする「栄養マネジメント強化加算」が新設された。21年11月審査分で、同加算の取得率(加算算定日数/基本報酬算定日数)は、特養22.1%、地域密着型特養31.3%、老健26.3%、介護医療院23.1%と、加算取得が進んでいる。
同加算のミールラウンドにおいて、低栄養状態またはそのおそれのある入所者に対して、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、ケアマネジャー等が共同して作成した栄養ケア計画に従い、食事の観察を週三回以上行い対処するとともに、入所者ごとの栄養状態等の情報を厚労省に提出し、厚労省からのフィードバック情報を活用する必要がある。
21年介護職員平均給与7,380円増
介護従事者処遇調査
21年度介護従事者処遇状況等調査(21年9月実施)によると、21年9月時点の介護職員の平均給与額(月給・常勤、年収の1カ月分)は31万5,460円で、前年比7,380円(2.4%)増となった。介護職員等特定処遇改善加算の取得事業所では、31万3,190円(前年比7,780円、2.5%増)となり、上げ幅が上回っている。
職種別の平均給与をみると、高い順に看護職員36万9,760円、PT・OT・ST・機能訓練指導員35万1,230円、生活相談員・支援相談員33万6,830円、ケアマネジャー33万2,640円、介護職員31万5,640円、管理栄養士・栄養士31万1,840円、事務職員30万830円、調理員25万9,290円だった。
厚労省老健局に
「介護業務効率化・生産性向上推進室」
「保険者機能推進室」設置
厚労省は4月1日、老健局内に新たに「介護業務効率化・生産性向上推進室」と「保険者機能推進室」を設置した。
「介護業務効率化・生産性向上推進室」は、高齢者支援課に置いて、これまで認知症施策・地域介護推進課が所管してきた生産性向上ガイドライン(居住系サービス分)や、総務課の所管だった文書負担軽減とともに、同課が担ってきた介護ロボットの研究・開発・普及のための企画立案など、業務効率化に関する施策を集約する。
「保険者機能強化支援室」はどの課にも属さず、老健局内の各課が連携して、地域包括ケアシステム構築・推進への保険者支援を行っていく。