介護耳より情報2021年12月号(Vol.147)

編集協力:シルバー産業新聞社

「かかり増し経費」補助金
「平均的規模で介護6万円上限」
10月~12月

厚労省は、21年改定で設けられた新型コロナ感染予防のための基本報酬0.1%上乗せ特例が9月末に終了したのに伴い、かかり増し経費の補填として、10月~12月の間、介護、障がい福祉、医療で補助金を設定すると発表した。介護は、平均的な規模で上限6万円を補助する。10月中にも、サービス別の補助上限、対象経費が示される予定。
補助金の対象は、10月1日~12月31日の間で感染防止対策に要した費用になる。上限価格は、3カ月間で平均的な規模で介護6万円のほか、同様に障がい福祉3万円、医療は6~10万円になる。
介護の「平均的な規模」は、介護施設の平均定員(約70床)を目安としている。
なお、病院が通所リハビリを提供する場合、病院が医療の補助金を受けていれば、通所リハビリ事業所で介護の補助金は受けられない。
厚労省は、手続きの簡素化を検討しているが、感染防止のかかり増し経費の領収書の保管を求めている。

仮に100床規模の特養で、1床あたり30万円の介護収入があるとすると、総収入3000万円。「0.1%上乗せ」の額は3万円となり、3カ月分で9万円になる計算。
今回の「平均規模で上限6万円」の金額の根拠(考え方)となる。全国的にコロナ感染症発生件数が減少しているが、9月中のクラスター発生件数(5人以上の集団感染)は、医療機関で530件、高齢者介護施設で163件に上る。施設団体などは、0.1%上乗せの特例が終了する10月以降の継続を要望していた。
来年以降の対応は未定。

デイサービスの事業所数の推移 伸び悩み
事業規模は拡大傾向

国の介護給付費等実態統計により、在宅介護を支える基本サービスであるデイサービスの近年の事業所数の推移をみると、全体として伸び悩み傾向がみられる。対象は、要介護1~5対象の通所介護、小規模の地域密着通所介護、2016年5月に総合事業に移行した介護予防通所介護、要支援1・2と事業対象者が対象の総合事業通所型の4サービス。18年4月審査分時点で、4サービス計で、9万2598事業所あったが、21年4月審査分では8万1925事業所となり、指定事業者数で1万余事業所が減少している。介護人材の確保が困難になり、事業所新設が難しくなる傾向がみられる。ただし、15年5月時点の4サービス計の受給者数は183万人から、21年4月の214万人まで、31万人(約17%)増加しているので、1事業所当たりの利用者数は確実に増加している。

21年改定では、自宅での入浴をめざす通所介護の訪問入浴介助Ⅱの新設に見られるように、デイの利用で在宅介護を支えるというコンセプトから、要介護者を在宅での生活そのものを支援するための通所サービスへケアの視点が移行している。

三原厚労副大臣 腰痛予防を啓発
Zoomで介護事業者団体らに

厚労省は9月29日、Zoomで介護、貨物輸送、小売の各事業所団体に対して、労働災害防止の取組を要請した。介護では、転倒・腰痛など労働災害が年々増加している。三原じゅん子厚労副大臣(当時)は、「腰痛予防対策指針などのツールを積極活用し、取組の好事例の共有をお願いしたい」と呼びかけた。介護からは18団体がZoom参加した。代表して全国老人福祉施設協議会の平石朗会長が「腰痛指針は介護職員処遇改善加算の職場環境要件の参考にもされている。どういったリフトやロボット、ICTを導入すべきか、横展開に取り組みたい」と述べた。

21年改正で処遇改善加算の環境要件が厳しくなり、その中で、腰痛防止などの健康対策の取組が義務化された。10月10日は「転倒予防の日」、厚労省では、転倒予防・腰痛予防の啓発リーフレットを作成している。

高齢者人口3640万人 高齢化率29.1%

総務省統計局は9月19日、日本の総人口は1億2521万人となり、前年同月に比べて54万人減少したと発表した。65歳以上の高齢者人口が3640万人(前年比22万人増)で最多、高齢化率(総人口に占める高齢者の割合)も29.1 %(前年28.8%)と最高になった。
高齢者人口は、男性が1583万人(男性人口の26.0%)、女性が2057万人(女性人口の32.0%)。
うち、80歳以上人口は男女合わせて1206万人で、前年から46万人増えた。
高齢化率は、1950年の4.9%から、85年に10%、2005年に20%を超えている。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、高齢化率は今後も上昇を続け、第2次ベビーブーム(71~74年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には35.3%、さらに65年には38.4%と推計している。

「介護サービス情報の公表」に追加
新加算・居宅介護支援4サービス・認知症研修の項目

10月から順次、21年改定に伴う「介護サービス情報の公表」が始まる。都道府県から情報公表の新フォーマットが各介護事業所に発信されたのを受けて、事業所は情報開示を行うことになる。
新たに情報開示の対象となる21年改定の項目は、基本報酬(加算の追加)と認知症研修実施の有無、居宅介護支援事業所の訪問介護・通所介護・地域密着型通所介護・福祉用具貸与の提供割合など。
居宅介護支援の4サービスの情報開示は、すでに4月から利用者に対してケアマネジャーによる説明がスタートしている。サービス利用時に、前6カ月間(9月~2月、3月~8月)に作成したケアプランにおける各サービスの利用割合と、サービスごとに同一事業所によって提供された上位3事業所の割合を利用者に説明しなければならない。10月以降、居宅介護支援事業所から「介護サービス情報の公表」に開示されることになる。
また、21年改正で、無資格者(福祉用具貸与、居宅介護支援、居宅療養管理指導を除く)に対して、認知症介護基礎研修(講義3時間+演習3時間)の義務化(23年度まで経過措置)が決まり、研修受講状況など認知症の取組状況が情報公開の対象になった。

居宅介護支援事業所の4サービスの情報開示では、各サービスの上位3事業所とその割合が開示されることになったが、利用者の事業所選択時に上位の事業所が優位になり、競争原理が働きにくくなるとの指摘がある。利用者の事業者選択には、ケアマネジャーの説明のあり方が大きく影響するとみられる。

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