5 種類のデイで「通い」ニーズ分散 280 万人利用
通所系サービスには、介護保険サービスから介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)まで5つのサービスがある。受給者数は、通所介護114.7万人、通所リハビリ42.4万人、地域密着デイ4 0 . 5 万人、認知症デイ5 . 2 万人の計202.8万人。介護予防では、通所リハ17.5万人、認知症デイ0.9万人の計18.4万人。それに総合事業の通所型サービス6 1 . 4 万人を合わせて、合計2 8 2 . 6 万人(単純計)。
2 0 0 0 年当初は、通所介護と医療系の通所リハビリの2サービスだったが、その後、認知症通所介護(06年4月)、地域密着デイ(16年4月)、通所型サービス(15年4月)が創設されて、多様なデイの形態が揃った。地域密着型通所介護は、定員18人までの小規模デイで、保険者である市町村に指定権限や監査権限を持たせて、設置数や運営を保険者がコントロールできるようにした。通所型サービスは、要支援者対象の介護予防通所介護が総合事業に移行したものだが、伸び悩んでいる。
例えば「入浴支援加算Ⅱ」を創設して、デイでの入浴に終始するのではなく、デイの入浴介助において、それぞれの在宅での入浴ができるように「入浴支援計画」の作成を義務づけるなど、デイの自立支援の方向性を強めている。
初診のオンライン診療 恒久化へ 今秋指針を改定
厚労省は6月30日、初診からオンライン診療料が算定できるように、かかりつけ医を原則としつつ、診療録等で患者の状態を把握できる場合は、他の医師でも実施を認める方針を固め、秋にも指針の改定を行う。
オンライン診療は2018年の診療報酬改定で創設されたが、初診での算定は不可だった。
昨年4月、厚労省は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、初診からオンライン診療を「時限的・特例的な取扱い」として認めてきた。
「適切なケアマネジメント手法」
手引きと動画で普及めざす
厚労省は6月22日、「適切なケアマネジメント手法」の手引きを公表した。「適切なケアマネジメント手法」は、国が2016年度から検討を始め、▽脳血管疾患▽大腿骨頸部骨折▽心疾患▽認知症▽誤嚥性肺炎の予防――の5つの疾患別に、ケアプラン作成において想定される支援内容やアセスメント・モニタリングの基本をまとめた。
手引きは、「どのケアマネジャーが担当しても、本人からみて一定の水準のケアマネジメントを提供できること」をめざし、想定される支援内容を体系化したもの。必要なケアの視点の抜け落ちを防ぎ、多職種連携の推進を図る。国は、この手法について、利用者個々にあったプランを立てるための土台であるとしている。
「適切なケアマネジメント手法」では、基本ケアと疾患別ケアについて、それぞれに想定される支援内容と、支援の概要・必要性、関連するアセスメント項目、相談すべき専門職を一覧にしている。
「エイジフレンドリー補助金」
高齢従業者の負担軽減、職場改善で 最大100万円補助
60歳以上の従業者が安全に働けるよう、身体的負担軽減や感染症予防などの職場環境改善に必要な費用を最大1 0 0 万円( 補助率2 分の1 )助成する「エイジフレンドリー補助金」の今年度の受付が始まった。対象は、60歳以上の人を常時1 人以上雇用し、労働保険に加入する中小事業者。介護事業所の場合、労働者数1 0 0人以下または、資本金5000万円以下の民間企業。社会福祉法人、医療法人も対象に含まれる。
介護現場では、
▽リフトやスライディングシートなど移乗介助の負担を軽減する機器
▽入浴用ストレッチャー、入浴用リフト、またそれらに対応した浴槽、自動浴槽など入浴介助の負担を軽減する機器
▽入浴介助時の熱中症対策となるクールベストや冷風機
▽移乗介助の負担軽減につながる片ひじが外せる車いす
▽パワーアシストスーツ
▽新型コロナウイルス感染予防のための空気清浄機(一定の要件あり)
――などの購入に補助が受けられる。
申請受付は10月31日まで。ただし交付決定額が予算に達した時点で受付を締め切る。
問合せは、同補助金事務センター(☎ 0 3 -6 3 8 1 - 7 5 0 7 、日本労働安全衛生コンサルタント会)まで。
制度の建付けは異なるが、高齢者の就労が多い介護現場としては、対象となる用具が異なれば、「エイジフレンドリー補助金」の活用の途もある。