訪問介護 巡回型へシフト 「身体20分未満」拡大
国の介護給付費等実態統計によると、訪問介護のサービス提供時間の短時間化や身体介護への比重拡大などが顕著になり、身体介護を中心とした巡回型サービスへの移行が明らかになった。2012年4月に創設された訪問介護の短時間サービス「身体介護20分未満」の利用推移をみると、13年10月(64万回)から7年後の20年10月(695万回)の間には、10倍超の拡大をするなど、訪問介護は、従来の長時間の滞在型サービスから身体介護中心の短時間の巡回型へシフトしている(グラフ・表) この7年間で、訪問介護の区分で、「身体20分未満」を含めて身体介護全体では75%拡大したのに対して、生活援助は23%減少した。同期間のサービス回数割合の変化をみると、訪問介護全体に占める身体介護の割合は53%→70%に拡大したが、身体介護+生活援助は20% → 15%に、生活援助は27%→15%にそれぞれ減少している(表) この背景には、訪問系介護職員数の減少がある。12年に48.5万人だった訪問系介護職員数は15年に52.8万人に拡大した後、そこをピークに19年には、4.7万人減の48.1万人まで減少した。その一方で、認定者数は12年533万人から19年659万人まで増加した。その結果、訪問系介護職員1人に対する認定者数は、12年の11.0人から19年の13.7人に拡大した。
LIFE へのデータ提出 4〜6月分
8月10日提出で加算算定可能に
科学的介護情報システム「LIFE」へのデータ提出を要件とする各種加算について、4~6月分のデータ提出期限を8月10日まで延長する。本来は4月から算定する場合、翌月の5月10日までに必要なデータをLIFEへ提出する必要があり、それができない場合、利用者全員について算定できなくなるのが原則とされる。 しかし、LIFEの申請や問合せへの国の対応に遅れが生じていることから、期限までの提出が間に合わない場合には、8月10日までにデータ提出を行えば、4月からの加算請求が行えることになった。
シーティング 介護報酬のリハビリ実施時間に明記
21年改定Q&A
厚労省は4月15日、21年改定Q&Aで、リハビリテーションの実施時間に、医師の指示の下に理学療法士等がシーティングを行った時間を加えることを明記した。「シーティングとして、医師の指示の下に理学療養士等が、いすや車いす等上の適切な姿勢保持や褥瘡予防のため、患者の体幹機能や座位保持機能を評価した上で体圧分散やサポートのためのクッションや付属品の選定や調整を行った場合」に、介護報酬上のリハビリテーションの実施時間に含めることができると明示したもの。シーティングの実務については「高齢者の適切なケアとシーティングに関する手引き」を参考とすることとしている。
意欲の向上や、廃用性症候群、嚥下障害、骨粗しょう症、褥瘡といった2次障害の予防につながることを上げている。
ヤングケアラー 中学生の5% 家事や介護に1日4時間
厚労省は、大人の代わりに家事や介護など家族の世話を担う子ども(ヤングケアラー)が、中学・高校生でおよそ20人に1人いることを初の全国調査(中学・高校各2年生の1万3777人回答)で明らかにした。世話をしている家族がいると答えた中学生は5.7%、高校生で4.1%だった。世話の相手はきょうだいが最も多く、中学生で62%、高校生で44%、父母は中学生で24%、高校生で30%、祖父母は中学生で15%、高校生で23%だった。食事の準備や掃除、洗濯などの家事が多く、見守りやきょうだいの世話や保育所への送迎などが多かった。世話に要する時間は中学生で平日1日4時間、高校生で同3.8時間だった。
国は22年度~24年度の3年間をヤングケアラー認知度向上の集中取組期間とする。