「提供開始時」に利用割合の説明・
訪問介護・(地密)通所介護・福祉用具貸与
4月以降、居宅介護支援事業所は前6カ月間に提供した訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与の4 サービスについて、利用割合(各人1回として利用者数を算出)と同一事業所が提供した割合(上位3位まで事業所名と割合)とを利用者に説明することが義務 づけられた。「3月1日~8月末」か「9月1日~2月末」の利用実績のうち、直近の割合を説明する。従わない場合は、運営基準違反となり、指導や運営基準減算の対象になる。 居宅介護支援事業所は、利用者に説明すると同時に、「介護サービス情報の公表」で利用割合等を公表することが義務づけられている。説明は居宅介護支援の提供開始時に、重要事項説明書などに記載して、文書の交付と口 頭で行う。既存の契約は「次回のケアプランの見直し時に説明することが望ましい」とする。4月以降に新規契約する場合、同一事業所の提供回数割合を集計することが難しい場合は、「5月以降のモニタリングなどの際に説明することで差し支えない」とする。
ICTやAIの活用 届出書提出
ケアプランの「逓減制」緩和で
21年改正で、これまで1人平均40件以上に適用されていた居宅介護支援の逓減制(介護報酬が40件以上半額、60件以上3分の1) が、ICTの活用または事務員の補充を要件に、45件以上、65件以上からの適用になる。 ICTについて、業務負担軽減や効率化につながるものとして、①事務所内のアプリケーションを備えたスマートフォン②訪問記録を随時記載できる機能(音声入力も可)のソフトウェアを組み込んだタブレットが例示されている。AI(人工知能)も含むとしている。ICTを活用する場合は、市町村への届出が求められる。 ICTの届出については、先の例示とともに、「利用者の情報共有を即時から同時に可能とする機能や関係者間との日程調整機能を有するもの」「ケアプラン等の情報をいつでも記録、閲覧できる機能を有しているもの」といった例も掲げて、自治体により「個々の状況等に応じて個別具体的に判断される」として対象の判断に幅を拡げた。 事務職員は、ケアマネジャー1人(常勤換算)あたり、ひと月24時間以上の勤務を必要とする。非常勤でも可。併設事業所など同一法人内の配置でもよい。
1 人あたり費用額 介護給付平均19.4万円 予防給付2.8万円
介護給付費実態統計(20年12月審査分) によると、介護給付費1人あたり費用額は、介護給付19万4900円になった(表)。表にない予防給付は2万8000円だった。サービスの内訳(介護給付)をみると、居宅サービスは居宅介護支援(ケアプラン)を合わせて1人平均13万4700円、地域密着型サービスは17万2300円、施設サービスは30万2300円になった。個別サービスでは、訪問介護10万5100円、通所介護9万2900円、短期入所生活介護11万8100円、特定施設入居者生活介護21万7300円、定期巡回・随時対応型訪問介護看護17万5400円、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)28万1600円、看護小規模多機能27万8300円、特養28万7700円、老健30万9100円などだった。
要介護認定 更新認定の上限48カ月に
認定調査票の様式も改正に
4月から、認定審査会が判定した要介護状態区分と現に受けている要介護状態区分が同一である場合について、要介護更新認定の有効期限の上限を48カ月に延長する。同時に、申請者の状況の的確な把握と記載の簡素化のために、認定調査票(概況調査)の様式を改正する。合わせて、主治医意見書の様式の変更を行う。 20年6月12日から2年以内に、要介護認定等申請時に医療被保険者番号の記入を求める。 4月から、認定調査を市町村事務受託法人に委託する場合、ケアマネジャー以外の医療・福祉の専門的知識を有する者も認定調査を実施できるようにした。
新型コロナウイルス特例 12報以外は継続に
介護事業者支援として実施されてきた新型コロナウイルス特例(人員基準等との臨時的取扱)のうち、通所サービスの2段階高い請求を認める第12報は3月末で廃止になった。 しかし、一時的に人員基準や運営基準を満たすことができない場合も介護報酬の減額等を行わないこと、訪問サービスで感染防止のために短時間の提供になった場合も従前の報酬算定を行うことができること、通所サービ スにおいて居宅を訪問してサービス実施をした場合の報酬算定を認めることなどは、4月以降も続ける。 21年介護報酬改定では、4月~9月までの6カ月間、全サービス(福祉用具貸与を除く)の基本報酬に0.1%上乗せを行う。