介護職員等ベア加算 様式例を通知
「ベースアップに3分の2以上充てる」自動で確認
厚労省は現行の介護職員処遇改善加算と介護職員等特定処遇改善加算と、今年10月新設の「介護職員等ベースアップ等支援加算(以下、ベア加算)」の計3つの処遇改善加算の計画書・実績報告書をひとつにまとめた様式例や記入例を示した。6月21日に各自治体へ事務連絡した。ベア加算は、9 月末で廃止される「介護職員処遇改善支援補助金」での賃上げ効果を継続させるため、10月の臨時改定で介護報酬に位置づけられる新加算。基本的な要件は同補助金を引き 継ぐが、一部サービスの加算率が変更されている。ベア加算を10月から取得する場合、8月末までに計画書を提出する必要がある。
21年1年間の認知症不明者
過去最多1万7636人 警察庁
警察に届出があった認知症の行方不明者が昨年1 年間に1 万7 6 3 6 人( 男性9 6 3 1 人、女性8 0 0 5人)に上り、過去最多になった。450人が死亡で見つかり、111人が届出を取り下げた。21年中に警察の捜査活動等で発見されたのは1万6977人で、このうち届出当日に発見されたのは1 万2 5 4 6 人( 7 3 . 9 % )、1 週間以内には9 9 . 4 % が見つかっている。
LIFE(科学的介護情報システム)の「事業所情報」
フィードバック開始
厚労省は5月30日、科学的介護情報システム「LIFE」の事業所情報について、事業所へのフィードバックを始めた。全国から集まった利用者の心身状況や栄養状態、認知症状などの指標を解析し、全国平均と当該事業所の「現在」と「6カ月前」の推移や比較を行えるようにした。
昨年4月からスタートした「L I F E 」は、同年6 月から「全国データ」(暫定的な集計)の開示が実施されてきたが、ほぼ1年が経って、今回の「自施設・事業所」データが開示されることになり、これも暫定的な集計ではあるが、全国データと自事業所データの対比が可能になった。厚労省は「今回の内容も改善の余地があると認識しており、継続してより質の高いフィードバックをめざす」としている。
フィードバック情報には、全国データ、自施設データのほか、今後開示される予定の自施設の利用者データがある。最終的には、自施設の集約データと全国データの変化の対比を行い、さらに利用者データの変化の対比をして、PDCAサイクルでADLなどの向上をめざしてサービス提供を行っ
ていく。
次期改正に向けて地域区分見直し要望
東京都は次期2024年改定に向けて大都市の実情を反映した介護報酬や施設基準の見直しを国に要望した。
都の要望は、①サービスの物件費や土地建物の取得費等を含めた事業所の経営状況の把握・分析を踏まえた適切な見直し、をはじめ、②地域区分の級地設定において、地域の実情を踏まえた設定や隣接する保険者間の地域的な一体性を確保するための調整等を可能にするなどを掲げた。
都は、地域区分3級地の東京都府中市と名古屋市、兵庫県西宮市を比較すると、府中市の住宅地地価は1 ㎡ 2 9 万3 6 0 0 円、家賃7 4 2 7 円に対して、名古屋市は1 9 万4 1 0 0 円、家賃4 6 5 6 円、西宮市は2 5 万1 4 0 0 円、家賃5 5 5 8 円など、大きく差違があると指摘する。