介護保険で利用できるサービスについて

Q.

夜の在宅介護を助ける夜間対応型訪問介護とは

夜間でも安心して眠れず、介護に追われる毎日は家族にとっても大きな負担がかかります。そこで誕生したのが「夜間対応型訪問介護」。ホームヘルパーが夜間に訪問し定期的にサポートする制度で、夜間の介護が必要な人にとっては心強い味方です。今回は、夜間対応型訪問介護のサービス内容や利用方法など、その仕組みについて詳しく紹介します。

夜間対応型訪問介護って何?

夜間対応型訪問介護は、2006年の介護保険制度の改正により作られた制度で、ホームヘルパーが夜間に自宅を訪問するサービスです。重度の介護状態でも、24時間安心して在宅生活が継続できるよう、夜間の18時から翌朝8時までの間に定期的に自宅を訪問します。家族だけでは介護の手が足りず、夜は安心してゆっくり休みたい方にはおすすめで、主に以下のサービスが受けられます。

【定期巡回サービス】

あらかじめ決められた介護プランに基づき、排泄の介助やおむつ交換、体の清拭、就寝中の体位変換などをサポートします。その他、服薬の介助や就寝・起床の介助、水分補給なども行います。

【随時対応サービス】

突然体調不良を起こすなどの緊急時に、自宅に設置してある「ケアコール端末機」の連絡を通じて、ホームヘルパーが随時訪問するサービスです。ケアコール端末機は、自宅でのトラブル時に、オペレーターへ直接連絡できる機器で貸出は無料で行われています。希望によっては携帯電話や自宅電話での対応も可能でヘルパーの到着までには、約30分〜1時間くらいかかります。

【オペレーションセンターサービス】

オペレーションサービスセンターでは、通報を受けたオペレーターが、利用者の状況に応じてヘルパーの派遣や、主治医への連絡、救急車の手配などを行います。主にオペレーターは、介護福祉士や看護師のほか、医師、保健師、ケアマネジャーなどが務めます。オペレーションセンターには、利用者の健康データが保管されているので、通報があった場合には、その健康データをチェックした上で対応を判断します。

どんな人が利用できるの?

夜間対応型訪問介護は、緊急時でもすぐに対応可能な「地域密着型サービス」がモットーのため、原則としてその市町村に住む介護認定を受けた人が利用できます。

【利用できる人】

・要介護認定で「要介護1〜5」と認定された人
・利用する事業所と同じ市町村に在住の人

【利用できない人】

・要介護認定で「自立」や「要支援1および2」と認定された人
・利用したい事業所を別の市町村に在住の人
・グループホーム、有料老人ホームなどに入所している人
・小規模多機能型居宅介護やショートステイを利用中の人

サービスにかかる費用は?

夜間対応型訪問介護は、オペレーションセンターが設置されているかどうかで利用料金が異なります。設置されている場合、基本サービス費に加えて、定期巡回サービス費が加算されます。

利用方法の流れについて

最後に夜間対応訪問介護の利用の流れについて紹介します。
①ケアマネジャーに夜間訪問サービスの利用を相談する
②実際に利用したいサービス内容や利用頻度を決めてケアプランを作成してもらう
③夜間対応訪問介護のサービス事業者と契約を結ぶ
④サービスの利用を開始する

サービス事業者を選ぶ際には、以下のポイントにも注意しましょう。
・態度や言葉使いは丁寧か
・サービスや介護保険の知識はあるか
・すでに利用している人からの評判は良いか
・サービス内容や料金についての説明はあるか
・キャンセル時の対応や料金の説明はあるか
・契約書や重要事項の説明はあるか
・苦情の受付についての対応はあるか

夜間対応型訪問介護は、家族の介護負担が軽減できる便利なサービス。緊急の場合でも、通報システムを利用すればオペレーターがすぐに対応するので安心です。在宅での介護負担を減らしたい人は、一度ケアマネジャーに相談し、利用者のニーズに適したサービスを検討するのも良いでしょう。

2020.07.16