綾戸智恵さんをゲストに、
お互いの在宅介護の経験についてお話しました(1)
第1回:2023/6/24放送
トークテーマ:在宅介護について
トークゲスト:綾戸 智恵さん
【東さん】 | フランスベッドプレゼンツ、そばにいるよ。介護について話そう。 こんばんは、東ちづるです。今夜と明日の夜2回に渡って在宅介護をテーマにしたスペシャル番組をお送りします。在宅介護をテーマに、ゲストの方にお話を伺ってまいります。お迎えしますのは、ジャズシンガーの綾戸智恵さんです。智恵さんのお母様は2004年に脳こうそくで右半身麻痺となりました。その後、事故で大腿骨を骨折。認知症となっていたそうです。まぁ娘さんとして十数年間の介護生活を経験されたというわけなんですね。実は私も2010年に夫がジストニア痙性斜頸という難病になりまして、2年間の在宅介護を経験しました。そんな智恵さんと私とで、お互いの在宅介護の生活について話し合ってみたいと思います。 |
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母の脳梗塞によってはじまった、綾戸智恵さんの在宅介護。
【東さん】 | ジャズシンガーの綾戸智恵さんです!こんばんは。 |
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【綾戸さん】 | 毎度! |
【東さん】 | ご無沙汰していますが、とても声はお元気ですね。 |
【綾戸さん】 | おおきに!ありがとうございます。 |
【東さん】 | 髪は、ちょっと白くなりましたねぇ。 |
【綾戸さん】 | もう染めるのやめましてん。中から白髪が出てくるから、もう勝手に生えろと思って。 |
【東さん】 | ナチュラルにね。あたしは、まだ抵抗していて(髪は)ミルクティカラーです。 |
【綾戸さん】 | 女子はね、もうそのぐらいがよろしい。 |
【東さん】 | じゃあ、もうちょっと頑張りますね。 |
【東さん】 | 智恵さんは。お母様が2004年に脳梗塞で右半身麻痺となりました。さらにそこから事故があって。 |
【綾戸さん】 | 大腿骨をボキっ(と骨折しました)。 |
【東さん】 | 転んで? |
【綾戸さん】 | うん。 |
【東さん】 | その時、お母様はおいくつでしたか? |
【綾戸さん】 | 80歳にかかるぐらいでしたね。リハビリに行って介護の2段階の番号(要支援2)やったんよ。それが今度は要介護まで上がったんよ。だから3つか4つ上がったことなんで、要介護3とか。 |
【東さん】 | 介護度が上がると共に、娘としては。 |
【綾戸さん】 | これはもう大変やと思ってんけど、リハビリのおかげや。先生も良かってん。それで自分でも食べられるところまで頑張りはって。4年、3年で。1年ぐらいでだんだんとしゃべれるようになって、それから箸を持てるようになって、(自分で食べられるようになるまで)頑張りました。おふくろは元来、頑張り屋さんやったんでね。 |
お風呂は自分で入れるもんやと思ってたから、助かりました。
【東さん】 | 在宅介護の最中ってお母様はおうちでどういう生活です?まず目が覚めました。すると智恵さんがお母様のベッドのところに行って・・・。 |
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【綾戸さん】 | 行ってというかね。横におばあちゃんが転がってきたらわかるように一緒の部屋で(寝ていました)、私は布団でおばあちゃんはベッド。 |
【東さん】 | なるほど。 |
【綾戸さん】 | (一緒に寝ていると)転んできたらわかるやん、ゴロンって。それで起きた、となったらちょっと用事してくるわと言うて。立ち上がるまでに(用事を)やってしまうねん。で、(その後に)ゆっくりと起こしてテレビ?とか御飯?って聞いて。 |
【東さん】 | お食事は流動食? |
【綾戸さん】 | 後は、(食事に)とろみを付けたり。 |
【東さん】 | お母様は、お食事はご自分で(食べられてました)? |
【綾戸さん】 | いや、私が口に運んでました。散歩に行ったり、買い物に行ったり、仕事に行ったり、最初の頃やね。連れて行ける頃ね。 |
【東さん】 | はいはい。 |
【綾戸さん】 | 今度は、しんどくなってからは介護士さんがついて来てくれて。2時間来てくれたり、お風呂入れてくれたり、いろいろしてもらいましたね。その頃は助かりましたね。お風呂なんか自分で入れるもんやと思ってたから。 |
【東さん】 | ああ。 |
【綾戸さん】 | これはあんたより上手や、て言わはんねんで。舌鳴らすから。 |
【東さん】 | そうなんですか! |
【綾戸さん】 | うれしい時、鳴らしはるからすぐ分かる。 |
【東さん】 | 在宅介護を選んだのはなぜですか? |
【綾戸さん】 | その時知らんかっただけで。 |
【東さん】 | ご存知なかったから気付いたら在宅介護という状態だった。 |
【綾戸さん】 | はいはいはい。それで(介護サービスがあることが)わかって、行ってみたらって言われて行きました。 |
【東さん】 | 娘、智恵がいない時は、お母様のケアは? |
【綾戸さん】 | 介護施設じゃなくてね。その頃は宅老所と言うてたかな。なんか短いショートステイ。そんなところに行ってましたね。それは保健所に紹介してもろたんや。おばあちゃんが帰ってくるでという時には、二人で腕上げして、袖上げして。 |
【東さん】 | 袖まくって。 |
【綾戸さん】 | それでトイレの時はこう、ベッド(から起き上がらせるとき)の手の入れ方とかね。さっと体を持ち上げるやり方とか、息子も練習したりしてくれて。 |
【東さん】 | あれって、コツがありますからね。 |
【綾戸さん】 | これでいけるとか言ってビニール手に入れて、ビニールやったら早いとか介護士さんに教えてもらって。 |
【東さん】 | 介護士さんに教えてもらったんですね。 |
在宅介護という経験をして、独りよがりがなくなった。
【東さん】 | 介護保険制度がスタートしたのが2000年なんですね。智恵さんが在宅介護を始めたのが2004年でございます。現在とは状況が異なっていたと思うんですけれども、その点いかがですか? |
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【綾戸さん】 | 何にも知らなかったです。これ割引できますよとか・・。 |
【東さん】 | はい。 |
【綾戸さん】 | これ実費ですよって、業者さんに教えてもらった、家改装した時に。へぇーって言いながら。 |
【東さん】 | 介護をしてね、私が病気になったり、夫がそうなったときに私たちをかわいそうな人にしようとする社会があるなと思った。 |
【綾戸さん】 | あぁそれはあるやろうね。 |
【東さん】 | うん。 |
【綾戸さん】 | でもそのお陰で助かったこともあるし。 |
【東さん】 | うん。 |
【綾戸さん】 | 両方あるやん。 |
【東さん】 | 両方ありますね。 |
【綾戸さん】 | それは感じますね。言われた言葉でわが身が分かる時もある。 |
【東さん】 | 在宅介護というと、その狭い中でのことを考えがちですけれども、 必ず繋がる人や社会があるっていうことですね。 |
【綾戸さん】 | それはやっぱりね。あの、ええ経験したなと今は思ってます。独りよがりはなくなりましたわな。独りよがりは大失敗するいうのは、もう身にしみてます、身体に。 |
【東さん】 | うん、いやーちょっとね、まだまだお話をお伺いしたいですね。 |
【綾戸さん】 | はい。 |
【東さん】 | この続きは明日この時間にお送りします。 |
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在宅介護について専門家の
先生にお話をお伺いしました。スペシャルインタビュー
医療法人社団 至髙会 たかせクリニック
理事長 髙瀬 義昌さん
番組について
日本は高齢化が進み、2025年には高齢化率は30パーセントを超えると言われています。
また、その頃には認知症患者の数も700万人に達し、高齢者の5人に1人が認知症という社会になると予想されています。
在宅介護は、今後、ますます増えていくことが確実であり、誰にでも身近な問題です。
この番組では、在宅介護をテーマに、介護経験のあるMCがゲストを迎え、
お互いの在宅介護の経験についてお話をいただきます。