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仕事と介護を両立させるには?
仕事と介護の両立は想像以上に大変です。最近では「介護離職」という言葉も耳にするほど、両立について悩んでいる方はたくさんいます。しかし、仕事と介護の両立は決して不可能なことではありません。両立をサポートしてくれる支援制度も存在します。ここでは、仕事と介護の両立について解説していきます。
仕事と介護の両立における現状
総務省統計局の発表したデータによれば、2017年に介護をしている15歳以上の人口は、627万6,000人。そのうち仕事をしている方は346万3,000人、仕事をしていない方は281万3,000人となっています。この結果から、介護をしている方の約半数が仕事と介護を両立していることが分かります。介護と仕事を両立している人は決して少なくありませんが、その一方で介護や看護を理由に離職する方は9万9,000人というデータもあります。そのうち再就職されている方の数は2万5,000人になります。
参考:総務省統計局「平成29年就業構造基本調査 結果の概要」
なぜ介護を理由に退職したか?
「介護に時間を割きたい」というのが退職を決意した大きな理由といわれています。また、このほかにも「協力してくれる人がいない」や「介護をすることによる心身の負担やストレス」、「勤め先の理解が得られない」などが理由として挙げられます。介護のために離職をして、再就職した人は2万5,000人いることは前述のとおりですが、この結果を考えると、離職した方の中には職場環境を変えるためだったり、どうしても両立ができずやむを得ず転職したりしている方も少なくないのでしょう。
仕事と介護を両立させるためのポイント
それでは介護と仕事を両立させるためにはどうすればよいでしょうか。厚生労働省の「平成25年度 仕事と介護の両立支援事業 仕事と介護の両立モデル 介護離職を防ぐために」に両立のためのポイントが書かれています。それぞれ見ていきましょう。
【職場に理解してもらうこと】
まずは、職場に介護をおこなっていることを伝えましょう。介護が理由で急な休暇が必要になることがあるかもしれません。その際には自分の仕事を他の方に任せるケースもあるでしょう。事前に介護について共有しておくことで周りの理解も得やすくなるはずです。
【介護保険サービスを利用すること】
介護に関してすべてを1人でおこなっていると、かなりの時間と体力を使ってしまいます。仕事どころではなくなってしまうかもしれません。そんなときは介護保険サービスを利用しましょう。例えば、食事や入浴などの身体介護などについてはホームヘルパーに依頼することが可能です。
【ケアマネージャーに相談すること】
ケアマネージャーの仕事は、要介護者および介護をする方の希望を聞いたうえでケアプランを作成すること。ケアプランは見直しができます。自分の仕事における現状を話せば、必要に応じたサービスが使えるようにアドバイスをくれることでしょう。介護の悩みやストレスなどかあればケアマネージャーに相談してみてください。
【家族と良好な関係を築いておくこと】
介護はいつ始まるか分かりません。急に始まってもよいように、家族が元気なうちから介護について話し合っておくとスムーズです。また、介護が必要になった場合には配偶者や子供の協力が必要です。要介護者とのコミュニケーションはもちろん、介護を協力する家族ともコミュニケーションを心がけておいてください。
【自分の時間を確保すること】
自分の時間を確保することは忘れないでください。介護のことを考えすぎると疲れがたまってしまいます。その結果、仕事に悪影響を与えてしまうこともあるでしょう。自分が健康でなければ、よい介護はできないということを覚えておいてください。たまには息抜きをしながら向き合っていくことで仕事と介護の両立がしやすくなるはずです。
両立のために支援制度も利用しよう
仕事と介護を両立させるための支援制度についても利用するとよいでしょう。政府は「介護離職ゼロ」を成長戦略に掲げて、様々な施策を打ち出しています。例えば、「介護休業制度」です。介護休業制度とは、労働者が要介護状態にある家族を介護するために一定の期間休業することができる制度になります。利用条件としては……
■同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている男女労働者(日々雇用は除く)
■介護休業開始予定日から93日を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること
以上になります。この制度は、育児・介護休業法で定められている制度になり、事業主は介護休業の申し出を拒否することはできません。
以上、介護と仕事の両立について見てきました。確かに両立させることは簡単なことではないのかもしれません。しかし、同時に不可能ではないということもお分かりいただけたと思います。まずは家族や職場の方々、ケアマネージャーにも相談してみてください。1人で抱え込まないことが両立のポイントです。
2020.07.16