よくあるご質問

介護の仕事について

Q.

生活相談員(ソーシャルワーカー)とは

生活相談員という言葉を耳にしたことはありますか?一般的にはソーシャルワーカーともいわれていますが、具体的にはどんな仕事をするのでしょうか?また似たような職種に、医療系ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、ホームヘルパーがありますが、それぞれと何が違うのでしょうか。生活相談員の一日の仕事内容や、上記の各職種との違いについて紹介します。

生活相談員とは

生活相談員は、特別養護老人ホームや、デイサービス等の介護施設に勤務し、利用者とその家族の相談を受けて介護サービスを利用するための介護計画書(ケアプラン)を作成します。一般的にはソーシャルワーカーとも呼ばれ、ケアプランの作成以外にも以下の業務を担当します。

・特別養護老人ホームなど入所施設の入退所の手続き
・利用者や利用者家族からの相談対応
・ケアマネジャーや医療機関などとの連絡調整
・現場での介護業務
・現場でのマネジメント業務など
・苦情の対応窓口
・その他

生活相談員は、介護を現場で支えるというより、現場を支えるスタッフ、ご家族、他の機関との連携を図る「相談窓口」の役割を果たします。さらに、勤務する施設によって、求められる業務も変わるため、臨機応変に対応する能力が必要になります。

生活相談員になるには

生活相談員は、よく資格の名称と間違われることがありますが、これは職種の名称です。生活相談員として働くには、以下の3つの資格のうち、いずれかを持っていなければなりません。

(1)社会福祉士
(2)精神保健福祉士
(3)社会福祉主事任用資格

(1)の社会福祉士と(2)の精神保健福祉士は国家資格ですので、福祉系の四年制大学で定められた課程を修了し、国家試験を受験して合格する必要があります。以下、それぞれの資格を取得するための方法を紹介します。

(1)社会福祉士…主に福祉系大学で指定科目を履修した上で、国家試験を受験し合格
(2)精神保健福祉士…主に福祉系大学で指定科目を履修した上で、国家試験を受験し合格
(3)社会福祉主事任用資格…大学などで社会福祉に関する科目(厚生労働大臣が指定する科目)を3科目以上履修

都道府県によって生活相談員の資格要件が異なる

生活相談員になるには、前述したように、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかを所有する必要があると紹介しましたが、都道府県によっては、この3つの資格を持っていなくても、生活相談員として勤務できるケースがあります。特に介護業界にて、以下の経験がある方を対象としています。

・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・老人福祉施設の施設長経験者
・一定期間の介護職経験者
・保育士 など


【必要な資格がなくても生活相談員になれる都道府県例】

生活相談員に必要な、「社会福祉士」、「精神保健福祉士」、「社会福祉主事任用資格」の資格がなくても生活相談員になれる都道府県(一例)を紹介します。※2019年12月時点
・青森県…社会福祉施設等で2年以上の介護業務または相談業務の経験がある方
・山形県…介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士(1年以上の介護業務または相談業務の経験があること)
・福島県…介護支援専門員(通所施設のみ)、介護福祉士(通所・入所施設で5年以上の経験がある方)
・千葉県…介護福祉士、介護支援専門員
・東京都…特別養護老人ホームにて、介護プランの作成を1年以上(勤務数180日以上)の経験のある方
・愛媛県…介護支援専門員、介護福祉士(常勤で2年以上の勤務経験のある方)

生活相談員とケアマネジャー・ホームヘルパー・医療ソーシャルワーカーとの違い

【ケアマネジャーとは】

ケアマネジャーは、正式名称を「介護支援専門員」といい、ケアマネジャーは、利用者の専属マネジャーのようなもので、利用者のニーズに合わせて、介護支援計画書(ケアプラン)を作成するのが主な業務です。地域の住民を招いたイベントの企画運営や、住民との交流を図るなど地域と良好な関係が作れるサポーターの役目を果たします。

ホームヘルパーとは

ケアマネジャーが作成したケアプランに従って介護サービスを提供するのが、ホームヘルパーです。正式名称を「訪問介護員」といい、利用者の自宅に訪問して、食事・入浴・排泄の介助などを行う「身体介護」、ベッドメイキング、掃除、洗濯、食事の調理や後片付けを行う「生活援助」を担当します。

【医療ソーシャルワーカーとは】

生活相談員(ソーシャルワーカー)は、主に特別養護老人ホームや、デイサービス等の介護施設に勤務し、利用者とその家族の相談を受けて介護サービスを利用するための介護プランの作成などを行いますが、医療ソーシャルワーカーは、病院などの医療機関において、患者とその家族の相談を受けながら、入院時の部屋の準備や、退院時の日程調整のほか、退院後の生活状況も把握し、場合によっては福祉用具や自宅改修の提案も行い、患者が問題なく生活を送れるよう関係者と連絡調整を行います。

生活相談員(ソーシャルワーカー)の仕事内容や、医療系ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、ホームヘルパーとの違いについてご理解頂けましたでしょうか。生活相談員は、利用者とそのご家族と介護の現場を繋ぐ、架け橋のような存在で、現場を熟知しているからこそ、介護サービスの品質向上のカギを握る重要な役目でもあります。ご家族の方が介護でお世話になる場合には、生活相談員に気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

2020.07.16