地域包括支援センターとは、高齢者が地域で生活することができるように、健康の保持や生活の安定のために必要な援助を行う組織です。全国で5,000以上の数があり、市町村で固有の名称を付けていることも少なくありません。そのため、あんしん相談センターやシニアサポートセンターなどと呼ばれていることもあります。
地域包括支援センターは主に、地域包括ケアシステムを構築するための中核的な機関として市町村が設置しています。この地域包括ケアシステムというのは、高齢者が人生の最後まで住み慣れた地域で過ごすことができるように、地域で包括的な支援やサービスを提供する体制のことをいいます。
地域包括支援センターには、保健師や主任ケアマネージャー、社会福祉士などが配置されていて、チームを組んで業務を行っています。医療については保健師、介護に関しては主任ケアマネージャーといたように、相談者の様々な問題に関して、専門家から適切なアドバイスや支援を行うことができます。各分野の専門家が揃っているので、医療や介護に関してどこに相談すればよいのか分からないといった場合にも利用することが可能です。
また地域包括支援センターごとに実施しているサービスが異なるのも特徴です。例えば介護者のためのヘルパー養成講座や、高齢者同士の交流を深める食事会など、地域によって様々な取組みを行っています。
高齢化が急速に進行する日本では、国民の医療や介護の需要が、今後さらに増加していくことが見込まれています。高齢化によって、医療や介護サービスの利用にあたり、病院への入院や老人ホームへ入所が現在より難しくなるでしょう。結果として、医療や介護が必要な人や高齢者などを、在宅の医療や介護でケアする機会が増加します。このような背景もあり、高齢者が地域で生活することができる仕組みを作ることが構想され、地域の中核となるべく設置された機関が地域包括支援センターなのです。
介護を行ううえで、何か困ったことがあったときには、まず地域包括支援センターに相談するといいでしょう。事前に連絡を入れておくことで、悩んでいる分野に詳しい専門家へスムーズに相談することができます。
2023.07.12更新