介護福祉士とケアマネージャーは、どちらも介護現場においては中心的な職種です。ここでは、よく混同されてしまう両者の違いを、仕事内容や受験資格から具体的に解説します。
【介護福祉士とケアマネージャーの仕事内容の違い】
介護福祉士とケアマネージャーは、そもそも仕事内容に大きな違いがあります。介護福祉士の仕事は、介護そのものです。食事や入浴、外出、排泄の介助といった一般的な介護業務を行います。一方、ケアマネージャーの仕事は、介護保険制度に準じたケアプランの作成です。介護福祉士をはじめとするさまざまな職種との連携が求められます。つまり、介護の実務を行うのが介護福祉士で、総合的な管理を行うのがケアマネージャーと言えます。
【介護福祉士とケアマネージャーの受験資格や合格率の違い】
介護福祉士とケアマネージャーには、試験の受験資格に大きな違いがあります。介護福祉士の受験資格は、「3年以上の実務経験」と「実務者研修の修了」です。介護士の養成施設の卒業と同時に介護福祉士の資格を取得することもできます。
一方、ケアマネージャーの試験を受けるには、『「規定の国家資格」または「相談援助業務」で、一定期間の実務に従事していること』と『5年以上の実務経験(かつ900日以上従事)』が必要です。
介護福祉士の合格率は60〜70%ですが、ケアマネージャーの合格率は20%程度です。このことからケアマネージャーは難関資格として認識されているようです。
【介護福祉士とケアマネージャーの介護現場での関係】
ケアマネージャーは介護福祉士からのステップアップ資格としてとらえられています。介護福祉士として経験を積み、難関のケアマネージャーに挑戦するというプロセスが一般的です。両者は、介護現場では上司と部下の関係となります。介護福祉士はケアマネージャーが作成したケアプランにしたがって介護業務を行わなければなりません。介護福祉士のマネジメントを行ったり、要介護者の家族と接したりするのは、ケアマネージャーの仕事です。ケアマネージャーの判断によっては、介護福祉士が直接家族とやり取りする場合もあります。
2023.07.12更新