高齢者ケアについて
高齢者にはベッドと布団どちらがよい?
「高齢者にはベッドと布団のどちらがよいか」という選択は、高齢者が生活するうえで、重要な問題です。ここでは、高齢者が眠る環境として、ベッドと布団のどちらが適しているのかを説明していきます。
【高齢者にとって、寝起きしやすいのはベッド?布団?】
一般的に、高齢者に適しているのはベッドです。高齢者にとって、体が起こしやすいかどうかは眠る環境を決めるうえで重要な判断材料です。床に敷く布団よりもベッドのほうが、床からの距離があり、足腰の弱っている高齢者でも楽に起きることができるでしょう。布団の場合、起き上がるときに布に足をとられて転倒してしまう可能性があります。また、介護者もあまりかがむ必要がないため、負担を減らすことができます。ただし、ベッドは転落の危険性があります。座ったときに足の裏がつくような高さのものを選びましょう。
【布団はベッドより、高齢者がホコリを吸い込みやすい】
空気中のホコリを吸い込むと、風邪や感染症のリスクが高まります。体の抵抗力が低い高齢者の場合、若い人よりも感染症に対して警戒していなければなりません。そして、ホコリの吸い込みやすさを左右するのが、ベッドか布団かの選択です。一般的に床から30cmほどの高さに、空気中のホコリは漂っています。布団に寝転ぶと、ホコリが多く漂う位置に顔がきます。つまり、ホコリの吸い込む量を減らす意味でも、ベッドのほうが適しているといえるのです。ただし、ベッドの場合には、ベッドの下にホコリが溜まりやすいので、こまめに掃除する必要があります。
【高齢者が暖かく眠れるのは布団よりベッド】
暖まった空気は上へ流れていきます。逆に冷たい空気は下に流れ込みます。寒い冬に暖房を使っても、床に敷かれた布団では暖かさを感じられないかもしれません。しかし、ベッドには高さがあるので、流れてくる空気の暖かさを十分に感じられます。湿気がこもりがちな夏も、ベッドの下を空気が通り抜けるように工夫すれば、快適に過ごすことができます。このように、暖かさや通気性に優れ、気持ちのよい眠りが得やすいのもベッドです。
2018.09.30