介護用品について

Q.

在宅介護でナースコールを設置することはできますか

在宅介護のため、自宅に家庭用ナースコールを設置することは可能です。昨今は、家庭用のナースコールが普及しており、介護用品専門店やインターネットで購入できます。在宅介護においては、ナースコールのように自宅内で連絡を取り合える手段を備えておきましょう。ナースコールを設置すれば要介護者と介護者とで、離れた位置から意思疎通がしやすくなり、介護にかかる手間を軽減することができます。さらに、緊急時に素早く介護者が対応できるようになり、高齢者の安全を守ることにも繋がるでしょう。今回は在宅介護のためのナースコールの種類や、具体的な機能について紹介します。

ナースコールとは?

そもそもナースコールとは、その名の通り入院患者が看護師さんを呼び出すために使用する装置です。病院では、入院患者のベッドに備え付けられていることが多く、ボタンを押すだけで常駐している看護師さんと連絡を取り合うことができます。さらに、病院だけではなく介護施設の入居者用にも同様のナースコールが備え付けられており、こちらは常駐している施設職員や介護士の方との連絡に使用します。介護施設のナースコールは、看護師(ナース)以外の方とも連絡を取り合うケースも少なくありませんが、便宜上「ナースコール」と呼ばれることが多くなっています。

在宅介護で使用する家庭用ナースコールとは

上記のように病院や介護施設で使われるナースコールは、患者や入居者のベッドにそれぞれ設置されているため、施設向けの機能が備わっています。例えば、どこの部屋のだれが使用したかを記録として残せる機能や、急に病状が悪化した際に素早く応急処置ができるよう、医師と看護師の両方に知らせる機能など、情報共有や事後対応がしやすいように設計されています。

家庭で介護用に使用するナースコールは、施設向けのナースコールの簡易版とも呼べるもので、一般住宅での使いやすさが重視されています。この、家庭用ナースコールを大まかに分類すると、以下の種類に分けることが可能です。

家庭用ナースコールの種類

【ブザータイプ】

ブザータイプは、ボタンを押すとスピーカーからブザーやチャイムが鳴る機能を備えたナースコールです。玄関のインターホンをイメージすると理解がしやすいでしょう。在宅介護においては、「何かあったことを知らせる」という点にのみ使用できます。シンプルな仕組みでコストが安く、設置する手間もかかりません。要介護者の寝室やベッドに簡単なナースコールを設置したいだけであれば、呼び出しブザーの導入を検討するのも手です。

【通話タイプ】

通話タイプは、電話やスマートフォンのように音声通話機能が備わっているナースコールです。先に挙げたブザータイプと比較をしても、より細かな意思疎通がしやすいというメリットがあります。中には、音声だけではなくカメラで映像を確認しながら通話ができるテレビ電話のようなナースコールも存在します。ただし、通話や映像の通信にはネットワーク環境が必要となることも多く、設置場所によっては使用できないこともあります。

【増設可能タイプ】

増設可能タイプは、複数の場所に設置できるナースコールです。急な体調の悪化といった万が一の事態に備えて、ベッドだけではなくトイレや浴室などの場所にもナースコールを設置したい方に向いています。また、複数人の方を介護する必要がある場合においても、増設可能タイプのナースコールが重宝するでしょう。

【無線タイプ】

無線タイプは、トランシーバーのように無線通信の機能を備えたナースコールです。無線機同士で呼び出しが可能で、要介護者と家族のそれぞれが所持していれば、場所を選ばずに連絡を取り合うことができます。ただし、電波が届かないほど離れてしまうと、いざという時に呼び出しや通話ができなくなるという点は留意しておきましょう。

このほかにも、屋外でも使える防水タイプや、バッテリーが不要な自動発電タイプなど、ナースコールの種類によって備わっている機能は様々です。ちなみに介護用に使用される家庭用ナースコールは、呼び出しチャイムや緊急通報システムなど、ナースコールという名称が使われないこともあるため、購入の際は名前や機能をよく確認したうえで購入するようにしましょう。

フランスベッドでは、音声通話機能を備えたワイヤレスで使用できるナースコールや、徘徊防止の赤外線センサーを備えたナースコールなど、多彩な機能を備えた商品を取り揃えています。
詳しくはフランスベッド福祉用具販売・レンタルカタログをご覧ください。

家庭用ナースコールを設置する際の注意点

自宅に家庭用ナースコールを設置する際は、要介護者の方に危険がないように配慮してください。例えば、ナースコールを押しにくい場所に配置してしまうと、緊急時に使用ができないだけでなく、無理に押そうとして転倒をしてしまうこともあります。要介護者の方が押しやすい場所に配置することに加え、必要に応じてナースコールの周りに手すりなどを設置するのが理想です。

最後に、設置したナースコールを放置するのは避けるようにしましょう。長期間鳴らさずにいると、ナースコールの故障や電池切れにも気づきにくくなります。緊急時に鳴らせないようでは、ナースコールを設置している意味がないため、しっかり動作するかどうかを定期的に確認するようにしてください。

2023.07.12更新